2020/06/11
ライズフラッグ
・勢いで書いたすまぶらの最新作
・若干の×fgo的な風味
・ノリで書いてるから設定あやふや
おかしい。異世界転生だからなんだか知らないけどおかしい。目の前に広がるのは広大な世界であるが、何か色々な世界が混ざってしまっている気がする。いや割りかと真面目になんだ??と首をかしげていれば、服の裾が引っ張られた。なんだ?と振り返ればピンク色の球体がいた。は?と固まれば、ピンク色の球体はこちらを見上げて、鳴き声とも取れる音を出す。
「いやいやいや」
そう頭を抱える。夢かな?夢だな。そんなことを考えていればポスポスとなかなかに痛いパンチがあたる。痛い。
「いたたた、いたい、夢じゃないって理解したからやめてよ、カービィ」
「!」
いや、もうこれは理解するしかない。彼は紛れもなくカービィだ。彼の視線を合わせるようにかがみ、こんにちは、と今更ながらに声をかければ彼は悲しそうな、心細そうな顔で私を見た。
「私は気づいたらここにいたんだけど、ここは君の星?」
と言っても、彼の世界っぽくないんだよな。身振り手ぶりで何か言ってるが全くわからない。首を傾げた私に彼はまた肩を落とした。
「カービィ、私よくわからないんだけど、君について行ったらいいのかなぁ?」
私の問いかけに彼は大きく頷いたし、数分後私はとても後悔することになる。
「いやこれ、スマブラか!!一般市民には無理ゲーだ!」
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「ごめんカービィ、マリオさん、私本当に平和な世界出身だから乱闘とかできない」
めちゃくちゃ肩で息をしている気がする。いや、無理です。ぶっ飛んでも死なないからいいけど、結構満身創痍である。くそうこちとらただの学生だぞ!いやそれでいうと、マリオ氏は水管工なんだけど。副業がえげつない感じの。というか水管工がどうやって一国のお姫様と知り合ったんだろう。
「大丈夫かい?」
「うーん、付いて行ってもかなり邪魔になるような」
スピリット?よくわからないがそれは扱えるのであるが、どうも元が元なのだ。
「でも、一人で残っても危険だよ」
それはそうである。心配そうに私を見上げたカービィに、とりあえず行けるとこまで行くか、と気合を入れる。
「行けるとこまで頑張ります」
無理はしないように、と気遣ってくれるマリオ氏はとてもよい大人だと思いました。
私が(なぜか)持っているアイテムというか装備してるアイテムは狙杖とフランクリンバッチである。あと、カバンに充電が謎に切れないスマホもある。まぁ、電波繋がらないからもっぱら写真撮るしか使わないけど。私の隠れた目標はファイター全員と写真を撮ることである。閑話休題。
「それにしてもナマエはどうしてこの世界についてしまったんだろう」
マルスの言葉に私が一番知りたいやつ、とこぼす。いや割りかとマジで。シークさんが私を見下ろす。
「招かれてないのか?」
「気がついたらポツンとたってました。すぐにカービィに発見されたんですけど」
ね?といえば、笑顔で頷かれた。守りたいこの笑顔。
「その前は何を?」
「その前は……」
そこで私は首をかしげる。なんだ?いやでも雑な異世界転生とか思った記憶があるな??死んだのか?うーん、と考えていれば周りは首を傾げた。
「もしかして、記憶がないの?」
「ないです。というより、ここに来るちょっと前の記憶がない」
「そのスピリットの記憶は?」
マルスの言葉に、スピリットと呼ばれる概念的なものというかフィギュア的な小さな何かを見る。私のそれは人ではないが、チェスのピースのような形をしている。ううむ、知っている、ような、知らない、ような。じぃっと見つめていてもさっぱりなため、さっぱりですね!と開き直れば彼は眉尻を下げた。ごめん。
「でも、まぁ、なんとかなると思う」
今までもそうしてきた気がする。乱闘にも慣れてきたし、生活にもなれてきた。カービィとピカチュウが声を上げる。いやもう、癒しですな、二人は。可愛いすぎないか。
