2020/12/31
大晦日だよ!没ネタ整理!6
そもそも私は人の姿をとれることはとれるのであるが、人間というわけではない。ただ、館長が危なっかしいから、だとか、手伝ってほしいとぼやくから仕方なく人の姿をとるのだ。だが、錆びてしまった体を隠すために包帯を借りたりしていたのだがバレてしまったらしい。森先生が困ったように館長に報告したからだ。
「包帯がなくなった?」
「ああ、とくに誰かが怪我をしたわけではないのだが、夜間になると包帯の在庫が減っている」
「ふむ……」
そう少し考えた館長は困ったように笑った。
「俺のポケットマネーで補ってはいけないかな?」
「そういう問題では……」
「いいや、夜間にたまにきて手伝ってくれる青年がいるんだが……肌を患っているようでな。恐らくはその子だろう。アルバイト代も出してやれてないからそのかわりといってはなんなんだが……」
ふむ、さっされている、と私は苦笑いする。森先生はあなたがそういうのであればと眉尻をさげたのだけれど。
「しかし、夜間に……?」
「あぁ、何処から忍び込んでくるのかはわからないんだが……」
「……それは」
泥棒というのでは。森先生の呟きに館長は首を左右にふった。
「いや、泥棒というよりはーー」
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何処か浮世離れしたような人物。そう例えて見せたのは館長である。幽霊か、妖怪か、そう言ったものが化けているような、と言葉を濁した館長になぜそう思うのかと尋ねたところ感覚でと言われてしまえばそこまでではある。だが、なぜ館長がそう告げたのかは理解できた。夜分、夜中に差し掛かる頃である。人気の全くない図書館の窓に人影が写っていたからだ。月明かりが入るその場所で、頬杖をついて本を読んでいるのが見える。恐らく件の人物だとはすぐにわかった。その姿があまりにもこの世のものとは思えなかったのだ。そこに向かって話しかけるべきか、否か。そう少し考えてその場に向かう。しかし、その窓辺に向かっても無人でありそこには誰かが忘れたように本が置いてあるだけだった。
それを繰り返してしまえばそのような話を書いてしまうのは仕方ないだろう。今日もその青年は月明かりを浴びながら本を読んでいる。
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錆が広がっている。当たり前である、何十年も手入れされていないのだから。
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