2020/08/17
ネタ出しのための金田一とか探偵学園とか推理系色々没
・飯塚姉弟if
もし、もしもだ。この人が快斗くんのような怪盗であれば私はその隣に立つことが許されたのだろうか。滴る真紅を眺めてそう思う。高遠さんやヤマト、はじめちゃんがわたしを呼ぶ声が聞こえる。ねぇ、もしもだ。出会う形が違えば、きっと。
ーーしあわせなせかいに、ふたりはいたのかもしれないね。
珍しく夢を見た。もう会えることのないあの子の夢だ。青い目をしたあの子は私をみて、花のような笑みを浮かべたのだ。迎えにきたのか、と尋ねても彼女は答えることはない。ただ、赤い薔薇を胸元に飾って私に笑みを浮かべた。はらり、と薔薇が散る。まるで、胸元から血を流すように。この先の光景を自分は知っている。彼女は死体に成り果てるのだ。ナイフで胸元をひとつき。それが彼女の死因だった。自分が関わっていたからそうなったのかはわからない。でも、彼女は他の人間と同じようにあっけなく死んだのだ。高遠さん、と彼女は私を、僕を呼ぶ。そっと手を伸ばしてこちらの首をしめた彼女に、夢の中だというのに目を伏せた。彼女に殺されるなら、どれだけ幸福だろうか。そんなうたた寝を許されることなく、刑務官が扉を叩く。真白い部屋で、首元に縄がかけられる。さぁ、おやすみ、名探偵諸君。私は一足先にーー彼女に会いにいく。
==こっからはじまるてんせいかこうとしたけど没
これの続き??
と、思っていた時期が私にもありました。本来なら私の家であるその場所で行われるはずのローゼンクロイツ氏(私)の復讐劇が違う場所で行われようとしている。行かないと大事なことをバラしちゃうぞ、らしい。大事なことってなんだろうか。えっ、異母兄弟のことなのか母親のことなのかいまいちわからないし、スルーをしたかったのに。したかったのにね。はぁぁぁ、と深いため息をつきたくなる。いや、ここにいる人=母親を過失だか事故だか故意だか知らないが殺した人がいるわけで。気が重い。そう階段に座って眺める。薔薇を使った、薔薇が好きな人、職業にしている人ばかりの中私は庭師志望の大学生と名乗っておいた。きっともうすぐ高校生と異母兄弟がやってくる。ただただ憂鬱だ。扉を開けてやってきた高校生と異母兄弟に薔薇をめぐるこの物語は幕を開けるのだ。
盛大な鎌かけをして、フラワーデザイナーを名乗ったその人は私をみて、お久しぶりですね、とわらった。私は苦笑いをする。
「お久しぶりです。てっきり奇術師の方かと」
「いえ、あれは趣味なんですよ。遠山遙治、本業はフラワーデザイナーです」
「月読ジゼルです。庭師の勉強をしてる大学生です」
そう握手をする。彼は首を傾げた。
「おや?てっきりーー」
彼の言葉に苦笑いして人差しを唇の前に立てておく。めちゃくちゃややこしいことになるから黙っておいてほしい。彼はパチリと目を瞬いて口元に笑みを描いて見せる。わかりました、と告げた彼に私はかるく頭を下げておいた。
これはもしかしなくても私は贖罪の羊ちゃんでは。あーヤダヤダと思いながらボッチでお風呂に入る。浮かべられた薔薇の花は私の旧姓と母親の名前の薔薇だ。ぶくぶくと口元までお湯に沈む。これ本当に犯人は何をしたいんだろうか。人の気配に慌てて立ち上がり、そのまま可愛いヒロインの美雪ちゃんと確か先生か誰かと入れ違いにお風呂からでる。だから布ハラリはやめてください。背中の火傷跡とか見せるものじゃないから。
そのままため息を吐いてお風呂場をあとにする。え、これ、本気でこれ私スケープゴートじゃ??
