2018/02/15
↓改変 没!
大学生佐藤さんと高2兼任司書。
怪奇事件に巻き込まれたと思ったら佐藤さんも巻き込まれてた→二人でなんやかんや頑張って解決しました。それからの仲。
司書四人は幼馴染でご近所、菜乃花もご近所。刀剣は皆親類。
あ。
お互いに出会った瞬間、口を開けた。近くにいた蓮子が知り合い?と首を傾げ、彼の近くにいた人たちも首を傾げる。
「この前色々あって……お久しぶりです、ええっと、佐藤さん」
「あぁ、久しぶりだな、苗字。元気そうで何よりだ」
そうぽんぽんと私の頭を撫でた佐藤さんは大学生だけあって余裕がある。
「佐藤、知り合いか?」
「あぁ、前にちょっとしたアクシデントがあって知り合った」
「ああ、あの閉じ込められたってやつか。女子高生と閉じ込められてたとは」
「……やましいことはないぞ」
「佐藤だもんな」
「どういう意味だ」
ぽんぽんと交わされる会話。蓮子は閉じ込められたというワードで何が起こったのか察してるんだろう。遠い目をされた。
「佐藤さんは大学生、ですっけ」
「ん?あぁ、この近くの大学だな。帰るところだ」
「この近く……」
「棋院たちの学校の大学かな?ほら、帝国学園」
「おぉ、そこだ。お嬢さん達は……君は近くの私立校か?」
「はい」
そう頷けば、佐藤さんはハーフアップの人に肘で小突かれる。だから、そんなんじゃねぇよ!と言った彼に小首を傾げれば「苗字は気にしないでいい!」と言われた。
「ナマエ、そろそろ帰らないと怒られるよ」
「あ、そうだった。すいません、佐藤さん、呼び止めてしまって」
「いや……またな」
「はい、また」
そう少しえんで手を振れば、彼も手を振り返してくれた。
==ちょっと時間経つ
女子高生(しかもナマエはまだ十七歳の高2である)の行動で一喜一憂する大学生は見ていて面白い。普段そうならないナマエもまた大学生の行動で一喜一憂するのだから余計に面白い。
ナマエのいいお兄さんでいようとする佐藤さんはナマエの前でタバコは一切吸わないし冷めた目もしないというのに(それどころかたまにヘタレになってる)、ナマエがいないところだとそういう面があるらしい。というのも同い年ぐらいの女の人をあしらってるところに出くわしたからだ。去っていった女の人に、はぁ、と苛立ちを隠さないままため息をついた佐藤さんは私に気づいて固まった。周りをキョロキョロと見渡した佐藤さんに、ナマエはいませんよ、といえば安堵のため息をつかれた。
「いたのか……」
「偶々です。ナマエには黙っときますね」
「あぁ、頼む」
そう苛立ちからか髪をかきあげてタバコを吸った彼は絵になる。イケメンだからだ。まぁ、ナマエの親類はイケメンが飽和してるからナマエはそこは気にしてないんだろう。視界の端にナマエを捉えたために「あ、ナマエ」と言えば、彼はすばやく携帯灰皿にタバコを押し付けてしまった。はやい。カラコロと草履を鳴らしてやってきたのはナマエだ。
「蓮子、と、佐藤さん?」
「今日は着物?可愛い柄」
「えぇ、まぁ、歌仙さんが新しく見繕ってくれたんです」
そうひらりと袖を揺らしたナマエに佐藤さんが口元を覆って目をそらした。ナマエは不思議そうに首を傾げる。
「蓮子と佐藤さんは何を?」
「今あったとこ」
「……着物、よく着るのか?」
「えぇ、祖父母がよく着るので」
「そうか、似合ってるな」
そうぽんぽんと頭を撫でた佐藤さんに、ナマエの耳が赤くなり、少し頬に赤みがかかった。ありがとうございます、と蚊の鳴くような声でお礼を言ったナマエに佐藤さんが撫でてた手を止めて葛藤した。なにこれ面白い。