「ははは、羨ましいほど楽観的だ」
「うん?よく言われるけど、後ろを向く暇がもったいないから」
ははは、と笑いながら言えば彼らは「それもそうだ」と頷いた。
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「ハッキング……ドクターストレンジラブで出来ないのか」
うぇーい、ってことはオタコンがいるな??オタコンを助ける必要があるな??そう思いつつ私のクッションとなりつつあるカービィを見下ろす。カービィが首を傾げた。近くにいたマルスが私をみる。
「ナマエは詳しいね」
「まぁ、一部は知ってるよ。私の世界、この人と似たような世界だったから」
そう言いつつドクターのスピリットをしまった。この人頭いいから本気出せばハッキングできると思うけど、ai制御とそれはやっぱり違うんだろうか。ポチポチ試しに触ってみたが弾かれるので専門家がいる。となると。
「後回しかぁ」
何人かにファイターが分かれて攻略はしているが、たまにこういうことがある。お互い連絡を取りあっているのだが、まぁ広大なこの場所、東と西でこう……まぁ面倒なのだ。
「絶対ここに伝説の傭兵がいると思うからさっさとハッキングできる人探そう」
まぁ、ただの勘であるが。マルスは「じゃあ、ハッキング?できる人を探しに行こう」と頷いてくれた。どの道通らなければいけない場所である。
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どうして英雄と呼ばれる人だらけのここに私はいるんだろうか。夜になるたびに考えてみるが答えなんてない。チェスのような駒を眺めてみても答えはでない。ぽよ?と首を傾げたカービィに、苦笑いした。
「昔もこうして誰かと旅をした気がする」
それはありえない。だって私はただの学生だ。でも、なんとなくこういう風にいろんな世界を旅したような気がする。
ーー私のここに来る前の記憶がないことで疑う人はほとんどいない。私が敵側の人間ではないとどうしようもなく信じてくれている。それは悪役であってもだ。もちろん一部はきちんと怪しんでくれているが。果たして私の記憶がないのは、本当にここに来る前だけなのだろうか。何か大切なことを忘れている気がする。
「うーーーん」
そう言いながらカービィのピンクに顔を埋める。小さなお手手で頭を撫でてくれるカービィは癒しだ。可愛い。
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この人なんて言った?私を英雄だと言ったぞこの人。ただしくは「君もちゃんとした英雄じゃないか」だけれど。スネークがいるからかなにかわからないが、とりあえず実体化したらしいハル・エメリッヒ通称オタコンをみあげる。スネークがオタコンをみた。
「オタコン、彼女について何か知ってるのか?」
「ちょっとだけね。僕がやるような分野ではなくって、昔、EEがしてたゲームでね」
「え、何笑える、私ゲームの登場人物なの?」
「それを言っちゃ周りが元も子もないだろう?君にとっての僕たちも恐らくそうだ」
否定はできない。スネークが変な顔をしたが。オタコンが私を見下ろす。
「もしかして、君は自分のことを覚えてないのかい?」
「覚えてますよ。日本にある学校に通うただのティーンだ。大学受験を控えたね」
そう言いつつピカチュウを撫でる。オタコンは少し眉間にシワを寄せた。
「……君は君がしたことを覚えてないのかい?」
その問いかけに私は首を傾げる。私はどうやら何かしたらしい。でも、どうして忘れてるんだろう。
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待機中とか移動中、カービィの絵描き歌歌ったりピカチュウの絵描き歌を歌ったりして暇をつぶすのだけど、この前ついグルメレースを歌ってたら周りの人にその歌詞がインプットされたらしい。大人にめちゃ怒られた。ごめんって。いやピットくんとかリュカとかも歌うから。リンクも覚えてるから。グルメレースの曲知らない人はググって。仕方ないからピカチュウの歌を歌うとする。
