2020/01/08
年末年始没ネタ祭終 妹ちゃん新サクラ
三周目?の妹ちゃんは加山に会いたい
・サクラ(ゲーム)→サクラ(アニメ)→妹ちゃんが存在しなかった新サクラ時空
・新次郎と年の離れた妹になった妹ちゃんと司馬くん
・司馬のベッドの上にちょこんと座って整備している姿を見るのが好き
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「加山のお兄さん」
ちょこちょこと彼に駆け寄る。どうしたんだ、妹ちゃん。そう屈んで見せた彼に私は抱きつく。びっくりしたように固まった彼に、私はニコニコと笑った。新次郎くんが怒る声が聞こえる。叔父となったかつての兄が笑う声もする。
「加山、好かれてるなぁ」
「ナマエ、ダメだよ抱きついたりしちゃ!」
「そうだぞ、妹ちゃん。嫁入り前の娘が抱きついたりしちゃダメだぜ」
「いいの」
なにがいいんだ?という風に彼らは私をみた。私はニコニコと笑って口を開く。
「ナマエはね、加山さんのお嫁さんになるから、いいの」
精一杯子供を装って告げる。突然の告白に加山さんは目をまんまるにしてーー私から視線を外し新次郎くんたちをみた。
「大神ぃ、聞いたか今の可愛い発言」
「聞いた聞いた」
「てっきり俺は大神が妹ちゃんの初恋をとってったかと……」
ポン、と私の頭を撫でた彼は立ち上がる。私は本気なんだ、と伝えれば彼は笑った。「妹ちゃんが大人になってまだ俺を好いていてくれたら考えるよ」と。
「ねぇ、加山さん、私大人になりましたよ」
そう壊れた舞台で小さく告げてみる。そんな呟きは誰もいない観客席に消えていったのだけども。
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今やこの歌劇団は廃れつつある。というのも、前任者が誰一人おらず、まっさらな状態で引き継ぎという引き継ぎもなかったからだ。あとからスミレさんがやってきたが、彼女は経営の立て直しに忙しく舞台に口を出すこともできていない。霊子甲冑は旧型で今や霊子戦闘機の時代であるのにここにあるのは霊子甲冑だ。帝都を他の国の華劇団に守られている状態。それが今だった。隊長がいない今、ほとんど私が指揮をとっているに近い。それでも、空回りするサクラちゃんや初穂ちゃん、消極的なクラリスちゃん、神出鬼没のあざみちゃんというなんとも足並みが揃わない彼女達をフォローしていた、のだけども。
「新しい隊長ですか」
「えぇ」
「正直、助かります。誰か指揮をとってくれる方がいると助かるなと思っていたので」
そうホッと息を吐く。スミレさんは「貴女には何から何まで苦労させているわね」と小さく告げた。
「いえ、出来ることなら惜しみません」
「でも、貴女も舞台に集中したいでしょう?」
問いかけられた言葉に苦笑いする。確かに舞台に集中したい。今は霊子甲冑の整備をしたり、戦術を考えたりするのに時間が割かれてきちんと舞台に集中できないからだ。
「少しは変わるでしょうか」
「変わってもらわないと困るわ」
彼女はそう息を吐いた。隊長が来ることは他言無用よ、と告げた彼女に頷く。さて、今日も中々忙しいぞ、と自分に鞭を打って支配人室を後にした。
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やる気があるのかないのかわからない人、というのが隊長である神山さんをみた時の印象だった。苦笑いして見せた彼に、率直に「左遷でもされたと思っているんですか?」と問いかけてみる。彼はやはり図星というように目を見開いた。……案外恒例なんだろうか。この左遷イベント。
「ナマエちゃん、なに言ってるの」
「いえ……」
やる気があるのかないのかわからないから、という理由は伏せる。とりあえず簡素に大河ナマエですと名乗っておく。
「今のところ舞台女優から舞台の修理、音楽など幅広くやっています」
「へぇ、凄いな。舞台の修理ぐらいなら力を貸せると思うんだけど」
「貸してもらわないとはっきり言って困ります」
私の台詞に彼はまたピシリと動きをとめて頭をかいた。そろそろ舞台の方にいかなければ修理が間に合わない。頭を少し下げて後にする。さくらちゃんが「ナマエちゃんは普段はあんな風な人じゃないですよ!」とフォローしてくれているのが聞こえた。
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はっきり言って、腹が立ったから、なのであるが。さくらちゃんの機体を壊そうとする彼らに、そんなことをしている暇があれば、と舌打ちをした。馴染んだ光武を使い、彼女を庇う。お前は、と小さく告げたシャオロン隊長に私は彼をみた。
