2020/01/08

年末年始没ネタ祭 11 pkmnG

夢を見たのだ。幸せな夢を。みんながいる。カラコロちゃんもいる。ギーマさんだっている。そんなあの時の未来が続いている、夢だった。起きた時、私は蹲って泣いた。この、少しずれた世界では、そんなことなど起こりもしないのだけど。
この同じであるが違う世界で、同じであるが違う彼らは私を知らない。それがいかに私を不安定にさせたかはいうまでもないだろう。どうしてしっているのかという奇異の目、警戒心、嫌悪、戸惑い。その全てが知っている人物から注がれる。私だって理由がわかっていないから黙るしかない。逃げるように地方を転がっても、どこにでも私の知っている顔はいるのだけれども。
「今日は酷く悲しそうな顔をしているね」
そんなセリフを吐いて見せた人だって、同じだけど違う人である。私は彼を見ずに口を開く。
「幸せな夢を見たはずだったんですけどね」
「幸せな夢なのにそんな表情をしているのかい?」
そう私が座っている壁に彼はもたれると息を吐いた。それは悪い夢って言うんだよ、と続けた彼に私は彼をみる。
「幸せだった頃、その未来の夢って、幸せな夢でしょう?」
「……あぁそれはいけない。それは酷くーー悪い夢だ」
「悪い夢かなぁ」
私はまた苦笑いして海を眺めた。漣の音が聞こえる。
「ナマエはどこからきたんだい?」
「貴方が知っているようで知らない、遠いところからかなぁ」

==


=

こりゃあちょっとマジメモードにならなきゃいけない。はぁ、とため息をつく。レインボーロケット団とかなんとかいうところに昔色々あった奴がいたからである。嫌なんだよなこの人、自分の力でパーティー底上げしやがって。というか生きてたんかワレェ。そうため息をついて彼を見た。これは私達がきてしまったからきた可能性があるなぁとも思う。というかレインボーロケット団主義主張違いすぎるけどいいの。この人目指してんのポケモンと人間の融合っしょ。
「……まだ懲りてないの?」
「おや、キミは……ふむ。穏やかに暮らしていたんだがね、ウルトラホールとやらを見つけて入ってみればなんとやら、だ」
「レインボーロケット団は主義主張違うからやめといたほうがいいと思います。というかこの世界でその主義主張したところでなんぞや?ってなる」
「俺は主義主張をしてはいないんだがなぁ」
「掌でコロコロして遊んでるんでしょ」
「それは否定できない」
そんな会話をしていればコウミちゃんとミヅキちゃんが「ナマエさんの知り合い?」と首を傾げた。同族というか……なんだろうな……。彼は人好きの笑みを浮かべる。まぁ、見えた瞳は人嫌いの目だけどな。拗らせている。
自分をこうした人間が嫌い。ミュウツーもあまり人間が好きじゃない。マイナスとマイナスをかけてプラスになればよかったのに足した組織は馬鹿じゃなかろうか。そうして彼は究極の人ぎらい、周りに同じことを押し付けようとする心を隠して組織の戦闘員をしていたがーー反旗を翻えしてのっとった過去がある。一部の人間のトラウマだろう。人間がポケモンのしぐさをしたり、人語を話すポケモンがいたり、ひどいやつになれば「おれはにんげんだった」と言っていたやつもいる。時期に記憶は無くしたし、最後に元に戻ったからよかったが。ピリピリとする感覚にプレッシャーかけんのやめろ、と思う。子供達の顔が真っ青だ。先に作戦会議がいる。とりあえず時渡をつかい、出発直後あたりの場所に帰る。私達が帰ってきたことに気づいた大人達が私をみた。「え、あれ?ここは」と不思議そうにする周り子供に私は頭を抱えた。
「だめだありゃ。レインボーロケット団何してくれてんの。ホントに。あの時と違ってクソ雑魚な私しかいないんだぞ」
はぁぁ、とため息をついてしゃがむ。不思議そうに周りを見渡していたミヅキちゃんが私を見下ろした。
「ナマエさんはクソ雑魚じゃないでしょ!イッシュ地方の四天王で一番チャンピオンに近いって、聞きましたよ!」
「あぁ……うん……イッシュ地方の四天王代理ね……そしてわざと黙っていたことのカミングアウトありがとう……もうお姉さんの精神力スレスレだから……」
もうやだやだとそのまま座り込む。
「ウルトラホールで味方呼べないかな……」
「嬢ちゃんの話はまぁ置いといてやるが、なんかあったのか」
「ものすごい怖いナマエさんの知り合いの方に会いました」
そう私にかわってリーリエちゃんが発言する。ナマエの知り合い?と首を傾げた周りに私は砂浜に寝転ぶ。思考を放棄してやる。
「どうみても私の世界で数年前に一悶着起こしたヤツです。もうやだ、放棄したい」
「でも、ナマエさん一回かったんでしょ?」
「ミヅキちゃんがまだアローラにきてないころかな。アローラ除く各リーグのチャンピオンと四天王名腕トレーナーと一緒にね。あと伝説のポケモンとね」
そう言ってアクロマさんをみる。この人がなぁ。この人がなぁ、ネックなんだよなぁ。絶対興味持つよなぁ。
「貴女の世界で何があったんですか?」
そう尋ねた警察の人は私を見下ろした。
「率直に言うと、ポケモンと人間混ぜちゃうぜって組織があったんですが」
はぁ、とため息をついて起き上がる。
「えっ」
「ナマエくん、それはどう言う意味だ?」
「そのままの意味。元はポケモンと人間混ぜたやつを使って征服してやるぜ的な人達の集まりだったのかな」
「ポケモンと人間を融合させると言うことかい?」
そう尋ねたアクロマさんに「そう言うことです」と頷いた。
「じゃああの人は悪い研究者ってこと?」
「違うよ。彼は元は被害者だ」
「え?」
「被害者の一人だからこそ、彼は他の人間を同じにしようとした。自分を苦しめていた組織の人間に同じ苦しみを味合わせるために同じにしようとした……んだと思う」
現に彼は私や私と同類に対しては優しかったりする。しかも彼は前は暴走したが、基本的に頭が良く理知的だ。あまりことを荒立てたくないだろう。人間嫌いだけど。
「悪い人じゃないんだよ、怖いけど。力振り下ろした時にちょっと対抗が難しいかなって人なだけで、味方になってくれたらめちゃくちゃ頼もしいんだよ」
「そうか、君のオレに対する評価はそうなのか」
「ひぇっ」
ビックリしたよね。空から声が振ってきたからビックリしたよね。未来予知とか起動してなかったよね。月夜にうかんでやがる。そんなことするから人じゃないってバレるんだぞ!!
「悪いか正しいか。その判断は極めて個人の主観的な思考であり、その主観的な考えのより集めが世の中の思考となる。まぁ、いつかは忘却によりリセットされるが」
わあ、好戦的なお目めをこちらに向けているな、オニイサン。私は戦いたくないってばよ。プレッシャーをかけないでくれ。うぐぐ、と眉尻を下げて彼を見る。

