2021/12/31

2021年オフラインネタ帳大放出祭32




あんまり好きじゃないとはこうなってはいえないことではあるのであるが。ナマエはそっとため息をついた。カルネにもらった新しい靴を見つめてそっと息を吐いた。この装いもカルネにもらったものであるし、ナマエにだってスポンサーがついている。あまり、負けてはいけないのである。
「ナマエくん」
そう呼ばれて目を開く。相変わらずか、と少し苦笑いをして告げたのはカントー地方の四天王のワタルである。彼はナマエの隣に座った。
「ワタルさん」
「相変わらずのようだね」
その言葉にナマエは何もいえない。彼とは数度あったことがある。バトルはしたことがないが、ナマエがこうやってベンチで一人座っていると何回か話しかけてくれたのだ。
「ここまで来てしまうと後戻りはできない、か。そもそもどうして登録を?」
「……カルネさんが勝手に登録しました」
「彼女も嬉しいのさ。キミはその年でカロス地方唯一のカルネさんと同じ立ち位置にいるんだから。きっと、そんなキミがバトルをしないなんて、と彼女は思っているんだよ」
それはなんとなくナマエにも理解できた。彼女がナマエを期待しているのもわかる。でもナマエにとってバトルはあまり好きじゃないものだ。ポケモン達は好きな子もいればどちらでもない子もいるし、嫌いな子もいる。ナマエのピカチュウがぴかぴ?とナマエを励ますように背中を叩いた。
ナマエは何も望んで今この地位にいたわけではない。カルネや両親、プラターヌがナマエをこの大会にエントリーし、とりあえず売られた勝負は勝ってきたのである。そもそもカルネと仲が良くなって、一度はカルネに勝利もしたがナマエはそれは運が良かっただけのだと漠然と思ってる。そうしてチャンピオンにならない代わりに出された妥協案がバトルシャトーのグランダッチェスの地位にいることである。そんな地位にいるものだから、申し込まれたバトルを勝っていくといつのまにかハイパークラスに上り詰めて、この前カルネと接戦を制しマスタークラスに登ってしまったのである。そしてこの大会である。流石にこれはやりすぎたかと父親とプラターヌは心配したが、母親とカルネはたいそう喜んで大会に送り出したというわけだ。母親とカルネの喜びもポケモン達の喜びもナマエは無碍にしたくないし、なによりもカルネとの勝負に心を躍らせたのは自分であるし、勝って嬉しかったのも自分なのである。
折角の大会だからと新たに仕立てられた白色のシンプルなワンピースに、白色のマント。スポンサーであるブティックが作り上げた上品なその服はバトルシャトーのためのもので、スポーツのスタジアムのようなこの場所にはそぐわない気もするのだ。そろそろ入場です、と声をかけたスタッフにピカチュウは置かれていたナマエの帽子をとるとナマエに被せた。
「ピカピカ、ぴかちゅ!」
「うん、頑張る」
「ちゃ!」
ナマエの言葉にピカチュウは満足そうに頷いた。

トンネルのような底を歩けば、その先に光が見える。あまりにも眩しくてナマエが目を細めれば、感じたのは熱気だ。
熱気がすごい。歓声もすごい。バトルシャトーのようなーー普段のような静寂ではなく、ここには熱がある。たくさんの観客がそこにはいた。ロトムがあたりを飛び交い、その様子をスタジアムの大きな画面に映している。その光景が、あまりにも普段とは違ったから。ピカチュウも驚いたし、ナマエも目をパチパチと瞬いた。
「ここにはバトルが好きな人がたくさん来ていてね」
ナマエの隣に立ったワタルがそう告げた。
「オレを応援する人もいれば、キミを応援する人もいるだろうし、他の選手を応援する人もいる。キミはそれに応えなければいけないよ」
ワタルは脅しのようなものだとは理解している。ナマエの父親を通して何度かこの子供と接しているが、この子供はそうすれば期待に応えようと躍起になるからだ。逃げてもいいという言葉はまだかけるべきではない。
ーーナマエもきっとバトルが好きよ。でも、自分のポケモンに負けた相手がポケモン達に酷いことをしているのを見てしまったらしいの。それがトラウマなのよ。
カルネとワタルがたまたま一緒の仕事に当たった時、どうして嫌いなのにバトルをさせるのかとワタルが尋ねればカルネはそう答えた。バトルに強いも弱いもそこに年齢は関係ないし、ポケモンも関係ないことではあるのだが。
「大丈夫だ、ここにはキミと同じでポケモンが好きな人しかいない」
その言葉にナマエはワタルを見上げるのをやめてただ真っ直ぐに前を見た。並んでいく他の六人にナマエはそっと嬉しそうにはにかんだのがワタルには見えた。

