2022/12/31

2022年度没ネタ整理7


「義輝の武器が降ってきた」
そう言ってちょっと嬉しそうにしたアイツに俺はちょっとほっこりした。董卓がまたこいつを囮にして逃げた時に降ってきたらしい。まぁ圧倒的不利でもある程度敵殲滅して帰ってくるコイツは腕がかなり経つのだ。お前そのまま董卓のとこ帰んなよ、と釘を刺す。
「董卓に取られんぞ、それ」
「それはやだ……」
「ちょっと預かっておいてやるから適当に流浪の旅に出るとか言って戦国側にいろ」
「そうする」
そう言って公方殿の笏を俺に預けていくあたり、俺は信頼してるらしい。
「那由多、なんだそれは」
「あぁ?ナマエの武器だよ。董卓から離れる話をしてくるらしいから預かってんだ」
しばらくしてからだ。声をかけてきた魯粛達にそう言えば魯粛達が固まった。あの御仁が?とか眉間に皺を寄せて言われるあたり、アイツの悪評の効果はやばいなと思うわけで。
「あのな、お前らが思ってるほどアイツは悪い奴じゃねぇぞ。中身は子供みたいな奴だから」
「しかし……」
「まー、気味悪いか。いっつもニコニコしてるし」
頭をかきながらそういう。しっかし、笏でけぇな。これあの公方殿だからあのサイズなわけで、ナマエが抱えるあたり結構デカい……割に向こうでもちゃんと扱うんだよなぁ。呂布や張遼の評価も実は結構高いのだ。まぁ、張遼は悪役として死んだアイツの心意気を汲んでか公に誉めることはないが。
「うーん、殿に推挙してぇが、やっぱりアイツを考えると戦国側回ってこいっつった方が良いんだよな」
笏をみながらしみじみしていれば、馬に少しの荷を積んだアイツが帰ってくる。殴られたらしい。
「好きにしろって言われたから好きにする」
「そうかい」
そう言って笏を返せばアイツは大事そうにそれを抱えた。うーん子供がぬいぐるみ抱きしめてる感じがヒシヒシとする。
「よかったな」
頭をぽんと撫でればアイツは目を瞬いて、うん、とだけ返した。
「まぁ一応聞いとくが、何処かあてはあるのか?」
そう尋ねるとナマエは小さく首を左右に振った。だろうな。
「京に行ってみたい」
「……同姓同名か、それとも弟かしかいねぇぞ、多分」
「うん、知ってる。でも、もう何をしても良いから、知ってるような場所で穏やかに過ごしたい」
そういつものような笑顔ではなく、穏やかな顔で告げたアイツに消しかけといて引き留めるのも野暮かとあたまをかいた。
「さよか。まぁ厄介ごとには巻き込まれんなよ」
「それには気をつける」
そう言ってケラケラ笑ったアイツは、手をひらりとふった。
「さよなら、那由多」
「あぁ、達者でな」
どうかアイツの旅路がせめても穏やかであるように。あの笏を持っているのをなんとも感じていないかのように馬に乗ったアイツはそのまま馬をかけさせた。そのまま魯粛達を見れば彼らは目を瞬いていたが。
「驚いた猫みたいな顔してら」
「……ははぁ、これは我ら皆騙されていたということか」
魯粛がそう唸りながら告げる。さぁな、と俺は返したが。


「董卓が罪人逃げたとか言ってる上に、あの子いないんだけど」
そう言ったショタオジにああそれなぁと返す。ちなみに孫呉は領土内を探してみるよ!探し出したらこちらで処理するよ!で返したらしい。多分あれを見てた魯粛が噛んでいるんだろう。
「アイツ囮にされてやばかった時に、笏が降ってきたんだとよ」
「笏……あの世界の?」
「そうだ。董卓に取られるから董卓から離れろっていったら、余程笏を取られるのが嫌だったのか董卓に適当な理由つけて離れたらしい」
「はーー!?君保護は!?」
保護者かよ、このおっさん。いや、俺にも保護者だけど。
「してない。ただ居場所は多分わかるけど、穏やかに暮らしたいっつってる中押しかけんのも悪いだろ。こっち側じゃねぇ」
そこでホッとショタオジは息を吐いた。