==
何処で知り合ったんだ、と問えば、友人の親戚なんですよね、あの子、と言われる。あのピンクの髪のメガネか?と問えば、えぇ、と肯定された。
「好いてるんですね、あの子」
「悪いか」
「いえ、貴方が新たな性癖に目覚めたようなのでこちらとしては面白いです」
「性癖……」
「女子高生がお好きなんでしょう?」
そう尋ねた谷崎に、違う、という。
「好きになったやつが女子高生だっただけで、まだ手は出してない」
「まだ?」
「……」
谷崎のツッコミにざっと目をそらす。余計なことを言ってしまった。
「女子高生、制服、」
「お前と一緒に、」
するな、とは言えなくて目を逸らした。何故ならそういう夢を見た時点でまた俺も谷崎と同等だからだ。男だから仕方がない、とは言え、そういう夢は現実で理性を揺るがす原因になるのだからやめてほしい。いい兄貴分でいようと思っているのに、最近は酷く、ぐらぐら、ぐらぐらと理性が揺らぐ。天使と悪魔の問いかけとはこういうことだろう。はぁ、と深いため息をついて、タバコを灰皿に押し付ける。
「手を出してしまえばいいのに」
「あのなぁ」
「そこに愛があれば犯罪になどなりませんよ」
そこに、愛があれば、の話である。
==話が飛ぶし破廉恥
あまりにも無防備だから。ああ、それは理由になんてならないとは知っているし、これは嫉妬だということも理解している。押し倒した彼女は驚いたように目を見開く。彼女の耳元でそっと囁く。
「大人をあまり、からかうもんじゃねぇよ」
思ったより低い声だ。からかうなんて、そんな、と告げた彼女は俺の服を軽く握る。それがひどく欲を煽るのだとこの無垢な少女は知らないのだ。
――だめだ、と、静止をかける理性を惑わすのは自らが見た夢妄想の類で。このまま彼女を抱けば、彼女の何もかもを全て奪うことはわかってるのだ。彼女は目を逸らして、小さく声をだす。目を、顔ごと逸らした少女の白い首筋に口元をよせる。甘い、匂いが、する。
「……佐藤さん、だから」
そう小さく呟いた彼女はまたギュッと俺の服を握った。
「佐藤さん、だから、言ったんです」
その言葉に、理性の奴はあっけなく突き飛ばされたらしい。
「どうなってもいいんだな?」
「佐藤さん、だったら、いい、」
「その言葉、忘れるなよ」
俺は彼女の柔肌に牙を剥く。びくり、と驚いた彼女は、また服を強く握った。
==
足りない、足りない、足りない。何度果てても足りない。何度つけても、足りない。満たされた幸福感とは裏腹に、何もかもが足りない。ギュッと俺を抱きしめて、同じく何度もはてる彼女は、無垢な少女から次第に艶やかな女に変わっていく彼女に、何もかもが足りない。でも、そろそろ終わりにしなければ、彼女が辛いに決まっている。彼女を見下ろせば、彼女は少し虚ろな、でも、快楽に染まった目でこちらを見た。
「……さと、さ、?」
その姿に、満足する。あぁ、満ち足りた、と笑みをこぼした。
==
緊急家族会議である。なんたって妹が一晩帰ってこなかった挙句に、身を捧げてきただろうことがわかったからだ。母親の後ろにへばりついて出てこない妹、笑顔を浮かべながらも脳みそ叩っ斬った逸話を持つ日本刀を構えてその相手を切り掛かりたい父親に牽制する俺。カオスである。
「で、どこのだれのいえにとまったんだい?てっきり俺とかあさんは、あのよにんのだれかのいえにとまりにいったとおもったのだけど」
「あら、私は思ってないわよ」
母親は「もう十七歳だから素敵な恋をしたいものねぇ」だなんてのほほんと告げた。あまりの父親の気迫に母親にしがみついていたナマエが余計に出てこなくなった。
