2021/12/30
2021年オフラインネタ帳大放出祭2
そもそも両親について世界を転々とするのであれば、一つのチームに居続けることなど不可能なのだろう。『前』はユースがあったから私は日本にいただけで、『今』はどこにも所属していないのだから。まぁそんなこんなチームに所属しているわけではなく、ストリートでサッカーしてる人に混ざったり一人でサッカーの練習してて誰かしらに声をかけられたりして一緒はなサッカーしてたら知り合いが増え、毎年同じ場所に行くので同じ場所にあるチームの特定機関だけいる人みたいになっている私である。それもそれで色んな人とサッカーできるから楽しい。まぁ、そんな話はおいておいて、だ。
『あ、ハナちゃん選手だ、ハナちゃん選手ー』
ドイツ語でそういいながらブンブンと両手を振れば、なにやらぶつぶつ文句を垂れていたハナちゃん選手こと花森圭悟が目をパチパチして私をみた。そしてそのままこちらにやってくる。
『は?』
『ハナちゃん選手、久しぶり!』
『ナマエ?どうしてここにいる?』
『私日本人だよ!』
『それは知ってる』
『この期間日本にいるんだけどね、なんと両親が送ったハガキが抽選の末見事に当選。選ばれたのは私でした!』
そうケラケラ笑いながら言えば、ハナちゃん選手がなるほどみたいな顔をして私のユニフォームを見た。そしてちょっと怒った。
『なぜ俺の番号じゃない』
『それは知らない。抽選だから知らない』
首を左右に振る。いや、なんで十番持田着てるんだろうな私。抽選に当たった時点で選ばれたらしいが、よくわからない。母親が持田選手のファンだからと言う可能性はなくもないが。
「ハナ、知り合いなん?」
「……偶にドイツにいる子供だ。応援にきたりする」
「ああ、やからドイツ語なんや。向こうで日本人のファン珍しいもんなぁ」
アレックス選手はそう言って私を見下ろす。私はニコニコしておく。それを見て11番をきた同い年ぐらいの男子をみて変な顔をした。
「キミら反対ちゃう?」
「いやー、抽選だから仕方ないですよ」
「それもそうやねんけどさー」
まぁぶっちゃけ言うと11番来てるの、『前』のリトル持田こと戸田悠馬だから。私はドヤっとして選ばれたのは私でした、と言えば持田選手が爆笑した。リトル持田は不機嫌そうな顔をした。
「言ってろババア」
「私まだ17歳だから私がババアだと周りみんなジジイになるから訂正した方がいいよ」
「じゃあクソガキ」
そう言ったリトル持田に私は純真ぶって首を傾げてハナちゃん選手をみる。
「クソガキってどう言う意味?」
「……」
困っている。可愛い。とても可愛い。遠目で秋森さんが震えてるけど知らない。意味わかってるし。
「ハナちゃん選手困らせちゃったじゃん、クソガキはそっちじゃない?」
「いや、自分意味わかってるんかい!!」
「本場のツッコミだ!!」
キャッキャと笑ってたら「なんか意味わかんない奴だな」と評された。解せぬ。
まぁ、ファン感謝デー的な奴である。本来なら絶対選手とファンを混ぜてミニゲームはしないだろうが、そんな形でミニゲームができる権利に両親がハガキを出して見事当選した私である。そう!国内選抜vs日本代表、一般人ごちゃ混ぜミニゲームだ。私は日本代表側であり、青いユニフォーム、この世界では十番を持田が来ているため私は十番持田のユニフォームレプリカを着ているわけだ。多分リトル持田はそれを着たかったんだろうとはおもうが。ハナちゃん選手来るまで私アウェイだったからな。まぁ、周りがどっかのジュニアユースだとか高校サッカーの強豪校だったりする中の紅一点なおかつ何処にも所属していない私なのだ。多分七番を着てる少年と私どバランスを取ったつもり、だろう。向こうは向こうで同じような子が一人いるようだし。しばらくして入ってきたブラン監督が、私目掛けてきた時はビビったしこっそりフランス語でキミの噂は知ってるよと言われた瞬間この人やり手なんだよなぁと思うわけであるが。
「ハナちゃん選手と持田選手フォワードするのかー、ワクワクするなぁ。戸田くん頑張ろうね!!」
「足引っ張んなよ」
「頑張るよー、まぁでも全力出してかけていくと私の体力が死ぬから守備は後ろにいる秋森選手に任せる気がします。お願いします」
そう頭を下げれば、秋森選手が気にしなくていいと言ってくれた。この人私ぐらいの子に夢みてるタイプかな?まぁ後半組だから前半は戸田くんと一緒に出れないんだけどね。私と同じような少年の背中をバンバン叩く。
「わっ!?」
「びっくりした?」
「は、はい」
「緊張するよねー、わかる!でもさ、楽しまないときっと損だよ!」
「でも、」
「だってさ、もう一緒にサッカー出来ることないかもしれないんだよ?思いっきりサッカーすればいいんだよ。周りプロだからちゃんとフォローしてくれるって。キミの後ろあの越後選手だし、前は城西選手だよ?完璧にフォロー入ってくれるじゃん。私達は要するにハンデなわけだし、私達のミスは計算済みだよ」