=没
・飯塚姉弟if
・高遠じゃなくて明智さんと幼馴染みなif
「え?はじめちゃんと健吾くんは知り合いなんですか?」
そう目を瞬いたアキに金田一は目を白黒させている。というか、金田一以外も目を白黒させ、明智さんだけがやれやれとため息をついた。
「健吾くん〜〜!?!?アンタなんて呼び方させてんだ!」
「アキとは家が近所の幼馴染みなのでね。あとこちらからすれば貴方達がどこで知り合ったのかが気になりますが」
「小学校から高校まで、美雪ちゃんとはじめちゃんは一緒ですよ」
=
「最終手段、俺には明智さんを呼び寄せるって手があるから」
「明智さん?」
そう首を傾げた師匠こと安室さんと、沖矢さんに俺はスマホ片手にずるずると逃げる態勢をとる。コナンもまた首を傾げたが。俺とアキにはいざという時駆けつけてくれる警視がいるのだ。通報すんぞ、と警戒していれば、彼らは目を見合わせたのだが。
==没
・二周目飯塚姉は止めるために近宮さんの近くにいたのに、生憎席を外してる時に事故がおきてしまい、マネ高さんに殺されたいがためなのか復讐のために山神奇術団にいる。
「まぁ、なんて近宮先生みたいな奇術なんでしょう」
そう言って目を細めて彼女は彼らをみた。誰もが息を呑み、彼女は気にすることなくその場を後にした。左近寺が舌打ちをする。花形だからって、と。自分こそあの人みたいな奇術をするくせに、と。眉尻を下げたさとみさんが苦笑いをした。
「ごめんね、高遠さん。飯塚さん、他の人達と仲が良くないの」
「そのナイフはしまってください」
そう声を掛けられる。後ろから掠め取られた紙に彼女を見れば、彼女は穏やかな珍しく笑みを浮かべていた。
「貴方が立つべきなのはそんなステージじゃない。もっと、華やかなものであるべきだと私は思うのです」
「飯塚さん、何を?」
「いいえ、ただの……私の願望でしょうか」
彼女はそう言って珍しく隣の席に座った。彼女はマネージャーの手を借りずとも一人でなんでもできる人だった。いつも一人でいて、誰かと関わることもなのだ。
「貴方がすることじゃない」
「飯塚さん、話が見えません」
「ーーただの独り言です」
そう笑った彼女は手元の絵を見つめた。
==
「手の内が暴かれたらマジシャンは幕を引かなければならない」
そう両手を上げた彼女は息を吐いた。それは安堵でもあるようだ。どうして、と尋ねた金田一くんに彼女は「さて、どうしてでしょうか」と笑みを浮かべる。
「まぁ、部外者の貴方が関係ないことであるのは確かです。貴方がそこまで解き明かす必要はない」
「飯塚さん!」
「さて、と。私はさっさとしかるべき罰を受けますかね。さよなら、名探偵くん、もう会うことはないでしょう」
彼女は僕をみた。そうして、柔らかな笑みを浮かべた。
『さようなら、魔法使いの息子さん』
「待ってください、飯塚さん」
そう彼女に手を伸ばす。彼女は気にすることなく歩き出す。待ってください!と叫んだところで彼女は止まることなく歩き出す。しかしながら、彼女は思い出したように足を止めた。
「あぁ、左近寺。死にたくないのなら彼女のノートにあった最後のトリックはしないことです」
「は?殺人犯が何言ってるんだ?」
「私は忠告しましたよ」
彼女はそう言って足を進める。
==
「こんにちは、明智警視、高遠さん。あれ、金田一くんは呼んだ記憶はないのですが」
そう首を傾げた彼女はどこか幼いように見える。それもそうだ。彼女は年齢からして金田一くんと近いはずなのだ。
「その様子を見るに、左近寺が死んだのでしょう」
「……ええ、マジック中にね」
「私はきちんと進言したはずですが」
彼女はそう言って目を伏せた。
「飯塚さん、貴方がしたのですか?」
「ノーコメント。忠告はしましたし、今までもあのトリックはしないようにと幾らかは進言してきました。それでも使った彼が悪い。そもそもーー欠点が見破れないくせにそのトリックを扱おうとした彼が悪い」
「欠点?」
「あのトリックは近宮先生の筆跡を真似て私が書いたものです」
彼女はそう告げる。
「近宮先生は二冊手帳を持っていらっしゃいました。私が彼女に尋ねると、嬉しそうに一冊の手帳はある人に渡すのだといい、もう一冊はスペアだろうと思っていたのですが……何を思ったのか、私に譲ると聞かなくて……その当時から左近寺達がノートに気づき始めていたんです。だから、私は自分に与えられる予定のノートに細工をした。分かる人なら失敗だと分かるマジックをいくつか書き加えたんです。彼女の筆跡を真似て。先生は困った顔をしていました。困った子ね、と……でも、自分の手元にくるノートです。それに自分が失敗だとわかるトリックを付け加えたってそれはなんの罪にもならない」
彼女は緩やかに目を伏せた。
