2020/01/08

年末年始没ネタ祭7 pkmnC

==話が変わる

仕方なく悪役である。わーい、ギーマさんと敵対だよ!でも仕方ないネ!私に懐いたおんなじような子供が悪役側にいるんだもの。多分、ジラーチと融合してるっぽい。その子の前以外では悪役に徹してみる。映画でもほら悪い心を植え付けられて暴走してるじゃん?それだよね!
「セレビィのおねえちゃん、かえってきてね」
そう言ったあの子に、勿論とうなずいた。カラコロちゃんに目配せする。うなずいたカラコロちゃんとポケモン達に私はあの子を任せてその場所をあとにした。

ーーまぁ、ギーマさん達とこんにちはしちゃうんだけどね!!わぁい、悪役、と思いながら私の上司的な人に寄り添っておいた。従順なフリである。フフンと目に好戦的な視線を宿して、擦り寄るように上司のそばから彼らを見下ろした。時間を稼げという命令に、まぁセレビィはクソだとポケ廃ラティオス兄が言ってたからなぁ、と思う。喋れないふりをしているのは喋るとボロがでちゃうからだ。さて、普通にやると私の玉砕が見えてる、ので、私が滅多にいない部屋は特殊な仕掛けがある。それは私の部屋以外の部屋もそうなっているので彼らもわかっているだろう。くるりと宙に浮けば、上司的な人は満足げに笑って奥に消えた。
「ナマエさん」
そう呼んだトウコちゃん達に私はなんだそれ、という風に首をかしげる。
「……もう自分の名前も理解できないというのか?」
「当たり前だろ」
組織の人はそう言って鼻で笑う。
「そいつはもう人間じゃないんだから」
そして起動したルーレットに私は目を閉じる。少しでもいいのだ。少しでもいいから、あの子が逃げる時間を稼げばいい。そうすればきっと。

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ぼんやりとする頭で周りを見る。組織の人が何かを言っているがそれさえもあまり聞き取れそうもなかった。しかしその組織の人達は唸るような声に一目散に逃げていったようである。私はそっと息を吐いて目を閉じる。そのまま無理矢理体を動かして前を見た。そこにいたトウコちゃん達は動いた私を見て驚いたようだった。敵意はないのだとヘラリと笑ってみた。こうなったらとあの子の部屋に通じる時空の歪みにカトレアさんとシキミさん、ハルカちゃんとメイちゃんあたりをつっこんだ。その瞬間向いた敵意にもう相対する力もないのである。私は座り込む、というよりは崩れ落ちるように倒れた。そうして意識は消えたのである。

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「ナマエ」

声が聞こえた。私の髪を撫でる感覚もする。誰かが抱き抱えている感覚もする。その誰かなんてわかりきっている。
「どうやら、ナマエがいた元の世界に戻るらしいぜ」
その言葉に私は答えなど言えない。少しの沈黙、そして、賭けをしようじゃないか、と、彼は提案してみせた。
「何、簡単なことだよ。君がこの世界にとどまるかどうかだ」
この人はすぐそうやって賭け事にする。
「オレは君が残ることに賭ける」
ーー私は戻ってくることにかける。
そうするしか、願えない人だ。彼も私も。
ーーだから、忘れないでよ。
「だから、消えてくれるなよ」
その言葉に、私はこたえることなどできないのだ。すっと、体が軽くなる。目を少しあければ、キラキラとした粒子が宙に舞っている。そこにいる彼は、顔を歪ませている。何かに耐えるように。何かをこらえるように。それでも溢れたものを手で拭う。チカチカと手が透ける。消えていく。もう少し一緒にいたいと願うのはいけないことなんだろうか。そっと体を起こして彼に抱きついた。
「消えるなよ」
そんな声も音にならない。弾けるように、私の視界は眩しく光る。ぎゅっと目を閉じてーー開く。そこに彼はおらず、懐かしささえこみ上げる学校から帰り道だった。


