2021/12/31
2021年オフラインネタ帳大放出祭40
死んだと思ったら、天国でもなんでもなく、森の中だった。風が葉を揺らす音もするし、動物が鳴くような声も聞こえる。周りを見渡してから、ゆっくり立ち上がる。そこにあった片方の感覚に驚いて足を見れば、両足が揃っていた。というか、足のサイズが昔より小さいし、足も短い。今度は手を見る。ちいさい手は子供のころの手だ。小学生ぐらいだろうか。ちょうど近くに水辺があったので、水を覗き込む。子供の顔である。
「へ?」
そう驚く私に、見たことがない動物がヌッと顔を出すと私に向かって水をかけた。
「えっ?は?」
私はあたりを見渡す。飛んでいく鳥は見たことがないが、唯一、飛んでる蝶のようなものは見覚えがあった。バタフリーである。
「えっ、ポケモン!?」
私の声に、水辺にいるポケモンも飛んでいるポケモンも驚いたように私を見たのだが。
近くに落ちていた鞄は私の鞄で間違いがない。近くにはサッカーボールが転がっている。中を漁れば、花びらとスマートフォンと写真とチームのタペストリーが入っている。お財布を探せば、お財布もきちんとあった。中にあるお金が使えるかは謎であるが。身分証明書だけがない状態である。
「……とりあえず人里いかないと話にならないか」
はぁ、とため息をつく。
「でもどっちだ……??」
まごうことなく迷子である。とりあえず、緩やかな傾斜を上ることにする。何処かで会えたらいいのだが。
見事に会えないなー、と思っていれば小さいうさぎみたいなポケモンがでっかいポケモンに襲われてた。見てられないなー、となったので持っていたサッカーボールを地面におき、思いっきりポケモンにぶつける。まぁ人間の威力なんでそこまではないだろうけども、よろりとよろけてこっちに跳ね返ったそれをおさめてもう一度ぶつければ、ボールはちがう場所に飛んでいった。こちらを見て近づいてきたポケモンの脇を通り抜けてうさぎを拾う。そのまま走り出したが、ピンク色のポケモンは追ってくる。こわっ。攻撃っぽいのよけたら木が折れた。こわっ。狭い路地に入れば行けるかとあたりを見るが、開けた場所に出てしまった。逃げ場がない。やっべ。ちっちゃいポケモンには脇目をよらず真っ直ぐにくる。
「こっちにおいで!」
そんな声に私はそちらを見る。そっちに行けば大人である。私はとりあえずそっちへ走れば、入れわかりにボールからポケモンが現れて瞬く間にピンク色のポケモンを追い払った。
「すご……」
「大丈夫かい?」
「ありがとうございます、助かりました……うさぎは大丈夫?」
そうお礼を言いつつうさぎをみる。にば~、とこちらを見上げたうさぎは怪我はあるものの大丈夫そうだ。
「ヒバニーが怪我をしてしまっているね。きずぐすりをかしてあげよう」
「かさねてありがとうございます」
はぁー、と息を吐く。きずぐすりどうやって使うかわからん。とりあえず、シュッとしたらいいのかとスプレーをシュッとしたら傷はなおった。すげえ。うさぎもびっくりしてる。可愛い。
「おーい、カブさん、こっちに子供……ああいた!」
「キバナくん」
そんな声に見上げる。反対側かからやってきた彼はこれお前のだろ?とサッカーボールを差し出す。私のなので頷いて受け取った。
「ありがとうございます」
「いや、でも驚いたぜ、新米トレーナーがキテルグマ捕まえんのかと思って対岸から見てたらポケモン出さずにサッカーボール取り出してぶつけんだもんな」
「えっ……このヒバニーは君のポケモンじゃないのかい?」
「襲われてたので……」
「君のポケモンは?」
「あー……いません」
「おいおい、ワイルドエリアにポケモンなしで入るのは無謀がすぎるぜ」
「チェックが入るんだけどなぁ」
「いや、目が覚めたらあっちの方にいて何が何やらわからないので人里目指してたんですけど」
がっくしと肩を落とす。
「どういうことだ?」
「そのまんまと言いますか。記憶にある場所と目覚めた場所が違うし、架空の生き物いっぱいいるし、夢か!と思ってた次第です」
「……何か身分証明できるようなものはないかな?」
「カバンの中漁ったんですけど、財布はあれど身分証明書類はなかったです」
「スマホは?」
「スマホはあります。電源切れてますけど」
そう言って一度うさぎをおろし、スマホを取り出す。見たことない機種だし会社だな、と呟いた背の高い男性はロトムと声を誰かにかけた。その瞬間、オレンジの色の四角があらわれた。
「こっちの中に入ってスマホのデータとか見てくれないか?」
「わかったロト!見たことない機種ロトねぇ」
そう言って四角から飛び出したポケモンは私のスマホにはいる。しばらくしたのち、「意味わからないロト!」と声を上げて私のスマホから飛び出した。そうして彼のスマホに戻る。
「数字以外見たことがない文字ロト!入ってるアプリも一致するものがないロト!!」
「最後にいた場所は?」
「東京ですね」
「トーキョーなんて街はこの地方にも他の地方にもないロト!!」
そう言って男性に隠れた彼のスマホに、ひどいなコイツと思いながら口をへの字にする。
「ホウエン地方では、昔からこういう子は伝説のポケモンが連れてきたって言うんだけど……」
「ホウエン地方よくあるんですか?」
「いや、多くが記憶喪失やポケモンの技で混乱した人の多くだね。でも、スマホをみるとこの子はそうじゃなさそうだ。とりあえず、一応捜索願が出ていないからジュンサーさんに問い合わせしよう」
「そうっすね。俺はとりあえずポケセンに部屋を手配してもらうようにしますよ」
ぽんぽんと交わされる会話にとりあえずありがとうございますと頭を下げる。気にすんな、これも仕事のうちだ、とは背の高い男性の言葉である。私はサッカーボールを大事そうに抱えたうさぎに屈んで頭を撫でる。
「じゃあね、うさぎ。食物連鎖には気をつけなよ」
「にばぁ?」
そう首を傾げたうさぎにひらりと手を振ったら意味を理解したのか、目をうるうるさせた。にば、と、私の服を摘んだ。
「君のおうちはこのあたりでしょ?」
「にばぁ」
「かぞくとかいるんでないの?」
「にーばぁー」
大号泣するうさぎに困った顔をする。様子を見ていた男性が私と同じように屈んでヒバニーと私を見た。
「ヒバニーは君と一緒に行きたいみたいだよ」
そう言って差し出されたモンスターボールを私はうけとり、うさぎをみる。ぐすぐすないているうさぎに私は問いかける。
「一緒にくる?」
「にばぁ」
こくこくうなずいたうさぎにボールを当てる。ボールをおいて吸い込まれたうさぎにボールが揺れる。カチリ、と音がなる。そうしてまた、ヒバニーが飛び出して、抱っこを寝だった。私はうさぎを持ち上げる。にば、と私に抱きついたうさぎは可愛いかった。