「しかし、そのノートは私の手元に来ることはありませんでした。近宮先生が事故死、ノートは行方不明。もう一冊は素手に私が彼女に頼まれて然るべき人に郵送をしていた。そんな中、彼らが近宮先生のマジックをして見せた。理由なんてすぐわかる。彼らが事故死を装って、殺した。私がいない間に」
彼女は淡々と静かに語る。明智警視が彼女をみた。手を震わせて。
「ーーそれで人を殺したっていうんですか?そんなこと、貴方の師匠が望まないなんて、あなたはわかりきっていたでしょう!!」
「はい、そうですね。だからどうか、私を馬鹿な女だと罵ってください。彼女の復讐のためだなんて言葉を吐きながら身勝手に人を殺して、身勝手に身を滅ぼした愚かな人だと」
彼女はそう笑みを浮かべた。綺麗な笑みだった。
「だから、どうか、私を許さないでほしい」
その言葉は恐らく私に向けられているのだろう。彼女はしばらくそう告げたあと、あぁ、そうだと思い出したように金田一くんをみた。
「金田一くんが来てくれてよかったかもしれません。私には小学生の弟が一人いるんです」
「え?」
「親はあまり私の家を寄り付かないといいますか。親に私達は嫌われてるといいますか。恐らく弟は家で一人きりだろうし、近所の人の目もありますから君みたいな人が仲良くしてもらえると助かります」
「ーー飯塚さんの帰りを待ってるってことか?」
「あの子は賢い子ですから、私が罪を犯したことは理解しているでしょう……この際明智警視でも構いませんし、弟を頼みます」
==没
・適当に書く金田一と探偵学園ごちゃ混ぜ
あ、これは死ぬな、と思ったのはチェックインする時、目の前に事件ホイホイである金田一少年と七瀬女史、明智警視がいたからである。まぁ、どう考えても私の所属する会社はきな臭いのだ。これ私は殺されないだろうか。うん、殺される気がする。どうしたの?と告げた同期ちゃんに私は苦笑いしてなんでもないと返した。苗字ナマエ、多分今日か明日ぐらいに命を落とします。
恨みって何で買うかわからないわけじゃないですか。だから恨みを買った記憶はなくとも、人間殺される時は殺されると思うんですよ。美味しそうな食事を食べつつそう思う。営業にいる年上社員が来ない?もしかしなくても死んでるでしょ。うわぁ、これが最後の晩餐か……と思いながら食べている。ちなみにいつのまにか同期ちゃんは金田一一行と仲良しになっている。まぁ、ここにいるのは私達と彼らだけだから仕方がない。ごちそうさまでした。
はい、陸の孤島の殺人事件〜。ちなみに死体はみてません。いや、普通の人は死体なんて見ませんしね!!!しかも容疑者の一人にになってしまった。毎回オープニング後に私の履歴書写真がでてしまう。ちなみに私は同期ちゃんが犯人かな?と思っている。別にどうもしないが。何したいかわからないし。
「そういえば来週から推しがでるアニメが始まるんだった」
うっわー、死にたくない理由ができてしまった、と頭を抱える。何年待ったと思ってるんだ、第二期。いやこれ……えー……。贖罪の羊ちゃんになって殺される運命しか見えやしねぇ。どうするかなぁ、と談話室でぼんやりする。幼馴染みからのメールがきている。これ多分今日か明日あたり命日になりそうと送れば、すぐさま電話がかかってきたが無視をする。金田一一行と同期ちゃん達が私をみた。
「ナマエちゃん、何してるの!」
「いや、スマホみながらボーッとしてた」
「ボーッとって、あのねぇ、今の状況わかってる?」
「営業の年上さんが死んだらしいっていうのは」
「らしい?」
「見てないし」
「あれ、ナマエくん、あの時いなかったの?」
「いったけど、先輩が死んでる!?って叫んだあたりでやめた。死体みたさとかないから。夢に出てくるし。救急車とか警察は?」
「それが、道が崩れて来れないみたいなの」
ですよねぇ。そうため息をつく。また鳴ったスマホに同期ちゃんがナマエ、スマホと指差した。
「幼馴染みからの電話だから放っといていい気がする」
「いや、ナマエくん、ダメでしょ」
「ごめんね、金田一くん。この子は苗字ナマエ。私の同期なの。かなりマイペースなのよ。ナマエちゃん、電話にでてあげたら」
「うーん……うん、そうする」
もしもーし、と声を出せば怒鳴られたでござる。うるさい。
==
次の日はなんと社長がお陀仏になった。なむなむ、と手を合わせる。自殺か他殺かなんて分かりきっているが。それに合わせて何人かが怯えた。ちらりとみた犯人からのメッセージは知らないものだ。多分それを見て怯えたと推測できる。ふむふむ、と事件現場をみていれば、明智警視がこちらを見下ろした。
「苗字さん?」
「はい?」
「いえ?マジマジとみて大丈夫なんです?」
「いろんな意味で大丈夫じゃないです。明日からどうしよう。死体なんてやっぱり見るものじゃないですね」
同期ちゃんがよろけて金田一くんと七瀬さんにつれていかれたので私は残っている明智警視を見上げる。