「ぴっかちゅぴっかちゅぴっかちゅー」
「ぴか?ぴっかちゅぴっかちゅぴっ!かっ!ちゅー!」
繰り返すピカチュウの可愛さな。大人からは視線が突き刺さるが。可愛いだろ、ピカチュウのうた。一通り歌えばポケモントレーナーのレッドくんが私をみた。
「ナマエ何その曲」
「私の世界にあるピカチュウの歌。私の世界ではこの歌と一緒にピカチュウの着ぐるみが行進する」
「ナマエの世界にはポケモンいないんでしょ?」
「いないんだけど、本の中とかゲームとかに登場するから人気なんだ」
「だからポケモンに詳しいの?」
詳しいのだろうか?と首をかしげる。いや、うん、小さいころからコンテンツとして存在してたけど。
「詳しいのかなぁ」
「うん。ナマエの世界じゃ、どんな僕らの世界は話なの?」
「いくつもあってね、博士だったりチャンピオンにポケモンを貰って、ポケモンリーグを目指す話とサトシっていう少年がピカチュウと旅しながら色んなポケモンと会う話があるよ」
そんな話をしていれば、マルスが首を傾げた。
「ナマエの世界には色んな話があるんだね」
「そう?みんなの世界にも色んな話がありそうだけどね」
「ナマエの世界はどんな世界なの?」
「私の世界、一番近いのはスネークの世界だと思う。でも、スネークの世界ほど物騒ではない……はず」
そう言葉を濁す。はず?と首を傾げたのはマルスだけではないけれど。
「私のいる国が平和なだけで、そうじゃない国も多いだろうし、私の周りが飢えも貧しさもないだけで探せばいるだろうし。でも私のいる国の多くの人が、どうしようもなく勝手に明日が来るんだと思ってるし私も思ってる。朝起きて、学校とか会社にいって、友達と遊びながら帰って、家族とご飯を食べて寝る。そんな毎日だから大冒険もなにもないよ」
「本当になぜお前はここにいる?」
シークさんの問いかけに「私が一番知りたいんですけど」と苦笑いする。
「まぁ英雄譚の語り手とかそういうポジションじゃないですか?」
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うええ、やっとこなせると思ったらこれだよ。剣撃を防いでたらみんな何処かにいったでござる。みんなどこにいったんだろうとくらい通路をウロウロしていたら、いきなり明るくなって目を細めた。現れたそこは知っている場所である。いや、なんとなく知っている場所だ。冗談じゃない、と思うのはみんなが人質のように掲げられているからだ。
「なんだこれ、笑えないって」
もしかして私がダメだと全滅エンドなのでは。そう言いながらカービィのオリに近づく。どうにか出せないかとガシャガシャしてみるが、どうも開かない。というか、カービィがゆっくりと目を開いて私をみる。嬉しそうにした瞬間、何か影が伸びてきてーー私は緊急回避をした。それでもオリみたいなものは壊れない。攻撃をしてきた相手をみる。相手をしっている気がする。どこで、と考えていれば、相手は私をみて笑みを浮かべた。
「あぁあぁ、あいたかったぞ、ーーーよ」
そう告げた彼に何だ?と首を傾げた。彼は何と言った。一歩一歩歩き出す相手は何かを振りかざす。まぁ緊急回避またするよね。逃げろ、とは誰の言葉だろうか。でも、逃げてしまえばこの人たちは?と思う。恐らく、逃げてしまえば今度こそ終わりなのだ。
「ナマエ、逃げて」
そう促した周りに、促す声にただただ前をみる。狙杖は吹っ飛んだ。立ち上がって手を相手を睨む。私は相手をしっていると思う。どこで?と思ったが恐らくは私の消えた記憶の中だ。鎧を纏った彼を見つめる。どうするかを考える。ガムシャラに向かっても無理だ。回避を繰り返したって、終わりはいつかある。こういう時、どうすればいいか。