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バトルに出せるポケモンは一人だけ。そう言ったナマエにポケモン達は我こそはと手を挙げる。ダイマックスというものはダンデの試合で初めて見たが、どうも特定のポケモンがキョダイマックスというあの大きな姿になるらしい。ローズと呼ばれた彼に渡されたバンドにも不思議な石が使われているらしい。この地方ではメガシンカをあまり使わないというわけである。ポケモン達に負担をかけるからもあるだろうが。キョダイマックスするポケモンをポケモン達と確認していれば、次第にこのポケモンがいいんじゃないかという会議に発展していく。
「とりあえず頑張ろう」
そうナマエが投げ掛ければ、ポケモン達は応えるようにひとなきした。

とりあえず一戦目は勝てた。キョダイマックスしたラプラスは非常に大きくルギアよりも大きい。事前にキョダイマックスした技を聞いておいてよかったとナマエは安堵した。次はダンデと呼ばれるこの地方の無敗の王様である。ナマエはそっと息を吐いて、次のポケモンは誰にしようかと悩む。ダンデと言えばリザードンだろう。タイプの相性をつくか、とナマエがぼんやり思っていれば、ポケモン達が一斉にとあるポケモンを指差した。
「え?えっ、本当に?」
ナマエが遠慮がちにそう尋ねれば、ポケモン達は満場一致だという風に頷き、当の本人も胸を張った。ピカチュウはナマエの鞄の中からブレスレットを取り出した。メガストーンが嵌め込まれたものである。
ーー本来、メガシンカはカロス地方では確認されていない。そのかわりがキョダイマックスだろう。どういう理論でそうなったかは分かりかねるが、プラターヌ博士とナマエの父親はこんな仮定を話していた。メガシンカもダイマックスも、起源は同じなのではないか、と。しかしながら、できるか否かと言われれば難しいだろう。
今度はルカリオがゴソゴソとカバンを漁り、中から別のものを取り出す。母親がどこからかもらってきた共鳴石である。どうやらメガシンカとダイマックスで戦いたいらしい。
「うーん、たしかに、それはみたいきはするけど、あの炎の鳥さんをどうするの?」
キョダイマックスの時のあの大きな炎の鳥。それをどうかわすかが問題である。この地方は比較的ポケモンの技を思い出したり忘れたりと入れ替えやすいから、技を入れ替えるのだろうか。ナマエはそう考えていると、リザードンはぱぎゅあ、とひとなきした。
「がんばってよけるって、それで大丈夫なの?」
「ぱぎゅあ!」
「うーーん」
ナマエはそう言って図鑑をみる。技の構成を考えるしかなさそうだ。


「ナマエくん」
ナマエが昼食をとりながら考えていると、ワタルは声をかけた。それに伴いポケモン達もワタルを見つめる。キミのポケモンにしては数が多いなとポケモンをみて告げた彼に、仲良くなったのでとナマエは笑った。ナマエの近くには知らないポケモンが寄ってきていて、一緒にスコーンを食べたりしていたのだ。最初は盗もうとされたが、怒らないから一緒に食べようと言えばポケモン達が寄ってきたのである。ルカリオが椅子から降りてワタルに座るように促す。彼はルカリオにお礼を告げて座った。
「悩んでいるのかい?」
「はい。ダンデ?さんのキョダイマックスをどうしのごうかと……」
「ということはポケモンは決めたんだね」
「はい、みんなで決めました。ね?」
ナマエが頷いてそういえば、外に出ていたナマエのポケモン達が一斉に返事をした。相変わらず仲がいいなとワタルはナマエとナマエのポケモンたちをみる。開会式前の様子とは違いどこか楽しそうな様子だ。ワタルはふとナマエの腕にダイマックスのバンドではないものが付いているのに気がついた。
「それをつかうのか」
「つかいたいみたいなので。でも、たしかに、おもしろそうじゃないですか?」
「たしかに。だが、この地方でできるのか?」
「うーん、ワタルさんはフェルム地方はご存知ですか?」
「あぁ、フェルムバトルが主流の地方だな。行ったことはないが、知識として知っているよ」
「わたしの親戚が、その地方に住んでいて、この間家族で遊びにいきました。そこでは不思議なことに、ストーンではなくて共鳴石という石で同じ現象を起こします」
「ということは」
「はい、共鳴石です」
「ふむ……となると、やはりキョダイマックス戦攻略が鍵か」
「はい、だからみんなと相談してます」
ワタルの言葉にナマエはそう言って頷いて手元の図鑑をみた。その姿はとても楽しそうで、ワタルは驚いたように目を瞬いたのだが。

