2019/09/19
dcst小ネタ2 兼任司書?
「ナマエさまー、ナマエさま、ナマエさま、ナマエさまー」
「どうかしましたか」
「俺たちの他に!人間!いた!!」
「そりゃあそうでしょうに」
「だから、連れてきた!」
「それは……」
はた、とあった目に、どうも、と頭を下げておく。動きを止めてる他に、私は住人をみる。
「兄様には言いました?」
「あ、カナタ様には言ってねぇ!!」
「ややこしくなるので兄様にお話しといて下さい」
「わかりましたー!」
そうかけていった彼らを見送り息を吐く。こちらをまっすぐに見た彼らに、どうぞおあがりください、と言いかけて怪我人がいることに気づく。なるほど。通りで何もせずに来るわけだ。
「部屋を一部屋お貸ししましょう、旅の方。食事と湯あみの準備も」
「……それはありがてぇな」
「こちらにおあがりください。泥が付いていても構いません」
そう促せば彼らは恐る恐るやってくる。とりあえず何かあった時の空き部屋に案内する。人が結構いるのをみると、大きな部屋の方が良さそうだ。
何をコソコソ話しているか、は置いておいて、部屋に行き布団を引いてあげる。途中にいた子供に森先生(意味がわからない事態すぎて召喚した)を呼ぶことと、水を張った桶を持ってくることを頼んでおいたので時期に来るだろう。
「まさか、村以外にこんな場所があるなんて……」
「村……といいますと、石神村の方ですか」
「知ってるのか!?」
「昔、恐らく不漁だった際に幾人かが新たな移住場所を求めて旅だったでしょう?そのうちの幾人かがこのあたりに住み着いたので。石神村の方へ食糧を運ぼうとも思ったのですが、どうやら運だけでこちらにたどり着いてしまったようで」
その節は申し訳ございません、と静々と頭を下げておく。まぁ、淡々と怪我の処置もしておくが。
「ナマエ、よんだか。……と、見慣れない服と顔の奴らだな」
「旅のお方です。怪我をされているようでして」
「怪我?」
「あらかたの処置はしたのですが……道中の怪我みたいなので」
「獣に襲われたか?」
「いや、道中派手にすっ転んだ」
「その周辺に朽ちたコンクリートや錆びた鉄などはなかったな?」
「……あぁ」
「ならば、破傷風の心配もあるまい。きずを清潔に保て。消毒液をやるから、2日に一度は消毒をしろ」
「……しょう、ど……?」
「……そうだった、街の外はそうだったな」
頭を抱えた森先生に、しかしながら何人かはわかってるんだよなぁと思う。と、いうことは。
「その二人はともかく、他は文明保持者の方ですね」
私の言葉に彼らは動きを止める。
「文明保持者?」
「違いましたか?ああ……ここでは旧来の知識を持つ方は文明保持者、または時間旅行者と言ってます」
「ということは君も?」
「そうですね、私も文明保持者です。私の兄と、森先生他幾人かは」
嘘ではない。ただ、私達は石化していないし、森先生や刀剣たちを含めた他幾人かは私や兄が召喚しているために文明保持者だ。もちろん、石化が解けた子供なんかもいるが。
「君がこの街を作り上げたっていうのかい?」
「というよりは、私や兄他数人がこの社に住んでいたんですが、他から来た人達の面倒を見ていたらその人達が街を作った、が、正しいでしょうか。そのまま面倒をみてるというか」
まぁ、最初は見よう見まねで家を作ろうとするので教えたりしていたのだが、まぁそれは与太話だろう。
「ということは貴女が指導者ですか?」
「兄も私も他も指導者になった覚えはありませんよ。ただ、知識を分け与えているだけです。なにぶん、石から人になったのが子供達が多かった故に」
「ナマエ様ー夕餉です」
そう言って少年少女と秋田が出したのは日本食である。私もそろそろ仕事があるため席を外すとする。
「私は仕事があるので席を外しますが、何かあれば彼らに申し付けください」
「先生ー!柘榴ばぁがぎっくり腰なったー!」
「わかった、向かおう」
一礼してその場から離れる。まぁ、悪い人達ではなさそうである。
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「あの人、どっかで見たことあるんだよねぇ」
そうぼんやりと告げた私に、羽京さんが「知り合いかい?」と尋ねる。うーん、と悩んでいる私をよそに、千空くんがペタペタと周りを触ったりふとんを触ったりしている。
「街は江戸時代の建物のつくりっぽいんだが、ここはまた違うつくりだな。神社に近い」
「神社?」
「あぁ、神社とか寺とかは千年持ったりするんだよ。状態が良ければな」
「神社……あ、あー!思い出した!あの人、近所の神社に住んでためちゃくちゃ頭がいい巫女さんだー!」
そう叫んだ私に、全員こちらを見た。うん、あの年齢不詳の巫女さんで間違い無い。羽京さんがこちらをみた。
「近所の神社?」
「はい!私の家の近所に、文芸の神様と武芸の神様を祀っていた神社があったんですけど、そこの巫女さんだと思います。兄様って言ってたのは神主さんかなぁ」
「ってことはここは神社の社ってことかな」
「あー、宗教の奴がでてきたか」
「宗教?」
「宗教っつっても、てめー、神道は万物に神様宿るから大事にしましょうね、命は粗末にせず自然の恵みに感謝しましょうねってことだし、街の奴らには強制してねぇよ」
不意に聞こえた声に私達は動きを止める。後ろを見れば着物を着た青年が障子の枠に持たれていた。わらわらといた少年達が、カナタ様!と彼を呼んだ。
「おー、ガキども。ナマエは?」
「ナマエ様は仕事があるとおっしゃっていました!」
「治水工事の計画がなんたらと」
「アイツまじでワーカーホリックだな。で、外から来たのがお前らか」
「いつのまに……」
「気にすんな、野盗とかじゃなきゃ敵じゃねぇよ。まぁ、今んところ味方でもねぇけどな。ま、ゆっくりしていけばいい」
ひらりと手を振った彼はそのまま障子を閉めてでていく。うーむ、神主さんは謎である。あとお米に感動したのは悪く無い。
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「話がしたい」
「主は今忙しいんだ、帰れ」
「長谷部さん、そんなにかっかっしなくとも……そろそろ休憩しようと思っていたところですし、構いませんよ」
「しかし」
「お茶の準備をお願いします」
そう言って筆をおき、伸びをする。長谷部さんが渋々頷いたのを確認し、そして簾の外にいる彼彼女らに入るように促した。
「え、入っていいのか?」
「構いませんよ」
おずおずとは言ってきたうち、昨日寝込んでいただろう少年が興味深そうにキョロキョロする。いや、彼以外も周りを見渡したりしているが。
「うわぁ、本当に神社の中だ……」
「えぇ、まぁ、神社を補強したので」
「アンタだけか?」
「なんだ、俺にも用があったのか。てっきり妹を連れ去る気かと思ったぜ」
声が聞こえて私達は肩を揺らす。彼女が兄様、と上に向かって言えば上から青年が降りてきた。
「兄様、意地悪はおやめください。で、お話とは?」
「はっきりいうと、アンタ達の技術が欲しい。街を見てきたが、家づくりだけじゃ無い、治水、道路、畑、田んぼ……
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