ーー指先に。
そう思い出した言葉に指先に力を集める。逃げるように回避を続けて無様に転倒した私に彼は剣を振り上げた。その隙だ。
「ガント!!」
そう言って彼に当てる。麻痺した彼の剣をとる。なるほど重い。でも怯んだのは一瞬だ。何だこれやってられないぞ。そう思っていれば、隣に誰か並んだ。
「ピンチみたいですね、マスター」
そう笑った彼女に私は目を瞬いた。私はこの人を知ってる。何故なら運命を一時期ともにしたからだ。
「言ったはずですよ、私達は見えなくとも貴女と共にいると。貴女が忘れてしまっても」
そう微笑んだ彼女は「さぁ、立ち上がって」と私に促した。
「私達が力を貸しましょう。さぁ、反撃です」
私に向かって手を伸ばした彼女の手を重ねる。彼女の姿が消える。手元にあるのは旗だ。この旗を私はしっている。よし、と気合を入れて相手をみる。彼女のように旗を携えて。よろりと立ち上がった彼をみた。
「一人で何ができるというのだ、英雄なんかではなく、ただの人間であるお前に!」
「ただの人間で結構!ただの人間だって、明日を願うことはできる!それだけで十分!」
そう叫ぶ。
「それに、何度も言うけれど、私は一人じゃない!」
何度も叫ぶ。
「私は他の英雄達みたいに一人じゃ何もできないかもしれない。でも、一人じゃない。いつだって、一人じゃない。前も、今だって。一人じゃないから頑張れる。だから、私が諦めない」
旗を握る。たじろいだ相手がまた剣をだす。笑わせるなァァァ!と向かってきた彼を旗でいなした。さぁ、試合の開始だ。
そういうことかぁ、と理解したのは最後の切り札と呼ばれるアイテムが目の前に現れ、偶然にも私が旗で切り裂いた時である。周りに舞った駒が何かは私は知っている。それをそっと手を伸ばす掴みとろうとしかれば、手に痛みが走った。
なんで忘れていたんだろう。
ーー君は覚えていない方がいい。
どうして忘れていたんだろう。
ーー君は普通の人に戻るんだ。
大切な思い出なのに。
ーー思い出は置いて行きなさい。君には不要だ。
「ーー不要なんかじゃない」
そう誰かの声を否定する。だって、これは私だけの。私の。手を開く。
「告げる。汝の身は我が下に、我が命運は汝の剣に。聖杯の寄るべに従い、この意、この理に従うならば応えよ。誓いを此処に。我は常世総ての善と成る者、我は常世総ての悪を敷く者。汝三大の言霊を纏う七天、抑止の輪より来たれ、天秤の守り手よ!」
そう言って目の前にあった騎馬の駒(ピース)を掴めば、その瞬間、駒は人の姿を取る。現れたかの英雄は私を見下ろすと笑う。槍をにぎって、指笛をならした。私の手も同じように旗を握って指笛をならす。そうして私は彼と同じように口を開くのだ。
「クサントス! バリオス! ペーダソス! 」
星空から現れた馬、その戦車に飛び乗る。彼と同じように。馬車の戦車は空を繋ぐ。流星のように。
「行くぞ! 命懸けで突っ走れ! 我が命は流星の如く!トロイアス・トラゴーイディア!! 」
そう言って敵を引けばそれらは彼方というか吹っ飛んで壁に激突した。ゲームセット、と何処からか聞こえてくる。戦車が止まり、地面に降りた。彼は私の頭を撫でる。
「まって、らい、だー」
そう彼に伸ばした手は空を切る。駒は勝手に私のカバンに入った。カービィが駆け寄ってきて私に抱きつく。そこで私の意識はそちらに向いた。みんなを閉じ込めていたオリのようなものが消えていく。何とかなった、らしい。その様子に私はへたり込んだ。カービィが心配そうにこちらを見上げた。
「大丈夫、ちょっと安心して腰が抜けたというか」
あはは、と笑う。壁に激突した相手から黒いものが抜けていきーー跡形もなく消えた。ホッと息を吐いてカービィを見下ろす。
「よし、これからも頑張ろう、カービィ」
そう彼に言えば彼は片手を上げて答えたのだけど。
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「モンハンじゃん!!」