=没

なんか知らない穴に吸い込まれたらちょっと違うアローラ地方にきた話をしたい。ギーマさんがギーマさんなんだけど、私の知るギーマさんじゃなく、なんか病んでる感じがするギーマさんである。なんか白髪まじってないですか。疲れてませんか。アローラ!と元気よく私は挨拶したけども、向こうはニコリと表面だけの笑みを貼り付けて「アローラ」とだけ答えた。
「お嬢さんは見かけない顔だね。旅行かな?」
「まぁ、そんなところです。お兄さんはなにしてるんですか。絵になりますけど、海に入って帰ってこなさそうな雰囲気醸しちゃってますよ。もしくは燃え尽きた人」
からかうようにそう言えば彼は笑みを崩さないままだ。本当に燃え尽きたのだろうか。そう彼を見つめて首をかしげる。目を開いた彼は冷たい目でこちらを見た。
「きみは随分騒がしいお嬢さんだ」
わぁお、これは相当やばいオニイサンだ。というか、何か図星を踏んだらしい。目をパチパチと瞬いてうーんと頭を悩ませる。彼は私の出方を見計らっているらしい。しばしの沈黙である。側から見たらおかしいだろう。考え込む私、私をただ見下しているギーマさんである。しかし、それは私が知るクチナシさんではないクチナシさんの登場によって終わるのだが。
「なにしてんだ」
「物好きなお嬢さんが声をかけてきてね」
「アローラ!」
クチナシさんにそう挨拶する。彼は「アローラ」と頭をかきながら告げた。
「姉ちゃんは見かけない顔だな」
「旅行者らしい」
「ポケモンも連れないでか?」
「まぁそういう人もちらほらいるじゃないですか」
「ここらは街と違って野生のポケモンが出て危ないぞ」
警察官っぽい促し(まぁ彼は警察官なのだけど)に、親切な人だなと思いながら「気をつけます」と返事をする。そろそろ宿に帰るかと、「じゃあ別の人も来たし」と言って手をひらりと振った。
「オニイサン、生きてたら悪いことはたくさんあるよ!」
「いいことあるよ、の間違いだろ、それ。さらに絶望させてどうすんだ」
「いや、だって、いいことあるって思ってるところに悪いこと重なる方が絶望するくない?はなから割り切っていこうぜ」
私なんかもうこの状況割り切って楽しんでいる。じゃあともう一度手を振ってそのまま宿に向かった。

