2020/01/08

年末年始没ネタ祭2 妹ちゃん新サクラ@

・ちょっと改変

==

「まず歌をもうちょっと練習したほうがいいと思う」
そうはっきりと告げたのは女学生ぐらいの少女である。最初は少年かと思ったが、帽子をあげたその下にあったのは女の子の顔だった。花組の感想を、というふうな流れになり感想を一人一人から聞いている最中であるが、帝劇の常連であるいつきちゃんにこの子からも聞いたほうがいいと言われたのである。歌の練習、とメモをする俺をよそに彼女は「なんで全員そうなるんだろうなぁ」だなんて首を傾げていた。
「ピアノの調律がずれてたりするんじゃない?演技についてはわかんないけど、歌劇なんだからもうちょっと歌も頑張ってほしいなって」
彼女はそこまでいうと俺をじっとみた。そういや見たことない人だね、と言った彼女に今更かと苦笑いする。
「帝劇職員の神山誠十郎です」
「もぎりの人?」
そう問いかけた彼女に頷く。フゥン、と何か納得した彼女は俺をみて首を傾げた。
「大神や加山っていう人知らない?」
「え?知らないなぁ」
「知らないならいいよ」
彼女は首を左右に振って、次は頑張ってねだなんて言いながら帝劇を後にする。俺はやれやれと頭をかいて、この感想をどうやって伝えるか頭を悩ませた。

次にあの子を見たのは、ゲキゾウくんの中にいる時である。でっかいゲキゾウくんだ!と目をキラキラとさせながらやってきたあの子はこちらの目を覗き込むとーー抱きついてきた。ゲキゾウくんに抱きついているんだと自分に言い聞かせる。子供がぬいぐるみに抱きつくようなことだろう。
「はー、でっかいゲキゾウくん……可愛い……いつのまに作ったんだろ……」
そう少し離れて見上げた彼女は、持って帰れないかな?だなんて言葉をこぼす。
「持って帰れたらおかあさん喜ぶのになぁ。ぬいぐるみの値段、もうちょっと下げてくれないかなぁ」
悶々とした表情を浮かべた彼女は、そのまま名残惜しげにその場を後にした。……値段ぐらいは掛け合ってみよう。

==



 Comment(0)
雑多 

次の日 top 前の日