「でも本当に何処のだれなんだ?同級生か?」
同級生ならば、仲のいい陸奥達が知るかもしれない。
「……大学生」
「お前それ大丈夫か騙されてないか」
割と俺も不安になるワードを出してきたナマエは、そんな人じゃないもん、と拗ねた子供のように告げた。
我が家がこういう時に頼るのは、近所の悪ガキ按司である。ナマエの彼氏について教えてくれ、といえば、あぁ、彼氏になったのか、と返答された。
「大学生なんだろ?名前は?」
「佐藤春夫。帝国大の二回だったか」
「俺の一つ上かぁ」
「文武両道でも文学寄りの好青年、傷なのは俺と同じく喫煙者って感じか。ま、年下ならいい兄貴分、振り回す奴なら苦労性、ナマエ相手にはいいお兄さんでいようとする人だな。なんかあったのか」
「いや……」
「ナマエが食われた、っと」
「なんも言ってねぇだろ」
「小豆サンがすごい剣幕で聞いてきたからな。連れ戻されてったけど」
==
「佐藤さんとすむ」
今、目の前にいるこの子はなんと言ったか。それを処理する前に、恐らく荷物が入ったカバンを不安そうに持つ彼女の手からカバンを奪う。
「ナマエ、なんだって?」
「佐藤さんと、住みたいです……」
そう小さくなりながら呟いたナマエに、またもや頭の中で天使と悪魔が話しはじめる。昨日の今日、である。もう一緒に住んだらどうだ、好きな時に触れて一緒にいれるぞ、と告げた悪魔に、天使が何か訳があるんだろうから、ゆっくり話を聞いたらいいさ、一緒に住んで、と告げた。天使も悪魔も中々に欲望に忠実である。話が逸れた。
「だめ、ですか、」
そう伺うように見上げてくる青い瞳に、葛藤がはじまる。
==以下は没
「誘拐犯だ」
「よ、誘拐犯」
「二人とも、ダメですよ……」
上から芥川、菊池、久米の言葉だ。俺はタバコを吸いながら頭を抱える。わかっているのだ、あの子から来たいと言ったというのはどうあがいても建前なのである。世間的には、誘拐犯だとは。
「何日目だ?」
「監禁してるみたいに言うな。ナマエが転がり込んで来たのは昨日だ、昨日。落ち着いたら家に帰すつもりだったんだが……」
「あー、失礼、アンタが佐藤春夫さん、?」
そう不意に聞こえた声に肩を跳ねさせる。振り向いた先にいたのは、青年だ。
「そうだが、」
「うちの妹がどうもすいません」
そう頭を下げた青年に、妹、と固まる。ということは。
「ナマエの、兄さん、か?」
「えぇ。カナタっていいます」
「ナマエが、」
「ああ、家出する!って飛び出してったんで、しばらく住まわしてやってください。変に俺ん家来ちゃダメですよ」
「何故?」
「父親が日本刀持って貴方を叩っ切る可能性があるんで」
その言葉にピシリと固まる。
「いや、貴方のうちから帰ってきた妹に家族会議勃発しまして。どんな迷惑野郎かしかも大学生とか絶対妹遊ばれてるパターンだろぶん殴るって思って大学にきた訳なんですが」
そう言った青年は、思ってたより常識人っぽいのでいいです、と手を左右に振った。
「意外、妹を返せじゃないんだね」
「ある意味箱入り娘ですからね、いろんな目に会えばいいんですよ。というか、うちの父親含む親類がうるさいだけで、俺とかあさんとしては祝福したいというか」
そう言った青年は呼ばれたらしくそちらに手を振って、今行く―、と告げた。
「君はこの大学の?」
「神学科です。一回の苗字カナタ」
「神学?」
「実家が神社なんですよ」
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