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八人のうちの一人が子供だということが話題になっているようである。子供だから期待もそんなにされていないのだろう。あっという間に囲まれたワタルに対し、ナマエはあまり目立たないのか声をかけられることは少ない。たまに、カロス地方の旅行者がナマエに気づき握手をするくらいだろう。まぁ、ヴィセンテが隣で睨みを効かせているのもあるが、それはナマエにとっては知らないことであるし、人見知りの気があるナマエにとってはありがたいことでもあった。控室でいつもの真白な服をきて、ナマエはよしと気合をいれた。ボールの中にいるポケモンに頑張ろうと声をかけて控室を後にする。そしてあの熱気に包まれたスタジアムにナマエは足を踏み出した。相変わらず歓声か響いている。ナマエはそっと大丈夫だと自分に念じて緑色の芝生の上を歩いていく。そうして真ん中のサークルにたどり着けば、ダンデがナマエを見下ろした。
「すごい熱気だろう。それに比べ俺たちは氷のように冷静だ」
ダンデの言葉はその通りだ。周りの歓声はどこか遠くに聞こえる。
「いいバトルにしよう」
そうニカリと人のいい笑みを浮かべたダンデにナマエはハイと頷いて握手をする。
「むねをかりるつもりで、がんばります」
「期待している」
そう言って手を下ろす。そうして規定の位置まで下がれば、レフェリーが口を開いた。
「はじめ!」
「やっぱりお前だ、リザードン」
ボールから現れたリザードンは予想通りだ。絶対的エースと呼ばれるだけあってダンデのリザードンは強い。ボールの中から熱を感じて、ナマエは口を開いてボールを投げた。
「楽しもう、リザードン」
そうして現れたリザードンに観客もダンデも驚いた。一回戦はラプラス、そして白い服を着ているからかどうもナマエは氷タイプの使い手だと判断されることが多いがそうではない。ワッと沸いた周りに、ナマエは真っ直ぐに相手を見た。

やっぱりキョダイマックスは見上げるほど大きい。嬉しそうにぱぎゅあ、ともう一度鳴いたリザードンはナマエをちらりとみた。ナマエは頷いてブレスレットを翳す。
「リザードン、メガシンカ」
そういえばリザードンは光と共に姿を変える。真っ黒な体、青い炎を吐き出した彼は山のようなリザードンを見上げて吠えた。
リザードンはナマエの手持ちの中でおとなしいながら一番好戦的であるとはヴィセンテの言葉だ。元々、フェルム地方にいたポケモンで怪我をしたのをナマエが見つけ、仲良くなったのだ。そして、そのリザードンは自分より強い相手を見ると燃えるタイプなのである。
「いこう、リザードン。これからがショータイムだよ」
その言葉にリザードンはもう一度大きな声で吠えた。

あの大きな炎の鳥を身代わりで避けたりしていたのだが、そろそろ時間だろう。また作られた大きな炎の鳥に、ナマエは指示を出す。
「リザードン、フレアドライブでつっきって!」
そう言えばリザードンは青い炎を見に纏い、そのまま大きな炎の鳥に突っ込んだ。青い炎が流星のように巨大な炎の塊を通り抜ければ、爆風のようなものが起こった。リザードンはその風に怯むことなく、キョダイマックスしているリザードンにトップスピードのままぶつかった。大きなリザードンがのけぞって、青い炎が弾けるように、その巨大な体を呑むように炎がはしる。ダンデのリザードンが小さくなっていき、フルフルと首を振った。
「やった」
ナマエはそう言って小さく跳ねた。宙を旋回したリザードンも嬉しそうに地面に降りる。ダンデが目を見開いて、楽しそうに笑うのがナマエには見えた。
「まだいけるな、リザードン!」
「ぱぎゅあ!!」
「リザードン、いこう!」
「ぱぎゃ!!」
赤い炎と青い炎が交わる。外の熱気に負けない程の熱だ。

しばらく一進一退の攻防が続いたが、ついにナマエのリザードンが倒れてしまった。ナマエはリザードンに駆け寄る。おつかれさま、と声をかければリザードンは満足そうにまた鳴いた。それを聞いてからナマエはモンスターボールにリザードンをしまう。通路からハラハラしたように見ていたピカチュウとフライゴンが駆け寄ってくる。二匹の頭を撫でてからナマエはダンデと握手を交わした。
「ありがとうございました、楽しかったです」
「それはこちらのセリフだ。久しぶりにワクワクするようなバトルだった」
「ワタルさんとダンデさんの試合、楽しみにしています」
そう言ってナマエはワンピースの裾を摘んでお辞儀をする。カルネにバトルの後はこうしたらいいといって教わったからである。そうして周りに手を一応小さく上品に振って、ナマエは控室に戻る。控室に戻れば、ナマエの両親とワタルが話していたらしい。ルカリオとゲッコウガがナマエに気づいて、嬉しそうに寄ってきた。お疲れ様と言った三人に、ナマエはホッと息を吐く。
「残念ねぇ、ナマエまリザードンも」
「でも、フレアドライブ綺麗に決まったから嬉しかったよ」
「そうか、たしかに綺麗に決まったな」
「みんなで考えたの。ね?」
ナマエがそういえばピカチュウとフライゴン、ルカリオとゲッコウガ返事をしたのだが。