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とりあえずジュンサーさんに話を聞かれたりなんやかんやしていれば日は落ちた。しばらく部屋を貸してくれるポケモンセンターのベッドに寝転ぶ。そのままうさぎと名付けたヒバニーが私と同じように寝転がった。恐らく世界を越えたんだし超ラッキーなのでは?と長身の男性キバナさんにお金を借りて宝くじ引いたらガチで一生過ごせるくらいの大金を当ててしまって引いた。キバナさんも多分引いていたが、まぁこれで生活は大丈夫かと安心してた。うーん、いい人である。
さてはて、一週間ほどすればとりあえず私の身分証明書は発行されるらしいのでそれから家を探したりしなければならない。それよりもこれからの生活もある。ポケモン世界でもサッカーはあるが十歳で流石にプロにはなれない。何があるかわからないし働きたいところだ。だが、文字が読めない書けないというハードルが高すぎる。喋る言葉が英語で通じるのははっきり
いってありがたかった。あと、数字は一緒なこと。
「あー、もう、どうするかなぁ」
そう言って寝返りをうつ。視線の先にいるうさぎはサッカーボールを抱いたまますよすよと眠っていた。サッカーボールをよく見れば文字が書いてある。ナマエ監督へ、と書かれた文字を私はなぞって目を伏せた。
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物件探しは早かった。ジョーイさんに治安がいい場所と悪い場所をきいてリストアップし、そこを中心に物件を巡ることにしたのだ。そうして数件回ったのち、気に入った物件を見つけてそこに住む手続きをした。新しいスマホや銀行口座なんかはキバナさんが一緒にいき、物件契約はカブさんが付いてきてくれるあたりバックアップが素晴らしい。自分のサインを真っ先にかけるようにしてよかったと思う。
そんなこんなで住むことになった場所はエンジンシティである。三階建て、元は飲食店舗だったそこは少し掃除をすれば綺麗になるし、何より近くにプロサッカーチームの練習場があった。マンチェスターとリバプールを足して割ったような街ということは、イギリスをモチーフにしている地方のようである。だから英語というわけだ。
「おばけさんやーい、きのみたべないの?」
そう呼びかける。ゴーストタイプのポケモンがいるようで、ポルターガイストがおきたりしてびっくりしたが全部ポケモンの仕業である。うさぎが同じくまだ手をつけていない3階を見上げながら「にばー?」と呼びかける。降りてくる気配はない。
「おばけさん、ここにきのみおいとくねー」
そう言って何種類かのきのみを置いておく。2階と1階の掃除が終わってないのだ。忙しい。そのあとしばらくしたらきのみが食べられていたのだが。うむ、やっぱりポケモンだ。
四日かけて部屋の掃除をし、身分証明書が発行された頃には家具の搬入もできた。おばけさんがいる三階も片付けたが、どうやらポットデスというポケモンだったらしい。一応と一緒に3階に上がってくれたカブさん曰く、飲食店の食器に住み着いたんじゃないかな、ということだ。比較的害が少ないとも。
さてさて、そんな感じで新しい生活がスタートしスマホロトムのサポートもあって文字を勉強したり、近くの練習場をうさぎと見学に行ったりする。見学から来るファンは少ないので、うさぎと私はじっくり見ることができるのがお気に入りだ。あとはうさぎとサッカーみたいなことをしたり、ご飯を作ったりだ。あまりにも穏やかすぎる。
そんなある日だ。なんとなく気まぐれで、置いたままにされていた店先におけるチョークボードに、うさぎの絵を描いてサンドイッチとコーヒーの絵を描く。スマホロトムに教わって、テイクアウトのみという文字を書く。メニューはコーヒーやきのみを砂糖でつけたシロップと炭酸で割ったもの、私が気まぐれでつくるサンドイッチとうさぎの足跡のクッキーというメニューだ。気分的には海外の子供が開くレモネードスタンドである。店先というか、窓から販売できるような場所があるのでうさぎ達とお揃いのエプロンを作りお店屋さんごっこというわけだ。とりあえずチョークボードを飾り、窓にスタンバイしようとすれば、カブさんが通りかかった。
「おはよう、ナマエくん」
「おはようございます、カブさん」
「これは?」
「暇だからお店屋さんごっこしようと思って。おひとつどうです?」
そう尋ねれば彼はいただくよと頷いた。とりあえずサンドイッチとうさぎの足跡クッキーを渡す。というか、うさぎがぴょこぴょこと渡した。とりあえず私オススメのオレンの味シロップ水を渡す。ぱくり、と食べた彼は美味しい!と言ってくれた。
「料理上手だね」
「料理は得意です」
私はとりあえずガッツポーズしておいた。お金は?と言われてそこを考えてなかったな、と反省したけど。
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サッカー場で働く事務員さんがやってきた。ランチ何処で買うか迷ってたのよね、新しいお店ができてたなんて、という彼女に私はうさぎと店先からガーデンベンチに座る彼女をみた。いらないガーデンベンチはサンドイッチを買ってくれたご近所さんがくれたのだ。うむ、お店っぽい。
「ここお店じゃないよ」
「え?」
「私がお店屋さんごっこしたい時に開くつもりだから気まぐれだよ」
そう言えば「美味しいのに!?」と言われる。サッカー観戦とか勉強とかバトルの練習とか色々忙しい時は忙しいのだ。事務員さんががっくしと肩を落とす。うさぎが元気出せよという風に彼女に「にばぁ」と声をかけた。
「シャスタ、何やってるんだい?」
「ランチ食べてるのよ」
「へぇ、ここまたお店になったんだ」
「そうなの!」
「だから私のお店屋さんごっこで開けてるだけだから気まぐれだってば」
事務員さんにそう告げる。いけると思ったのに、とがっくし肩を落とした事務員さんに奥からやってきた男性が私をみた。選手だなこの人。しかも多分キャプテン的な立ち位置だったと思う。よく指示を出している。
「君は最近よくヒバニーと練習を観に来てる子だね」
「うん」
「にばぁ!」
「ここで暮らしてるのか。僕も一つ貰おうかな」
「飲み物は?」
「キャプテン、このジュースオススメよ」
「じゃあそれで」
「炭酸だけどいい?」
「あぁ、構わないよ。気にするとしではないからね」
彼の言葉に頷いてサンドイッチをつくる。うさぎとポットがテイクアウト用の袋を用意するので私はそれに包む。うさぎがぴょこぴょことまた男性にそれを渡した。材料費を回収するだけのお金をもらう。
「それにしても、アナタ、サッカー好きなの?」
「うん。好きだよ」
「変わってるなぁ。君ぐらいの年代の子は一番ポケモンバトルが好きなんだけど」
