2022/12/31

2022年度没ネタ整理37


「郭嘉さんは顔が良すぎるので、ちょっと本当にそれ以上近づかないでほしい……」
「はっはっは、お嬢さんの好みか?」
「私の好みは公達殿なのでちょっとちがいますねぇ。でも国宝級の顔面なのでちょっと本当にあの近づかない……はっ、」
「どうしたのかな?」
「子供の必殺、将来お兄さんのお嫁さんになる♡が出来ることに気づいてしまった!!私!!攸兄様のお嫁さんになる!!!」
「可愛くない!!あざとさがたりない!!やり直し!!」
「うっわ、しまった、妹キャラに五月蝿い人が連れてしまった。戦略的撤退〜」
「お嬢さん?そこは撤退路じゃないぞ」
「……ぐぅ……」
「寝たね」
「寝ましたね」
「お嫁さんになると公言された気分は?」
「酔っ払いの、なおかつ子供の戯言です。気にすることはありません」


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「お嬢さんは昨日、荀攸殿のお嫁さんになる発言をして寝おちたのだけど、覚えているかな?」
「えっ……」
「荀攸殿が好みなんだって?」
「うえっ………私めちゃくちゃ酔ってたんだな……??え、どうしよう、荀攸殿に冷遇されたら……悲しい……」

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うっわー、最悪じゃん、と、隠れるようにけほっと咳き込む。うーむ、結核だとかそういう病気でないことはわかっているが、この世界でもそうなるのなぁと手のひらについた赤を見てそう思う。ばっちいので手を洗い、口を濯ぎにいこうとしたらけほけほと止まらなくなった咳にこんちくしょうと思いつつ屈む。うぇ、血の味がする。
「……うぇぇ、」
「ナマエ殿、どうかされ……血?まさか、怪我を?」
「あー,転んだ拍子に口を切ってしまったみたいで……気にしないでください。口を濯いできます」
困ったようにそう告げて水場に向かう。うーん、今日は体調がとても悪い日だな。

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「子供が絶対に大人になれるとか無責任なこと言うなよ」
保護者役が怒っている。
「今日あいつ面倒くさい酔い方してんなーおい」
「そうだねー」
「多分お前起因だからな」
友人に「えー」と言いながらむくれてみる。かわいくねぇよってわかってるわい。
「で、お前後何年生きれんの?」
「ぶっこみ魔人笑った」
「いや、普通に。別世界に来たからっつって平均寿命伸びるわけじゃないだろ」
「長くて30だから十数年くらい?」
「最大換算でも半分かよ。で実際は?」
「知らね〜、」
そう言いながら水をぐびぐびする。体調良くない時にお酒はよろしくない。
「おいおい、親友,そりゃねぇぜ。後数年もねぇだろ。お前死ぬじゃん。アイツが言ってんのお前じゃん」
「面倒くせ〜、私の人生なんだし君ら関係なくない?別に私が明日死のうが十年後死のうが君らには関係なくない?」
真面目にそう返してしまった。彼はぎゅっと眉間に皺を寄せたが。
「関係なくはないだろ」
「そもそも、昔言ったように君たちの一族と私の一族では前提が違う。私達はそう言う一族だから仕方ない」
「仕方なくない!そもそも、皇帝達がお前達一族の扱いを酷くしただけで……」
「じゃあ、誰がやるの。あんな汚れ仕事。その仕事もできないくせに、綺麗事抜かすなよ。いつも安全な場所にいるくせに。私達から救いを奪うな」
「死ぬことが救いだとか、ふざけるなよ!」
「黙れ温室育ち。それ以上私の一族を愚弄してみろ」
「あぁ!?」
「私が泣く」
そう言ってメソメソする。だって周りがこっち見て黙ってるんだもん。シリアスは!!疲れるからね!!めそめそしながら公達殿に近づいてすきあらば狙う懐あたりにおさまる。
「うわーん、公達殿、嫌なこといってくる〜、私十年は生きて公達殿のお嫁さんになるつもりなのにぃ」
「公達殿,そのまま確保してください」
「はい」
「ナマエ、この前、道端で蹲っていた時、手に血がついていましたね。転んで口が切れたわけがありません。服がいっさい汚れていませんでした。血を吐いたのではないですか」
くっそー!!頭がいい人はこれだから!!ちらりと見上げれば荀ケさんが眉間に皺を寄せていらっしゃる。寝たふりにかぎる。
「ぐぅ」
そう言って目を伏せる。うーん、体調が悪い時に寝たふりをするものじゃないな。まじで寝るわ。
「おっと、寝たふりかな?」
「いい度胸です」
緩やかにてから力が抜ける。公達殿にもたれかかる形になる。けほり、と吐き出した赤に、彼らは慌ただしくなったのだが。


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そもそも生まれ変わった私の一族は、毒味役であったはずなのだ。幼い頃より少量の毒の摂取を重ね、あらゆる毒の耐性をもち、皇帝の食事の毒味をする。その生き血は薬にもなると言われている。私の一族の平均年齢が短いのはその毒の弊害だった。味覚を失うもの、色覚を失うもの、色覚だけでなく視覚を、聴覚を、体の一部を、積み重ねた毒は体を蝕み続ける。死ぬまで苦痛は続く。いや、毒ならばいい。私の一族に与えられるものは汚れた仕事ばかりだ。危険を伴う仕事ばかりだ。短命だからいいだろうという文句をつけられて。地獄の中、確かに死だけが救いであったのだ。
私はというと,なんともいえない。死ぬことが救いであるとは言い難い。何故なら私が生まれ変わってこれだからな。短命である。前も、今も。大人になったら、将来だなんて言葉は夢物語なのである。
と、自分語りをした後で悪いが。目の前にいるのは同族である。そっかぁ、迷い込んだか〜と思いながら頭をかく。つったかたー、とかけて彼の背後、に見せかけて荀攸殿だきついてみる。
「うわっ!」
「やほー、公達殿〜!名無兄〜!」
「その声は……ナマエかい?」
「そうだよ〜」
そうペタペタ彼の手を触る。彼は私を見下ろした。
「……知り合いですか」
「お兄ちゃん」


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