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足を引きずるようなポニータはナマエがルミナスメイズの森でナマエについてきたポニータである。大の仲良しであるギモーと一緒にナマエについてきた二匹はすぐにナマエの手持ち達に歓迎されもう仲良しである。ぱから、ぱから、と規則的な足音ではなく、ぱからぱかぱからと足を若干引きずるような足音を立てるポニータに、ヴィセンテはしゃがんでポニータをみた。ナマエがポニータ達と出会って仲良くなった間、ヴィセンテにとっては大変心配な時間だった。ルミナスメイズの森に来たと思ったら一緒にきた娘だけが迷子になったのだ。風が吹いたと思った瞬間である。パニックになりかけたヴィセンテにナマエの母親であるリザはあっけらかんとあの子なら大丈夫よ、と言いながらワイルドエリアで捕まえたキテルグマと付近にいたオーロンゲを従えていた。あの子はいつも戻ってくるじゃないとさも当たり前のように。それに落ち着きと何度目かの惚れ直しさて森を抜けてしばらくすれば、ナマエがポニータやギモーとヤレユータンに連れられて出口とは違う別の場所から森を抜けてきたのである。お礼を告げてばいばいと手を振った娘をみて、ヴィセンテは安堵したし、リザはただおかえりなさいと笑って見せたのだが。そんな様子は閑話休題で、ヴィセンテはポケモンセンターでポニータの様子を見ていた。怪我をしている様子は弱っている様子はなく、ただ生まれつき足を引きずっている個体のようだ。バトルには向かないが、と言いかけて、そもそもナマエはバトルや強さを求めていないのだと思いなおす。
「怪我をしてるわけでもなく、弱ってるようでもないから多分生まれつきだな」
「はい、恐らくはそうでしょう」
同じく様子を見ていたジョーイも頷いた。
「ポニータ、平気なの?」
「他の子より少し足が遅かったり、バトルにはすこし向かないかもしれませんが、ポニータにとっては平気ですか」
キテルグマといつのまにか従えたカモネギやオーロンゲに技の掛け方を教えていたリザはそれを見て口を開く。
「貴方だけの世界に一頭しかいないガラルポニータってことよ」
「あら、それは素敵な考え方ですね」
「でも、そうでしょう?この走り方をする子はこの子だけだもの」
その言葉に、ナマエはそこにいたオーロンゲに気づいたようである。
「おかあさんのおともだちが増えてる!つよそう!」
「まだまだね。磨くわよ」
「リザさんは何を目指してるんだ……」
「娘の戦いを見て何も思わないわけないでしょ。今年の大会こそフェルムバトルの優勝を狙うのよ」
リザの言葉に、ジョーイはまぁと驚いたように告げて、ヴィセンテは苦笑いをした。もとはアーシア島の巫女の一族であるはずだが、他の地方であるフェルム地方からきた父親ーーメルにとっては祖父に値するーーに感化されたのかリザは格闘技好きである。フェルムバトルではいつもいい成績を残すのだ。ヴィセンテ自身もバトルは弱いわけではないのだが、どうも格闘というか物理技メインの技の組み方だとリザの方が上手いのである。そしてだいたいのポケモンに打ち勝つ。そんなところにヴィセンテが惚れた話はともかく、ジョーイはナマエを見下ろした。
「では、この間の試合で披露されていたのはメガストーンによるメガシンカではなく、共鳴石によるメガシンカだったのですね」
「あら、詳しいわね」
「フェルム地方には何度か旅行に行ったことがあるんです」
「あら……どうせなら大会に出ましょうよ。ジョーイさんってポケモンの知識があるからなまじ強いのよ。私のライバルもジョーイなの。最強のジョーイって呼ばれているわ」
「リザさん、最強のジョーイが引退仄めかしたからって新しい最強のジョーイを作ろうとしない。ダメ。ジョーイさん忙しいんだから、無理強いはいけない」
「でも、楽しそうですね。少し興味があったんですよ」
「ほーら」
リザはニヤリと口角を上げて笑う。大会頑張りましょ、という姿は可愛らしいものがあるが、出る大会が大会なのであるが。


「ポニータ、こっちはギャロップだよ。ギャロップ、こっちはポニータだよ」
そう紹介すればスンスンと燃える立髪をもつギャロップはポニータの匂いを嗅いだ。ブルブルと鼻を鳴らしたギャロップに、ポニータはぱからぱかぱからと独特の足音を鳴らしてギャロップのまわりをかけた。ギャロップは最初心配そうに眺めていたが、ナマエが大丈夫なんだってと言えば安心したようにポニータのそばで少し駆ける。ヴィセンテがワイルドエリアに立ち入って中にある遺跡のようなものの調査をしている側、ナマエはこうしてポケモン達と戯れることにしている。まぁ一度に六匹しか連れてこれないため、ピカチュウとフライゴン以外はその日その日でポケモンは変えているのだが。ポニータとギャロップが駆け出したそうにナマエを見たので、ナマエは父親と母親に声をかける。
「おとうさん、おかあさん、ちょっとあそんでくるね」
「あんまりとおくにいくなよ」
「お昼時にはかえってらっしゃい」
「うん」
フライゴンが背中に乗るようにナマエに告げるとナマエとピカチュウはフライゴンの背中に乗る。ポニータを気遣うように走り出したギャロップと喜んで駆け出したポニータの横に、フライゴンが並んだ。風が草原を、顔を風が撫でていく。野生のポケモン達が隣をかけていくのをみて、ナマエはわぁと声を上げた。恐らくは敵意はないのだろう。戯れるように揺れながらそばを通り過ぎていく飛行ポケモンたちや、野生のポケモンたちと共にナマエはそのままワイルドエリアを巡ることにした。


