2021/03/24

↓の没1

・馬族が社会人になったナマエのとこにやってきた
・隠遁生活みたいな生活をしているナマエである

落ちてた、というよりは眠りこけるようにそこにいた。もとより少しだけ生死の狭間を彷徨う世界ではある。そんなところにその男性は眠りこけるようにして木にもたれていた。眠っているようなその姿だけは死んでいるのかただ眠っているだけなのか、どちらかわからない。ナマエはジョーイはそっとその人物に近づく。見えるその姿は普通ではなかった。普通ではないと言っても、別に異形の姿をしているだとか腐敗しているとかそういう話ではない。ただ、服装が時代にそぐわなかった。和服ではなく狩衣に近いが、どちらかといえば中国の古風な服に似ている服を着ていた。それに、だ。ナマエはよく似た人物を知っている。その人自体はずっと昔の人であるのだが、ナマエはあの変な世界でその人と一緒にいたのだ。ジョーイがすんすんと男性を嗅いではむはむと金色の髪を甘噛みしたようだった。ナマエがコラと叱れば、ジョーイは少し顔を離す。ゆっくりと目を開いたその人にナマエは近づいて「大丈夫ですか?」と尋ねる。何処か夢見心地のように、ナマエを見上げたその人はそっとナマエに手を伸ばした。
「……ナマエ?」
呼ばれた名前にナマエはその手を触れる。彼は穏やかに笑ってまた目を伏せて寝息を立てた。ナマエは困った顔をしてジョーイをみれば、ジョーイもまたナマエを見るとぶるると鼻を鳴らした。



なんとかジョーイの背に乗せてナマエは家ーーログハウスに向かう。アトリエとして牧場の一角をまがりしており、今はもう家族となりつつあるジョーイとナマエはそこで暮らしていた。たまに他の馬達の世話を任されたり、馬で牛や羊の背を追いかけたりしながらナマエは絵を描いたり織物をして穏やかに暮らしている。家の前にやってきて、ナマエはとりあえず客室の寝室まで半分引きずりながら男性を運ぶ。そうしてベッドに寝かしたところでナマエは固まった。もしや、また巻き込まれたのでは、と。とりあえずナマエは大慌てでスマートフォンを取り出し、電話をかける。グループ通話であるが、どちらかが出てくれればそれで万々歳だった。数コールで電話に出た男性は「どした?」と不思議そうな声を出す。もう一人も繋がって、あれ?という不思議そうな声が聞こえた。
「苗字さん、どうしたの?」
「珍しいな、こんな時間にグループ通話」
「……馬超さん拾った」
世界が混ざってたらどうしよう。
ナマエの言葉に、二人は「は?」となんとも間抜けそうな声を出した。

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「馬超将軍だ」
「ガチじゃん。なんで?つーかどこで拾ったんだ?」
「森の中で……」
そう言ったナマエに二人は微妙な顔をした。確かにこの牧場は山の麓に広がっているし、森があるといえばある。自殺の名所だと一部では言われているだけあり、たまにそういうものが見つかるのも確かだ。だが、これは異質すぎる。子孫ではないか、とナナシは思ったがそれならばナマエの名を知っている意味がわからなかった。ああだこうだと三人で話していればモゾリと寝返りを打つような音が聞こえた。その音にナマエが近づいて覗き込めば、ナマエは引っ張られる。
「わっ!!」
「ナマエ、久しいな!迎えに来てくれたか!」
ぐるりと回った視界の先にはいつかのように馬超の顔がある。ナマエが固まったのをみて、トクメイが馬超に声をかけた。
「おいこら、俺たちをおいていちゃいちゃ……戯れるな」
「なんだ、貴殿らもいたのか」
「なんだってなんだ。お前がこっちの世界に現れたからナマエが俺たちに救援要請出したんだぞ」
トクメイの言葉に馬超はナマエを抱えたまま起き上がる。
「……どういうことだ?俺は死んだのではないのか?」



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