2022/12/31

2022年度没ネタ整理43

ちんまりとした手を見るに私は幼女である。抱き抱えて疾走中のこの人は誰か知らないが化け物に囲まれている私を助けてくれた人である。うーん、世界を跨いだ影響で眠たい。寝ていいかな?いいよー、ということで目を伏せる。ぐぅ。


目が覚めたら知らない場所にいた。何処だここは〜とあたりを見渡す。相変わらず私はちんまりしているらしく、周りにあるものは全部大きい。とりあえず服もきちんと着ているようなので誰かが貸してくれたベッド的なものから降り、ぺたぺたと裸足で部屋から出てみる。うーむ、中華的な建物。見覚えがなさすぎると池に近づいて水を覗き込む。鯉的な魚と蓮の葉と花が浮かんでいる。髪や瞳の配色からしてキバ系統というか、『鏡面の先の少女、瞳に映るは真実』嬢(幼女バージョン)の姿である。あの愉快な魔法使い関連の世界だろうか?と首を傾げていれば、誰かが水面に映る。うわっ、イケメン。
「何を見てるのかな?」
「こんにちは!」
そう言って振り返ればやはりイケメンである。こんにちは、と返した彼に、私は口を開く。
「おきたらねー、知らないとこにいたから魚さんとお花を見てたの」
「おや、勝手に閨を抜け出してしまったのか」
クスクス笑った彼は敵意がないらしい。首をかしげる。
「お兄さんここどこ?」
「ここは許昌だよ。聞いたことはあるかな?」
「んーー……」
きょしょう……許昌と考えるポーズをしながら頭の中で繰り返してみたが知らない場所である。なので私は目をカッと開いて口を開き、「ない!」と宣言してみる。お兄さんはふふっと笑ったが。
「私はナマエだよ。お兄さんは?」
「ナマエだね、私は郭嘉……郭奉考というんだ。ナマエは目が覚める前のことは覚えているかな?」
そう尋ねた彼にうーーんと首をかしげる。
「私はねぇ、寝て起きたら、変なの達がたくさん襲ってきて逃げてた!もうだめだーって思ったら誰かが助けてくれて、この人いい人だな〜って思いながら、まだ眠かったから寝た!」
はっきり言えば、郭嘉さんのツボにはまったらしい。肩を震わせている。いやそんな緊急事態に寝るなという話なんだろうが、何せ私は幼女だ。活動時間が短いのである。
「その、変なものに襲われる前の寝る前は何処にいたのかな?」
「んーー」
何処と言われても難しい。何故ならこの前は十年後ゴーカイに巻き込まれていたからだ。仮面ライダー的には何処だ?と首をかしげるが、いやこの世界仮面ライダー的な延長線ではなさそうである。かと言って女の子変身シリーズでもないと思われる。ニチアサ外だろうか。
「覚えてない!」
「それは困ったね」
「背の高いお兄さんとそこまで高くないお兄さんといたのは知ってるよ!にがおえかける!」
こーんな顔の人とこんな人と地面にしゃがんで書く。ふむ?と考えた彼に、郭嘉殿、と遠くの方から声が聞こえてやってきた。恐らく私が影になって見えていないのだろう。例の子供がいなくなりました、と告げてやってきた彼に、私はばあ!と言わんばかりに郭嘉さんの影から現れる。うわっと跳ねた男性に私はニシシと笑った。いい反応である。
「びっくりしちゃった?」
「ナマエ、荀攸殿はびっくりしやすいからほどほどにしてあげてほしいな」
「郭嘉殿」
じとっとした目を郭嘉殿に向けた荀攸殿という男性に、こんにちは!と挨拶をしておく。
「私はナマエです!」
「……こんにちは。俺は荀公達と言います」
きちんと対応してくれるあたりできた人である。郭嘉さんが立ち上がって口を開く。……小柄だな、荀公達さん
「目が覚めて、場所がわからなかったから閨を出てしまったらしい」
「……この絵は?」
「私の知ってるお兄さんだよ!」
そう言って私は二人の絵にライオンとシャチを付け加えておく。こうなってはただのお絵描きである。
「話を聞けば、目が覚めたらあの砦にいたらしい。その前はわからないと。ただ服装的にリシ達と同じ場所から来たんじゃないかな?」
ふむ、と考えた彼はこの絵ですが、と口を開く。
「遠征に行っているナナシ殿では」
「うん、私もそう思っていたんだ」
「ナナシ知ってるの!?」
そう言ってぴょんぴょん跳ねる。知り合いですか、と告げた彼に、知ってる〜!という。
「ナマエの名前を出せばナナシ殿はわかりますか?」
「わかると思う〜。鏡面嬢って書いたら余計にわかると思うな〜」
「鏡面嬢?」
「鏡面ナマエという名前ということですか?」
そう首を傾げた二人に、そうじゃないけどそうでいいよ、とかえす。そうじゃないけどややこしいからいいだろう。ちなみにガチで鏡面嬢と書いたのかオーバーテクノロジーのバイクに乗って爆速で帰ってきて笑った。ネムもついてきたらしい。いやこれバイクみるにネムはリュウキだな?ということは、完璧にこれ面白魔法宿舎の続きだな??