「なんだそれは」
「あれ?スネーク一回モンハン出演して……おっと、それは違う人だった」
違う違うと首を振る。それは片目の方だからスネークのお父さんの方である。は?という顔をしたスネークに、「モンハンっていうのは」と口を開いた。
「モンスターハンターっていうモンスターを狩るゲームなんだけど、それにあのドラゴンっぽいのが出てくるんです。まさかこの世界で見ることになるとは」
いやだってカプコンじゃん。と思ったが、そもそも異世界慣れしてそうなリュウさん達がいるもんなぁ。というかデカイ。これ丸呑みにされない?大丈夫?と思ったが、そもそもドラゴン見たことあったわ。こそこそと私の背後に隠れたリュカに、大きいねぇ、と言いながら頭をポンポンしておく。
「ドラゴンの喉元のお肉は美味しいって聞いたことがある」
「それってどこ情報だい?」
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キーラを倒したから帰れるのでは?と思ったら禍々しいのがきて闇の世界(仮)に落ちたでござる。しかもカービィ達みんなの名前を呼んでもいないし、うろちょろしてみてもいない。とりあえず、途中であったガオガエンを開放しセレビィと冒険しつつうろちょろ謎を解いていたら人間のFE勢がきた。杉田だ!と感動した私はまぁちょっと置いといて会話ができる人が現れて嬉しいというか。そんなこんなでFE勢のクロム氏と謎解きをする。
「いやいやこれ水息続かない気が……あとガオガエンはタイプ不一致だからお留守番ね」
そういえばイカツイガオガエンが若干しょぼんとした。そんな顔してもダメなんだ……危ないでしょ。
「ナマエは泳ぎは得意か?」
「得意でもないけど苦手でもない。でも、息続くかが心配」
「最悪俺がひっぱり上げる」
「そうしてください」
そう言いつつ呼吸を整えて、クロム氏に続いて池に飛び込む。思ったより水が澄んでいてきれいだし、不思議効果で息がなんとかなりそうだ。クロム氏に続いていく、が、やっぱり息はギリギリだった。最後はクロム氏に引っ張り上げられたけどたむた。一般市民なめんなよ。帰りもかぁ、と思っていればスピリット戦があるんだけどな。
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「う、うおお、ミュウツーだ」
すげぇ、本物だ!と彼の周りをくるくるする。カッコいい。めちゃくちゃかっこいい。生命が許されるもの許さざるものなんて関係ないというかそれは私達が首を突っ込むことではない気がする。一人で感動していれば、何かを察したガオガエンが前に立った。
「大丈夫だよ、ガオガエン。彼はそんなことしないよ」
まぁ度々光の世界(仮)側でそれを言って主人公組やら保護者やらから突っ込まれるのだが。FE勢の一部に同い年に見えないとか言われるが、平和な世界の普通階級出身だぞこちとら。とりあえずガオガエンの隣に並び彼に握手を求める。
「私はナマエです。よろしくミュウツー」
そう言えば彼は私と掌を交互に見てから握手をする。まぁ、えへへと笑えば彼はそっぽを向いたけど。
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「貴女の住む世界は燃え尽きようとした。貴女はそれを救ってみせたでしょう?貴女は立派な英雄ですよ」
そう言ったパルテナ様に、ううん?と首を傾げた。それは私の功績ではなく、藤丸とみんながいたからこその功績だ。私が英雄とされる意味がわからないのである。考えて考えて、「でもやっぱり私は一般市民aで、英雄じゃないと思います」と答える。
「英雄っていうのは、周りのみんなみたいな存在のことで、私がそうできたのも、私の世界の英雄たちが力を貸してくれたからっていうだけだし……私一人だけじゃ絶対できなかったことだし」
旗を見上げながらそう告げる。
「きっと私が英雄であるなら、周りにいた人は私の記憶を消してないと思うし、もっと救えた人もいたはずだと思う」
