2020/12/31
大晦日だよ!没ネタ整理!9-1
・妹ちゃんNRCいり
オンボロ寮と呼ばれる寮は私とグリム、ゴーストしかいないわけなので私が歌を歌ってようが横笛を吹いていようが何も言わないのであるが。やってしまった、と思うのはモストロラウンジの手伝いの時に口ずさんでしまったことだ。賛辞で終わるのならばいい。しかしながら、それで終わらないのがモストロラウンジというかオクタヴィネル寮というかアズール先輩というか。しかしながら、給料をはずむと言われてしまえば頑張るしかないのだ。服はほら、先輩達の寮の服を貸してくれるのだし。仮面っぽいのつけるわけだし。ヴィル先輩監修メイクもあるわけだし。息を吐いてマイクの前に立つ。別の先輩がピアノ弾いてくれるし。そうして流れ始めたjazzに私はくちずさむのだ。
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どうやって来たかはわからないし、どうやって帰るのかもわからない。16歳の姿に戻ったのはまぁ不思議現象だかいいとしても。男子校って、私が海軍学校にいるようなものなのでは。いや、最初はパニックだった。男装した方がいいと学園長に言われるがまま男装したが、なんていうか、距離が近い。向こうは男だと思っているから余計であるし、刺激がありすぎる。少しずつ慣れては来たが、それにしてもだ。はー、と息を吐いてグリムのツナ缶を開ける。あの日常にいつになれば帰れるのだろうか。
面白いことに、この学園で英雄の如く偉大な人とされているのは私の世界の物語の悪役である。短所と長所は紙一重だなんていうが、確かにそうかもしれないな、と授業を受けながら思うのだ。と、言っても不思議の国のハートの女王と人魚姫の話にでてくる海の魔女以外はよく知らないのであるが。
「監督生?」
メインストリートで箒片手にぼうっと銅像を見ていれば後ろから声がかかる。そちらを見ればトレイ先輩だ。
「こんにちは、トレイ先輩」
「何してるんだ?こんなところで」
「グリムが補修に捕まってしまって。一緒に受けようとしたらダメとトレイン先生に言われて……暇ならと学園長に掃除を頼まれて……今です。アルバイトも今日はお休みなので」
苦笑いしながらそうつげる。彼はならウチで一緒にお茶会はどうだ?とくびをかしげた。私は目をパチパチと瞬く。
「いいんですか?」
「構わないよ」
「掃除も終わったので嬉しいです。学園長に言ってきますので寸分お待ち下さい」
「あぁ、じゃあ一緒に行こうか?ついでに買い出しを手伝ってくれたら助かるんだが」
「はい、わかりました」
箒を片付けながら頷く。そのままトレイ先輩についていけば、彼はおかしそうに笑った。
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「んん……」
「ナマエ、何してんの?」
「モストロラウンジのポイントカードが溜まったのでどうしようかと」
そう思いながらポイントカードを見つめる。なんでも叶えてくれるけれど、元の世界には帰れない。欲しいものも自分でお金を貯めて買うつもりである。フルートに似た横笛は作ったものとサムさんに取り寄せてもらっているわけであるし。
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「……ループくん?」
そう首を傾げた先にいたその人は私を見つめて尻尾を思いっきり振った。やっぱりイロハじゃないか!とハグをした彼はジャックくんのようにやっぱり狼なんだろうか。
「なんで?どうして?イロハがここにいるんだい?食べてしまうよ!」
「……監督生、知り合いか?」
「ええっと、元の世界でお会いしました。友達です」
そう紹介すれば周りが驚いた。いやこう説明するしか私にはないのだけれど。あの頃の外見に耳をはやしたループくんは眉間にシワをよせる。尻尾の揺れが収まって垂れた。可愛い。
「……元の世界?君、迷子なのかい?というか、その制服、NRCの制服だよね?お兄さん達はどうしたんだい?」
「はい。えーと、気づいたら入学式の棺の中で……兄達もいませんし、元の世界の帰り方もわからないので学園でお世話になっています。ループくんはご存知ありませんか?」
「うーん、ごめんねぇ、僕も知らないんだ。僕もわけわかんないうちに向こうにいてオバブロみたいな感じになっちゃって……気付いてら戻ってたわけだから……でも君、NRCの卒業生の僕がいうのもなんだけど、どっちかっていうと資質はロイヤルソードとかじゃない?」
「?」
はてな、と首を傾げる。彼は「あー、だめだこりゃイロハわかってない」と頭を抱えた。あっ、というふうに彼は手を叩いて私をみた。
「これってもう僕と住めばいい話なのでは?」
「もー、なんでそうなるの!またからかってるでしょ!」
ぽこぽこと彼を叩く。いてて、と言った彼は「いやホント」と首を傾げた。
「なんでイロハが来たんだろう。僕はまた会えて嬉しいけどさ!」
「私も嬉しいですよ、こうしてまたお話できるとは思いませんでした」
ふふふと笑えば、彼は先生をみる。
「クルーウェル、気をつけてたほうがいい。この子ほんっとひとたらしだから」
「それはなんとなく見てたらわかる」
