2022/12/31

2022年度没ネタ整理61

は?と声に出してしまったのは仕方ない。なにやら吸い込まれたと思ったら見るからに未開の地である。周りを見渡せば、まー、あれだ、みんな昔の格好なのかそんな感じである。まじかよ、と呟いてみても、ほっぺたをつねってみても夢ではなさそうだ。とりあえず婆娑羅組というか私たち側は大丈夫だろうと仮定して無双側を起こしに行く。
「先生ー?不思議な格好になってる先生ー?おきてくださいー」
とりあえず荀攸先生を起こす。眉間に微かに皺が寄った。そうしてゆっくり目を開き、真田……?と私を認識する。よかった、そっちはわかっているか。
「その服装は?」
「起きたらきてた。でも、よかった、先生じゃなかったらどうしようかと思った」
そう言って離れれば、向こうは困惑たっぷりである。なにが、といいかけて、自分の服の違和感に気づいたらしい。数秒固まって頭を抱えた。
「郭嘉先生ー」
「真田、俺が教員組を起こしますので、そちらを起こしていただいても?」
「分かりました」
頷いて同じく荀攸くんを起こしに行く。起きた彼は私をみて固まったが。
「な、ナマエ殿?」
「おはよう荀攸くん。戦装束かっこいいね?」
「は?……どうなってるんです?」
「さぁ?わかんない。とりあえず起こしてって荀攸先生に言われた」
そう言って荀攸先生を見れば郭嘉大明神を起こしたらしい。
「……あの装束、荀攸先生達も何かありそうですね。他をとりあえず起こしましょう」
「そうしよう」
「……その前にナマエ殿、上着などは……」
荀攸くんの言葉に、あー、露出高いか〜と思いながら、ないね、という。いや本来なら兄譲りの赤皮ジャケットがあるのだが、江戸に入ってそれは処分されたというか、なんというか。溜め息はかれたけどないものは仕方ない。とりあえず私が郭嘉くんを、荀攸くんが荀ケくんを起こして先生達と集合したが、なんというか。
「私1人赤だから目立つな……」
先生達と周りは青ばっかりである。どっちもカラーは青らしい。いやそれはなんとなくわかってたけど。少し違うのが、先生達は鳳凰なのに対し彼らは月と竜なのだ。めっちゃ郭嘉大明神の視線がくる。コルセットみたいな形だし、背中も開いてるもんな〜。郭嘉大明神がうなずく。
「うん、確かに目立つね」
含みあんなこの人。まーー、胸元も目立つわな。荀攸先生が郭嘉殿と叱ったが、色のことだよ?とにっこり笑われていた。六つりなかな??
「真田、私のでよかったら上着きるかい?」
「ヒール分があるとは言え、さすがに満寵先生のは大きすぎて引きずる気が……」
「では、真田、私の羽織をどうぞ」
そう言って渡してくれる荀ケ先生は紳士的である。ありがたく羽織らせてもらおう。郭嘉くんがあたりを見渡しながら口を開く。
「しかし、何かに吸い込まれたら森とは……ナマエは何か心当たりあるかい?」
「まっったくない」
いや遠呂智かな??とは思うけども。荀攸くんがあたりを見渡しながら口を開く。
「場所を把握しようにも森じゃ視界が悪いですし……何が起こるか分かりませんのでここを離れて良いのかも迷いますね」
「ナマエ、あの階段で物見できないかな?」
「いいけど、めちゃくちゃ目立たない?運が悪ければ集中砲火くらうきが」
「しかし、趙州殿が一番高くまで上がれるかと。俺が鳥を婆娑羅で作ったとしても、可能なのは微妙な高さからの滑空だけですし」
その言葉にがっくしと肩を落とす。やるしかないかー、と溜め息をついた。荀ケくんだけが、がんばってください!と応援してくれている……癒し……というか、仮に遠呂智世界なら私だけで上がっても場所わかんないな。
「階段、とは?」
「私はよく剣と婆娑羅を使って螺旋階段みたいなのを作るんですけど」
主に婆娑羅技で。私は親父殿系だから。トリッキーだから。婆娑羅で複製した剣のストックで階段をつくり、そのストックがなくなるまで攻撃するから。まーー戦は出ないから基本やらなかったけど。武田道場とかオンリーだけど。
「婆娑羅はそんなこともできるのですか」
「私しか今のところできないとは思います。結構婆娑羅の使い方は人の振り幅が広いので。誰か一緒にきます?」
「いいのかい!?」
「私だけでは場所わかんないかもですし」
そう言いつつ剣を抜いて婆娑羅をこめる。炎を纏った後白い光を放つ剣をいつもは布引いて腰掛けたら螺旋階段ができるのだが、あれだ。2人は流石に座れないわな。とりあえず私は剣を横にして布引いて腰掛け、横たえた剣を一本だけ複製する。近くにいた荀ケ先生に私の手を取ってその上に立つようにたのめば彼はハテナを浮かべながらそうした。それをみてから複製を螺旋階段状に増やしていく。ぐんぐんと高くなるその剣の塔はまるで処刑台にも似てる。そうして見晴らしがいい場所で止めた。
