2020/10/15

タイトル未定 5

・原作筋と見せかけて持田がイギリスにいる
・主人公なんやかんやでドイツで花森と同棲中。たまに持田がバカンス(笑)にくる
・持田含む海外組と仲良し

「椿くんと窪田くんが今季断トツの推しだから見てきて」
そう言って圭悟くんを送り出したのであるが、まぁ、うん、なんで俺以外を推すんだ?という顔をしてらっしゃる。違うんだよー、なんやかんや、怪我のない持田蓮も招集されてるから日本が安定して強いんだけど、違うんだよー、めちゃくちゃあの二人のコンビはいいんだよー、と告げる。持田蓮が海外にいる以外の流れは変わらないらしく、椿くんは順調にステップアップ中である。まぁもうどんな流れか忘れかけてるけど。
「なんだろう……世代交代されないように頑張って!」
「……せ、世代交代などありえにゃい……何故なら俺が一番の天才プレーヤーだからだ……」
「うんうん、そうだね、あ、サインもらってきて!」
「……ナマエ、話を聞いてないな」
「聞いてるよ。圭悟くんと持田蓮のコンビは確かに一番だし、一番推してるコンビだよ」
「何故持田がはいる……」
「圭悟くんが生涯かけて一番の推しなのは確定だから」
そう笑えば彼もゆるく笑う。うむ、今日も圭悟くんは可愛い。
「がんばれ、圭悟くん」
「あぁ」
「美味しいもの作って待ってるよ」
ハグをしてから手をひらりと振る。彼は頷いてそのまま日本へ向かうのだ。

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「あねさーん、また二人に変なこと吹き込んだやろ」
「えっ?」
「主に窪田と椿について。めちゃくちゃ対抗心燃やしてはるんやけど」
「今季一番の推しって言った」
「……もっとえぐいの言われた……」
「と被害者は言ってはりますが」
「世代交代されないように頑張ってとも言った」
私の発言に、電話先のアレックんは頭を抱えたらしい。それやわぁ、と告げた彼に私は苦笑いする。
「どう考えてもそれやわぁ」
「持田蓮には言ってないよ。圭悟くんには言ったけど」
「どうせ蓮はハナ経由で聞いたんやろ。あねさん、あかんでー?あんまり焚きつけたら」
「えーだってさー、二人はすごい楽しそうにサッカーするからさー、私は応援したいんだよー」
そう言いつつ好きな曲をピアノを弾く。
「……というか今思い出したけど、ユニフォーム一新されてない?全員分のサイン欲しいんだけど」
「あねさん??そうマイペースに話し変えんのやめてくれる??めちゃくちゃ二人が敵意丸出しやねんで??」
「いやー、だって、口から出ちゃったものは仕方がない。まぁ今の二人の実力なら当分は並ばれないと思うけどね。断トツ二人の方がうまいでしょ。いつまでも王様気分になってたら若手に足元すくわれるから、危機感もたないと」
「正論やねんけどさー、もうちょっと、こう……」
「お、なんだ、ピアノの音聞こえると思ったら苗字と通話中か。お前また花森に何か言ったな?」
ジョーさんがはいってきたらしい。そして繰り返される質問である。アレックんが説明したけども。なに。そんな敵意もやしたの?相手8歳違うんだぞ。その世代の天才じゃん。
「こうなってくるとどうせ圭悟くんと持田蓮は同部屋で実はそこにいるだろうし、桐生さんは?」
「部屋でゲームしとるよ。蓮様は雑誌読んどるわー」
「おぉ、さすがガチゲーマー。抜かりがない」
「苗字も珍しく何かでんのか?ピアノの練習だろ?」
「いや、圭悟くんいなくて暇だから弾いてるだけ。今日サッカーの試合どこでもやってない。撮り溜めも圭悟くんいないから見ちゃったし。何でもない日だから弾いてる」
そのまま何でもない日おめでとうの曲を弾く。のろけんな、とは持田蓮様の発言である。
「ねぇ、やっぱり新ユニに控え含む全員のサイン貰いたいんだけど」
「おっ、いーぜ!」
さすがジョーさんである。

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「か、」
アレックんから送られてきた画像をみて戦慄する。圭悟くんと椿窪田コンビが一緒に寝転んでいる。なんだこれは。
「かわわ……可愛い……なんだこれは……まるでアザラシ……待ち受けにする……ありがとう……」
可愛いすぎる。私も一緒に何故か管理している花森公式インスタにアップするしかない。いやでもこの可愛さは私だけが持っていたい。とりあえずホーム画面にする。これはいいものをもらってしまった。



