2022/12/31
2022年度没ネタ整理64
よくわからない事態に巻き込まれている自信がある。郭嘉くんと荀攸くんと「?」を大量に飛ばしてるのは仕方がない。嫌だって郭嘉くん達の国にある婆娑羅地区の近くの森にいたのであるが、霧が出たと思えばこれである。スマホで時間を確認すれば、時計は違う時間をさしており、圏外表記になっている。
「スマホが役に立たなくなってる」
「俺のもだよ」
「場所も見るからに移動していそうですね」
「あっち騒がしいな?」
「行って見ましょう」
まぁ、それがなんというか、大河かな?と思う感じの合戦場だったのであるが。
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「作戦たーーいむ!」
そう顔面がとてもいいお兄さんに告げて私は二人の手を引いて三人で集まる。作戦たーーいむ?と首を傾げた彼らは可愛いが、しかし、だ。
「いやこれどう思う?めちゃくちゃ顔がよくていい匂いしたよあの人」
「ナマエ殿、ズレています。問題なのは彼らが郭嘉殿や荀ケと同じ名前であることです」
「そうだね。でも、いきなり場所が移動していたのは彼らのいう異世界に巻き込まれたという話で辻褄はあう」
服装も建物なんかも古いものだしね、と告げた郭嘉くんに私はもう一度顔がいいお兄さん達をみる。確かに鎧などを着ている様を見ると私達の生きている時代にそぐわない。武器も武器であるし。だから大河の撮影かな?と思ったのだ。そう観察していれば、顔がいいお兄さんが私の視線に気づいてにこりと笑われた。うっわ、アイドルみたいにかっこいい。私は小さく手を振れば振り替えしてくれる彼は神なのでは?
「じゃあ、異世界の郭嘉くんなのでは?」
「異世界の郭嘉殿」
「……まぁ、そうにしろそうでないにしろ、彼らに頼る他はないね。適当に話をつけよう」
ひらりと手を振った郭嘉くんが顔がいいお兄さん達の元に向かう。私は荀攸くんの手を引きつつそれを追った。
「話はまとまったかな?」
「えぇ、失礼しました。父や妹が愛読する軍記に貴方達と同じ名前の人物が出てくるものですから」
軍記(三国志)である。まー、確かに私は彼らの前で堂々と読むからな。あと父親を適当にでっち上げたなこの人。
「私の名前は趙嘉と申します。こちらは妹の趙州」
「妹の趙州です!ナマエともいいます!」
「僕は二人の従兄弟の趙攸と申します。お助けいただきありがとうございました。はっきり言いますと、事態はいまだ良く飲み込めていませんが……貴方達と行動したほうが良いということは理解しました。何か我々でも出来ることがあればお申し付け下さい」
荀攸くんの言葉に私も手伝いますと言えば、ナマエは大人しくしてくださいと言われた。解せぬ。ムッとすれば、郭嘉殿がするりと手をとった。
「ふふっ、では、貴方には私の手伝いをしてもらおうかな?」
顔がいい。いい匂いする。うっわー、この人顔だけで国落とせそうである。とりあえずにっこり笑って喜んで!と言おうとしたら荀攸くんが割り込んだけど。おっと、という声さえかっこいいなこの人。
「今のは郭嘉殿が悪いですよ」
「ナマエ、よかったね、顔がいいお兄さんに構ってもらえて。でもおそらく彼は君を弄ぶだろうから俺のそばにいようね」
「近づいたらダメですよ」
「えっ、普通に郭嘉さん達の邪魔にならない程度に話したりお手伝いしたい」
そういうば二人にダメだと言われた。いや、向こうは案外割りきると思うのだが。こんな小娘に本気になるわけあるめぇ。あと、あんまり突っかかると面白いおもちゃと思われる気がするよなぁ。
ちなみに郭嘉さんとあとであった賈詡さんは荀攸くんを揶揄うと面白いとなったのか、めちゃくちゃ私に来ますけどね。荀家止めてて笑ったし、荀家で固まるの笑った。
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え、異世界のお兄ちゃん好青年過ぎでは???そう思いながら趙雲殿と真田幸村殿の手合わせを見つめてみる。いや、私は魏軍師や将兵と仲良くしたいんだよ。ことごとく二人が止めてくるんだよな。何故だ。荀攸さんとか常識人じゃん。あと鍛錬したい。
と思いつつ、槍の扱い方をみる。ふーむ、一本だとああ動くのね。綺麗な型だなぁ、と思って見ていれば、あの、と声をかけられる。一緒に鍛錬してくれませんか?と聞かれたので頷いてみた。女の子の友達ほしいし。まぁ、名前を聞いて若干後悔するのだが。
私の知り合いの関銀屏ちゃんはなんだ、自覚ある怪力っ子だが、このこは多分ない。まぁなんだ、元の世界でぎんぺーちゃんとは仲良しなので強い力の受け流し方は心得ているのだが。とりあえずこの子の力の受け流し方を理解した。ので、槍一本だとやりにくいのでもう一本追加で対応することにする。くるりともう一本の槍を手に取り力を受け流しつつ攻勢にでる。婆娑羅だけは出ないようには気をつけなければならないが、まぁなんだ、中々楽しいわけで。見えた隙にぐっと間合いに踏み込んで槍を首元で止めれば、やめ!とかかった声に私は槍を納めてから彼女の近くから退く。彼女は目をぱちくりと瞬いた。
「腕立て千回してでなおしますね!!」
「いや、それはどうかと思います……」
「ナマエ、気はすみましたか?」
やめ、と声をかけたのは荀攸くんらしい。うんまぁねと返しつつ槍を元ある場所に返す。誰かの槍よありがとう。改めて周りを見渡してみれば、なにやら結構人だかりができていたらしい。あ、荀家二人もいる。
「戻りますよ。あまり俺や趙嘉殿強いては魏の陣から離れないように」
「ええ〜」
「ええ〜じゃありません。誘拐されても知りませんよ」
ちぇっ、といいながらもう一度ぎんぺーちゃんに礼をして荀家二人のもとへ向かった。
「荀攸さん、荀ケさん、こんにちは」
「こんにちは。趙州殿はお強いのですね」
「まーー、三人の中で一番武力寄りである自信はありますね。今日は攸くんとセットなんですか?」
「せっ……?」
「二人一組とか三人一組みたいな感じの意味です」
そう説明すれば、ああなるほどみたいな顔をされた。荀ケさんが口を開く。
「セットというわけではありませんよ。少しこちらに用があり出向いたのですが、人混みの中心に貴方を見つけたものですから。あまり趙攸殿に迷惑をかけてはいけませんよ」
めっと叱った荀ケさんにとりあえず頷いておく。でも攸くん過保護だからな。よくわからないラインで心配される。
「攸くん、私も知り合い増やしたい〜」
「荀家のお二人がいるでしょう」
「今度伯寧さんとお城建築してきていい?」
「いいわけがないでしょう。どこで知り合ったんです」
「異世界の城について教えてって言われたから元実家の城は水攻めありきで作られてますっていう話をしてからの仲ですねぇ」
そうしみじみと言えば、荀攸くんが目を離すとすぐこれだと目頭をほぐした。ちょっと荀攸くんこの世界にきてヤンデレ度加速してない??