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扉がカリカリされたので開けてみたら見たことあるキリキザンがいた。なにやら慌てているアブソルとキリキザンは私の服を摘むとそのまま隣の部屋に連れていく。なんだ??と思っていたらギーマさんが倒れていたのでガチ焦りした。いや、ガチ病みじゃん、この人。とりあえずくすりはあれだ、状態異常に近いのでいやしのすずで回復させ傷口は突っついておく。レパ様がもってきた包帯も一応巻いたけど。はぁ、と処置が終わったところで解き放たれている彼の手持ちをみた。ボールがちらほら壊れているのをみると、遊んでこいというよりは解き放とうとした感じだろうか。本当になにがあったんだこの人。私がいるかいないかぐらいだろ、世界の差は。
「君たちのご主人はわがままだねぇ」
とりあえずベッドに運ぶかと、彼女らをみる。今から起こることはこの人には内緒ね、と言えば首を傾げられたが。ふわりと彼の体を浮き上がらせてベッドに乗せる。荒れた部屋も掃除をした方が良さそうだ。でも、それより先に。
「みんな、ちょっとだけブラッシングさせて」
そう隅の方でみつけたブラシを持ってソファに座る。なぁん、と鳴いたレパ様に「綺麗な方がその人にはいい気がするでしょ」と言えば彼女はやってきた。

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とりあえず全員ブラッシングをし、何か食べ物を買ってこようと外に出る。適当にきのみジュースと食べ物を買ってその部屋に向かえば起きていたらしい。おや、昨日のと呟いた彼の口にとてつもなく苦いきのみジュースのストローを突っ込む。顔をめちゃくちゃしかめた彼をおき、他のポケモンのフードとジュースを広げた。ちらほらとギーマさんを伺いながら食べ物を食べ始めた彼らに息を吐く。
「これ、ポケモンようだろう?」
「そうだけど、人間でも飲めるし、オニイサン健康的によろしくないから飲んだ方がいいと思うよ。あと寝てください、普通に」
そう言いつつ自分用に買ったジュースを飲む。うむ、甘くて美味しい。
「なにがあったが知らないけど、ポケモン達が心配してますよ。ほら、ボールも買ってきましたし、ポケモンしまっといてください」
そう彼の近くにボールをおく。
「あなたがどうしたのか知りませんけど、ポケモン達を不安にさせるのはどうかとおもいます。薬の過剰投与も自分の体切るのもね。じゃあ」
「連れない人だな、おいていくのかい?」
そう首を傾げた彼に、はぁ、と深いため息をつく。彼に近づいて、寝るまでそばにいてあげますよ、と完璧な子供扱いをする。ぽんぽんと布団越しにあやすように叩けば彼はまた困ったように笑った。まぁ、その中で若干催眠術的な感じで睡眠を促せば彼は緩やかに目を閉じたけどな。レパ様達が寄ってきて、心配するように彼を覗き込んだ。
「寝てるだけだけど、そばにいてあげた方がいいと思う」
そういえばそれぞれが返事をしてーー彼の近くに丸くなった。困った人である。どうしてこうなったんだ。(向こうだとそんな機会がないため)髪の毛を撫でつける。穏やかな顔をそのまま晒してくれればいいが。
「本当に何があったんだこの人」
そう呟けばドンガラスが私を見つめた。