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椿くんのラフプレーを蓮が止めたのを見てホッとする。そんなことしてる暇あんの?と多分椿くんに向かってキレている。窪田くんが怪我で退場した時のまま、時間固まった椿くんをおいて試合の時間はすすむ。結局はいつもの二人が再度の同点、そして勝ち越しゴールを決めるのだ。流石にメンタル面はこれから頑張ってもらうしかない。恐らく椿くんは決勝には出ない。持田蓮が邪魔扱いするだろう。そして私は知り合いではないから彼の精神をヨイショすることもできない。恐らく持田蓮は機嫌が悪い。すこぶる悪い。圭悟くんはもしかしたら椿くんを心配するかもしれな……いや、圭悟くんもああ見えてシビアなところあるし、できなければそれまでって考えるからわからないけども。椿くんが酷い顔してるんだろうな、とは簡単に想像がつく。そして、こういう時に椿くんと二人の間に入る人選も想像がつく。
「いや、あねさんにアドバイス貰おっかなぁって。あねさんはほら上手いこと人のモチベーションあげるやん?」
そう言って相談をよこしたのはやはりアレックんだった。私は彼の言葉に「褒めても料理しかでないよ」と返しておく。お悩み相談会である。蓮も機嫌悪いし、と言って見せたアレックんに想像がつくんだよなと思う。
「椿選手結構ETUとかU22のプレー見てても気分でノリが変わるからなぁ」
「気分?」
「気分っていうよりは何だろうなぁ。怖がりというのか、プレッシャーに弱いというのか……最近はそうじゃないけど、最初は精神面がぐらついたらだめというか……そんな印象があるなぁ……というか、持田蓮が怒ってるってことは、やっぱりあれって椿くんがラフプレーしそうだったから蓮くんが止めたの?」
「え?」
「え?違う?あのまま蓮くんが止めずに椿くんが突っ込んでたら絶対に手を出してでも相手を止めてたと思うんだけど」
そういえば持田蓮の声が「止めた」と話に割り込んでくる。オープンボイスにまたしてるらしい。馬鹿なことしそうだったから、とは持田蓮の台詞である。
「まぁ、窪田くんの怪我で焦って焦ってどうすればいいかわかんなくて、頭が真っ白で、とにかく止めなきゃ見たいな感じに陥ってたんじゃない?テレビに映った時、めちゃくちゃ悲壮な顔してたもん」
ははは、と笑いながらそう告げる。
「でも、そういうのってさ、結局は自分で乗り越えるしかないよね。多分変に励ましても裏目に出るし、叱ってもメンタルがどんどん落ち込むから。結局は先輩っていう上の立ち位置の君たちはあの子の隣に並べないから彼が乗り越えるのを信じるしかないんじゃない?乗り越えられなきゃそれまでって割り切るしかないよ」
「ねえさん今日はシビアやな」
「だって、サッカー代表になるとよくわかんないけど、日本代表する立場ってそういう場所じゃない?大学のオーケストラとかもそうだったよ。今回のメンバーでやりたいと思っても次もそのメンバーでできるかはわからない。同じ場所にいたいなら、相手が同じようにまたやってくるのを、相手の実力を信じるしかないわけだし」
そこまで言ってうーんと唸る。
「でも、そうだな、何かどうしても言いたいならさ、俺たちとするサッカーは楽しい?って聞いてみたらいいんじゃない?」
「なんだそれ」
「なんだろう」
私の中のある意味の指針だ。彼らにも尋ねることなのだが。楽しいのか、課題はあるけど楽しいのか、課題があるから楽しくないのか、もう楽しくないのか。でもいうことではないために言わないが。
「上手いこといくようにするおまじないかなぁ」
そう言って私は目を伏せた。

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「あ、帰ってきた。おかえりー!」
そう空港で手を振る。私を見つけた圭悟くんはひらりと手を振って少し早足でやってくる。まぁ今回UAEはあまり女子一人はやめといた方がいいと一部に言われたから留守番だったのであるが本当は会場に行きたかった。やってきた彼に周りと同じようにハグをすれば背中に手を回されて固定されたのだが。なるほど、疲れてる。背中をぽんぽん叩いて、もう一度おかえりと笑いかける。
「……今回は……流石に疲れた……」
「まぁ準決勝決勝と延長の末の激戦だもんね。そりゃあ疲れるよ。圭悟くんは日本のエースの一人だから余計ね。楽しかった?」
そう彼から離れて小首をかしげる。彼は目を瞬いた。
「……なんだかんだ、な……でも、ナマエが応援に来てくれた方が楽しかったと思う」
ゆっくりと二人で歩き出す。やはり彼は歩幅を合わせてくれるのだ。
「圭悟くんが止めたんだよ?」
「……あんな気温の場所にいたらナマエが倒れてしまう……あと変な奴に捕まる……」
「この心配性めー。今日のご飯は圭悟くんの好きなものづくしだからなー、覚悟しろー」
そう言って彼のスーツケースの取手を私も手に取ってひっぱる。そのまま雑談しながら家路についた。

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「いや、だって可愛いから仕方ないよ」
圭悟くんにスマホのホーム画面を見られて取り上げられている。いやー、圭悟くん身長高いし腕も長いから私が飛び上がっても届かないんだよね。ぴょんぴょんと跳ねて奪還を目指すが奪還できそうもない。
「アレックんからもらってさー、実に可愛くってさー」
「……かわいくなど……」
「アザラシが並んでるみたい」
「……アザラシ……」
「私の癒し」
「……。……本人が……目の前に……いるんだぞ……写真にかまけるなど……」
「それもそうだ。えいっ」
そう言って彼に抱きつく。彼は固まったけど、これお決まりのパターンだからね。そろそろ慣れたらどうなんだ??いや、これ私に抱きつかれたくてやってる可能性もあるな。

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