「大丈夫??」
「大丈夫ではありません。貴方の身に何かあれば、貴方の実家にも申し訳がたたない」
「放任されてるから大丈夫」
「放任されるほど僕達は信頼されてるということです。とりあえず貴方は大人しくするべきです。閉じ込めたっていいんですよ」
おお、ヤンデレ。荀攸くんたまにヤンデレムーブかますからな。荀家二人がエッみたいな顔してるぞ。とりあえず彼を覗き込んで、心配させてごめんね?と言ってみる。この顔に弱いって知ってるからな。もう一押しというわけで上目遣いで伺う。
「でも友達欲しい……」
「……。……。僕らがいますのでご安心を」
「くっそー、今日はだめかーー」
そういいながら荀攸くんと手を繋いでおく。はい、これで今日はどこにも行かなーいと言えば固まったが。郭嘉さんと郭嘉くんがやってきたが。仲良いのかあの二人。いや、価値観は合いそうだね。
「あれ、可愛いことをしてるね。右手があいているし、俺も加わりたいところだけど」
「今日は私と嘉くんのことで心労が絶えないだろう攸くんを労わる日なんで無理ですねぇ」
「ああ、なら俺は攸の右手をもらおうかな」
「結構です」
「遠慮しなくていいよ」
「筆が持てなくなるので結構です」
「お兄ちゃん労わる日は別日だからごめんねー」
「私は労ってくれないのかな?」
「郭嘉さんを労わる日も別日開催なのでーー」
がらがらーといいながら攸くんの手を引く。お店屋さんいこうぜー、といえば、彼は仕方ないというふうにため息をついたのだが。
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「……あの二人は恋仲ですか」
「いや?趙攸殿の片想いだね。ナマエがうまく泳がせてるんですよ」
「おや、見かけによらず趙州殿は悪女かな?」
「悪女というか、まぁ一種のたらしというか。心情が重い人間を男女問わず惹きつけるというか……まぁナマエは多分重い感情を向けられてるのは理解はしてるだろうけど、それが恋愛感情だとは微塵も思っていない感じかな。彼女は多分色恋沙汰に興味がない」
「郭嘉殿にきゃあきゃあいうのに、ですか?」
「郭嘉殿にきゃあきゃあ言うのはかっこいいし自分に靡かないと思っているからだとは思いますよ。貴方とどうにかなりたいわけじゃない」
「あぁ、それはなんとなくわかるかな。ある一線は踏み込んでこないからね」
「あまりちょっかいを出すと趙嘉が怒るからよして欲しいところだけれど……まぁ、そもそもあの時は従兄弟だ妹だと説明するのが楽だったからそうしたけれど、そもそも趙嘉は俺の許嫁だ」
「えっ……」
「おや」
「彼女自体はこちらで言う戦国側の人間でね」
「それはなんとなくは所作からわかっていましたが……」
「三角関係の割には仲がいいね。痴情のもつれはよく殺傷沙汰にもなるけれど」
「俺が死んだら攸にナマエのことを任せているんだ。人間いつ死ぬかわからないからね。まぁこんな話をナマエは知らないし、外堀を二人で固めている最中だけど」
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「趙嘉殿の許嫁だと聞いたよ」
「ああ、それです?お互いこの歳だから結婚とか恋人とか言う話が出てくるのですけど、面倒くさいのでそう言ってるだけです」
そう郭嘉さんに言えば、なるほどって周りに言われた。なにが??と首をかしげる。荀攸さんが何かいいたそうにしているが。賈詡さんが口を開く。
「しっかし、婚姻の話を面倒くさい、ねぇ。困ったお嬢さんだ」
「いやだってそう言うものって親が勝手に話を持ってくるものですし。ぶっちゃけ、家同士の外交戦略兼ねてるでしょう?」
ふははは、と笑えながらそう言えば、否定はできないねと言われた。でしょうな!
「この間の話を聞いていても思いましたが、ナマエは良家か領主の娘なのですね」
「うーーん、まぁ、時代が時代なら、そう、なるかも、ですけど」
時代が時代ならと言う話にはなるが。今は親父殿は教師してるしな。
「なんかこう窮屈なので、あまりそう言う扱いされたくないです」
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