「さっき、あのメッセージを見て二人ぐらいが顔色変えてたんですけど、何かあるんですかね」
「貴女は意味が?」
「全く。でも顔色変えてる人がいるとなれば何かあるんでしょうね」
そう扉にもたれかかり眺める。うーん、トリックらしいトリックはなさそうだ。ということは証言トリックですね。
「ちなみに、それは誰と誰でしたか?」
「主任と部長でした」
==
みんな集まってる場所でスマホゲーをポチポチしていたら同期ちゃんに空気読めって言われたでござる。異議あり!こんな重苦しい空気の中休息はゲームしかないのだ。隣にいるいい声の中途くんだってそう思ってるはずだ。許せ、とおもっていればスマホを取り上げられた。
「今いいところだから待って、まっ……あ〜〜!おにぃ〜!!」
「ナマエちゃんが空気読まないからでしょ!」
「そうだぞ!苗字!」
イライラしている主任に怒られてため息をついて椅子に座る。中途くんが苦笑いした。この中途くん、声からして高遠さんっぽいんだけど害はないのでスルーだ。
「苗字さんは怖くないの?」
「怖いからゲームして気を紛らわせてるんだけどなぁ」
「ナマエちゃん、そうは見えないわよ」
「エェー、心外だなぁ」
そう言って彼女の手からスマホを取り戻そうとしてみる。まぁ、猫じゃらしみたいにひょいひょいされたけども。
「苗字!静かにしてろ!」
「なんで私なんだ……?部長焼きすぎたベーコンみたいにカリカリしてません?なんでそんなにカリカリしてるんですか。まるでなんか心当たりがあるみたいな……」
「そんなもの、ない!俺には断じてない!」
「俺には?まるで他の人にはあるような言い方ですけど。私全く心当たりないんですよね。でもまぁ人間どこで恨みを買ってるかなんてわからないし、知らないうちに何かしてるのかもしれないですけど」
「黙れ!」
投げつけられた灰皿をキャッチする。
「そんなに怒んないでくださいよ。やだなぁ」
「苗字、お前の問題行動は目にあまりすぎるぞ!お前が犯人じゃないのか!」
「私部長達に恨みとか辛みないんですけど、ひどくないです?……ああー、そっかぁ、そういうことね、はいはい」
そう言って腰に手を当てた。ほーん。な、なんだ、と声を上げた彼に「いやこちらの話ですけど」と言っておく。明智警視が私をみた。
「苗字さん?どうかしましたか?」
「いや、この会社に入った時、当時いた先輩に社員が失踪したっていう話は聞いてたんですよ。怪談じみたやつだったので今まで気にもとめなかったんですけど」
ははーん、と言いながらそういう。それが同期ちゃんの身内だったとか言うオチね。当時のその社員の同期が主任、上司が部長とかだろう。ふーん。まぁこれで私の死亡フラグは跳ね上がりましたね。あと失踪者は見つかってないのだが、私の感が正しければエレベーターの上か下にいるよね。臭いは大丈夫なのだろうか。当時はきっとくさかろう。まぁ追求しよう。暇だし。
「その人、エレベーターの上か下にいるんでしょ?」
「っーー!」
「ナマエちゃん?どういうこと?」
「古いエレベーター、こわれてるのになんでずっと変えないのかなって思ってたんだけどね」
同期ちゃんにそう告げてみる。金田一くんが首を傾げた。
「壊れてる?」
「うん、だって規定よりも軽いはずなのにブザーなるしね。なんでかなぁってずっと思ってたんだ。計器が壊れてるのかなって思ったりはしたけど、どうも違うし。となると、エレベーターに目に見えない何かが乗ってることになるじゃん。幽霊は体重ないし、見えない死角ってなればエレベーターの上か下でしょ?」
こてん、と首をかしげる。部長の顔色が悪い。
「だから、きっとそのどちらかにその人がいるままなんだよ。事故なのか事件が知らないけどね。きっとそれが関係してるんだろうなって今思った。あと主任遅いね」
付け加えてそういえばみんなハッとした。まぁ死体で見つかるんですけどね。
中途くんがにこやかに私のそばにいる件。
「苗字さんは推理ものが好きなの?」
「好きじゃないよ。幼馴染みは好きみたいだけど」
「でも、さっきの推理は面白かったよ。もしかして犯人がわかってる?」
「知らないけど自分に死亡フラグを立てまくってるな、とはおもってる」
頬杖をついて足をぶらぶらする。彼は目を瞬いた。
「ずっとおもってたんだけど、いい声してるよね」
「僕が?」
「うん。手もしなやかで綺麗だし。でも小さくないし」
そう言って彼の手と自分の手を比べてみる。暇だからマジック見せて欲しい。マジックに向いてそうと言えば彼は目を瞬いた。
「そんなことをいわれたのは初めてだよ」
「そうなの?じゃあ、マジックに向いてそうだし、マジック練習して見せて欲しいな」
「また君は困ったことを」
困った顔をした中途くんに私は首をかしげる。
「向いてると思うんだけどなぁ」
そう言いながら私はまた足をプラプラとゆらした。
==
謎は全て解けた!