そういうものなのなぁ、と「そうなの?」と尋ねる。そうだよ、と頷いた彼に、事務員さんが私を見上げた。
「ずばり、誰のファン?」
「最近この地方に来たばっかりだからまだよくわかんない。文字読めないから雑誌買えないし」
そう言えば事務員さんはがっくしと肩を落とし、キャプテンは目を瞬いた。
「へぇ、他の地方から来たのか。ガラルの言葉が上手だね」
「どうも」
「でも確かにイッシュ訛りが時々入るね」
彼は苦笑いしてサンドイッチを食べる。美味しい、と告げた彼にありがとうございますと言っておいたが。
「この地方は九つのチームがあって、ポケモンリーグが開催されてない間に行われるの。ジムスタジアムでするから」
「カブさんのいるところですか?」
「そうだよ。エンジンシティにあるのはエンジンシンデレンス。僕らのチームだね。ターフタウンにあるのがターフサニーズ、バウタウンがバウワウストライカーズ、ナックルシティがドラコ・ナックルズ、ラテラルタウンがラテラルトラッカーズ、アラベラスタウンがツイストアラベラス、キルクスがキルクススノーマンズ、スパイクタウンがスパイクアローズ、シュートシティがシュートユナイテッド」
「へぇー、一番強いのは?」
「シュートユナイテッドだね。あれはほぼこの地方の代表と言っていい」
そう言ったキャプテンに、ふむ、と思う。事務員さんが渋い顔をしているが。何かあるんだろうか。
「シュートユナイテッドは他チームで育成した選手を取ってくのよ」
「どういう意味?」
「シュートユナイテッドは一番強い、が、選手の入れ替わりが激しくってね」
キャプテンの言葉にほうと思う。
「なまじお金があるから他のチームで活躍した選手を根こそぎとっていくってこと?」
「そういうことよ!」
事務員さんがぽこぽこ怒りながらそう告げる。私は口を傾げた。
「でもそれって飽和しない?活躍できる人は残るけど、チームが合わなくて活躍できなかったり、活躍してたけど活躍できななくなった人はどうなるの?」
そう首をかしげる。二人は目を瞬いた。いかん。10歳の子供らしくなかったか。まぁ、キャプテンは苦笑いしたが。
「辞めたり他のチームに移籍したり色々さ」
「シュートユナイテッドはじゃあ比較的年齢層が若いんだ」
「よくわかったね」
「話を聞いてるとシュートユナイテッドは一から育てる気がないんじゃなくて、育たないっぽいなぁ」
頬杖をついてそうつげる。恐らくベテランと呼ばれる人が少なく、他や後進を育てるということをしないのだろう。だから、どこかで育った若手を迎えいれるのだ。
「どうしてそう思うんだい?」
「話を聞いてるだけの判断だけど、ベテランがいないし、チームに属する選手は後進を育てる余裕なさそう。殺伐としてそうだし、そんな場所でプレーして楽しいのかなぁ」
「まぁ、僕らはプロだから楽しくなくてもプレーはするべきだから仕方ないよ。選んでそこにいくんだ」
「仕事でも楽しい方がいいと思うんだけどなぁ。ね、うさぎ」
「にば!」
多分話は理解してないが、私が話を振ったからうさぎは満面の笑顔でうなずいた。とりあえずキャプテンにはうさぎの足跡クッキーをもう一つあげる。
「キャプテン疲れてそうだからあげる」
「えっ」
「うさぎのエールをあげーる」
テレビで見た集団のようにそう言えば、うさぎはがんばれがんばれという風に飛び上がった。ポットもサザエさんみたいなことをする。それをみて二人は笑った。
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ちょっとお店屋さんごっこが楽しかったので、週に一回ぐらいお店屋さんごっこを開くことにする。きのみとか色々ためしたくて、試しにマフィンやスコーン、クッキーやタルト系のお菓子を作っていたら、不思議なポケモンがふよふよしていた。ミルク色というか、ミルク飴の色をしたポケモンである。ケーキの周りをふよふよするポケモンに私はかちゃかちゃと浮いているおばけさんもといポットをみた。
「ポットのなかま?」
「?」
「まぁ害はなさそうだし、きみもお菓子食べる?作りすぎちゃったし」
そう言えばにっこり笑ったおばけさん(命名ミルキー)は可愛かった。
作りすぎた。そう思いながらお菓子を見る。うさぎもポットもミルキーもロトムもお腹がいっぱいらしい。いつもよりまるまるして、ソファですやすや眠っている。仕方ない。味は悪くなかった。売るか。ロトムに手伝ってもらい、お菓子ありますテイクアウトのみと看板に書く。そのまま外に持っていけば、事務員さんがいた。
「あ、あ、今日お店やってたの!?」
「お店屋さんごっこです。今からお菓子とミートパイとキッシュ売ります」
「お菓子」
「色々なきのみで色々試してたら作りすぎちゃって、食べきれないので……食べます?」
そう聞けば彼女は何度も頷いた。お昼食べ損ねたのよー、といっている彼女にどこの事務員も忙しいんだなと思う。メニューを作っていないのでとりあえず扉を開けてどうぞという。元々飲食店だったのだが、テーブルやイスは撤去され、置いているソファはうさぎ達がすやすやと眠っているので座る場所はカウンター席しかない。アンティークな喫茶店のようなそこは私のお気に入りである。
「中こんな感じだったんだー!」
「お菓子はこれです」
とりあえず私はカウンターの裏側に回って、ケーキやタルト、スコーンやクッキー、パイを並べる。
「思ったよりたくさんあるし、本格的……」
「小さくカットしてたくさん食べます?」
「そんなこと許されるの?」
「他の人の味の評価も聞きたいので」
そう言えば、彼女はごくりと息を飲んだ。まぁ、彼女が答える前にニョキッと開けている扉からキャプテンが顔を出したのだが。
「あれ?今日は中でも食べられるの?」
「たくさんあって、チョークボードに絵が描けないので。つくりすぎたから開けただけです」
「今日はお菓子か」
彼は僕も食べるよと言って、そばにいる誰かに話しかける。中に入ってきたのは選手だ。椿くんにちょっと似てるタイプの。なんかずっと落ち込んでる感じがある。とりあえずカウンターに座った二人に私は彼らをみた。
「一切れずつ食べます?というか、食べてくれると嬉しいです。味の感想聞きたい。うさぎたちは全部美味しそうに食べちゃって」
「うさぎ?」
「この子のヒバニーだよ。あとはポットデスがいる」
「ポットはこの家に住んでました。今日なんか一匹増えました」
「ゲットしたの?」
「気づいたら家の中にいたので、ポットの仲間かなって」
そう言えば三人とも目を瞬いた彼らに、お腹いっぱいだからあそこでみんなで寝てますと言えば彼らはそちらを見た。
「あら、マホミル!」
「マホミルはフェアリータイプだからポットデスとは違うかな」
「マホミルが現れたお菓子屋さんは繁盛するのよ。だから常に開くべき」
「気まぐれです」