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「それはそんなに大事なのかい?」
そう聞いたのは毛利元就である。大事、と頷いてその笏をみる。京に行く途中で捕まったというか、保護されたというかそんな感じである。
「私を大事にしてくれた人のものだから大事」
「君を大事にしてくれた人、か」
何かを書いていた筆をおいて、彼は私をみる。どんな人だったんだい?と尋ねる。どんな人と言っても難しい。帝こと義輝は。
「これを持っていた人は、どんな人でも同じに見えてるみたいだった。だから、私がどんな悪評をぶらさげていても、墨が入っていても、同じ対応だし、とても大事にしてくれた。大事にしてくれたから、私もその人を大事にしてた」
とても大事にされた記憶はある。私に触れる手は優しく、慈しみさえも感じた。だから私も彼を大事にしたし、同じようにただの人としてみた。彼は彼だ。
「荀攸殿かな?」
「攸は違いますね」
そう困ったように言えば、彼はそうなのかい?と首を傾げる。そうだ。
「……その人は今どこにいる人だろう」
「ここにはいませんよ。こっちでも、あっちでもない場所。でも、那由多が、同じ名前の人はいるかもって言ってました」
「名前は覚えているかい?」
「義輝」
そう言って毛利元就から笏をみる。そういやこれ正式名称宝笏だけど良いのか。泥棒扱い……はないだろう。たぶん。
「義輝だって?」
「うん、足利義輝って名乗ってたり、剣の帝って言われたりしてましたよ」
ずいっと毛利さんが近く。どこか目をキラキラさせている。詳しく話を聞かせてもらえるかな!?と告げた彼に、ちょっと考える。
「毛利さんって、他の国に囲まれて水責めされた挙句。私が水に身投げしたこと知ってる人でしたっけ」
「……驚いた、君はその記憶があるんだね」
「うん、まぁ……で、水に沈んだなぁと思ったら、義輝の上に落ちた」
そう簡潔に言えば彼は目をパチパチと瞬いたが。

この世界があるのなら別の世界云々と考えている毛利元就をよそに歴史書をよむ。毛利元就の書いた歴史書を読んでいるが助長がすごい。でも暇なので読む。私がいる時代より先の時代、平家合戦とかそこらの話だ。それを読みつつ、そういや源氏物語を読んでる途中だったと思いました。松永さんが持ってきたものだ。これ読んで色恋勉強しろよ的な。私は主人公モテるなぐらいしか覚えていないが。後で借りよう。文字を目で追っていれば眠たくなるのでうとうとする。笏を持ったままゆっくり目を伏せた。