「でも貴女は諦めなかったでしょう?」
「諦めてなかった、というよりはどうしようもなく信じてただけだよ。明日が来るって」
ははは、と笑いながらそう告げてみる。うん、私は英雄だなんてガラではないのだ。一般市民aだ。
そもそも、私が生き残ったのも偶然であるし、私より年上であった藤丸と一緒に役に立たないと所長に怒られた記憶がある。まぁそこから数多な数の英霊と契約して戦ったのだが、藤丸との違いはあれだ。私はまだ軽傷だった補欠マスターだということにされ、記憶を軒並み消されたということだ。そうして私は藤丸よりはやく、一足お先に日常へ足を戻したのだ。そのあとカルデアが、藤丸とマシュがそのあとどうなったかなんて私にはわかるはずがない。というかそもそも、英雄とは藤丸とかマシュとかドクターとか英霊とか、そういう人を指すんじゃなかろうか。そう何となく旗を見上げて思う。
「ナマエの武器は旗なのか」
そう言って隣に並んだのはクロム氏である。最近やっと聴き慣れた杉田ボイスだ。マルスと同じ髪色なんだよなぁ、と思いつつ彼を見上げた。
「うん、借り物だけど」
「借り物?」
「私の世界の英雄が力を貸してくれてるんだ」
「……それは心強いな」
そう笑ったクロム氏に私もにこりと笑う。ファイアーエンブレム勢イケメン多すぎんよ。ところでなんで気にしたのだろうか?と首を傾げてみたが、おそらくは気を回してくれたんだろう。
「今も心強いよ。いろんな世界の英雄達がいるから」
「そうか」
「この旗は、私の世界に昔いた聖女様の旗でね」
私はまた旗を見上げる。聖女?と首を傾げた彼に頷く。
「うん、まぁ、大国同士が戦争になったとき、神様の声を聞いた村娘だったその人が兵を率いて国を救ったお話があって、その聖女様の旗を借りてる」
救国の聖女か、と呟いたクロム氏に彼女の終わりはいうまい。それは他の世界の彼らは知らなくてもいいんだろう。
「ナマエの世界は燃え尽きたと聞いたんだが」
「燃え尽きるのはふせいだよ。うーん、燃え尽きるというよりは人がいた証明を消されかけてたっていうか」
「証明を消された?」
「クロムさんでいうとわかりにくいんだけど、ルキナちゃんでいうとですね、歴史からそれてクロムさんが死ぬとルキナちゃんが生まれないわけじゃないですか」
「……ああ」
「そもそも、マルスさんの時代に全員死んでたらクロムさんやクロムさんの周りの人も生まれないわけじゃないですか」
「そうなるな」
「っていうことを文化の節目節目あたりでやられて、ただ偶然生き残っていたっていうので私と少し年上のお兄さんや過去の英雄達で食止めたんです。で、私はただの普通のそこらにいる人だったから、普通の生活に戻れるように記憶とか色々消されて、普通の生活送ってたんだけど、なんか知らないうちに気づいたらここにいた」
==
「いや疑うのはゼルダとかリンクが意図しなくてもしてくれるし、流石に世界の危機とか操られてた借りとかで今は力を貸してくれるって信じてるよ」
「何人もが裏切られてきたのですよ」
「うん、裏切られるかもしれない。でもそれはきっとこれが終わったあとだ」
「根拠はあるのか?」
「ない!」
そういえば子供のリンクとゼルダ姫に呆れられたでござる。闇の世界に来てから長い付き合いであるクロム氏がひらりと手を振った。
「諦めた方がいい。ナマエはどうであれお人好しだ」
「いやお人好しでは、」
「なら何故俺を助けた?」
「えっ、君がそこにいたから」
ブラピにそういえばめちゃくちゃ変な顔された。心外だぞ。あんまりわぁわぁいうとガノンさんに怒られそうだから黙るけど。
「どうであれ、アレを倒して光の世界と世界を繋げないと元の世界に戻らない気がする。その為には一般市民aというか、一般村娘aの私は悪いと言われてる英雄であろうが、良い英雄だろうが、お腹の中に何を抱えてようが、力を借りるしかないわけです。というかどう考えてもガノンさんにしろリドリーにしろキングルールにしろダークサムスにしろあれは邪魔でしょうよ」