金田一少年の推理のターン!同期ちゃんの回避!回避不可!を繰り返して、撃沈です!同期ちゃんの部長への最後の攻撃!そこら辺で私は近くのソファに座る。またこれだ。急な眠気である。頭を抱えて目を伏せる。周りの騒ぎが遠くなる。一瞬眠りの淵に足をかければ、頭の衝撃で目を覚ました。一瞬寝てた。たらりと流れた血に、人影を見上げる。なるほど部長。周りが驚いたように口元隠してる。明智警視に抑えられた部長がお前のせいでとかいわれてるけど知らないし。
「……私はあの子に何にも言ってないよ。あの子はあの子で見つけたか貴方達の会話聞いたかしたんじゃないの。そもそも貴方達が人を殺してなかったらこうはならなかったでしょ。人を殺したんなら殺される覚悟した方がいいよ。ていうか、今回結局どっち」
そう同期ちゃんに聞いてみる。どっち?と首を傾げた周りに、わたしは続けて首をかしげる。
「君に知恵を授けたの、地獄の使いか冥府の使いかどっち」
同期くんと中途くんが動き止めたけど。同期ちゃんが暴れないのをみると同期ちゃんそういうことね。
「これってダブルブッキングタイプでは?」
実行犯、地獄の使いの人形同期ちゃん、便乗待機、冥府の使いの言いなり部長。ほーん、と納得する。周りがたくさんはてなを浮かべている。
「これって部長役得でしたね」
「なにいって」
「口封じに殺す気だったんでしょ。どうせ自首したいとかいった他の被害者との会話の一部を同期ちゃんは聞いたんだろうし、焦った貴方は他を殺す気でいたけど、自分が行動起こす前に同期ちゃんが殺し始めてびっくりしたのでは?よくわからないけど周りは死んだけど自分は生き残ったし、後は自分が黙ってたら関与も何もわからないからオッケーみたいな。むしろ被害者側になったし、ラッキーみたいな。でも所がどっこいそうは問屋が下さないというか。まぁ、部長、財産3分の2差し押さえどんまいです。冥府の使いは手数料高いね」
「頭がおかしいんじゃないか!!?」
「……別にその認識でいいんですけど……私は探偵とかじゃないわけですし……退職する気だし……まぁ、頑張ってください。自分がしたことっていつかは返ってくるからさ。特に悪いことは。結構な割合で一生怯えて暮らすことになるから自首をお勧めしときますけど」
そう言ってあくびをこぼす。眠い。貴方も署でお話をお聞きしますよ、と誘導した明智警視に多分部長のスイッチが入ったらしい。近くにあったナイフを手に暴れようとした彼に近づき一本背負いを決める。
「警察に誘導されるだけでスイッチ入るの笑う。ガチでダブルブッキングだし余計に笑ってしまう。やめて欲しかった。気のせいでしたが良かった」
「苗字さん?!」
「あー、同期ちゃん、もう犯行起こって今更なんだけど、君のお姉さんエレベーターの上から発見されたんだって。ごめんねぇ、発見遅れちゃって。そもそももっと早くに探偵が動いてたら君は殺さなくて済んだのにね」
「ナマエちゃん、なにいって」
「私辞めた先輩にちゃんと言ったんだよ。こういう失踪事件で頼るなら警察じゃなくて探偵の方がいいよって。でも結局あの人は探しはするけど、死んだっていう真実を受け止めたくないみたい。まぁ、婚約者の恋人が死んだってなればそりゃあ受け止めたくはないわな。私が先に気にして幼馴染みに連絡したら良かったんだけど、私てっきりうっかり怪談話だと思ってたから相談しなかったんだよね。先に私が相談していたら君に手を差し伸べたのは正反対の存在だったかもしれないのに」
「うがぁぁ!」
「部長は黙ろう?今ちょっと探偵さんと警察が弊社を証拠探し中だから警察署で大人しくしてて」