「うーーん、やっぱり見覚えがないな……」
あと日本の城っぽいものと中国の城壁がある。しかし、婆娑羅地区のものや私の知っていた城ではなさそうだ。うん、これ遠呂智だ。荀ケ先生は周りを見て、やはり、と呟いたのでそちらをみる。
「心当たりが?」
「恐らくですが。真田はいかがでしたか?」
「私はないですね」
降りますね、と断ってから地上の剣を消していく。そうしてくるくるとゆっくり降りていけば、荀ケ先生が地面に降りたので私も立ち上がって布を外して剣を納刀しといた。満寵先生がお目目をキラキラさせている。うっ。可愛い。地面になにやら闇の婆娑羅で文字を書いていた荀攸くんが口を開く。
「どうでしでしたか?」
「日本のお城と中国のお城がそれぞれありましたけど、身に覚えはないですね。婆娑羅地区って感じでもなかったです」
「なるほど」
「日本の城と我々の城、となるとやはり……」
「ええ、恐らくはそうかと思われます」
荀攸先生の発言に荀ケ先生が頷く。郭嘉くんが首を傾げた。
「先生達は何か心当たりが?」
「頭がおかしい話になるんだけど聞くかい?」
満寵先生があっけらかんとそう告げる。目を瞬いたこちら三人に私は聞きますという。
「私たちには前世というのかな?まぁ、生まれる前の記憶があってね。その時から知り合いななんだけど……隠すこともないからいうけど、同じ名前の人物の記憶があるんだ」
「……となると三国史、ですか?」
「そうなりますね」
「まぁー、その中で傍迷惑な仙人が三国時代と日本の戦国時代を混ぜてしまって、色々あったんだ。元凶はそれぞれ倒して解決して元に戻ったはずなんだけど」
「はい、そのはずですが、見るからにゼウスが作り上げた世界ではなく、遠呂智が作り上げた世界です」
荀攸先生の発言にやっぱりかーと思う。荀攸くんが困った顔をしながら口を開いた。
「……お待ちください。我々にも三国で同名として生きた記憶があります。先生達の話は少し飲み込みにくいのですが」
そう言った荀攸くんに、郭嘉組が口を開く。
「面白い。真田が懸念していたことはこれだね」
「ナマエが言っていた話はこれか」
「懸念というよりは、日本で昔から起こっていることですけどね。同じ名前の人間には同じ名前の人間として生きた記憶が宿るんですけど、違う人物だから食い違いが起こりいざこざになりやすいって話ですね。私の調べた限りでは我々が暮らす世界の正史はどちらでもないが正解です」
「では、我々の記憶は偽りだと?」
そう尋ねた荀攸先生に首を左右に振る。
「そうじゃないです。うーーん、なんていうか、私たちが生きている世界って婆娑羅者もそうじゃない人ーー私は無双奥義とか乱舞からとって無双組って呼んでますが、無双組も一緒に生きてるでしょ?そして過去にはそれぞれが一緒に生きてる記載がある。でも私たちには無双組がいた記憶はないし、」
「私たちも婆娑羅者がいた記憶がないね」
「多分お互いに違う世界の記憶を持っているって思った方が納得しやすいので、私や真田家はそう納得してますが」
「『どちらが』正しいとかいう話ではなく、答えとしては『どちらも』正しい、というわけだ」
郭嘉大明神の言葉にそういうことです、と頷いた。
「まー、たまにいる人いない人はあります。私は真田の長女ですけど末っ子で、無双真田家は長女は村松さんという方が幸村さんや信之さんからすれば姉にあたり、私はいません」
まーー、たぶん兼任してる感じはする。うん。正史を漁るともっと兄弟多いしな。
「さて、でも先生達の知ってる世界ならなんとかなるかな?どっちの方角向かいます?」
「……急いだほいが良さそうです。何かちかづいてきます」
荀攸くんが地面に書いた文字を見つめて告げる。ぐにゃりと歪んで何か文字になっている。なるほどそちらの方角からくるらしい。
「まーやっぱあの階段目立ちますよね。先手必勝します?」
「ーー。近づく速さがおかしい。馬でも人でもありません!来ます!」
うっわ、駆動音聞こえる。敵か味方かわからなすぎるが、多分敵な気がする。
「上です!!」
槍が飛んでくるあたり家康くんの方なんだよな〜!と思いながら荀攸先生達を引っ張ってそれを回避しようとしたら郭嘉くんがカードでシールドはってくれた。それでも日々の入りが早いので外側から槍の柄をドロップキックで弾いたが。上から降ってきたフード被った家康くんが無言で拳を振り上げる。やばい、ということで今度こそ郭嘉くんやらを引っ張って交わした。わー、地面が割れた。こわっ。満寵先生、わーすごーいじゃないんだよな。
「……ナマエか?」
「あ、よかった自我あった。なんかおかしかったから操られたのかと思った」
「いや……これでも無理をしてこちらに寄せている」

 4/25



 Comment(0)
未分類 

次の日 top 前の日