元気をだせ!とぐしゃぐしゃする。う、うん、と頷いた彼に頑張ろうね、と笑えば彼は頑張ろうねと返した。よろしい。ちなみに前半向こうは普通に上手い人多くて点取られかけたけど、同点だった。まぁファン感謝祭的な感じだから仕方ない。
と、言うことで私達の番である。まぁ、私のマークが弱いので股下潜りハナちゃん選手にパスすれば華麗にシュートきめた彼は何回か一緒にサッカーしてくれたからだろうし、流石の人だと思うのだ。まぁ相手チームに偶然みたいな感じで取られたが。とりあえず戸田悠馬を揶揄わなければなるまい。よくやったと褒めてくれる周りに私はドヤ顔して戸田悠馬をみる。
「選ばれたのは私でした!」
「言ってろクソガキ」
「私がクソガキならキミもクソガキでーす!」
ケラケラ笑いながらそう言う。まー、私に対して油断してるからなことがあるからなー、と思いながらDFかわして裏手にパス出したらドンピシャにいた持田蓮がゴール決めたあたりで周りがマジの顔になってしまった。だが私にマークをつけるとどうなるか。戸田悠馬が私の代わりに司令塔しだすんだよな。後私の後ろがわ攻め込まれた時秋森さんが約束守ってフォロー入ってくれるから助かる。無駄な体力使わないで済むし。
「秋森選手ありがとうございます!」
「いや、これくらい全然」
「ひゅー!さすが!かっこいいー!」
そうはやしてたらハナちゃん選手が俺はみたいなかおしてきた。可愛いかよ。
「お前どっかのチームでサッカーやってんの?」
「特定のチームではしてないよ。親の仕事で本当に海外転々としてるから。だから転々としてる街にいる誰かとサッカーしてもらってる」
「してもらってる?」
「サッカーしてるところに声かけたり、逆だったり。年に行くところ大体決まってるから固定されてきたけどね」
そんな会話をしながらベンチに回収される。やりすぎたのだお前達は!的な感じだろうか。ハイタッチしてなんだお前らはみたいなことをいわれ、ベンチに座りながらの会話する。
「転々ってそんなにか?」
「月刻みとかで移動するよ。今年は2週刻みとか下手したら週刻みで移動していくと思う」
「高校どうしてんのお前」
「高卒認定の資格だけ取ったから通ってないよ」
ケロリとそう言う。いやー、頭いい人周りにいっぱいいたから勉強は捗るんだよな。そもそも小学生からちゃんと学校いけないから通信制だったし。高卒認定取ったら周りもなにも言わないし。
「ふーん意味わかんないなお前。どっかにずっといるとかないの?」
「いろんな国に行くのも面白いよ」
「どっか定住してサッカーのチーム入ったらいいじゃん」
「それも考えてるけど、いろんな国の人にまた来年ねって言ってるから今年はまだ無理かなー」
そう言いながら足を伸ばす。あと何処に定住するかも問題であるし。
「でもきちんとサッカーを上達させるなら何処かのチームでプレイした方がいいよなぁとは思ってる。今個人プレーに走っちゃってるし。でも将来何になるか決めてないし。戸田悠馬はサッカー選手?」
「声がかかればな」
はっと笑いながら言った彼に相変わらずかと思っていたら、かかるやろなぁとアレックス選手が呟いた。
「ナマエちゃんやっけ?ナマエちゃんも声かかるで多分」
「私公式戦出てないのに?」
「こんだけ騒がせたらまぁなぁ」
「ハナとは何処で知り合ったんだ?」
「ハナちゃん選手?ドイツに滞在する時に住んでる場所があるんですけど、友達まだいない時にそこの近くで一人でボール触ってたら……」
「日本人だから声をかけられた?」
平賀さんがそう尋ねる。私は首を左右に振った。
「いや、ハナちゃん選手が通りかかったので、私が花森選手だー!って声かけました」
いやハナちゃん人見知りじゃん。向こうから声かけることはないない。
「まぁその時はサインもらって解散したんですけど、そのあと私が見かけたら声かけたり、毎日そこにいたりするから多分気にかけてくれたんじゃないですかね」
「コミュ力鬼かよ」
「いや、これくらいないとハナとは仲良くなれないからな」
「なんせハナちゃん選手やもんなぁ」
「可愛くないないですか?ハナちゃん選手」
そう首を傾げればなんとも言えない顔をした。えっ、ハナちゃん選手可愛いじゃん。
まぁその後はしこたまハナちゃん選手とイジられていたが。持田選手は爆笑し、私はハナちゃん選手にケーゴ選手より良くない?と首を傾げといた。いや下の名前で呼ぶとアウトっぽいじゃん。ブツブツとまたハナちゃん選手がぼやく。
「これも天才の定めか……」
「うーん……うん!そうだね!!ハナちゃん選手が日本で一、二を競う天才だから仕方ないね!!」
「そ、そうだろう……」
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