2021/02/13
↓の現パロ??
・現パロ于禁殿がいる
目の前にいる教師は于禁殿に似ている。于禁殿?と首を傾げた私に彼は若干目を見開いて私を見下ろした。その様子さえもそっくりであるが、私はあり得ないのだと目を伏せた。
『申し訳ありません、少し似ている方がいらっしゃいましたので』
『いや、中国語が喋れるのか?』
『少しだけ、独学ですが』
『そうか』
彼はそう言って私の名札を見る。新入生だな、と言った彼は私をまた見た。
『于文則だ。中国語の教育をしている』
『井伊ナマエと申します。よろしくお願いします』
ぺこりと礼をすれば彼はふっと息を吐いた。
==
・于禁殿とできて……できて????
向こうは今の立場は教師であるし、こちらは今の立場は生徒であるのだ。だから、私が(嫌な話ではあるが)生徒会の仕事を夜遅くまでしていると彼が送ってくれるのだ。于禁殿、今では文則先生が車を運転する様は格好いいので隣はお気に入りである。
『ナマエ、まさかとは思うが、わざと残っているんではなかろうな』
そう言った彼にどきりとする。運転席からこちらを見下ろした彼を私は見上げた。決してわざとではない。わざとではないが、少しの期待があるといえば彼が怒るのはわかっている。眉間に皺を寄せてこちらをみている彼に私は苦笑いしておく。
「わざとだといえば、他の子のように怒られてしまいますか?」
「そうだな、そうせねばなるまい」
「……嫌いになってしまいますか?」
そう、肯定とも取れる言葉を投げかける。彼は眉間に皺を余計に寄せたが。
「答えはわざとではありません。晃を慕う子たちが皆仕事の邪魔をしてくるので追い出す結果、こうなります。でも、」
「でも?」
「こうすれば、貴方と二人で話せるので」
そう目を伏せる。きっと彼は怒るだろう。彼は「そうか」と車を進ませる。
「お前は気づいていないだろうが、私はわざと遠回りをしている」
彼の言葉に彼を見上げた。
「こうすれば、お前と長くいられるだろう。だが、これは本来許されないものだ。昔から関わりはあるとはいえ、この感情は一介の教師が生徒であるお前に抱いていい感情ではない。私は罰されるべきなのだろう」
彼はそう言ってちらりとこちらをみおろした。
「我が身の処遇はお前に委ねよう」
優しい声だ。でも、どこか、切なさを含んだような声だ。私はそれに、こう返すのだ。
「それならば、私が罰されるべきです。生徒である私は教師である貴方に邪な気持ちを抱いてしまったのだから」
その言葉に彼は車を端に寄せた。なんだ、と思ったら家の前である。ナマエ、と呼ばれた名前にもう一度文則先生を見れば彼は私を遠慮がちに抱きしめた。「それならば、お前も罰さねばならぬな」と告げた彼はを見上げれば、彼は私に口付けた。
==できた!
