2022/12/31

2022年度没ネタ整理50

「この戦いが終わったら、旅に出ようとは思っているよ」
そう言えば、周りはそれはいいなどと言う。行き先は決まっているのか、と尋ねた彼彼女らに、決まっているけれど秘密かな、と告げる。とても、遠い国だよと。

どこに行くのか楽しみです、と声なき声で告げた彼に私は首を左右にふる。
「君は連れて行けないよ」
そう言えば彼は目を見開いて、拗ねた顔をした。可愛いいなぁ、と思いながら、ごめんね、と謝る。他の誰かを?と尋ねた彼に、他の誰も連れて行かないと言えば、彼はなんとも言えない顔をした。安心半分、疑問半分というところだろう。彼はならば自分は貴方が帰ってくるのを待ちますと告げた。その言葉に私は困った顔をしたのだと思う。「君も好きに生きたらいいよ」と言えば、好きで貴方を待つのです、と彼は告げたのだが。
私は人より霊力がおおきい。だから、千里眼という未来を見る力と氷をつかえる霊力がある。昔見た未来をどうやって回避するか。それをずっと考えて生きてきた。私が上に掛け合って新たに作った一つの隊が三つの隊をまとめ、最悪なパターンは免れた。でも、どう足掻いたって私は死ぬ運命らしい。何度未来を見ても、それだけは変わらなかった。あぁ、だから、最後にだ。
「そうだな、でも、もし、君が私を見送ってくれるなら、海の絵を描いてほしい」
そう言えば彼は海の絵?と首を傾げたが、わかりました、と頷く。今から取り掛かりますとつげた彼はおやすみなさいとしめしてきえた。
どうか彼に幸せを。

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「……小さい頃に見た光景を、変える方法を探したんだ。三つの隊を纏めないと勝てない。でも、私の話なんて他の組では門前払いだ。未来を見ただなんて言っても、みんな笑うだけだ。だから、君達が必要だった。みっつの色のどれにも属さない君たちが、繋いでくれると思った実際、未来は少しずつかわっていった。燃え盛る炎に包まれる世界が日常の風景にかわり、死んでいる人々は日常を過ごす人々になった」
意識が朦朧としてくる。血を流しすぎた。
「……でも、どうしても、変えられない未来が一つだけあったんだ」
「変えられない未来?」
「……視える未来には、私だけいない」
「ーーえっ?」
「それ、だけは、変えられないようだ……だから、どうか、笑って見送って、ほしいんだ、」
「ナマエさん、何言って、」
あぁ、意識が持たない。戻ることはできた。霊力をはかる霊力器が急速に落ちていく。誰かが急いでこちらにやってくるのはわかる。通信機が忙しく通信を拾う。誰かが私を抱き上げた。何かに乗せられて、揺すられたって私はもう動けない。手を握られたって、力が入らない。あ、あ、と、聞いたことがない震える声が聞こえる。
「ナマエさん、海の絵、」
その言葉に、ああ、これは彼の声なのだと理解する。
「海の絵を描いたんです、あの日からずっと。使われていなかった大きな書き割りに。だから、どうか、お願いです、目を覚ましてください」
音が遠くなる。プツン、と糸が途切れるように、私は。


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死んだと思ったのになぁ、と高台の草原から周りを見渡す。これが天国か、と思ってみたが戦場になっているのをみるとおそらくは違いそうだ。降魔じゃないんだなよなぁ、と人間と降魔っぽいのの争いを見ていれば、魔側の援軍がきて人間側がおいやられる未来が視える。ただでさえちょっと不利だもんな。そう思いながらどうするか考えていれば、戦場にいる人と目があった。色男だなー、と思いながら彼の後ろにきた魔を遠隔魔法的なもので凍らせる。そのままゆるりと彼の元に行くか、とテレポートをつかう。
「色男さん、ここからは手を引いた方がいいと思うのだけれど」
そう言って彼の近くに降りれば周りにいた兵と将兵はは私を見た。
「貴方が守ってくれたのかな?」
「貴方があまりにも無防備だったので」
「あまりにも美しい人が崖の上にいたものだから、見惚れてしまっていたよ」
「口がお上手なことで……さて、貴方達は早めに逃れた方がいい。もうじき北西と東北から人ならざるものの援軍がくるようだから」
私の言葉に彼は些か驚いたように私を見る。更に!?みたいな声がするのを見るに、援軍がそれだけこちらにきたのだろうか。感覚を探れば確かにまぁ人間より魔の方がおおい。とりあえず大きな門の前に行く。……うーん、これ古いな。タイムトラベルでもしてるようだ。
「あんた、その情報をどこで?」
「さぁ」
「そのような不確かな情報を……」
まぁ、普通は信じないだろうなー、出どころを言っても信じないだろうが。
「いや、信じてみよう」
「郭嘉殿!?」
「これ以上妖魔が現れるのであれば私たちに勝ち目はない。それに、わざと時間をかけられているようにも見える」
「疑う人も素敵だけれど、話がはやい人ほど好ましい人はいないね」
「しかし、参ったことに貴方がいう方角はこの崖なんだ」
「……他の方角に行くのはあまり好ましくはないかな」
そう言って氷魔法的なもので階段をつくる。強度高めて分厚くせんと崩れて死人がでる。どうなってるかって言われてもな。私もよくわかってない。転生した時から使えるからだ。とりあえず肩を竦める。
「これで逃げれるはずだよ、色男さん。私は最後に門を閉めてから階段を登ることにするよ」
別にそこで私が死ぬイメージもないわけだし。周りが相談、のちに撤退していく。どれくらいの人が来るかわかったものではないが。最後の人が登るのを見てから扉に近づき、戦場の感覚を調べても人間はいない。なので扉を凍らせて閉じてしまう。そのまま私も階段を登り、階段を崩した、ところで体調が万全ではないことを理解する。うーん、未来を何回もこまめに見るとこういうことがおきる。そのまま倒れた私を誰かが抱き止めたが。