あれ!と何度も天に浮かぶお目目を指差す。どう考えてもキーラの方がきれいである。ふふ、と笑ってみせたパルテナ様は「そうですね」と頷く。
「元の世界に戻してしまえば、また英雄達が集うことになるでしょう」
訳すると『元の世界に戻ったら悪役どもは覚悟しとけよ』ってことだろうけど黙っておこう。ガノンさんが鼻で笑ったけどな。
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ダーズとの戦いに勝ったから元に戻るって思ったのに、真のマスターハンドとクレイジーハンドが現れたんだけど。というか光勢力と闇勢力に別れろとか変なこと言わないでほしい。
「そもそも、光と闇を分けようとするのが間違いで、光があるところには闇はかならずあるし、表裏一体だから切り離すことも本来ならできないんだと思う」
そう言ってキーラとダーズを見上げる。だから私としての答えとしては二つまとめてぶっ飛ばす、なのだ。まぁ、だからといってなんかすごい光線準備するのはどうかと思うんですよ。というかマスターハンド達が私に最後の切り札持ってきたんだけど。それをみて、ああなるほど、と旗の意味を理解する。
「じゃあこれはあれか……私を呼んだのは貴方達だったのかぁ」
そう苦笑いする。どちらかには令呪があるのだろうか、と考えてみたがまぁそれはおいおい尋ねればいいんだろう。とりあえず最後の切り札だが何だかを受け取ればそれは私に吸い込まれた。周りに舞った駒ではなく、ただ旗を掴む。あまり回数はできないということは知っている。光線が放たれる前に、私は彼女のように旗を掲げる。
「我が旗よ、我が同胞を守りたまえ!『我が神はここにありて』!」
その瞬間現れたシールドが光線を弾く。まだ大丈夫だ。まだ。歯を食いしばり、旗を掲げる。徐々に旗が汚れるのがわかる。まだいける。大丈夫。
ジリジリと力に押されて降りていく手に、下から押し上げる感覚がして見下ろす。なるほど、カービィが持ってけれている。黒い手袋はクロム氏のものだろうよし、頑張れるぞ。そう気を取り直してしっかり前を見る。横から私を支えた手が誰のものかなんてわかる。誰かが魔法で支えてくれるのもわかる。いっけぇ!と心の中で叫べば光線を押し返せた。そのまま旗を振ればできていたシールドがなくなり、まわりにいたみんながが無敵状態になったのが見えた。よくやった、と小声で褒めてキーラを襲いに行った闇の英雄に、私の心配しながらもダーズを倒しに行った光の英雄の背中を見守る。そうして双方は倒されて、この世界は元に戻るのだ。
まぁ、その二つを倒してしまえば私がどうなるかなんてわかりきった答えな気がする。仲良く帰ってくる彼らからボロボロになってしまった旗を見上げた。金色の光の粒子が舞っている。真のマスターハンドが飛んできて私の前でとまった。
「問おう、貴方がマスターか、だなんて」
ヘラリと笑いながら彼(もしくは彼女)をみる。マスターハンドもなかなか表情豊からしい。ケラケラ笑うような動作をしてみせた彼はつん、と消えかかった旗をつつく。
「うーん、役目を終えたから消えるのかなぁ。貴方が私をどうやってか知らないけれど呼んだんでしょう?」
そう首を傾げれば彼は肯定するような動きをする。
「私がサーヴァントなのか、フィギュア的なのか、生きてる人なのかはわからないけれど、まぁ、どれにしろ、解決したなら私は帰るべきだろうし」
金色の粒子が舞う。うむ、それほどまで時間はなさそうだ。カービィが気付いて私の方へ飛んできた。ぽよ?と首を傾げた彼に私は笑う。
「万事解決、カービィ達の旅は楽しかったよ」
なかなかに充実した旅であった。またね、とマスターハンドに、カービィに、みんなに、大きく手を振る。そうして私は金色に包まれたのだけれど。
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