2022/12/31
2022年度没ネタ整理70
郭嘉if
『「……はい、賭けてみましょう。貴方の運に」
そう言って郭嘉殿を見下ろす。彼は私をみて頷くと、その薬を口を放り込んだ。もがき苦しみ出した彼の手を握る。彼はこの賭けに、勝つのだと、信じて。』
あぁ、水面が遠くなる。体は沈んでいる。曹操様が生きていればなんとかなる。『郭嘉殿もいるのだ。』魏はきっと安泰だ。赤い光が暗い水の中を照らす。こぽこぽと空気が浮かんでは消えていく。苦しみはそこまで感じなかった。ただ眠るようにその赤い光を見つめながら目を伏せた。『誰かが私を引っ張り上げたらしい。酸素を求めてはくはくと口を動かせば、空気は肺を満たし、ケホケホと息を整える。ぼんやりとした視界の、そこにいたのは郭嘉殿だ。そのまま誰かと私を対岸まで連れて行った彼に、意識を保つべきだと気力を振り絞る。かくかどの、と口から出た声はか細い。これではいけない。目を一度ぎゅっと瞑ってから目を思いっきり開く。お手数をおかけしました、と言って起き上がれば周りが安堵した。
「おや、もう大丈夫なのかい?」
「はい、大丈夫です。意識ははっきりしてます。とりあえずこのまま撤退という形でよろしいのでしょうか?」
「うん、そうだね。それがいい」
「何故です?」
「見かけ的には大損害ですが、こちらの兵力はある程度温存できたと見ます。これは大きい一手です」
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「あの仙人はナマエの差金だと思ったのだけど」
そう言って彼は私を見る。他の人達は帰ってしまって、今や二人だけだ。私は彼のそばで、バレてしまいましたが、と言う。
「何と引き換えにあの薬を?」
「それは貴方にも言えませんね」
そう言って彼のそばに座り、膝にもたれかかるようにする。何と引き換えて、だなんてわかりきっている。人の寿命と等価であり、引き換えることができるもの。そんなものわかりきっている。酔ってしまったかな?と柔らかく笑んだ彼に、そのようです、といえば、彼は私の髪をすいた。
「これからもともにいこう、ナマエ」
そう告げた彼に私はそっと目を伏せた。青が見える。どこまでも続く青が。』
==5/20
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