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それからは懐かしい学校生活へと変わる。ただの人間になった私は周りの人と同じ人生を歩み始める。あれは夢だったんだろうか。いつのまにかあったDS、私がプレイした記憶がないイッシュ地方の冒険。そこには主人公はおらず、手持ちは確かにカラコロちゃんをはじめとした私のポケモン達である。バグじゃないの、と友人は会社に送ることを勧めてくれたけれど、なんとなくそれはできなかった。せめて一緒にいたいと、DSをモンスターボールの代わりに鞄の中につっこんだ。そうして夢だったのか、と思い始めた時である。ブラックホール的なものに吸い込まれたのは。友達を突き飛ばし、そこに吸い込まれる。目をまた開けば砂浜である。漣の音が聞こえる。ずり落ちた鞄からはモンスターボールが転げ落ちた。地面に落ちたボールはコロコロところげ、誰かの足でとまる。見知ったような革靴である。
「レディ、モンスターボールが落ちたようだ」
そうモンスターボールを拾い上げた彼に、私は彼をみた。そうして、彼もまた私をみたんだろう。か細く、ナマエ?と呼ぶ。
「……あぁいけないな……あの子はもういないっていうのに」
苦笑いした彼は年を多少重ねている。クマがある。寝れていないのだろうか。でも、それはおいておいて。賭けは私のかちだ。
「ギーマさん」
そう彼を呼ぶ。彼は目を見開いた。ぽとりと落ちたボールからはカラコロちゃんが現れて私を見つけて嬉しそうにカラコロないた。
「かえってきたよ、ギーマさん」
視界がぼやける。私は笑えているだろうか。
「かえってこれたよ」
ポロポロと泣いたら、足音をたてて彼はくる。そうして彼は大事そうに私を抱きしめた。

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偽物かもしれない。きっと彼はそう思っているから、時折試すような言動をするし、疑うような言葉を投げかける。そりゃあ信じないよなぁ、と理解はする。本来なら戻ってこれないのだ。戻ってこないのだ。夜の海を眺めてそう思う。私が抜け出しても彼が追ってくることなどない。冷たい海に足をつけた。
彼にとって私はあの頃の私ではなく、あの頃の私に良く似た誰かなのだろう。
それを理解したくはないけども、理解してしまった。ポロポロと流れた涙を袖で拭う。それでも止まらない涙に、蹲み込んでーー海に沈む。涙を誤魔化すにはちょうどよかったのである。水の中で泣いてしまえば、それは海にとけるのだから。しかし、誰かが引っ張りあげる。そこにいた彼は震える手で私を掴み、真っ青な顔で私をみていた。
「また消える気かい?」
それは怯える子供に似ている。
「またおいていかれるのか、困ったな」
彼はそう言って笑った。いや、笑ったつもりだろう。
「頼む、どこかにいくならば、オレもつれていってくれ。キミがナマエ本人だろうが、ナマエをかたどった何かだろうが、オレはあの喪失感をもう感じたくないんだ」
頼むよ、と、彼は私をあの時のように抱き抱えた。臆病な人だなぁ、と彼の白い髪を撫でる。
おいていくわけないよ。
そういえば安心するのだろうか。でもしっくりこなくて、彼に足払いをかける。海に浸かった彼に、私はケラケラ笑う。
「へんなギーマさん。私がおいていくはずないじゃん。あの時は不可抗力だっただけで、私だってこっちにいたかったよ」
そう彼を見下ろす。
「私だって、寂しかったよ。私だって悲しかったよ。ずっと一緒にいたかったよ。ちゃんと伝えたかったよ。でも、きっとそれを今伝えても貴方は私じゃない誰かの言葉だって思うんでしょう。私が私だって信じてくれないんでしょ」
緑色の光の粒子が舞う。彼は勢いよく立ち上がると私を掴んだ。そうして私が消えないことを理解した彼は痛いほどに抱きしめたのだけど。

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pkmn 

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