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「女官や兵や民の人気が高いのをみると、あの悪評はなんだったんだろうとは思うよね」
なんやかんやそのまま毛利にいることになり、部屋も与えられた。お給金くらいは働くつもりなので働いていれば毛利さんこと大殿にそう言われる。小早川君が同意した。私はもらったお茶を飲みながら口を開く。
「最初は女官が打たれたり殺されたりするのをみたくなかったから庇って私がやったっていってたんだけど、そのうちみんなに押し付けられましたね」
そうあっけらかんという。彼はちょっと困った顔をした。
「流言の類で君はあの扱いを?」
「でもほら、私は良い家柄の人でもないし、孤児みたいな感じだし、罪人だったし、もういいかなって。誰かに忠誠とかよくわかんないし。攸は賢いから仁とか義とか世の中のこととか色々憤ったり考えたりしてたけど、私はその日暮らしみたいなものだったし」
「攸?」
「荀攸。今は魏の軍師?政治家?よくわかんないけど、私の最初の友達」
そう苦笑いして答える。まぁ、向こうは私を嫌っているだろうが。
「最初の友達かぁ」
「子供の頃。攸に一回だけ、なんで偉い人って民がいないと飢えて死ぬのに、食べものがもらえて当たり前って顔して偉そうにしてんの?おなじ人間じゃんって言ったら困られた」
「おっと、それはなんとも困る質問だ」
「機嫌がいい董卓様に聞いたら偉いから偉い、生まれが違うって言われた。ちょっと納得した」
私の言葉に毛利元就は苦笑いして口を開く。
「……君の大切な人はなんて?」
「困られた。自分は生まれた時からこの立場だから、世の中の仕組みはある程度理解していても私が感じることのその問いには答えられないって言われた。ちょっと寂しそうだったから一緒に出掛けて、その家臣の人にめちゃくちゃ怒られた」
いやー、だって田植えの時期だったから適当に粗末な服を着せて義輝と田植えを手伝ったのだ。ちょっと楽しそうだったし。それからちょくちょく街に行ったりしていたし、途中で松永さん加わったり慶次が加わったりしたけど。ちなみに松永さんに聞いたら、世の真理ではあるな、と返されて私はどう思うか聞かれたけど。

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「荀攸殿、答えはでたのかい?」
「は?」
「最近、私も問いかけられてしまった……というよりは、思い出として語られた節に出てきたんだけどね。どうして偉い人は偉いのか。なんと答えたものかと……」
「あはは、しひされは本当に困る問いだ」
「民は本当は君主がいなくてもご飯を作って食べていけるけど、君主は食べてはいけないのに、どうして偉そうにしてるのか。管理する側される側、土地を貸してるから、という答えには行き着くんだろうけど、質問をした人はそれすらも疑問に思いそうだからね」
毛利元就の言葉に荀攸は眉間に皺をよせる。
「そんな怖い顔をしないでほしいな」
「……貴方は匿って何がしたいのですか?彼女は大罪人です。逃げてもいずれ捕まって、いずれは首を撥ねられる。このような事態だから」
「少しは生き延びているだけ、か。まぁ、私があの子に興味があってね、すこし話をしたりしていただけだよ。もう私の陣にもいないさ。腕は立つからどこかにはいるだろうけど。お節介かもしれないが、貴方は一度あの子ときちんと話した方がいいと思うよ」
「……」

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攸が危なかったからだ。敵の攻撃で城郭の縁に追い詰められ、落ちた彼の手を間一髪で掴む。彼は目を見引いて私を見上げた。
「……どうして」
「攸は私の友達だし」
攸は私のこと嫌いかもだけど。
あっけらかんと言って攸を引っ張り上げた。やっぱり笏便利。近距離だって遠距離だっていけちゃう。周りの死体は気にしない方向で。公達殿と走ってきた荀ケくんとこちらをじっと見た曹操殿になるほど死ぬ前の構図と思う。まぁ張遼殿がいたり色々するけど。とりあえず攸の手を離して首を少し傾げる。攸は固まったままだ。
「まだ色々よくわかんないけど、曹操様が怪我したら攸や張遼殿が困るし、逆も然りなんでしょ?」
「そうだね、どちらも非常に困る」
そう言って一歩前に出たのは郭嘉さんとかいう人だ。圧倒的に顔がいい。美男子だ。攸は恐らくびっくりして思考が止まっているので私は郭嘉さんをみた。
「なら、適当に私はあっちで敵引きつけて、適当に殲滅して適当な具合で逃げるので、そのうちにみなさん撤退したら?」
恐らくは包囲されているからか、あたりには妖魔がわんさかいる。レッツパーリーとは伊達政宗が言っていた言葉であるが、レッツパーリーで乗り越えられそうだ。郭嘉さんが私を見下ろして問いかける。
「それだと貴方の身が危ないのでは?」
「?郭嘉さん軍師なのに変なこという」
この世界の軍師なのに、この人は何を言っているんだろうか。
「何かおかしなことを言ったかな?」
「人の命の重さは等しくないのに、何躊躇してるの?」
そう私は彼に向かって首を傾げる。彼は驚いたように目を瞬いた。
「……」
「人の命の重さは等しくないし、この中で私が一番軽いでしょ。大逆人の犯罪者の極悪人だし、家柄もないし身内もいないから死んでも誰も困らない、軍師にとっての使いようのいい捨て駒。いいように使えばいいのに」
ケラケラ笑いながらそう言えば、彼はふむと考えるような仕草をする。そうしてこちらを見た。
「ではお言葉に甘えてそうさせてもらおうか。ナマエ殿、君は荀攸殿を連れて下がってほしい。こう言う場合は君が単騎で引き付けるより全員一点集中で突破した方が良い」
「そもそもアンタは何処からきたんだい?」
「南西の方ですね。南西の砦の妖魔、少ないし見張りも緩かったので……多分まー様子を見ると私があそこらへんで暴れたことまだ気づかれてないと思います」