「こんなことをしている暇があれば、その戦意を降魔に向けたらどうなんですか」
「……ふん、舞台も戦闘もどっちつかずの隊長もどきがなんかいってら」
ふむ、なるほど。確かに的を得ている意見である。一理ありますね、と返したところで彼は私をみた。
「でも、そうするしかないんです」
「だから俺たちが壊してやるって言ってるんだ」
「いらぬお節介というものです。これ以上何かしてくるのなら、こちらからも手を出さざるおえません」
淡々と、淡々と告げる。別に嫌悪を向けられるのはもうすっかりと慣れている。
「やれるっていうのか?そんな古い装備で」
「そうですね、貴女のような人には負けたくない、ただそれだけかもしれません」
感じた降魔の気配に息を吐く。飛んできた攻撃を変に避ければさくらちゃんの機体にダメージが入るのなんてわかっている。ならば、ダメージを受けるだけだ。デカい口叩きやがって、と告げた彼に私はそっと息を吐いて霊力を集中させる。
「我が音を聞け、夜の独唱歌」
そんな風に音を鳴らせば、現われていた降魔と相手の機体が吹っ飛んだ。奥にまだ大きい何かがいる。そちらに向かいたいというのに、彼らは邪魔をする。
「てめぇ……!」
「再三告げますが、先に降魔を倒しませんか。貴方達は勘違いしている。華劇団は華劇団を潰すためではなく、降魔と戦って人々をまもるためにある」
そうまっすぐ告げる。ふつふつと腹が立っているのがわかる。さくらちゃんの同意が聞こえる。
「私達は、帝都の人々の幸せを守るためにいる」
私の発言は彼を激昂させてしまったけれど。ちなみに私の機体が壊れた後、何やら思い正した神山隊長が現れた。
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機体にそっと手を当てる。廃棄処分になってしまうのだろうか。それが申し訳なくてただ彼女におでこをあてる。ごめんね、と謝れば彼女が小さく赤い光を灯し、私の頭を撫でるような形をとった。不意にがちゃん、という音がしたのでそちらをみる。格納庫にはあまり人は出入りしないはずだ。そこにいたのは赤いつなぎの青年だった。工具を落としたのだろうか、彼は唖然と私を見つめる。
「嘘だろ?」
そうぼやいた彼に首をかしげる。彼は誰だろうか。私の隣に駆け寄ってきた彼は私の霊子甲冑をみあげた。
「もう霊子水晶もやられてるのに、反応するなんて……」
「貴方は?」
「おおっと、失礼、俺は司馬令士。整備士として配属された」
「支配人が言っていた腕がいい整備士さんは貴方でしたか」
「腕がいいかはともかく、整備士は俺だ。もしかして、あんたがタイガちゃん?」
「はい。私は大河ナマエと申します」
「あぁ、タイガは苗字だったのか。俺が来るまで整備をしていたと聞いてる」
「見様見真似ですよ、所詮は素人知識です」
整備をする人がいないと知って片っ端から香蘭さんの書籍だったり仕様書だったりを読み漁ったのだ。
「誰も整備なんてしてなくて、光武達が可哀想だったので」
そう告げて光武を見上げる。可哀想なことをしてしまいました、と小さくぼやく。
「彼女は私の声に応えてくれた。でも、こんな最後になってしまって申し訳なくて、お礼を言いたくて」
せめて、最後に綺麗に磨いてあげていたのだ。赤い光がどんどんと弱くなり、ぷつん、と消える。そっと暖かみも消えた彼女からそっと離れる。
「ーー仲が良かったんだな」
そう告げた司馬さんに、「うん」と頷く。
「帝都で一番の友達だったの」
笑んだ私に彼は息を飲んだ。それに気づかないフリをして、これからよろしくお願いしますだなんて言葉を吐いて私はその部屋を後にした。
==から始まる司馬さん話(神山さんには多分なびかない)
令士くんがひたすら整備をしてこちらに気がついていない。ベッドの上にちょこんと座って忙しなく動く彼をみているうちに、うとうとと眠気が襲ってきた。そっと目を伏せれば、夢の中にどぼんだ。
ーー懐かしい夢をみる。加山さんが笑っている。それだけなら幸せな夢だというのに、世界はくるりと変わりあの日の夢になる。まって、置いて行かないで。私のためだなんてことを言わないで。追いかけても体は抑えられる。揺すられる感覚。緩やかに目を開けば、令士くんと神山さんがいた。その姿が加山さんと叔父に見えてしまったのは仕方ない。か細くその二人を呼びかけて、違うのだと目を伏せる。
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