そう言いつつ甘いケーキを小さくカットしてお皿に盛り付ける。
「とりあえずはいお姉さんどうぞ」
「はーー、これはご褒美だわ」
「あっちのは?」
「あっちのは私がお昼ご飯用に作ったミートパイとキッシュだから、お菓子じゃないので」
「なんだろう。僕の知ってるミートパイやキッシュじゃない気がする。あれでもいいかい?」
「はい。これはあっためますね。お兄さんはどうします?」
「えっと、じゃあ同じのを」
そう言った彼にミートパイとキッシュを切ってオーブントースターで少し温める。ミートパイの中のチーズがちょっととろっとしたのでお皿に乗せて出した。
「やっぱり僕の知ってるミートパイじゃない……」
「えっ、なにこれ!!絶対美味しいやつじゃない!」
「お姉さん持って帰るなら持って帰ってもいいよ。余ってるし」
これでもケーキ余るんだよなぁと思いながら見つめる。とりあえずカブさんとキバナさんにお菓子作りすぎた連絡しておこう。
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キャプテンと、キャプテンと一緒に来ていた選手もケーキを数切れ持ち帰ってくれ、お姉さんもミートパイとキッシュを一切れずつ持ち帰ってくれた上に材料費くれた。ありがたい。でも、まだ余ってるんだよなぁと眺める。お隣さんは留守だし。そんなこんなでうさぎ達とケーキをみつめていれば、窓が開いて、やぁナマエくんとカブさんが顔を出したのだが。私とうさぎが窓の近くにいけば、なるほどキバナさんや知らない人もいる。
「今日は扉開けてるのでそちらからどうぞ」
「そうなのかい?」
「ケーキたくさん描けないので……」
そう言えば彼は目を瞬いて扉の方へすすむ。扉が開けば、うさぎがぴょこぴょこ跳ねて出迎えた。カブさんは並べているケーキを見て目をパチパチ瞬いた。
「本当にたくさん作ったんだね」
「楽しくてつい……」
「もっとこう子供が作った感じ想像してたぜ」
そう言ってケーキを眺めるキバナさんに、苦笑いする。まぁーコナン君的な感じだから。紫色の髪の長い男性はうさぎとポット、ミルキーに挨拶していた。あと少し年上くらいの女の子が心なしか目をキラキラさせている。なんかロックな感じの人とか、綺麗な人とか、体格いい人とか色々いるけど、誰が誰だかわからない。
「ごめんね大人数で押しかけてしまって。ちょうどエンジンシティで打ち合わせがあってかぬ」
「いえ、色んな人に味のこととかも聞きたかったので」
「……これ、まさか、一人で作ったんです?」
「元からストレス発散に料理するタイプなので……」
ロックな感じのお兄さんにそういう。彼はなんとも言えない顔をしたが。
「とりあえず小さくカットして全種盛りとか、気になるのを教えてもらえればお皿にのせます」
「にば!」
一通りみんなに挨拶したうさぎが私のそばにやってきて跳ねるとカウンターに登った。ポットがゆらゆらと定位置にのり、みるきーもケーキ台にのった。ケーキやタルト、ミートパイとキッシュを説明しミルキーの台を指さす。
「これはミルキー。お菓子を作ってたらどっからか入ってきた不思議なマホミル。美味しそうな匂いがするけど非売品」
「捕まえてないのか?」
「他所の子かなって思ったし、モンスターボール常備してないので。今度買いに行きます」
「みる!」
私を見てにっこり笑ったミルキーにうむ、と私は頷く。
「マホミルが来たということは大繁盛間違いなしのパティスリーですね。全種類いきます」
「私が暇な時にやってるお店屋さんごっこなので、パティスリーじゃないですね」
そう言いながらとりあえず小さめにカットした全種ケーキをお皿に乗せて渡す。受け取った女の子ではなく隣にいた女性が目をパチパチ瞬いた。
「えっ」
「この間はサンドイッチだったよね」
「はい」
「将来はカフェでもすんのか?」
キバナさんの発言に、私はうーん、と考える。カフェもいいが。
「サッカー選手かな」
「にば!!」
そう言ったらずっこけるあたり面白いと思うのだ。カブさんは普通に「ホントにサッカー好きなんだね」とニコニコしたが。
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うさぎと一緒に寝るとぬくぬくである。たまにというかうさぎが走り回ったりサッカーしたあとは足の裏と鼻の絆創膏(と私が呼んでる部位)がめちゃくちゃ熱くなるのだが、それ以外はぬくいのだ。なので、基本的に私はうさぎをぬいぐるみみたいな感じで一緒の布団で寝、みるきーは枕元、ポットはベッドサイドテーブルで寝る。めっちゃミルキーいい匂いがするからお腹空くけど。まぁそんなこんなこちらでの生活になれ、日常生活の言葉ぐらいは読んだり書いたりできるようになった頃である。
「ずっと思ってたんだけど、君ってここに一人で住んでるの?」
「え?うさぎとミルキーとポットと住んでるよ」
「えっ!?親は!?」
「あー……」
事務員さんの言葉に降参ポーズをする。異世界云々はややこしくなるし、記憶喪失っつっといた方が楽だぞ、とはキバナさんの台詞だ。悪い組織がくるかもらしい。
「ワイルドエリアで倒れてて、キバナさんとカブさんに保護されただけだかんなー」
「ワイルドエリアで」
「倒れてた」
「記憶喪失じゃないかって言われたし、ジュンサーさんにも届け出だして、今。普段面倒くさいから他地方から来たことにしてたんだー」
キバナさんとカブさんはよく私の様子見に来てくれるよ。
ケラケラ笑いながらそう言えば、キャプテンがちょっと眉間にシワをよせて事務員さんが苦笑いをしている。あれからすっかりよくくるようになった選手のイジュさんは目を瞬いたが。
「あしたからしばらく天気荒れるけど、一人で大丈夫?」
「そうなの?」
「そうなんだよ。ガラルの嵐を舐めない方がいい。ガラル生まれの僕らは慣れっこだけど、大規模停電にもなることがあるし、店は軒並み閉まる」
「はっ、よめた。他地方からきた選手にSOS出されるんだなキャプテン」
「その通りなんだよ。で、ここは、大丈夫かい?」
「大丈夫じゃない。あ、でも、だから今日カブさんが来るって言ってたのかも」
そう一人で納得していれば、隣のお爺さんが顔を出した。
「やぁ、お隣さん」
「こんにちは」
「明日から天気が荒れてしまうからね、準備をしなくてはいけないよ。教えてあげよう。おや、アスターじゃないか。キミも常連かい?」
「ええ。お久しぶりです、ユーカリさん。お元気そうで」
「ふふふ、おかげさまでね」
「ナマエくん、いるかい?……っておや、ユーカリさんとアスターくんじゃないか」
「おぉ、カブじゃないか。今からナマエに嵐の前の日の準備を教えようと思ってねぇ」
「ありがとうございます。僕も教えようと思って」