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攸が酔っているらしい。招かれた酒宴である。あんまりご飯はまだ食べれないので果実をちょこちょこ食べていれば、荀攸がやってきたのだ。そうしてついにまるまるとうずくまって、ぼろぼろと泣いてる攸の背をさする。攸?どうしたの、と覗き込めば彼は口を開いた。
「俺は貴方に優しくしてもらう権利はありません」
「なんで?」
「俺はナマエを……」
そこで彼は言葉をつむぐ。多分、彼は私が死んだ記憶がないと思っているんだろう。
「なんかよくわかんないけど、別にいいよ」
そう言って背中をさする。
「良いわけが」
「良いんだよ」
私の言葉に彼は私を見上げた。
「私が良いんだから良いんだよ。そんなことより私はまた攸と話ししたりしたい。この間豊臣で食べた美味しい物騒な名前の甘味のこととか、紫色の綺麗な花に大きい蜂がよってくることとか、毛利さんの歴史の話ひたすら助長が長いとか」
ぽんぽんと背中を叩きながら私は座る。ダメ?と聞けば彼は目を伏せて、いいですよ、と泣きながらいうのだけれど。

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「攸ー、あ?陳宮さんだ」
「あ?とは失礼な。まったく、貴方が魏軍にいるとは驚きですぞ」
「色々あった。陳宮さん、蜂の巣あったけど落としてきて良い?」
「……念の為!念のために聞きますが!どちらの陣に?」
「相手」
「行ってくだされ」
「はーい」
「ナマエ殿、なにするの?」
「半裸が多い妖魔軍に向かって蜂の巣落とす。気はひけるかなーって」
「楽しそうだね、私もついていって良いかい?」
「でも陣から離れた場所から射るからちょっと(満寵殿が来るには)危ない」

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「あー、もう、わかった。わかったよ。陳宮さんの言いたいこと理解した」
そう言いつつフード搭載の羽織を脱ぐ。私の羽織大きいのにしてあるから多分大丈夫だ。そして徐庶さんから服を剥ぐ。うぇっ!?とびっくりしている徐庶さんはナマエ殿何してと困惑した。
「徐庶さんこれ着て。私徐庶さんの服きる。馬かして」
「えぇ……」
「はやくする」
私の言葉に彼は戸惑ったように羽織を脱いで私のものと交換する。私はいくらか大きなそれを着る。そしてフードを被った。
「徐庶さん、あーっていって」
「あー?」
困惑だらけの彼と周りに私は喉元を触る。あー、と同じ声、同じ音程の位置を探りながら馬に乗る。これで身長は多少誤魔化せる。満寵殿に笏を渡し、兵から渡された(恐らく徐庶さんの予備)撃剣を持った。
「えっと、ナマエ殿はその服についた頭巾を被って荀攸殿と劉備殿へ援軍に行けば良い。恐らくはそれが最善のはずだ」
「えっ、」
「決して向こうの陣に着くまで喋らないでくれ。俺は時間を稼ぐから……いつまで続くかわからないけれど、しばらくは君がナマエ殿で俺が徐庶だ。いいね」
それだけ告げて武器を持ち、青色をつけたかつての兵達を見る。頷いた彼らに、行こう、と言って陣から出た。