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それからよく隣の部屋(のポケモン)に呼び出されるんだけど、おねいさんがでて行った後があったり(しかも暴れたあとつき)死にかけてたりいろいろである。本当になにがあったんだこの人。女の人の残していった何かに、レパ様が怒っているぞ。ぼんやりとしている彼になにしてるんだと近づいたがあまり良くないお薬が転がっているのを見つけた。おまわりさーん、仕事してくださーい。ギリギリセーフなお薬だけどな。仕方ないと息を吐いて、いやしのすずを聞かせる。じきに意識がはっきりするだろう。
「ヘルガーさんこれ外で燃やそうぜ」
「なぁん」
「オッケーレパ様それも燃やそう。キリキザンはちょっとオニイサンの様子見てあげといて」
そう言いながらテラスから海岸に出る。ヘルガーさんにもやしてもらい、サメハダーさんに証拠を隠滅をと思っていれば、クチナシさんがやってきた。
「何やってんだ嬢ちゃん」
「隣りの人が怪しいお薬決めてたので燃やして処理しようとしてました」
「そっちのは?」
「隣りの人のレパルダスがこれも燃やせっていってきたから」
そう言いつつお座りしているヘルガーに、ねぇ?という。ガウと頷いたヘルガーはかしこい。レパ様は違う小物とりに中に入った。
「これって合法ですか?」
「一応グレーゾーンな合法だぞ。燃やして吸うやつだから燃やさないほうがいい」
「あぶない……燃やすとこだった」
はぁー、危ない危ない。ヘルガーさんに、ごめんなさいと謝ればいいってことよというように鳴いた。部屋からまだ物を持ってこようとするレパ様を見て口を開く。
「レパ様ー、燃やすの中止、中止。ご飯買いに行こ」
「なんだ、姉ちゃんのポケモンか?」
「隣りの病んでるニイサンのポケモン。寝てるだろうしおじさん見張ってて」

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「ほーら苦笑いきのみジュースのお時間ですよ!」
そう言いながら話していたギーマさんの口にストローを突っ込んで飲ませる。むせたけどしらん。他のみんなにはきのみジュースとご飯だ。
「相変わらずどぎついのを……」
「ポケモン用じゃねぇのか、それ」
「人間が飲んでも大丈夫だよ。オニイサンが健康的な食事しないからしかたないよね。人間が飲むのにオススメはモモンの実とノメルの実、マゴの実のジュース。サイコソーダで割るのもオススメ」
「ちなみにこれは?」
「秘密。二日酔いと栄養失調に効果的面だけど罰ゲームに最適な飲み物。飲まないならズルズキンの兄貴にあげたらいいと思う。ね?」
そう尋ねればズルズキンの兄貴は手をあげた。ギーマさんはそのままジュースを渡そうとしたが、飲めと言われている。ざまぁ。
「キミはこの子達をよく見ているね」
「引き取りませんよ。この子達は貴方といたいんですから」
「まだ何も言っていないだろう?」
「でも言おうとした」
まぁ苦笑いで終わるけどな。あんまり冗談でも言うことじゃないんだぞ。捨てられた方がどう思うかだなんて、想像はたやすいよ。

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ギーマさんに懐かれてしばらくこの島から動けない。クチナシさんからも留まるように言われてしまった。なんてこった、と思ってたらこの世界の主人公くんちゃん達に追いつかれた。そういや島巡り前って言ってたもんなぁ。ナマエさん、とキャイキャイする彼らは可愛らしいのでぐしゃぐしゃ頭を撫でる。うっうっ、無邪気可愛い。

「あのね、オニイサン、私はいつかいなくなるんだし、どうするの」
そう尋ねれば彼は大きく目を見開いた。傷を抉っている自覚はあるけど事実だ。きみも云々と言われたけども、事実だ。いつか私は絶対いなくなる。
「あのね、オニイサン。私は本来ここにいちゃいけない人だから、いなくなるよ。だって帰るところがあるんだもん」
「なら、帰れなくなればいいのかい?」
「それもだめ。ただでさえ私がいなくて心配されてるのに、帰ってこなくなったらそれだけでも大変なことになる。私は絶対にいつかいなくなるよ」
「なんでそんなことをいうんだ……うそでもいいから、いるといってくれ」
「嘘をついても結局病むのはオニイサンでしょ」
ポロポロと泣いている彼は子供みたいだ。駄々をこねる子供のように、手を伸ばした彼を抱き寄せる。だから私を依存先に仕向けない方がいいとクチナシさんに忠告したのに。姉ちゃん世話焼きだから大丈夫だろ、とか言わないでほしい。彼のポケモン達だって私を見上げている。はぁ、ともう一度ため息をついてこれからどうするかをぼんやりと考えた。

