2021/12/31
2021年オフラインネタ帳大放出祭88
「いや、うん??」
そう首を傾げる。真田と伊達が婆娑羅を使って暴れたから家康(竹千代ではない)と止めたら知らない場所にいた。最後にお互い私はまぁ久秀殿に引っ張られ庇われ、家康は巻き込まれたであろうナナシを庇ったのである、が。周りを見れば、なんとなく見覚えがある。とりあえず、保護者枠を起こした方がいいか、と、私を庇ったまま気を失っているらしい久秀殿を揺する。心なしか恐らく戦国時代の名残が出ている、気がする。彼の線が少し筋肉質で、指も荒れているのだ。
「久秀先生……久秀殿」
そう揺すれば彼はゆっくり目を開いた。そうして私を目に移すと、ナマエか、と息を吐く。彼は「全く君たちのお人好しさもあの二人も嫌になるほど学習しないな」と眉間に皺をよせた。
「ここは……学園の裏に飛ばされたかと思ったが、それには相応しくない臭いがするな」
まぁ彼がそう言うのも理解できる。火薬の臭いがするのである。いや、久秀殿からも火薬の臭いはするのであるが、彼が好むのは甘い匂いがする火薬ではあるのだ。周りに漂っているのは火薬の臭いと、火が燻った臭い、死体が焼けるような臭いだ。
「婆娑羅と婆娑羅の衝突で何かが起きた?」
「ふむ?その可能性は無きにしも非ずというところか。だが、見慣れぬ者も倒れているようであるが」
そう言ってやっと私の体を離した彼に私はそちらをみる。家康とナナシ、後もう一人ブレザーをきている青年がいる。とりあえず気がついたらしい青年に大丈夫か?と尋ねれば彼は大丈夫っス、と言いながら私をみた。
「あれ?元信?」
「……ん?君はトクナ殿?」
そこで納得する。ああ、過去ではなく、また変なあの世界に来たのだと。しかし、あの世界は解決したのではなかったろうか。
「は?は?」
「知り合いかね?」
「はぁ??!婆娑羅者の方の松永久秀いんじゃん!!は!?婆娑羅!?徳川家康倒れて、はぁぁ!?」
「トクナ殿、トクナ殿、たぶん逆だぞ。君の世界に私たちが来た」
「いや俺の世界こんな火薬の臭いと火災の臭い漂ってる物騒じゃねぇよ。言ったろ、俺の世界は超平和……あれ、これ元信にはいってなかった気がする」
そうぼやいたトクナに私は首を傾げる。
「とにかく!ここは俺の世界じゃない!」
「じゃあまた遠呂智が?」
「遠呂智の件は解決して元の世界戻っ……あぁーー、」
トクナはそう言って頭を抱えた。なにが知ってるらしい。
「そう言うことね……はいはい、理解理解」
「トクナ、一人で解決しないでくれ」
「徳川家康と松永久秀揃ってて大丈夫なのか?」
「久秀殿は悪い人ではないよ。それに彼は徳川家康という名で似た姿をしているが、竹千代じゃない」
私の説明に彼は首を傾げる。私は家康をみる。光の婆娑羅が集まっている。なるほど、流石に他の世界、しかも物騒な世界になると降りてくるらしい。ふっとその光が眩しく光ると、それはなくなる。
「今竹千代になった」
「は??元信さん、意味わからない発言やめてほしい」
ゆっくり起き上がった竹千代はグーパーして感触を確かめると周りを見て、私をみた。
「姉上、一体何が……ナナシ!」
「ふむ……そうか、道理で公が彼を糸竹と呼ばないはずだ」
「え?なに?何?どういうこと??二人で理解しないで」
ナナシを揺すり起こした竹千代に、ナナシはあたりを見てトクナをみて、「は?」と告げる。
「クロニクルとか流浪乱舞の主人公いるじゃん」
「は?なんでお前知ってんの?あれか??同志かお前」
そう言ったトクナにナナシが何かいい、トクナが何か言った。そして最終的に握手をした。
「ナナシの知り合いか?」
「ううん、でも、この人天女ちゃんと同じ分類って、徳川くんに言ってもわからないか」