大きな蜘蛛のようなポケモンに、さすがにナマエとピカチュウは少し叫び声をあげたしフライゴンは急停止した。ギャロップとポニータも伺うようにとまる。四肢に水の袋のようなものをつけた大きな蜘蛛のようなポケモンをナマエは見たことがないし、イトマルやデンチュラの大きさであれば驚かないがこれは流石にどが超えている。自分の身長よりも大きいのだ。威嚇するように前にある二本の足を上げた大きなクモーーオニシズクモにピカチュウがとりあえず頬にピリピリと電撃を走らせた。。しかしながら、ギャロップが何か見つけたらしい。ナマエの服の裾を咥えたギャロップに、ナマエがその方向をよく見るとオニシズクモのそばには隠れるようにこちらを見る小さなクモーーシズクモがいる。
「お家に入っちゃったのか……驚かせてごめんなさい」
ナマエがそう言って合図をすればポケモン達は少しずつ後ろに下がる。それを見てオニシズクモは前足を下ろすと、シズクモを水滴の中に入れて湖の方向に消えた。
「ぴかぴーかちゅ」
「びっくりした……」
「くぉん」
「ふふ、おっきかったね。おとうさんの身長くらいあった」
「ぴかちゅ、ぴかぴか!」
「そうだね、お父さんがひとのみにされちゃいそう。ご飯だからかえろっか」
そう言えばそばにいたポケモン達が声を上げるのだが、どう見てもナマエのポケモンではないポケモンも多いのであるが。

「お父さんよりおっきい虫ポケモンがいて、びっくりしちゃった」
ナマエの言葉に、何かをまとめていた父親のヴィセンテは手を止めた。自分ほどの虫ポケモンとは。これは虫タイプに色々と耐性がある娘だからびっくりしたと言っているだけで、恐らくは虫タイプに耐性がなければ卒倒もしくはトラウマだろう。母親であるリザはカレーをよそいながら、あらそんなに大きな虫ポケモンもいるのねぇと笑っている。さすが島育ちである。
「この地方のポケモンか?」
「私は見たことないだけで、お父さんはあるかも。たぶん、むしと水タイプだよ」
「アメタマはデカくないしな」
「足が八本あって、小さいのもいた。お父さんのスマホロトムがびっくりして、調べれなかったの」
「し、しししんがいロト!ちゃんと調べたロト!」
ナマエの鞄からスマホロトムが飛び出してくるくるとヴィセンテとメルの周りを飛ぶ。ヴィセンテは苦笑いした。このロトムは所謂ビビリなのだ。元々は普通にゲットしたロトムだったのだが、バトルが不向きであるし極度のポケ見知りというのか、ポケモン相手に驚くことが多いため、通信や事務作業の手伝い、遺跡の記録係としてその当時待っていた通信機器にロトムを入れたのだ。
「ヴィセンテくんのロトムはびびりんぼだものねぇ」
「……ロトムは遺跡の調査用ロト。本来ならポケモンは対象外ロト」
「そうだな。で、どんなやつだったんだ?」
ヴィセンテの言葉にスマホロトムは検索をかけたらしい。表示されたのはオニシズクモだ。
「……本当に俺ぐらいの身長がある、というか、普通でこれか?」
「あら貴方くらいの身長になるならちょっと見てみたいわね。ナマエやピカチュウなんかはひとのみにされちゃうかも」
「きゃー」
リザの脅かしにピカチュウとナマエはきゃあきゃあとはしゃぐ。それをみていたゲッコウガがフライゴンに真意を問いかけ、フライゴンもくぁくぁと大きさを身振り手振りで伝えたのだが。


「そろそろお家に帰らなきゃ」
めそめそと泣いているポケモンをみてナマエはそう告げた。ナマエについてきたポケモンである。お昼ご飯を食べて、遊んでさよならをしたのだがこのポケモンだけが離れなかったのだ。ついにはぴえぴえないたポケモンに、ナマエは抱き上げる。よってきたピカチュウ達も心配そうにそのポケモンを見たのだが。ピカチュウが面白い顔をして笑わせようとしている。フライゴンが問いかけるように泣きながら何か尋ねれば、そのポケモンは答えるようにぐずりながら泣いた。フライゴンはそれをみて、ナマエの鞄からボールを取り出す。
「いいの?」
「めそ……」
「一緒に冒険する?」
「めそ!」
そう頷いたポケモンはモンスターボールに自らぶつかった。グラグラと揺れたボールはカチンという音て共に動きを止めた。これがのちに心配性六人衆の一人になるとは誰も思わなかったのだが。

