2019/09/19
我ら〜軸でpxz
「ナマエが元気そうでよかったよ」
そう笑った他の世界の兄(こちらの世界の祖父に似ているが)にまぁ確かにその世界の私は不健康なイメージがあるんだよなぁ、と苦笑いした。というか、事実、体が弱かったのだが、まぁこちらは魔力供給を常にしている分には元気である。気恥ずかしなぁ、と思いながら、私も、お兄ちゃんが元気そうでよかったよ、と伝えれば彼は目を瞬いたのだけれど。
さてさてまた変なところに飛ばされたものだなぁ、と思う。ゆらぎのせいで意図せぬレイシフトを繰り返しているのが現況である。フジマルくんやマシュちゃんとは逸れてしまったが、恐らく彼らは無事だろう。パスが繋がっているために英霊は呼べるだろうし、この少し変わったパーティーにいれば安全だろうとは思うわけで。ガントで乗り切っていた私を助けたのがまぁ兄だったからこうなったのだが。兄をつねりあげたサクラさんが私を見て口を開く。
「別の世界のナマエちゃんかぁ。そう言えば、髪の色も少し違いますね。なんとなく同じ人物だとはわかるんだけど……」
「まぁ、私は日本人ではなく日系チェコ人なのでその加減もあるでしょう」
「ちぇこ?」
「あーえーと、その時代じゃチェコスロバキアでしょうか。東欧ですね」
兄はなんとなく位置を把握したのだろう。あぁ、と納得してーーいい!?と驚いて見せた。
「私が元からちょっと多次元の記憶を持ってる変わってる人間なので、そこは割愛します。ちなみにお兄ちゃんはお爺様の若い頃にそっくりです」
「お爺様……」
なんだか項垂れている兄に、私の唯一の家族なので、と告げておく。彼はまた目を瞬いて私を見下ろしたのだけれど。
「で、えーと」
「あ、申し遅れました。ナマエ・レドウィノガーです。恐らく言いにくいのでナマエでかまいません」
「ナマエ、じゃの」
「ナマエはどうしてここに?」
「えーと、仲間といたんですが、なにやら怪しげな物体と出会ってここに。気づいたらあんなのが一杯いてびっくりしました」
「巻き込まれたか……」
頭を抱えた彼に、私は首を傾げる。それに伴い名乗ってくれた彼らはいい人というか。とりあえず解決しないと元に戻れないらしいので一緒に行動するとする。
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「ナマエ、大丈夫!?」
フジマルくんの声に私は肩を跳ねさせる。ダイレクト通信だ。周りはキョロキョロと見渡しているが。
「フジマルくん、無事でしたか。私は大丈夫です。親切な方々に保護されました」
「よかったぁ、ナマエだけいなくなったから、慌てて戻ってきたんだけど、ナマエはまだレイシフト中ってなってるし……」
「ダヴィンチちゃんが存在証明を繋ぎとめてたので、助かりました」
マシュちゃんの声に私はホッと息を吐く。
「ナマエ、これは?」
「あーえーと、私の世界の通信といいますか」
ほおをかきながら苦笑いをする。
「仕組みが恐らく違うのでわからないかもしれません。科学と魔法が混じったような物なので」
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落下中である。まぁ敵に攻撃を受けてわざと落下したというか。なので、いつも通り、アーチャー、と呼んでみる。近くに光の粒が現れて、彼はすぐに察したらしい。私を姫抱きにして減速して止まって見せた。
「全く、貴女はまだ無理を。私が間に合うからいいものを」
「アルジュナさんは絶対に間に合わせてくれるでしょう?」
「ええ、もちろん。私はマスターの一番のサーヴァントですので」
そう告げた彼に私もニコリと笑っておく。
「反撃といきます。あと二人はお呼びしたいところです」
「……勝手についてきてますよ」
そう言った彼に他のアーチャーが来ていたんだろうか、と思えばヴラド公とネロさんがいる。
「奏者!たまにはセイバーと叫んでも良いではないか!いつもアルジュナばかり!」
「貴公にキャッチできるとは思わないが」
ヴラド公の言葉にネロさんが「できる!」とぽこぽこ怒った。可愛らしい方である。
「あそこに戻らないといけませんね。私はネロさんと迂回して戻りますので、お二人は先に彼らと合流してください。なかなかピンチだったので。恐らく、一人、私に似た魔力を持つ人間がいるのでそちらに加担していただければ」
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