そう言ったカブさんに、これからのことを考えてメモを取り出す。とりあえず席に座ってもらい、数日間のご飯の買い出しや窓枠に雨戸的な木の板をはめること、非常用電源の用意などを書いていく。ポケモンをしまうのも大事。
「ロトム、一応準備の完成図とか写真にも残しとこ。嵐の前の日準備でフォルダわけしておいて」
「わかったロト!」
「ヒバニーはひのこを覚えてるかな?覚えていれば暖炉もあるし火種を別に買う必要はないよ」
「うさぎ、多分できるよ。前に庭に来たエントツさんそれで追い払ってたし」
「エントツさん?」
事務員さんが首を傾げた彼に私は頷く。
「庭にたまにくる。最近きのみあげてるから仲がよし。ほら、今も向こうの窓枠にいる」
そう言って指差す。窓の外にいるエントツさんはニコッと笑った。可愛いかよ。
「……マタドガースだ」
「えっ!?あれ、マタドガースなの!?」
「ガラルのマタドガースはああいう形でね、空気を綺麗にしてくれるんだ」
「口の周りにあるのは高濃度の毒ガスだから気をつけた方がいい」
「へぇー!口の周り触らなきゃ嵐の前に家に入れても大丈夫かな?」
「大丈夫だと思うよ」
「ポケモン閉まってこ!」
そう言ってエントツさんを招き入れる。ふよふよしているエントツさんに、明日から嵐だからここにいたらいいよ!と言えばにっこり笑った。
「ナマエちゃん、マタドガース大丈夫なの……?」
「え、エントツさんなんか可愛くない?エントツ生えてるんだよ。しかも空気を綺麗にしてくれるとかいいやつじゃん!」
そう言ってエントツさんを撫でてたらうさぎがなんかムッとした。おっ、なんだ、うさぎ、ヤキモチか。両手広げたらうさぎ飛んできたけど。ウリウリほおを撫でながらうさぎに尋ねる。
「うさぎ、ひのこできる?」
「ひば……」
むぅっとしながら頷いたうさぎの頭を撫でる。
「うさぎは天才だもんね!ひのこ余裕だもんな!」
「ひばぁ!」
にっこり笑ったうさぎに、よし、準備頑張ろう!と言えばこくこく頷いた。キャプテン達も手伝ってくれるらしいが、自分達はいいのか?と聞いたらもう準備してた。
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窓に木の枠をはめて雨戸代わりにする。理解。行程の動画や写真をとって保しる。暖炉の使い方も教わる。うさぎもちゃんとひのこができた。
「暖炉使った料理したかったし、ちょうどいいや」
「だ、暖炉料理……」
「スープとか煮込み料理とか、美味しいって聞いたことがある。ホットサンドメーカーも使えるかな?」
そう言いつつ火の調子を確認する。一応お鍋とかはアウトドア用品店で買ったものだから大丈夫だろう。ふむふむと他のものの使い方をロトムに動画をとってもらい、メモをしていく。
「あとはチルチルとミチルしまいたいな……」
「チルチルとミチル?」
「たまにご飯食べにくる青い小鳥と赤い小鳥。最近お返しにきのみくれる」
「青い小鳥はココガラかな……あかいことり?」
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雨音と風音に混じってなんか扉叩く音がする。うるせー、とばかりにポットと一緒に扉を少し開けた。その先にいたのは結局しまえなかった青い小鳥と赤い小鳥である。
「チルチルとミチルじゃん!心配してたんだよー、ほら、はいって、はいって」
そう言って扉をあければ、人間がみえる。同い年くらいの子供だ。私をみて目を見開いた彼は誰かを背負ってる。
「ナマエ……?」
「……ハナちゃん?」
そう尋ねたところでひどい雷がなる。はっと意識を戻し、両手でほおを叩く。
「と、とりあえず、入って」
そう言ってチルチルやミチル、ハナちゃんを招き入れる。足元にいた眠そうなうさぎが私のズボンを握りながら、ハナちゃんをみあげる。ハナちゃんが入ったのを確認し、扉の鍵をしっかり施錠して元の状態に戻す。とりあえず一階より2階の方があったかいので、ハナちゃん達を2階に連れて行った。
「うさぎ、暖炉つけれる?」
「にば」
眠気目なうさぎが暖炉に火の粉を放つと火がついた。とりあえず羽を乾かすための止まり木として椅子を準備し、ハナちゃんが背負ってる人をソファに寝かしてもらう。泣きそうなハナちゃんをとりあえずバスルームに突っ込む。洗濯乾燥機に下着を入れるようにだけいって、とりあえず私のジャージを着替え用においておいた。大きめの服を買っててよかった!!!下着ぐらいは多分すぐ乾く!!シャワーに入ったハナちゃんのあと洗濯乾燥機をまわし、一枚タオルをだして、一枚タオルを持ってソファにいる問題の人物を見下ろした。そこにいるのはやっぱり蓮だ。傷はあるが、そこまでひどい傷ではなさそうである。意識はないみたいだが、呼吸は穏やかである。
「ええい、元は夫婦!許せ!」
そう言って蓮の服を剥ぐ。ちょっと下着は流石にいただけないが。ぱっと見濡れてなさそうだったから。タオルで拭いて手当てし、もう一枚あった私の大きめのスウェットを着せた。服はあとでハナちゃんのと一緒に洗濯するとする。暖炉をみれば、チルチルとミチルが羽を乾かしていた。それを見て、息を吐く。
「はーー」
「にば?」
「んー、びっくりしただけ。目が覚めちゃった。うさぎたちも、なんかあったかいもの飲もっか」
「にば!」
ホットミルクのむか、と、とりあえず二人分温めていればハナちゃんが上がってきた。ハナちゃんはこの頃から背が高いので大きめでもちょっと小さくなるのは仕方ない。
「うーーん、ハナちゃんのこの足の長さよな」
「ナマエ……?」
「うん、なに?ハナちゃん」
「ナマエ」
ぐにゃりと顔を歪ませた彼はポロポロと涙を流す。私はとりあえずいつものようにその涙を拭った。ハナちゃんは相変わらず泣き虫だなぁ、と言えば、軽くハグされる。というか抱きしめられる。
「ナマエ、」
「なに、どしたの?ハナちゃん」
そう背中を撫でていれば、ハナちゃんはグスグスと鼻を鳴らしながら顔を上げた。
「会いたかった……」
「うーーん!!私は今若干複雑だけど、私も会いたかったよ!」
そう言って思いっきり抱きつく。いた、いたい、ナマエいたい!と言った彼になんだ夢じゃないのかと唇を尖らせた。
ミルキーが牛乳を覗き込んでいるので、慌てて火を止めに行く。ホットミルクを器にいれポケモンにくばり、カップを持ってハナちゃんの元に向かった。ソファは持田蓮が占拠してるのでとりあえずダイニングの椅子に座らせる。ありがとうと受け取ったハナちゃんに、私は口を開く。
「率直に聞くけど、ハナちゃんも蓮も同時に死んだの?」
そう言えばハナちゃんがむせた。すまん。率直に聞きすぎた。
「私は死んだと思ったらさー、この世界で倒れててさー」
「……この世界?」
「ポケモンの世界」