「あー!ナナシとネムだー!」
そう無邪気に手を振れば、二人が爆速できたけど。なんだ?とおもえば、やっときた!!らしい。となると、結構二人はいたのだろうか?あと結構ナナシがメンタルやられてるのか私をむぎゅっと抱き締める。
「なになに?なにがあったの?」
「お前じゃない他人がいるんだけど、ナナシと相性が悪い。俺もあんまりよろしくないけど、コイツに突っかかるからコイツのメンタルが削られてる」
「どーせ2号ムーブかましたんでしょ。まぁ、おつかれ〜」
そう言って頭をぽんぽんしておく。はぁーとため息をついた彼は私を抱き上げて立ち上がったが。
「郭嘉からの書状をみたが、徐庶に助けられたらしいな」
「なんで魏で保護されてんのお前」
徐庶?魏?と首をかしげる。詳しい話聞いてない。荀ケ殿がやってきたが。
「ナナシ殿、戻ってきてらっしゃったんですね」
「あぁ……荀ケがナマエの面倒を?」
「なんやかんやと軍師が中心に面倒を……やはり知り合いだったのですか?」
「あぁ」
キリッとした顔をしたナナシにコイツややこしいこと言う気だな。
「許嫁−−」
「じゃなーい!!」
「相変わらず既成事実作ろうとすんな。荀ケ殿、騙されんなよ」
「私はコータツさんのお嫁さんになる!!」
「お前はお前で他人に迷惑かけてんじゃない」
「迷惑かけてないよ!……たまにちょっとびっくりさせるだけで」
ニシシと笑いながらいえば、ほっぺた引っ張られた。痛い。
「再三悪いな、荀ケ殿。コータツ殿?にま謝っといてくれ」
「貴方は呉のネム殿ですね」
「あぁ。まぁ、正しくは呉で保護されたって話なんだが。まぁ、この二人の同郷だ」
「はい、ナナシ殿からは親戚筋とお話を聞いています」
面倒になったんだろう。たまに私やネムもそういう。
「そ。俺とナマエの方が血筋が近いんだ。親同士が兄弟で……まぁ色々と周り回って兄代わりって感じだな。で、ナマエの親とコイツの親の間で許嫁にするしないの話がたまにあるんだよ。まだ纏まってなくてな」
「あぁ、なるほど、そういうことでしたか。ナマエが知り合いとしか言わないので」
「だってねー、よくわからないんだもん。しんせき?っていうひと、沢山いるし、お父さま、酔ったら色んな人に私を許嫁にするー!だなんていうから……」
「その癖酔いが覚めたら結婚させないだからな」
「だから私はコータツさんのお嫁さんになるー!」
そう宣言すれば、ネムがナナシをみた。頭を抱えたナナシが口を開く。
「郭嘉なら諸手を振って反対できるが、荀攸に反対できる理由がない……真面目で人間としてできている……驚かすといい反応をするし、酒飲むと面白い」
「あぁ、コータツさんって誰かと思えば荀攸殿か……で、鏡面嬢のことだが、お前預かりでいいか?」
「いいのか?お前の妹みたいなものだろう」
「蜀と妖魔にいる俺たちと同じ時代からきた奴らをちょっと探ってるから身軽な方がありがたいんだよ。お前完璧戦力カウントだから探れないだろ」
「あぁ、助かる」
「なんの話ー?」
「お前はまだ関係ない話」
そうぐりぐり頭を撫でたネムに、『まだ』というわけだし、そのうち話されるんだろうと推測する。まぁ、むくれとくけどな。ほっぺたをムニムニした彼に、例の鞄を探って、カードケース的なものをネムにわたす。サンキュ、と言った彼に、眉尻を下げる。
「お兄様、どうかご無理をしないよう」
ネムの手を取ってそう目をつむる。彼はお前こそな!と言ってそのまま私の頭をぐしゃぐしゃと撫でて去っていった。ガチで会いにきただけか。荀ケ殿も同じことを考えたらしい。
「ナマエに会いにきただけ、ということですね」
「そういうことだな」

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「助けてくれたおにーさんだー!」
そう言って徐庶さんの周りを回る。ああ、よかった、目が覚めたんだね、とホッとした彼に、うん!と返事をする。幼女?と首を傾げたべつに青年に、「こんにちは!!」とニコッと笑っておく。こんにちは、と返した彼の周りもくるくるとまわる。中華系の服をきてるが、多分20世紀以後の人間である。怪我はなさそうだ、と告げた徐庶さんに本日の私担当・愛しの荀攸殿が口を開く。
「それですが、貴方に抱えられて安心して眠ったようです」
「えっ……俺だからよかったものの、危険な人もいるからいけないよ」
私の目線に合わせてくれるあたりこの人優しいんだよな〜。
「んー、お兄さんから悪い感じはしなかったから、いっかな〜って」
「……この通りです。まぁ、張遼殿や于禁殿にも驚かない珍しい子供です」
「張来来かっこいいよ!!!武士!!って感じがする」



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