そう言って気絶させる。遠隔で発狂(笑)できるってことはこりゃあ番犬くんでは。そう思いながら同期くんをみる。ニコリと笑われてしまった。君はやっぱり鼻が効きますね、とジェスチャーされた。うるせぇ。
「わりかしまじでうるせぇ。私一般人なんだけどな!?好きで事件巻き込まれてるんじゃないんだけどな!?!?」
「ナマエくん?誰に言ってるのさ?」
「イケメンだからって」
「こわっ。ところで、ナマエくん、今日薬飲んでるところみてないけど大丈夫なのかな?そんなにハイテンションになると、大丈夫じゃないだろ?」
「大丈夫じゃないわ、薬は二日目から行方不明だからこちとら二日目から眠気耐えてるの」
ぐるる、と手負いの獣みたいに警戒する。いや実際怪我してるから手負いの獣なんだけど。うとうとと襲ってきた眠気に苗字さん!?とフォローしたのは傀儡子の方である。明智警視よこせよ。
==
はっ、と目が覚めたら車の中だった。これ傀儡子に私殺されませんかねぇ、と思いながらボーッとする。中途くんが運転中である。助手席?明智警視ではなく同期くんですよね。私の隣にはなんと金田一くんと七瀬さんだ。せーーふ?起きた?と尋ねた中途くんに、うーん、と声を上げる。金田一少年がこちらをみた。
「苗字さんは病気なんですか?」
「ナルコプレシーなんだよね」
「ナルコ……?」
「居眠り病って言って、気づくと寝てるんだよね。いつもは薬を飲んでるから大丈夫なんだけど……二日目ぐらいに薬なくしちゃって。多分誰かにとられた」
そういいながら目を伏せる。苗字さん?ともう一度尋ねた中途くんに、口を開いて起きてるよ、と答える。
「ダブルブッキングって言ってたけど、あれはどういうことなんですか?」
「地獄の傀儡子と冥王星がこんにちはしてるなって思って」
「地獄の傀儡子は指名手配犯だよね?冥王星って?」
「なんか集団で殺人教唆してるらしいってことぐらいしか知らないけど、気をつけた方がいいよ。あんまり首突っ込まない方がいいよ、少年。怪我しちゃうからね」
そう言って金田一少年をみた。苦笑いしてる。どうせ俺は首を突っ込みたくないんだけど向こうがちょっかいかけてるんだみたいなことを考えてるよね。
「苗字さんって何かあったの?」
「なんにもねぇんだな、これが。面白い過去とか暗い過去とかあったら決まるのにね、残念」
そうケラケラ笑う。あ、いや、面白い話あったわ。私転生者でーす!……とか言ったらただの電波だしな、黙ろう。寝たフリしよう。すやすや。
「ナマエくん、寝たフリだってすぐわかるよ」
「うるせぇ、私は疲れたから寝ます。おやすみ」
げしげしと番犬の席をける。彼は笑うだけだ。私は本気で寝るぞ。幼馴染みの七海くんがきてくれるんだからな。
==
起きたら七海くんにおんぶされてたでござる。まだ十代だからセーフ!と言えば「アホ」と怒られた。これはDDCにドナドナされているに違いない。げしげしと足を動かす。
「暴れたら落とすぞ」
「いやだい、いやだい。今回の、ほんっと最悪だったんだからね」
「何がだよ」
「地獄の傀儡子と冥王星のダブルブッキング、先に殺したのが地獄の傀儡子の方だったからそのまま冥王星は黙って見てたみたいだけども。素人高校生探偵くんがいなかったら絶対惨劇になってたから」
「素人高校生探偵?」
「金田一耕助のお孫くん。なかなかの推理力をお持ち」
そう言って体重を後ろにかける。そういや初めてのエンカウントなわけだし、もっと話せばよかったと、見上げた空は青かった。
==没!
Comment(0)
次の日 top 前の日