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「おや、ナマエくんじゃないか」
ナマエがナックルシティを歩いていれば、声をかけられてナマエは振り返った。そこにいたのはワタルとダンデとリザードンと知らない青年だ。
「こんにちは、ワタルさん」
ナマエがそう言えばピカチュウも手をあげて挨拶をする。ワタルはそれをみて笑う。
「あぁ、こんにちは。シュートシティにいないと思ったら、ナックルシティにいたのか」
「シュートシティはカルネさんに頼まれたお仕事の時とあのトーナメントの時だけですね。お父さんがワイルドエリアにある遺跡のようなものを調査するのにナックルシティの方がしやすいからってここに泊まっているんです」
「あぁ、それはヴィセンテさんらしい」
ワタルの言葉にナマエは頷いた。ダンデともう一人の青年が首をかしげる。
「ヴィセンテ?」
「彼女の父親でね。各地の伝承や遺跡を総合して研究しているんだ。話を聞くと中々面白いから、機会があれば聞いてみるといい」
「へぇ」
そう相槌を打った二人にナマエは彼らを見上げる。
「ワタルさんは、ダンデさんとリザードンと……」
ナマエはそう言ってもう一人の青年をみた。ワタルはその視線を追って口を開く。
「あぁ、彼はキバナくんだ。ドラゴンタイプのジムリーダーをしている」
「一族の方ですか?」
「いいや、残念なことに彼はこの地方の出身だよ」
ワタルの言葉に、ナマエは目を瞬いた。残念がるということは彼は優秀なドラゴンタイプの使い手らしい。とりあえず、ナマエはキバナを見上げる。ヴィセンテよりも身長が高そうだ。
「はじめまして、私はナマエです。カロス地方からきました」
「……おぅ、はじめまして。俺様はキバナだ。ナックルジムのジムリーダーをしてる。よろしくな」
そう言ってナマエの身長に合わせて屈んだキバナに、なるほど怖い人ではないのだとナマエとピカチュウは理解する。ナマエまらってよろしくお願いします、と頭を下げれば、警戒をといたピカチュウはピカピと鳴いて挨拶するように手をあげた。
「ダンデさんとリザードンもこの間ぶりです。この前はありがとうございました」
「やっぱり同一人物なのか」
ナマエの挨拶にダンデが目を瞬きながらそう告げる。ナマエが首を傾げれば、なんというか身長が少し違うしと言われてナマエは納得する。
「あの服はバトルシャトーの公式戦の際に着る服なんですが、少しでも大人っぽくみえるようにヒールを履くので……」
「バトルシャトー?」
「カロス地方のバトル施設?です。お城みたいな場所で勝つほど爵位が上がっていきます」
「城!だからあんなお嬢様みたいな格好なのか」
「それは娘のスポンサーが着せたいから着せてるだけだぞ」
ひょこりと顔を出したヴィセンテにウワッとキバナとダンデは驚いたようである。
「この前ぶりだな、ワタル」
「えぇ、この前ぶりですね。今日も調査を?」
「あぁ。宝物庫を見たくてな。問い合わせたら宝物庫の鍵を管理しているのはここのジムリーダーだって聞いて、会いにジムに行けば留守だって言われてな。戻ってきたとこだ」
「宝物庫?」
「この地方の伝説は恐らくはカロス地方の伝説と似たような時代だと思われるんだが、絵が残っているのは珍しくてな。それに加えてこの地方の伝説は少し不可思議なんだよ」
ヴィセンテがそう言って説明する。不可思議?と首を傾げた三人に、ナマエが口を開く。
「この地方の伝説にはポケモンが出てこないから」
「あぁ。盾と剣を持った英雄はいるが、そこにポケモンはいない。他の地方の伝説は全てポケモンが絡んでいると言っても過言はない」
「ターフタウンの地上絵は見に?」
「あぁ、みた。あれがダイマックスしたポケモンだとすると、一人の人間がそれを本当に剣と盾で立ち向かえたのか?音ならまだわかる。遮断されていない限り音や視覚情報は直接意識に届くからだ。だが、人間の武力は?ダイマックスしたポケモンに対して圧倒的に不利じゃないか?」
「では、貴方は英雄がポケモンだった、と?」
「それもあり得るな。現にアルトマーレという島にはそう言った言い伝えがある。だが、俺は、剣と盾がポケモンを暗喩しているんじゃないかと思う……というか、そっちの方がワクワクからそうであってほしい」
ぽろりと出た言葉にダンデとキバナは目を瞬いた。ワタルは「ヴィセンテさんらしいですね」と笑いながら告げた。キバナが首を傾げる。
「博士がそういうこと言っていいのか?」
その質問にナマエはあちゃあという顔をした。ヴィセンテはその質問に対する答えは長いのだ。
「俺は一応博士号を持ってはいるが、オーキド博士やマグノリア博士、プラターヌといった科学や生物が絡んだ学者じゃない。科学という学問は通常正解も真実も一つしかないが、考古学は真実は一つではないし正解も一つではないと思っている。……まぁ、わかりやすくいえば、君たちは同じバトルという行為をするが戦い方は全く違うだろう?」