==

まぁ、考えても無駄なんですけどねぇ。アローラ!ナマエさん!とやってきたのはミヅキちゃんである。今日も今日とてギーマさんと一緒、な訳だ。知り合いかい?と首を傾げた彼に、彼女はアローラ!別世界のギーマさん!と告げた。私は苦笑した。コウミちゃん達が慌ててやってくるのが見える。頭が痛いってばよ。
「別世界の……?」
「ナマエさん!どういうことですか!」
ぽこぽことたたいてくるリーリエちゃん達を落ち着かせる。可愛いけど痛い。ミヅキちゃんが首をかしげる。
「ナマエさん、黙ってたんですか?」
「いやだって……説明しても理解してもらえない感じあるじゃん?」
「諦めたら試合終了って、ナマエさんのセリフですよね?」
ミヅキちゃんのツッコミにがっくし肩を落とす。ハウくんがコテンと首をかしげた。
「つまり、どういうこと?」
「時空の歪みを見つけて周りに危害が出る前になんとかしようとしたら吸い込まれて別のアローラ地方にいた。で、ミヅキちゃんは多分お迎えかな?」
そう彼女を見下ろせば彼女は首を左右に……え?左右に振った?幻覚かな?
「ナマエさんを探してたらウルトラホールを見つけて、観察してたら吸い込まれちゃって」
「いや、ミヅキちゃんそれ笑い事じゃないよ」
「ナマエさんがいるから大丈夫かなって」
「でたよ、アローラ地方の子の私に対する無駄な信頼。あのね、私だって無理な時は無理なんだよ。なんとかするけど。なんとかするしかなくなったから、なんとかするけど」
そう言って腰に手を当てる。次から無理しちゃダメだよ、といったけれどよくよく思えば全部ブーメランだなって。まぁミヅキちゃんが返事したからいいけど。
「ミヅキちゃん、ポケモンはちゃんと連れてる?」
「ちゃんと連れてますよ!」
「なら、よし。遊んでおいで。みんなこの子はミヅキちゃん。うーん……私の世界のアローラ地方初代チャンピオン」
そう促せばこちらのアローラ地方の子供達は顔を見合わせた。そうして、勝負しようぜ!という流れになるから子供は可愛らしい。キャッキャと遊び始めた彼女達にバレないように息を吐いた。

==


「なに、考えすぎることじゃない」
ナマエさんはそう言って私達をみる。
「この世界のミヅキちゃんはカントー地方にいるだろうし、あの世界のコウミちゃんもそうだろう。それか、他の地方に引っ越しているのかもしれないね。きっと、どちらがいるからそうだと言う話じゃないよ」
彼女は安心させるように私達の頭を撫でた。
「なら、ナマエさんも何処かにいるんですか?」
「いたら、いいなぁ」
そう困った顔をする彼女はギーマさんによく似ている。


==没



「うー、歯形つけなくてもいいじゃないですかぁ」
そうベソベソする。ギーマさんったら、すぐには歯形をつける。というか噛んだあとに舐める。吸血鬼か。
「印の方もつけてるだろ?」
「ひぇっ、どこ?どこ!?」
そうワタワタすれば、後ろに座った彼はそっと背中を撫でた。背中……背中か!?ジタバタすれば、また首筋に髪の毛があたる。ゾクリとした感覚に、私はバッと彼から距離を取った。
「あ、朝ですよ!?」
「そうだね、朝だ」
「なんか獲物を捕食するお目めになってますけど!」
「そうかい?ナマエがそう思うならそうなんだろうね」
ひぇ。引っ張り込まれる。誰だよこの人死にかけ儚い属性って言った人は!……私だ!そっと撫でられた頬に、私は彼を見上げた。

そうしてまた話は振り出しに戻る。何がって、服だ。歯形とかあるから着る服がねぇ。腹立ったのでギーマさんのストールを奪う。これで万事オッケーだ。
「アローラ地方なのに厚着だけど、大丈夫かい?」
「大丈夫……じゃない……誰のせいだと……」
「誰のせいだろうね?」
こてん、と首を傾げたギーマさんは私のせいだと言いたいんだろうか。焼きもちか?ヤキモチを妬いたのか?何にもしてないぞ。彼ら緩やかに笑うだけだが。
「今日はナマエはどこにいくのかな?」
これはククイ博士のところとは言えないな……?
「ギーマさんもきます?」
「なら、いこうかな」


没!!



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