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目が覚めると知らない部屋だった。寝台もなるほど新しい割には型が古そうだ。着ていた服のまま寝かせてもらっていたらしい。側には着替えのようなものが置かれていた。うーん、やはり時代劇もののようだ。色男も郭嘉と呼ばれていたあたり、三国史だろうか。私達のように皮肉って言われたわけではなさそうだし。とりあえず置かれていた服をきて、そのまま外にでる。夢見心地だ。中庭なのか、綺麗な庭には蓮の花が咲いている。さてはてこれは一体?と内心首を傾げたが、とりあえず水面にうつる私は生きている。私の近くに飛んできた鳥と見つめ合っていれば、不意に後ろから腕を掴まれたので振り返る。おっと同じ時代ぐらいの人物。そして見覚えがある。口をかすかに動かして、私の名前を音を立てずに紡いだ彼はいくらか歳を重ねているらしい。
「やぁ、悠さん。少しやつれてしまったようだけれど、大丈夫かい?」
そう尋ねれば彼はハラハラと涙をながす。泣き虫に戻ってしまったかな、と彼の涙を拭って、伸びた前髪にキスを落とそうとすれば、抱きしめられたが。おっと。聞こえてきたのは嗚咽だ。また音がない。口を忙しく動かしてはいるようではあるが。
「あの時、君が私の名を呼んだ気がしたのだけれど、あれはやはり夢だったのかな」
少しの意地悪だ。彼はもう話せるはずなのだから。すこし離れて、彼の唇をつつく。ほら、私の名を呼んでみて、と言えば彼は唇を震わせて、喉を震わせて、か細く私の名前を呼ぼうとした、のだが、それよりでかい声でナマエさん!!と呼ばれてしまった。残念、雰囲気ぶち壊しである。駆け寄ってきた知り合いは私をみて、生きてる〜!!とガチ泣きして悠さんともども抱きしめたい。やめろ。悠さんに迷惑だろ。ちょっと眉間に皺寄せてるだろ。やめなさい。
「おや、どこに行ったのかと思えば」
きゃいきゃい騒いでいれば、そう悠々と歩いてきた色男に口を開く。
「ありがとう、色男さん。貴方でしょう、つれてきてくれたのは」
「お礼を言うのはこちらだ。あの後、君の予測通りに敵の援軍がきてね。貴方の発言がなければ私達はもっと被害が出ていたし、撤退もうまくいかなかった……悠殿達の知り合い、かな?」
「……はい」
悠さんはそう短くつげる。やはりあの時聞いた声は彼の声であったらしい。
「曹操殿が貴方が目を覚ましたら礼を言いたいと言っていてね。話中悪いけれど、私についてきてくれるかな?」
まぁ、その選択はイエスしかなさそうだ。それに今度は曹操ときたか。そっと悠さんの手の先にキスを落とし、またあとで、と言って、長沙達の頭はぐしゃぐしゃに撫でておく。そうして彼の隣に立つ。側から見れば美男二人だって?私は残念ながら女なんだな。はっはっはっ。


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様子を見る限り、西洋式というよりは中華式の礼がただしそうだ。なので、中華式の挨拶をする。
「お助けいただきありがとうございます」
「いや、それはこちらの台詞よ。お主の言葉がなければ被害が広がるところであった」
そう言った彼は曹操殿と呼ばれているあたり乱世の奸雄と呼ばれる曹孟徳本人なのだろう。それならば周りの建物などと辻褄が合う、が、そうなったところで悠さん達がいる訳がわからなくなる。
「お主、名を何と言う?」
李四と名乗らない方がいいだろう。一人ならそう名乗ったが。
「名乗らず、失礼しました、私はナマエと申します」
「ナマエか。ナマエ、改めてこの度は礼を言う。しかし、どうして援軍がくるとわかった?」
そう尋ねた彼に、私は困った顔をする。黙秘かな?と受け取った一部に私は「いえ」と首を左右に振った。
「話してもいいのですが……貴方達は信じないと思います。簡素に言えば占いに似たものです」
わかりやすく言うとそうだ。郭嘉と呼ばれた色男が私を見る。
「貴方はこの世界にたどり着いて短時間で見知らぬ私達を占ってくれたわけだ」
「短時間?」
「貴方の服は綺麗なままだったからね。色々な場所を巡り歩いていたわけではなさそうだ。殿に仕官を求めるために仲間を売りにきたわけでもない。長沙殿達と知り合いのようであるし、あの荀攸殿より無口な悠殿が貴方を見て血相を変えて走っていったからね」
意地悪な人である。最初から彼は見ていたのだろう。後周りが悠殿が?みたいなことを言ってるあたり喋れるようになっても話していないんだろう。いい声なのに。
誰かが来る気配がしたのでそちらをみる。誰もいない空間にノイズのように女性が立っている姿が一瞬見えた。同じく視線を追った彼らだが、誰もいないのを見て、首を傾げた。
「どうした?」
「いいえ」
そう言ってまた困った顔をする。そこを眺めていた郭嘉さんが「おや?」と口を開く。空間を割るように八卦の陣が宙に描かれて現れたのは一瞬視えた女性だ。降魔、と言うわけではなさそうである。ちらりとこちらを見た彼女は「ほう?」とただ告げた。
「曹操、珍しいものを拾ったな」
「珍しい?」
「仙人の素質はあるが、仙界に連れてこられることがなかったのだろう。そう言う人間には変わった能力を宿すものがおおい」
「何故私がそれだと?」


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「ナマエ様は重い男を引きつけすぎなのです」



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