「いや多分わかるぞ。外側は家康だが、中身は竹千代だ」
「うん?」
首を傾げたナナシと竹千代に私は口を開く。
「家康は昔から超霊媒体質というのか……いや、一人専属で霊媒になるというか。なぁ、竹千代。昔から何回か家康に扮して遊びに来てたものな」
まぁ、竹千代は姉上!と私を呼ぶが、家康は姉さん、兄さん呼びである。血は繋がってるが、実の姉弟じゃない弊害だろう。そう言えば竹千代は固まって罰が悪そうな顔をした。久秀殿は少し考えて口を開く。
「どうであれ東照は祀り上げられている弊害か」
「恐らくは」
眉尻を下げる。竹千代が久秀殿を睨む。
「あぁ、東照よ、誤解しないでくれたまえ。まぁ、君が信じるか否かは別として、私は特に君たちに何かを仕掛ける気はないよ」
「そう、ナマエさんがいる限り!」
そう言って茶々を入れたナナシに私は軽くグーを落としたが。
「竹千代、トクナ殿、久秀殿は敵じゃない」
「……わかったよ、姉上を信じる」
「参ったな、私は信じるに値しないらしい」
そう肩をすくめた久秀殿にトクナ殿がまぁあれだけ掻き回してりゃあなと頷いた。
「で、ここどこ?めちゃくちゃきな臭いけど、昔に戻った?」
「多分なー、そっちじゃねぇんだわ。俺たち側なんだわ」
「無双側?……いやまさかねぇ、大蛇ドーン?」
「大蛇ドーンは解決してみんな元の世界に戻った後」
「……いやそれ、えっ、神話大大戦?」
「多分そっち。元信さん、早いこと仙界の連中なり人間の連合に合流した方がよさそうだ。説明はむこうからのそれで十分だろ」
「やっぱり指笛で馬はくるのか?」
「いや、多分この世界はこない」
「そもそも卿は宛があるのかね?」
久秀殿の台詞に、トクナはピシリと動きを止めた。
「仙人に会わなきゃ積みゲーじゃんかよ」
「?誰かに会えばいいのでは?」
「記憶がないんだよ。元が寄せ集めの世界だしな。世界と世界の間を動けた元信とまぁ呼ばれてないのに混じった俺だから覚えてるのかもな」
「……覚えてないとなると、誰かと合流するには戦場に出るしかないか」
「ダメだ、危なすぎる。ナナシはもとよりであるし、二人はもう普通の人間だ」
そう言った竹千代に、ナナシがガクバサと告げて何か納得した。どおりで丸いじゃないんだ。久秀殿はもとよりこんなである。
「こっちの世界では諦めるしかないぞ、東照様。この世界は争いを好む神様たちが好き勝手やってる世界だからな。争わないと俺たちがダメになる、というか最悪死ぬ。働かざるもの食うべからずでもあるけどな」
「しかし……」
「竹千代大丈夫だ。竹千代はとりあえずナナシを気にかけてやってくれ。何にせよ、久秀殿、こちらの世界では婆娑羅は異質だ。私たちは婆娑羅に合わせて属性のついた武器を選ぶが、こちらでは人間には属性は恐らくなく、武器に属性を選んでつけて振るう」
「ふむ?ではあまり派手なことはしない方がいいのか」
「あぁ。だから、竹千代も嫌かも知れないが槍を持った方がいい。属性は風炎氷雷だ。それらの効果の差は加持がよくわかってたんだが……まぁ、似てると言えば似ている気がするが。武器に選んでつけるという利点としてそれらの属性を組み合わせることはできる」
「光と闇、震はないのか」
「闇に関しては吸生吸活がにてるんじゃねぇの?」
「あぁ、そうだな、そうなるかもしれない」
「逆に言えば、私は武器の特性だと言い張ればある程度の婆娑羅は使うことができるということかね」
「まぁ現に元信さんは最初そう言ってたよな。途中で誤魔化しが効かなくなってたけど」
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