そう言ってうさぎを抱っこする。ポケモン、と固まった彼にうむうむわかるわー、と納得した。多分一番私たちでもわかるのはピカチュウとかリザードンとかだろう。そういや深夜枠でポケモンバトルの再放送をやってたはずである。ピッとテレビをつければ丁度ダンデさんのリザードンが映っていた。目をパチパチ瞬いた彼にエントツさんがふわふわとやってきて見つめる。うわっと飛び跳ねたハナちゃんは、エントツさんをみつめた。
「……ど……ドガースだったか?」
「マタドガースだよ。この地方のはエントツあるの」
「ポケモン……」
そう言ってじっとエントツさんをみたハナちゃんは、あれもか、と眉間にシワをよせた。
「あれも?」
「ピンクの……」
「キテルグマだ!そいつ凶暴だから気をつけた方がいいよ!」
「木が潰れたのをみた……持田を背負いながら逃げるの死ぬかと思った」
なるほど同じくワイルドエリアに来たらしい。しかしながら、だ。
「私の家までどうやってきたの?」
「その鳥が案内してくれた」
「チルチルとミチルが?」
「そんな名前なのか?」
「私が勝手につけただけ。野生だしね」
そう言いつつホットミルクをのむ。で、死んだの?と聞けばわからないと言われた。あんまり詳しく話したくなさそうなので、突っ込んでは聞かないが。
「まー、ハナちゃんと蓮は夢かもしれないし、夢が覚めるまでここで暮らしたらいいよ」
「……いいのか?」
「うん、一人で住んでるだけだし。部屋空いてるしね。嵐が去ったら家具買いに行こう」
一応保護者会に連絡を入れておく。同じ場所から来た人保護しましたって連絡したら爆速でキバナさんとカブさんから連絡きて笑った。一応電話で説明し、嵐が明けたら空いにきてくれるらしい。とりあえずハナちゃんの寝る場所が問題である。
「一階のソファは寒いからやめといた方がいいよ。床も硬いしな……私の部屋のソファで寝る?」
「……それをこの部屋に持ってくるのはダメか?持田がうるさい」
「あ、それが一番いいか」
そう言って二人でソファを運び、エントツさんがアロマ的ないい匂いを漂わせてくれた。エントツさんにお礼を言って私は自室に戻る。うさぎは相変わらず暖である。ぬくぬくだ。
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朝起きてご飯の準備をしていたら蓮がおきた。ナマエ、と名前を呼ばれて抱きつかれてびっくりする。蓮?と呼べば泣いてるっぽい声が聞こえる。そっと背中を撫でる。ごめんね、と謝れば、謝んなばーかと怒られたのだが。しばらくじっとしていれば、私たちを見上げていたらしいうさぎが涙目になってついには泣き出した。なにやら、やきもち焼いたらしい。にば、にば、と私にだっこを要求するように両手をのばす。うむ、仕方ない。うさぎ、と手を広げればうさぎは私に飛びついた。いつものようにパーカーの下に収納するとする。顔だけ出てるうさぎは可愛いのだ。
「何そいつ」
「……にぃばっ!」
うさぎを見ながら尋ねた蓮に、うさぎはふん!と顔を逸らした。私はそれを撫でつつ口を開く。
「ポケモン」
「は?」
「死後の世界はポケモンの世界だったのだ!」
そう言いつつ朝ごはんをつくる。は?ともう一度告げた彼は近くをふよふよ浮いてるエントツさんをみて、理解したらしい。ゲラゲラと笑った。
「ガチじゃん!!」
「あ、テレビつけといてほしい」
蓮はその言葉にテレビをつける。お天気キャスターのお姉さんが嵐は明日には去るでしょうといい、近くにいるピカチュウがピカ!と手をあげていた。そのあとはサッカーのハイライト番組にかわる。ハナちゃんが起きたが、すぐに蓮に邪魔と言われていた。こら、ハナちゃんをすぐいじめる。
「うさぎも一緒にサッカーみてくる?」
「にーば!」
ぷいっと顔を逸らしてイヤイヤしたうさぎの可愛さよな。はー、うさぎが今日も可愛いといったら、お前のネーミングセンス相変わらずないなって言われた。うるせぇ。可愛いだろ。
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「うさぎがひっつき虫になってしまった……」
可愛い。とても可愛い。まぁもとよりお風呂一緒に入るし一緒に寝るんだけど。ミルキーやポットは蓮やハナちゃんにも別に懐いているが、困ったことにうさぎが二人があまり好きではなさそうだ。というか、拗ねてるみたいにもみえる。頬をぷくっと膨らませたうさぎにうさぎ餅だーと言いながらムニムニする。
「食べちゃうぞー」
「にぃー」
きゃっきゃっと笑ったうさぎだが、蓮とハナちゃんが見てると理解してきりっとした顔をした。にば!と戦闘態勢にはいったうさぎに、蓮が無言で見る。カッと目を見開いた蓮にうさぎが撤退した。うーん、大型ポケモンに見えてるんだろうか。反対側にいたハナちゃんが同情したように手を伸ばす。
「持田が怖いな……」
「にばっ」
「何故」
ぱち、と手を叩いたうさぎにダメだよーと言えば拗ねた。私にしがみついて離れなくなった。
「なんか愉快なことになってんな」
「なんかうさぎが拗ねちゃって」
まるまるお餅なうさぎは私のパーカーの中にいる。とりあえず嵐の中やってきてくれたキバナさんにタオルを渡した。サンキュー!と笑った彼は相変わらず人懐っこい笑顔である。とりあえずレインコートを暖炉で乾かすかと2階に上がる。ハナちゃんと蓮がキバナさんをちらりとみた。
「ナマエ、誰そいつ」
「ちょっと先のナックルシティのジムリーダー。私の保護者その2」
「その2?」
「その1はカブさんだから。カブさんは?」
「ワイルドエリアで崩落事故があって、それがエンジン側だったんだよ。俺はとりあえずヘルプで行ってたんだけど、ある程度目処が立ったし、ついでに様子を見にきたってわけ」
そう言った彼はほらよ、と紙袋を渡す。
「俺様のお古で悪いけど、ないよりはマシだろ」
「助かるーー!私のサイズでかめスウェットでもツンツルテンになりかけてたから助かる!」
「お前がちびなだけ」
「はーー??数センチしか変わらない蓮にいわれたくないんですけど??まだ伸びるわ」
「OK、仲がいいってことはわかった。で、話を聞きたいんだが、何がどうしてこうなった?」
キバナさんのレインコートを暖炉で乾かすべく椅子を移動させて乾かす。移動手段してたフライゴンだしていいか?と聞かれたので頷いたらフライゴンが暖炉の前にきた。かわ……かわわ。私はとりあえずフライゴンを拭いてポケモンも食べられるクッキーをあたえる。むしゃむしゃ食べるフライゴン可愛い。
「ハナ、説明よろしく」
「は?」
「俺目が覚めたらここだったし」
ひらりと手を振った蓮に、ハナちゃんがぐぬぬと顰めたが諦めた。もとよりあんな関係だから気にしないで、と言えば、キバナさんが苦笑いしたが。