「貴殿らはナマエの使い方がなっておりませぬ。先鋒、物見……ええ、ええ、それも結構かと。あの者は身軽ゆえ、戦国側の忍びのように動ける。が、ナマエの使い方はああ使うものですぞ。あの者は何でも真似ることができる。幼友達ともあろうお方がよもや、よもやそれを理解していまいとは」
「……ナマエは昔からそうです。俺も一度ナマエのそれを使いました。その結果は皆さんご存じのとおりですが」
「貴方は自分で使っておきながら、あの者を信用できなくなったと!策士策に溺れるとはこのこと」
「……」
「そういう貴方は董卓の真似事がお好きなようだ。彼女をいつも囮に使うのはそういうことなんじゃないかい?」
「郭嘉殿、適材適所というものですよ」
「荀攸、どういうことだ?」
「……あの子は昔から他人をよく観察しています。だからかはわかりませんが、誰の声でも真似ることがでぎ、動作も真似ることができる。人を騙せるくらいには。しかし、ナマエはそれを望みません。それを乱用すれば、周りが疑心暗鬼になることや自分の信用がなくなるとちゃんと理解しています」
「……それ故に誰もが彼奴に罪をなすり付けた、か」
「はい、ナマエを見るにそれが正しかったのでしょう。長話している暇はありません。徐庶殿……いえ、ナマエ、貴方は喋らずに己のやることをするべきだ。馬に乗っているなら背丈の誤魔化しは多少長引きますから」

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「ナマエ」
「んーー、ちょっと待ってくれ、」
そう言って疼くまる。ホッと息を吐いて、いつもの声をだす。
「あー、あー、あー、これでよかったっけ」
「はい、あっています」
「徐庶さんの服おっきいから馬から降りたら引きずっちゃうや」
「脱いでは?」
「そうする」
そう言って素直に脱いで服を畳む。ふはー、と息を吐いて、徐庶さんは?と聞けばまだあちらにと言われたが。
「ナマエよ、無事であったか」
「曹操さん。どうにかこうにか……援軍きてくれたので大きな怪我はないです」
「ふむ、ならば仰韶よ」
かいぐりかいぐり頭を撫でられて目を瞬く。ちょっと嬉しくてエヘヘと笑ったらピタリと止まったが。なんでだ。そうちらりと見上げる。わしわしされた。
「殿、ナマエは人間です。しかも成人しています。そのような行いは……」
「おお、すまん」

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「ナマエ、小さい頃荀攸殿に何話したんだ?」
「え?色々話したけど、多分羊飼いと狼の話かな?」
「うっわ、君、うっわ、それは、うっわーー」
そう顔を両手で覆ったショタオジに私は苦笑いする。まんま私みたいなことがあるからな。
「聞いたことない話ですね」
「簡単な話ですよ。西の方に住む羊飼いの少年が、あんまりにも暇だったので、狼がでたぞー!って嘘をついた。当然羊を食べてしまう狼が出たから大人達は一大事だと思って武器を持って飛び出してきたけど狼はいない。少年はその様子をみて面白くて、また後日また同じ嘘をついて、大人を騙した。そうしてしばらくしてから本当に狼が出た。少年は急いで狼が出たと教えに走りましたが、誰も信じてもらえず、少年の羊は全部食べられてしまったってお話しです」
「あっはっはっ、まるでナマエ殿みたいな話だね!」
「わかります??だから子供の時は気をつけてたんですよ、これでも」





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