2021/12/30
2021年オフラインネタ帳大放出祭3
ピロリンっとなった音にスマートフォンを確認する。メールが届きましたと書かれた文字をタップし、メールアプリを起動して内容を確認した。その瞬間、やったーー!と叫べばそこにいた周りは私を見たのだが。いやすまんかった。お父さん達機体見てああでもないこうでもないと言っていた時だからだ。いやでもわりかと私がこう叫ぶのは結構あるので、慣れたように父親達はまた機体の話に行くのだが。
『どうかしたのかい?ナマエ』
『みてみて、当選した!』
いやでも嬉しいから仕方がない。ぴょんぴょん跳ねながら椅子に座っているユーゼフさんに画面をみせる。
『何かのイベント?』
『サッカー日本代表と一緒にサッカーできるイベント!』
そう言った私に周りの視線がまた私に向いたのであるが。
ーーおめでとうと言ってくれた周りには悪いが。
全くもって楽しくない。そりゃあそうだ。私の他はみんなユースだとか強豪校だとかどこぞのチームに入っている選手たちなのである。今世の私は世界を飛び回っているためどこのチームにも属していないため所謂お門違いなのだ。だから、日本代表側のスタッフも下手に私を練習に参加させられないし、私は不貞腐れながら練習の様子を見るしかないのである。虚偽の申請をした、と思われているが別に虚偽の申請をしたわけではない。そもそも、だ。ここに私を誘ったというか、応募してみたらどうだと言ったのは。
「ナマエ?何故そっちに……?体調が悪いのか?」
「ハナちゃん選手ー、きいてよー!!」
日本代表で11番背負ってる花森圭悟なのであるが。私はプンプン怒りながらドイツ語で喋りかける。
『ひどいんだよ!私がどこのチームにも属してないからって見学なの!』
『む……ナマエ、俺がやったヘルタのユニフォームはどうした?』
『あれは飾ってる。ハナちゃん選手がくれたやつだから着るのもったいないもん』
ムッとしながら答える。ハナちゃん選手はそうか、とふふふふと笑ったのであるが。私は怒っているんだぞ。アレックス選手が私とハナちゃん選手を見比べる。
「ドイツ語ってことは……その子ハナの知り合いなん?」
「あ、あぁ、知り合いだ……知り合いだから、応募してみたらどうだといった」
「ということはドイツのチームの子か?」
「い、いや……チームには所属していない」
首を左右に振ったハナちゃん選手に、話を聞いていたコーチ達がハナちゃん選手をみたのだが。
「花森、応募させるのはいいがサッカーできる子にしないと」
「……?ナマエはサッカーできる」
「でもどこかのユースとかに入ってるわけじゃないんでしょ」
でたー、これだーと私は変な顔をする。もういいや近くで練習見れるだけで満足するしかない。ムーッとしながら練習をせかしたスタッフを見る。くっそー、せっかくのチャンスだったのに。
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私より下手くそじゃん、と、完全に私は拗ねている。ムーッとしていれば、監督が私をみた。何処かのチームに入ろうとは思わないのかい?とは、英語で尋ねられた言葉である。
『親が世界中飛び回ってるので、今のところ無理です。短かったら二週間以内の滞在で出て行きますし』
『それは大変だ』
『でも楽しいですよ。色んな国の人、色んなチームにサッカーの仲間に入れてもらうんです。まぁ、毎年同じ場所に行くことが多いのでみんな顔見知りみたいなものですけどね』
『日本でもそうしてるのかい?』
『日本は人に頼んで練習入れてもらってます。なんかみんなに警戒されちゃうし』
まぁ私が一人でボール蹴ってたら近くのチームがたまたまファン感謝デー的な日で、尚且つ監督が稲瀬サンだったから混ぜてもらいなんやかんや選手のキャンプに混ざった気がする。いやー、あの人優しいというか、なんというか。そう話していれば、彼はふむと考えてから戸田を呼んでくれるかいと通訳に告げた。首を傾げた戸田悠馬は両足揃っているリトル持田である。かけてきた彼に監督は、戸田悠馬、キミのペアは彼女ね、と告げた。まぁ嫌そうな顔されたが。私はにっこりわらっておく。
「よろしくね、りと……戸田悠馬!」
「はぁ?なんで?」
『キミ一人レベルが違うからね』
それは私がハンデだと言うことなのかちょっと知りたいが、まぁサッカーに加われるようになったので良いだろう。
「あははは、変な顔!」
そうケラケラ笑っていれば周りもリトル持田も私をみた。いやー、だって舐めてるんだもん。余裕でぶっちぎってシュート、と見せかけてリトル持田にパスしたところリトル持田がシュート決めました。思いっきり私がシュート打つと思ってたもんな。ハナちゃん選手だけがなんとも言えない顔をしているが。笛が鳴ったのでリトル持田に近づいてハイタッチを促す。
「トダユウマー、ナイシュー」
「なんで自分でうたないんだよ」
「私いたの星野選手の正面だったし、私がDF抜いたあたりで星野選手がガチの顔したから止められてたと思うよ。私が戸田くんにパス出すとは思わないだろうしね」
そうガチ目に返せばリトル持田が変な顔したが。明日の試合はワクワクするね!と言えば、何が?と持田蓮がやってきて私の背後で告げたが。
「キミ思ってたより上手いねー。名前なんていうの?」
「ナマエ、持田に名乗る必要はない……」
ぬっとまたハナちゃん選手がやってくるが、先にハナちゃん選手が答え言ってるんだよな。
「へー、ナマエちゃんって言うんだ。どこのチームにも所属してないんだって?なんで?」
「親の都合で世界中飛び回ってるので……でも、18歳になったらそろそろ独り立ちしよっかなって思ってますよ」
「ってことはまだ18になってないのか」
「16です。今年17歳」
「ハナ、ロリコンじゃん」
「ろ、ロリコンではない……!あらぬ疑いをかけるな……!」
きゃんきゃんと吠えるハナちゃん選手と気にしない持田選手のやりとりに変わらないなぁとほっこりする。仲良しですね!と言えば誰がと二人に返されたが仲良しである。
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