2021/12/31
2021年オフラインネタ帳大放出祭58
・ハルアカツキニテ主gr
そう言って両手を擦り合わせる。時空間忍術か何かで違う世界に飛ばされたようのか、はたまた幻術にかかっているのか、である。マゴイチがいないのは別行動していたからだろう。まぁ、それはいい。いや、よくはないのだが、やっかいなことに巻き込まれた気はひしひしとしている。はぁ、とため息を一つつく。見るからに元の世界に近く、ボルトくんやシカダイくんがいる世界ではない。が、相違点もあった。大人しくしておくかと思ったが、そうは許してくれなかったらしい。草間大作くんと仲良くなり、彼とロボの騒動に巻き込まれたのだ。厄介なことというのは忍者が関わっているとかそっちである。頭領になるとかまっぴらごめんであるが、大作くんが頭領にならないと遺言状が手に入らないらしい。なんだそのおかしなルールは。生きてる師匠みたいな人達もいるし。おまけに、だ。
「ぎゃー、だから私は一般人なんですってば!見てるだけでいいって言ったじゃん!派手忍者!」
「ぎゃー!俺も一般市民だから!観戦するだけっていっただろ!竜作さん!!」
「状況が変わった。死ぬ気でやれ。選別だ、刀は貸してやる」
「ばかーー!!つかえませんてば!!死にますよ!!」
「悪いな、頭数は多い方がいいだろ。ほれ、護身用のだ」
「竜作さんのばーーか!!齧ってるぐらいの棒術でどうにかなるわけないじゃん!」
ギャンギャンと騒ぐ横にため息をつく。どうやら同じように異世界からきたらしい二人と私、あとはなんらかの力を使う相手である。
「……君たちでどうにかならない?」
「なるわけないだろー!!」
「なるわけないでしょ!!」
そう言って私を見た二人にもう一度ため息をつく。伊賀も甲賀も飛騨も風魔もいると思われる以上私の手数が大分限られるわけである。忍者だとバレたら面倒なことになりそうなのでできれば黙っていたかったのだが。
「……わかったよ、そのかわり、その刀貸してくれる?」
「え、」
「言っとくけど、これは貸しだからね。ただ、この借りは僕じゃなくて大作くんに返してくれたらいいよ」
できれば同業者がいる以上やりたくなかったんだけど。
はー、ともう一度ため息をつく。ぽかんとした二人に私は刀の鞘で線をひく。
「ここから先には出ないでね。巻き込みたくないし」
「ほう?これまた村雨一家でもなくBF団でもなく、草間大作にへばりついてる弱そうな小娘が来たか」
「うーん、そう見えてるのかあ。まぁ、そうだなぁ、この姿じゃぼんやりしてるキャラだしね。うん、うん、それもそうだ」
「ふはは、まぁどの順序できても同じことなゆ!カマイタチの鹿目の釜にかかれば一瞬!この釜の血錆にしてやるわ!」
「これって名乗るのが礼儀なんですかね。うーん、利便上、今の名前を名乗ってるだけだしなぁ」
空に持ち上げた自分の持っている刀よりは幾分新しく見える。手に馴染むあたり、同じ人のものなんだなとは思うのだが。
「あぁ、いけないな。中途半端に僕がでる。あの子は休ませないと」
来ているパーカーのフードをかぶってから外す。外す前に影丸もとい赤影というか、まぁ男バージョンに化けておいた。
「な」
「生憎陰であった僕には名乗る名前はない。そして貴方に名乗る意味もない。貴方には申し訳ないが、負けてもらうよ」
そう言って刀を構える。まぁ相手は激昂したのは仕方ないというか。でも全部容赦なく繰り出されるカマイタチを弾いてるというか。切れ味やばいなこの刀。この刀だから弾けてる気もする。まぁその間に地面を凍らせてるんですけどね。伊賀甲賀風魔飛騨を使わない=戸隠とか軒猿とかを使うしかないってことだから。結局絞って氷遁になる。
「うっへぇ、ナマエ超余裕じゃん」
「……なんか寒くない?」
「あぁ、ごめんね、君たちも寒くなるな……はやめにおわらせよう」
そう言って一気に胴体まで氷漬けにする。なっ!?みたいな声が聞こえてカマイタチがやんだ。
「な、な、なぜた、いつ、どうやって」
「僕が聞きたいのはそんな疑問じゃないよ」
スッと目を細めて刀を逆手に構える。首を落とすにはこっちの方が楽とは誰の言葉だったか。まぁ、脅しというやつだ。それと同時にじわじわと氷の部分を増やしていく。口元ギリギリにきた氷に、彼は顔を青くした。
「さぁ、僕の望む言葉を言え」
負けました、と言った彼に刀をおろす。勝ちを告げた行者に私はため息をついた。だめだなー、やっぱりこうメンタル的に良くない。そっと刀を鞘に戻し、今度は居合の形で持つ。静止がかかったが、それを無視して氷を切った。服も着れたがそれはご愛嬌というやつだ。
「うわー、この刀やっぱり切れ味いいんだな。カマイタチ防いで氷切っても刃こぼれしてないや」
「ナマエ、大丈夫!?」
「大作くん、ナマエというのはあの子の名前だから僕は違うよ。でも名乗る名前もないんだ。僕の名前は君が適当につけてくれ。じゃあ、僕は寝るよ。君たちもこれは貸しだからな。おやすみ」
そう言ってフードをかぶり、ふっと息を吐く。思考を切り替える。私はフードを外して目をパチパチした。
「あちゃー、あの子がやっちゃっかー。おじさんごめんね、大丈夫?寒かったでしょ?」
そう言ってまっぱで泡吹いてるおじさんに近づいた瞬間日本の忍者達が飛んできて影丸さんと赤影さんが前で庇ったのだが。それを見るに情勢はあんまり変わらないらしいと理解する。
「どけ、影丸!赤影!それは間違いなく氷室の一族よ!しかも表裏が分かれておる!」
「その体が女にしろ男にしろ高く売れる。売らなくとも忍びとして仕込めば申し分ない」
「いや、もう仕込まれた後に見える!」
「それは、我らの里から逃げ出したのだ!」
うーむ、やっぱりこうなるかと息を吐く。氷室は軒猿にいた忍びの一族なのだが、雪氷を操るゆえに雪女とか言われる一族だ。尾鰭がつきまくり、涙は宝石だとかいう話になっているとは昔に聞いた話だ。まぁ、さっさと影丸さんと赤影さんが追い払ったが。影丸さんが私に合わせて屈む。
「君の肌の色を見た時からそうじゃないかとは思っていたが、本当にそうだとは……」
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