「確かに」
「考古学者もそうで、同じ考古学者として同じものを研究はするがそれぞれがもつ仮定が同じだとは限らないし、そもそも何かを残した人やポケモンの考えが違えば、同じ時代を考えていても違う結末にたどり着くこともあるだろうし、権力者や民衆ポケモン、どの視線に寄り添うかで認識はずれていくものであり、どれかを隠したい奴が捻じ曲げたり口伝てで広がれば脚色や消去がどうしても加わる。俺が研究した内容はもちろん考証をして裏付けは取れているが、それでも時渡りをしない限り正解だとは言えないわけだ。なら、ワクワクする方がいいだろ」
「お父さん、宝物庫はいいの?」
「おっと……そうだった。だが、ナマエ、今日は手詰まりだ。ジムリーダーがいない」
「こちらにいるキバナさんがジムリーダーだよ」
ナマエがそう言ってキバナを手で示せば、ヴィセンテは目をパチパチ瞬いた。
「お、ついてる。そうだったのか、悪いな。キミがそうだったのか。いきなりは無理だろうし、君たちにも予定があるだろう。後日宝物庫に是非伺わせて欲しいんだが、時間は取れるだろうか?」
「いえ、俺も面白いことが聞けたんでいいっすよ。明日の昼以降なら時間取れると思います」
「それは助かる。では、明日の15時はどうだろうか?」
「それなら大丈夫です」
「では、明日の15時にジムに伺うよ。……さて、お父さんは今日の研究は一区切りにして、これから偉い人とご飯を食べる予定をしているが、ナマエはどうする?」
「うーん、もうそろそろ約束があるから……それが終わったらワイルドエリアで遊ぼうかな……」
「そうだったな。ワイルドエリアはともかく怪しい人にはついて行くなよ」
「ぴかぴ!」
ナマエの代わりに頷いたピカチュウに、ヴィセンテはピカチュウとフライゴンとゲッコウガナマエを頼んだぞと告げた。ピカチュウが代表して返事をしたが。
「じゃあ、ご三人も割り込んで悪いな。また明日伺いますので」
ヴィセンテはそう言ってそのまま駅の方に向かうのをナマエは見送る。時計を見ればなるほど今から向かえば丁度約束の時間の十分前だ。恐らくは元から宝物庫は明日行くつもりだったのだろう。一人でワイルドエリアは大丈夫なのだろうか、とダンデとキバナが考える中ワタルが首を傾げた。
「約束?」
「ポケモンをわたす約束をしたので」
「あぁ、そうか。君の仕事だね。でも、キバナやダンデが知らないとなると、ジムリーダーやチャンピオン達じゃないのかい?」
「はい。こちらの地方には知り合いがいないから、この街に住んでる子です」
ナマエはそう言って頷いた。ナマエはカロス地方で捨てられたポケモン達や廃棄されかけた卵達を引き取って面倒を見ている。最初は研究所だからといってプラターヌのところに置いていかれたり捨てられたりするポケモンや卵の面倒を見ていたのだが、どうも数がだんだん増え場所が狭くなり別の場所に専用の敷地を作ったのである。しかし、噂が噂を呼んだのか謎ではあるが、カロス地方以外からもポケモン達が送られてくるようになったのだ。流石に増えすぎてナマエ一人で面倒を見切れないため、プラターヌやヴィセンテ達の助言を経てポケモン達が自発的に一緒にいきたいと思った誰かに譲渡するようになったのだ。まずはと信頼できるジムリーダーやチャンピオン四天王やその知り合いにポケモンの譲渡をしていたが、今回は全く違う。普通のこの街に住む子供だ。ナマエがホテルの近くでポケモンたちを遊ばせていれば、自然と仲良くなって、ポケモン達が離れたくなさそうだったからナマエは譲渡することにしたのだ。幸いなことに、親もポケモンに理解があって、喜んでくれたのである。
「あ!姉ちゃんいた!」
そう言ってかけてきた子供は、はやくはやくと親を急かす。階段から駆け降りてきた子供と、親と手を繋いで駅の方からかけてきた子供にナマエは三人を見上げた。解散しなくていいのだろうか?と見ていれば、気にしないでくれ、とワタルに言われたのだが。
「あー!キバナとチャンピオンとワタルもいる!」
「コラっ!敬称をつけろ!敬称を!」
「いでっ!」
「どうしてチャンピオンたちがいるの?」
「たまたまお喋りしていたの」
ナマエがそう答えると、ふぅん、と納得したらしい。そうして、すぐにポケモン!と声を上げる。その声に反応して、ナマエのカバンの中にあるボールからポンという音とともにワニノコが現れた。
「ワニワニワ!!」
「ワニーー!!今日から俺の相棒だかんな!」
ぎゅむ!と抱き寄せた子供に、ワニノコが嬉しそうに鳴き声をあげる。
「ワニノコ、軽くでもガブってしたら大怪我しちゃうからね。気をつけてね」
「ワニワ!」
「おねーさん、ニャスパーは?」