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「うーん、そもそも私の世界には魔力ではなく霊力というものがあって……幽霊も全員に見えるものではなくて霊力が高い人しか見えなかったりするんですけど」
学園長やループくん達とお茶会中である。
「霊力が高い人によっては悪霊を払うのはもちろん、炎を出したり、治癒してみせたりできるんですよ」
「イロハもできるよね?そういう立場にいたでしょ?」
「私はせいぜい笛を吹いて悪いものの動きを止めたり仲間の力を増したりですね。あんまり攻撃は好きではありません。後は他人に霊力を送ったりです。流石に場所をワープしたりはできません」
「そもそもあの世界面白かったからなぁ。蒸気と機械じゃん」
「蒸気、ですか?」
「そ、蒸気。湯気でなんでも動くんだぜ。凄くないか?」
ケラケラと笑ったループくんに私は苦笑いする。私にとってそれは普通だ。
==もしpxzが混ざった新桜世界から妹ちゃんが来てたら
頭を抱えたくなる。いや、こうなってしまえば私の世界のゆがみが影響してしまっているとは思われる。おかあさん、おかあさんとやってくるイロハと、ナマエさんナマエさんとやってきた彼らに大変頭を抱えたくなった。おかあさん?と首を傾げた学生側に、私にべったりとくっついたイロハは彼らをみた。
「ゆーかいはん!」
「違います。私が迷子になってしまっただけです。ロッツェ達はどうしてここに?」
「ナマエさん色々待ってほしい。アンタの姿も謎なんだが、ここはどの国に値するんだ?イギリスか?」
「イギリスにこんな場所ねぇよ」
「私達の世界ではありませんので国名を聞いてもわからないでしょう」
そういえば彼らはピタリと動きを止めた。ケラケラと笑ったジェイミだけが、「不思議だねぇ」と告げたのだが。
「ナマエさんはここに来る前何してるか覚えてる?」
「……紐育にいましたね」
「もっと詳しく」
「……あまり覚えてないんです。ただ、夜間に……紐育で……誰かを庇った記憶はあります」
「ソレなんだよねぇ。多分、僕らの世界で悪さしてる奴の力でミツハさんはこっちに来ちゃったんだよ」
「で、偶然この学校の入学式に紛れ込む結果になった……と」
ふむ、確かに納得できる内容ではある。
「ナマエさんが行方不明になった他、紐育では謎の失踪事件が多発してる。俺たちはその調査に……」
「!えっ!君たちも行方不明になってるじゃないですか!こらー!紐育どうするんですか!」
「きゃー、おかあさんおこった!」
「そりゃあ、怒ります!」
「半分以上残ってるから大丈夫だろ。というか、いなくなったナマエさんが悪いんだからな」
その言葉にがっくしと肩を落とす。こほん、という咳払いが聞こえてそちらを見る。そこにいた学園長に私は謝った。
「ご迷惑をおかけしました、彼らは身内です。私の世界で何かあってこちらに飛ばされたみたいです」
「わかりました、詳しくは別の場所で伺いましょうか。こちらに」
そう寮の方に誘導される。へばりついたままのイロハを抱き上げて、グリムには歩くように告げてそのまま向かった。
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「私の世界には確かに魔力も魔法はないのですが、」
「えぇ、お聞きしましたね。そのかわり霊力というものと霊力から引き起こされる科学では解明できない奇跡とされることがあると」
「はい。しかし、ごく稀に、怪人や降魔と呼ばれる存在が天災として現れるのですがその彼らは魔法に似た力を持つことがあるのです」
「ふむ……」
「こちらにわかりやすいように簡単に言えばオーバーフロットを起こした状態で彼らは現れます。人からそうなる方もいるとは聞いたことがありますが、大体は生まれながらにそうなんです。人を恨む思念や怨念から多くは誕生します。一応そのようなことがある可能性も探していたのですが……」
私の言葉に学園長はふむふむと頷いた。
「イロハから軽く話を聞きましたが、鏡を使う怪人である可能性があります。その存在が使う鏡とこちらの魔法の何かが偶然一致して繋がった可能性がとても高くおもいます。そうなると私達の世界の鏡が割れると私達が元の世界にかえる可能性が高いでしょう」
「?なんでそうなるんだ?」
「私の世界において鏡は魔を封じたりもする、まぁ、閉じ込めるモノです。閉じ込めたものを解放するには閉じ込めたものを壊すしかありません。それか鏡を奪うかでしょう。私達はこちらにいる以上手も足もでません」
「こちらの世界の魔法を使えばあるいは、ということですね」
「はい」
「……魔法魔法って、ナマエさんガチでこの世界に魔法あんの?」
「あります。とても不思議ですよ。まるで御伽話の世界みたいで素敵です。使えないのが本当に残念です」
「ゴーストも僕らが知ってるような姿じゃないもんねぇ」
「俺たちの世界は死んだそのまま姿だもんな」
「ところで、ナマエさん、娘さんですか?」
「はい。イロハといいます」
「嘘だろ、監督生子持ち人妻……?」
「では、彼らも貴方もその力によってここに来た可能性がありす
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