「め、目が覚めたら持田が近くで倒れていた。ゆすっても起きないし、雨風が酷かったから移動した方がいいと思って……ポケモンに追いかけられたらこの二匹がナマエの家まで連れてきてくれた」
「多分ワイルドエリアだと思うよ。キテルグマに追いかけられたって聞いたし」
「お前らなんで揃いも揃ってキテルグマに追いかけられてんだ?」
「人かと思ったら違った……」
「あー、雨で視界悪いからか。そりゃ災難だったな。どのあたりかわかるか?」
「……さ、さっき、崩落があった、と聞いたが、それは何箇所もか?」
「あぁ、今日落ちた場所と、昨日落ちた場所がある」
「そ、そのどちらかだと思う。目の前に崩れた崖があった……」
その言葉に、ふむ、と考えたキバナさんは、なんか関係あんのかね、と頭の後ろで手を組んだ。
「まぁ、調査はするけどな。一応ジュンサーさんに届け出るから写真撮らせてくれよ」
そう言って二人の写真を撮ったキバナさんに、私は彼を見る。うさぎのことを相談したい。
「キバナさーん、うさぎがなんかおかしい……」
「なんだ?どうした?」
「蓮とハナちゃん来てから、私から離れようとしない。今日はお餅になっちゃった」
そう言ってうさぎをみせる。まぁパーカーの中でまるまってるから耳しか見えてない。
「無理に離そうとしたら泣いちゃう」
「あー、あるある。お前が二人に取られると思ってるんだよ。世話焼いてるから多分ヤキモチ妬いてる。うちのヌメラもたまになる。うさぎはナマエが大好きだし、さみしがりっぽいしな」
「んん、そっかー、うさぎ大丈夫だよ。私もうさぎ大好きだから」
そうぎゅっとしとく。うさぎがちらっとこっち向いたので、にっこり笑っとく。
「うさぎはあの二人よりお兄さんだから仲良くできるかなー?」
「にぃ?」
「うさぎは二人のお兄さんだもんねー、お部屋の案内だってできちゃうし、私と一緒に寝れるもんね!」
「にば!」
ちょっと元気出たうさぎをかいぐりかいぐりしておく。はー、可愛いかよ。
ちなみに服の中には新品の下着もは言ってたらしい。大体の身長だけ伝えてたけど、キバナさん神かよ。
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嵐が過ぎ去り、片付けをする。木の雨戸とかは蓮とハナちゃんがいるのでスムーズにできた、気がする。お隣さんにことの理由を説明もしたし。庭の片付けもオッケーだ。エントツさんを庭に出せばふわふわ宙を漂って工場地帯の方に向かった。稼働し始めた工場の屋根のあたりにたくさんのエントツさんが見える。チルチルとミチル、あらため、キバナさんに教えてもらったココガラとヤヤコマは私の家に住むことにしたらしい。ヤヤコマが蓮に懐いてココガラがハナちゃんなの笑う。
「二人分の家具買って、服も買って……スマホの契約はカブさんが来てから相談するとして、トレーナーカードの発行はキバナさんが手配してくれてたからポケセンよって、あとはモンスターボール受け取るくらいか」
そう言ってリストにする。もとより3階2階の空き部屋はゲスト用に部屋を作ろうと思っていたのだ。仲良くなった人が泊まりにくるかもだし。
「ハナちゃんも蓮も部屋どこが良い?家具決めるにも部屋決めないと」
「む……」
「そもそもどこあいてんの?」
「2階があと二部屋、3階がたくさん開いてる」
「2階でいいよ、三階まで家具持ってくのめんどいし」
「俺も2階で良い……」
「三階のが広いけどいいの?」
「広くても置くものないだろ」
それもそうだ。
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「いく!!」
そう言ってカウンターから少し身を乗り出す。ミルキーが私の頭の上にいるが、キャッキャしてるのを見ると喜んでいるらしい。蓮とハナちゃんがスマホやらなんやらの手続き諸々に行ってる間、お店屋さんごっこをすることにしたのだが、思いの外二人の予定が早くに終わってしまった。まぁ、裏庭でうさぎとサッカーしてるけど。いつものごとくやってきた事務員さんが仕事を提げてきたのだ。なにやらジュニアチームの選手が集まってゲームをするらしいのだが、エンジンシンデランスにはジュニアチームがなく、いつもはジュニアチームの名残の子に声をかけていたらしいがユースの年になってしまったがために参加できる子供がいないらしい。
「ナマエちゃんのお友達も連れてきてくれると助かるわ、なんて……」
「ちょうど二人いるよ」
「えっ、助かる!」
「他の地方から来たばっかでも良かったら」
そう言えば良いのよ!と快諾をいただいた。これでノルマは集めれたわ、とホッとした彼女に首を傾げた。練習終わりのキャプテンがまたやってくるのが見えた。やぁ、ナマエ、大丈夫だったかい?と爽やかに告げた彼に、うん、と頷いておく。
「お誘いはうけたかな?」
「うん。友達も一緒にいく」
やったね、とワクワクする。そうか、と人のいい笑顔を浮かべた彼は、ホットサンドを注文する。私がホットサンドを作り始めるとあたりをみた。
「君のヒバニーは?」
「今裏庭で遊んでる」
そう噂をしていればヒバニーがうっきうきでかえってきた。テンションがあがったりすると、うさぎの足は熱くなるのでフローリングにうさぎの足跡の焼印がついている。私にとびついて、いかに蓮とハナちゃんがサッカーが上手いかを全身を使って説明するうさぎは可愛い。そかそか、と頭を撫でてうさぎ用の水を用意する。シンデランスのエースバーンの背番号がついたマグカップはうさぎのお気に入りだ。うさぎはそこでキャプテンに気が付いたらしい。にば!と元気に挨拶した。
「やぁ、ナマエのヒバニー。すっかりお気に入りのマグかい?」
「にばぁ!」
「ナマエ、腹減った、メシ……誰そいつ」
そう言いつつカウンターに座った蓮に、キャプテンは目を瞬く。ハナちゃんもサッカーボールをもってやってきた。マグを持ったうさぎにハナちゃんは声をかける。
「う、うさぎは上手いな」
「にぃばぁ」
「でしょ!」
花を飛ばして嬉しそうなうさぎに私は頷いておく。うさぎはサッカーボールと似たようなサイズだけども!サッカーがうまい!!まぁ、たまにハンドするけど体がちっちゃいから仕方ない。
「ホントそいつお前似だよな。で、誰?」
蓮の問いかけにハナちゃんがキャプテンに気づいたらしい。首を傾げた。
「……誰だ?」
「あ、待って、お前見たことある……」
「……確かシンデランスのキャプテンじゃなかったか」
「せいかーい」
そう言えば、ナマエが世話になってます、と蓮が言った。
「いや、こちらもお世話になっているから」
「シロさんタイプ?」
「多分ナリさんタイプが落ち着いてこうなったか、古谷くんタイプ」
私の発言に、ふーん、と蓮は言った。
「ナマエの友達?」
「うん、一緒に住んでる」
「は?」
「嵐の日にやってきた似たような存在」