「ふっ、うっ、」
息継ぎが難しい。背中にまわされた手に、私もまた彼の服をにぎる。くるしい。でも、もっとしてほしくて、舌をからませる。一度離された唇に、繋ぐ銀糸がぷつん、ときれた。
「文則せんせ、」
「すまない、」
そう耳元で囁かれた言葉に首を左右にふる。人目は確かにつかない場所である。たが、学校ではあるのだ。もっとだとか、そういうことは望んではいけないだろう。私は彼の服から手を離す。息を整える。
「ごめんなさい、皺に」
「いや、伸ばせば良い話だ……あまり、あの生徒らと話すのは良せ」
そう言われて首をかしげる。耳元で彼はため息を吐きながら口を開く。
「嫉妬で気が狂いそうになる」
==
・
文則先生の眉間の皺が色濃くなっている。というよりは疲れているんだろう。どうかしたのだろうか?と首をかしげる。テストの採点期間も終わり、成績をつける期間だからだろうか。お疲れですね、と日本語で言えば彼は「わかるか」と中国語で返す。うむ、言語が噛み合っていない。即ち、疲れている。
『お茶をお淹れいたしましょうか』
『あぁ、助かる』
「……葉月先生もお茶を淹れましょうか?」
同じく疲れているらしい葉月先生に声をかける。彼もまた「あぁ、ありがとう」と返答をした。私はそのまま席を立ち、中国茶セットでお茶を淹れる。最近のマイブームである。後は合う茶菓子も一緒に出せば万事オッケーである。そのまま彼らの前に茶菓子とお茶をセットし、私も生徒会の仕事にうつる。職員室でやった方が仕事が捗るのである。
「ナマエもほどほどにしろ。お前一人で生徒会を運営してる訳じゃないんだぞ。そんなに一人で抱えていたらお前が倒れたら回らなくなる」
「なら晃の信者をどうにかしてください。仕事の邪魔です」
と、いうのが先週の話である。これはやばい。風邪をひいた気がする、と、ずるずる布団から起きあがろうとしてまた布団に戻る。ぐるぐると回る視界にこれはいけないとスマホを手繰り寄せる。そしてそのまま文則先生に電話をかけた。数コールで出た先生はどうかしたのかと問いかけてくる。
「うきんどの、かぜをひいたので……にさんにち、学校をやすみます……」
「大丈夫なのか?」
「はい、だいじょうぶ、です」
「……何か欲しいものはあるか?」
「とくには……」
「わかった、明日伝えておこう」
そう言って彼は電話をきる。ちょっと寂しくなって泣いたのは秘密だ。
「どうかしたのか、文則殿」
「……いや、教え子が風邪をひいたらしい。しばらく学校を休むという連絡が来た」
「日曜日なのにか?」
「……そうだな。後で様子を見に行く」
「着いていこう」
「曹操殿、仕事をしてください。夏侯惇殿に言いつけますよ」
==
呼び鈴が鳴ったのでずるずると布団から起き上がる。寒いので厚手の着物を羽織って玄関にいけば、文則先生がいた。授業中では?と思いながらも先生に会えて嬉しいので、ぶんそくせんせい、とへにゃり、と笑う。彼は眉間に皺を寄せた。
「酷そうだな、医者には罹ったか?」
「いえ……いえからでていなくって」
「薬は?」
ふるふると首を左右に振る。彼はため息をついて私の額に手のひらを当てた。
「あついな。寝ていろ、薬を買ってくる」
「はい、」
そうふらふらとまた部屋に戻ろうとすれば「危なっかしい」という別人の声が聞こえた。振り返ればいたのはスーツをきた張遼殿である。
「文遠」
「私が見張っておきましょう」
「それをいうなら逆ではないのか」
「私はナマエの保護者ですので」
「ならば私もだが?」
「邪な気持ちはありません故安心されよ」
そんな会話に私はとととと張遼殿に近く。ふらふらしているが。
「ちょうりょうどの?」
「!覚えているか」
「もちろんです、」
へにゃり、と笑う。彼は同じく額に当てて熱いなと告げると私を担ぐ。おい、と文則先生は言ったが、薬を買って参られよと張遼殿は文則先生に告げて私の家に入ってきた。
布団に寝かされる。昔みたいだなと思うのは、私が婆娑羅暴走させて熱を出した翌日もこんな感じだったからだろう。張遼殿、張遼殿と言いながら彼の手を握る。
「ちょうりょうどのも、きょうしを?」
「いや、曹操殿の元で働いている。于禁殿も本来ならばそうなのだが、あの御仁は昔のことを気にしているようでな。ここ二、三年でやっとまともに顔を合わせるようになった。何か心当たりがあるかとおもえば……ナマエは今は学生か」
「うん。高校三年生」
「……1人、か」
「うん、本家の人はいるけれど、本家は本家だから」
「……この時代では、さぞ辛かっただろう」
張遼殿はそう言って私の髪をすいた。
「でも、向こうから帰ってきてすぐね、文則先生と会えたから。今も、張遼殿に会えたから」
えへへ、と笑う。彼はとんとんと子供を寝かしつけるように私をたたく。
「眠るといい。この張文遠、お前が眠るまでそばにいよう」
==
Comment(0)
次の日 top 前の日