「こっちだよ」
ナマエはそう言ってカバンの中のボールを取り出す。ポン、という音とともに現れたニャスパーはじぃっと子供を見上げ、子供もじいっとニャスパーを見下ろした。そうしてしばらくするとニコリと笑いあった。子供はニャスパーとその小さな手を繋ぐと、お家に帰ろうねぇと笑った。ナマエはそれを見てから最後の一体をボールからだす。ポンという音とともに現れたアマルスは周りを見渡して驚いてナマエの後ろに隠れたが、すぐにもう一人の女の子を見つけてその背後に隠れて周りの様子を伺った。
「ツンちゃん」
「あまま……」
女の子と見つめ合ったアマルスは、すぐに女の子の後ろにまた隠れたがアマルスの方が大きいために姿は隠れていない。ダンデはポケモンを見渡して首を傾げた。
「あまり見かけないポケモンだな」
「ワニノコはジョウト地方のポケモンだね。でも、本来ならワニノコの状態でトサカはないし背びれの数も違うんだよ」
「あ、マジだ。図鑑は違う姿だな。先天性のってやつか」
「はい。だからブリーダーに捨てられてしまったみたいで、私のお仕事場にきたんです」
ナマエはそう眉尻を下げる。姿形が変われば、日常生活などには支障がないが、バトルに影響が出る可能性が少なからずあるのだ。だからある種のブリーダーはこういうポケモンを嫌い、逃したり最後の良心でナマエの施設に送ってくるのである。ポケモンはバトルのために連れている人やコンテストに出る目的の人も多く、そう言った人の中にはこういうポケモンは役に立たないと嫌悪を滲ませる人もいるのだ。ジムリーダーや四天王、チャンピオンたちは断らないとは思うがやはりバトルが主体の人達だ。任せるのはどうかとおもい、たまに紹介でくる医者やバトルやコンテスト目的でない人に譲渡したりしている。ぐずったワニノコにナマエが不在の間面倒を見てくれている人が困り、ナマエの手持ちに入った彼ではあるが、遊んでいるところを子供に見つかり一緒に遊んで仲良くなったらしい。まぁ、ナマエが目を離した間に迷子になりそれをあの少年が見つけたためワニノコではなくワニと呼ばれているようだが。運がいいことに彼の父親はこの街のポケモンセンターで働くポケモンドクターで、トレーナーの経験がある人物だったのだ。何かあっても対応できるし、なによりもワニノコがあの子がいいと選んだしあの子も姿が違うワニノコを選んだ。それは力を上手く扱えなくてトレーナーに送られてきたニャスパーも、ブリーダーに怒鳴られ続けてすっかり人間が怖くなったアマルスも一緒だ。ランセの用語でいうと、あの三匹と三人はリンクした。それならきっともう大丈夫だ。
「もしかしたら、君たちはこの子たちと喧嘩をするかもしれないし、この子たちは君たちの嫌なこと、君たちがこの子達の嫌なことをしてしまうかもしれない。でも、今日からこの子達は君たちのお友達で家族だから、大事にしてあげてね」
ナマエがそう言えば、子供は大きく返事をした。ナマエはそれに頷いてポケモンたちを見た。
「君たちにとっても、この子達はお友達で家族だから、大事にしないとね。大丈夫、君たちなら、きっといちばんのお友達になれるよ」
ポケモンたちはナマエの言葉にひとなきする。ナマエはそれに満足気に笑うと鞄からフードやボール、お気に入りのものなどを取り出して三人の親に渡す。書類のサインや連絡先の交換などはポケモンの危険な点の説明の時に済ませて、それでも考えて引き受けてくれたのなら安心だろう。きゃあきゃあとダンデやキバナと一緒に一通り騒いでから家に帰る子供を見送って、ナマエはホッと息を吐いた。
「おつかれさま」
「いえ……うまくいきそうでよかったです」
「そうだね。しかし、驚いたな。ああいった子も君は面倒をみているのか。君は基本俺たちにワニノコみたいな子は紹介しないだろう?」
「うーん……ワタルさんたちにはバトルが好きな子だったり、元気が有り余ってる子を優先的に紹介するようにしています」
ナマエはそう言って眉尻を下げて、子供たちが去った方を見つめる。
「バトルが好きな子や人が嫌いじゃない子は知り合いのジムリーダーさんや四天王さん、チャンピオンの方々やバトルシャトーに出入りする人に頼めるのですが……あんまりバトルも好きじゃない子や人が怖い子もたくさんいるので、これからはその子たちをどうしようって最近は悩んでたんですけど、偶然でも仲良しになれる人と出会えてよかったです」
ナマエは少し照れたように笑う。そうだな、とワタルは頷いたが。
「ポケモンたちを保護してるのか?」
「はい













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pkmn 

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