そう言いながら出来上がったホットサンドを渡せば、キャプテンが「ちゃんと説明しなさい」とお説教モードになった。なんで。
「説明もなにも、そのままだしなぁ」
「お前何保護者量産してんの?隣の爺さんも保護者じゃん」
「みんな子供だから気にかけてくれてるだけじゃない?」
「あのね、普通は子供は一人で暮らさないし、子供だけで暮らさない」
「……一人でジム巡りしないのか」
わかる、私もどうしてもサトシのイメージなのだ。
「あら、この地方はチャレンジリーグの期間だけよ。他の地方はそうじゃないけど」
「へー。大丈夫、カブさんやキバナさんとは頻繁に連絡してるよ。何かあったら連絡するし」
「何かあると遅いんだよ」
それもそうである。まぁ、大丈夫大丈夫と言えばため息をつかれたが。ホームアローンだってドロボー追い払ってるし。私は二人のご飯を準備しつつ口を開く。
「あ、紹介しとこ。右の茶髪が蓮で、左の黒髪がケイゴことハナちゃん」
「どーも」
「どうも……」
「シンデランスのDF、アスターだ」
「事務員のシャスタよ。よろしくね。あとナマエちゃんに毎日お店やるように言ってくれたら助かるわ」
「無理。コイツ説得して折れるたまじゃないし、俺がコイツとサッカーしたいから」
「……同じく」
その言葉に、私は喜ぶ。ひゃっほーい!と手をあげれば、あらヒバニーと一緒、と言われた。
==
「うわー、すごーい」
そう言って会場をみる。ジュニアチームの試合、オールスターの前哨戦なのね。マスコットポケモンの試合かと思ってた。ちらりとスタジアムの中を見れば結構な動員数である。おらワクワクすっぞ。後ろから蓮が私の頭に顎を乗せるので、私はもたれる。うさぎは憧れのエースバーンと一緒である。エンジンシンデランスのポケモン係が預かってくれたのだ。
「ふーん、こんな感じね」
「おい……いいいちゃつくな。独り身への当て付けか」
「はっ」
鼻で笑った蓮にハナちゃんをよしよししておく。違うそうじゃないと言ったハナちゃんは満更でもなさそうだが。
「調子乗ってんねー、ぶっ殺す」
コイツ日本語でわざと言いやがったな、と思う。相手がハテナ浮かべてるし。ハナちゃんもボソッとドイツ語で、俺の方が天才って言った。多分それも通じてない。私はとりあえずフランス語で口を開く。
「そんなこと言ってないでさー、仲良くしようよ。痛い目見ちゃうよ」
ぽんぽん背中叩けば気安く触れるながみたいな感じで暴言吐かれたけど。ひゅー、こういうタイプはツンデレになるってお姉さん知ってる。様子見てた寡黙な少年がちょっと目を輝かせたのも何。
「君、カロスから来たの?」
カロスとは?と思うがフランス語で尋ねられているあたり、恐らくフランス語を喋る地方なんだろう。私は首を左右にふる。
「違うけど、日常会話ぐらいなら喋れるよ」
そう言えば目を瞬いてからふにゃりと笑った。ぐう、可愛いなこの子。
「カロスの言葉、上手だねぇ」
「ありがとう。私はナマエ。あっちがレンとケイゴ。三人とも得意なポジションはMFかな。エンジンシティに住んでるんだ。よろしくね」
「僕はティリアだよ。シュートシティに去年に引っ越してきたんだぁ」
「じゃあ、シュートシティのチームなの?」
「うん。ゴールキーパーしてるよ」
はぁぁ、ほんわかしている。可愛い。こっちもニコニコしてしまう。
「ナマエ、そいつは?」
「ティリア君だって。他の地方から引っ越してシュートシティのチームでゴールキーパーしてるんだって」
「ふぅん、よろしく」
「………。……よろしく」
「うん。よろしく、レンにケーゴに、ナマエ」
うーん、可愛い枠が増えてしまった。
「でも良かったー、僕まだ言葉不安だからさー、カロスの言葉わかる人いてくれて安心したよ」
「同じチームかわかんないけどね」
「多分同じチームじゃないかなぁ。片方のチームはほとんど固定されてるって聞いたし」
そう説明するティリアくんに、固定?と首をかしげる。うん、固定だよー、と彼はほのぼのしたけど。
「うーん、理解した」
そう言って、チーム分けを見る。恐らくは相手チームは普通に強い。世代代表あたりだろう。多くがシュートシティのメンバーで、あとはナックルシティとか北の方にある街の人が数人というところだ。対するはこちら、私と蓮とハナちゃんの三人はジュニアチームに属してないし、他ももしかしたらそんな感じなのかもしれない。こちら側にキーパーできる子がいないからティリアくんがこっちに来たんだろう。
「もうちょっとバランス取るとかしないのかなー」
と、思ったが、勝てないと思い込んでるだけではなかろうか。練習をみていれば、周りが結構いい動きをしてるのだ。DFがあのこで、FWがあの子で、と挨拶したりして名前と顔ポジションを一致させていく。そうしてティリア君の前にいけば、彼は困ったかおをした。
「んー、ガラルの言葉でコーチングがねー、まだ自信ないんだぁ」
「そりゃあそうなる」
キーパーの海外移籍はだから難しいと聞いた。まぁ、なんとかなるよ!と背中を叩いておく。一応DFに右左とかは教えておこう。監督はどんな戦術をするのか、と監督に選ばれている人に近いてみる。こんにちは、といえばボードと睨めっこしていた人は私を見下ろした。
「……こんにちは」
「その服着てるってことは、このチームの監督の人?」
そう尋ねれば彼は「そうだ」と頷いた。
「どういう戦術でいくの?あと相手の情報あったら知りたいし事前に教えてほしい。知ってたら対応できること増えるし」
彼は目を瞬いて、またボードをみる。そのままあの子はこうで、別の子はこうでと説明する彼に私はふむふむと頷いた。後で蓮達にも共有しよう。
「じゃあ、あの偉そうにしてる子を抑えたらいいのか」
ふーん、と思いながらありがとうーと手を振る。彼は目を瞬いて、どうも、と返したが。
「何してた?」
「監督に相手の情報貰ってた。まぁあんまり詳しくなかったけど一応共有しよ」
「お前いちいちそんなことしてたの?」
「相手チームはあんまりしなかったけど、味方の情報は聞いてたよ。味方のフォローしやすいし、突破されやすい場所もわかるし。相手は私がやらなくても監督がするしね」
そう言いつつ誰がああで得点よくとるのが、という話をする。なんやかんやいいつつ聞いている二人と情報共有し終えたところで監督が集合をかけたのだが。
まぁこの年代に作戦という作戦も戦略もないよなー、と思う。とりあえずパス出す先迷ったら私かハナちゃんか蓮に頂戴アピールをしておく。楽しんでいこー!と言えば変な顔されたが。なんで。ティリアくんが首をかしげる。
「負け戦を楽しむの?」
「まさか。勝つために楽しむんだよ。なんでも楽しんだ方が得だよ」
そう言って隣にいる少年に
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