2022/12/31
2022年度没ネタ整理84
そんな前世とか悪役令嬢みたいな。そう思いつつ、そこにいる人達を見上げた。いや、なんか、バタンキューしたと思ったら記憶が混在してる今である。母親の再婚おめでとうパーティーをしていたのに、私がとある人にみた瞬間ぶっ倒れたわけだ。ごめんなさい、と布団を引き上げて口元を隠しつつそう告げれば、新しい父親は気にすることはないといい、母親もまたそれに同意した。まぁ、私は一人で大丈夫、といえば彼らは心配そうにしつつも部屋を後にしたのだが。
かんっぺきに、不意打ちである。曹操様っぽい人が招かれていたのを見て記憶が戻る辺り。となると、私が懐いていた賈詡おじ=賈詡殿ということではなかろうか。なるほど、現パロ世界。そう無理矢理納得して目を伏せる。こう言う時は寝るに限る。今まで嫌な夢と言っていた内容がもろ前世であると露見したので怖いものなし、というやつだ。
「賈詡おじ、だれですか?」
そう言って賈詡殿の後ろに回り込む。ひしっと賈詡殿の後ろから動かない気持ちだ。荀家じゃないか。なんでいるんだ、荀家。私は賈詡おじの職場に遊びにきたのだ。子供をおいてハネムーン楽しむ……まぁある意味二人っきりにもなりたかったろうからいいけど……何故日本の知り合いではなく賈詡おじ……。苦労してるなぁ。
「賈詡殿、この子は?」
「知り合いから預かっていてな」
「こんにちは」
そう屈んだ荀ケ殿は二十代ぐらいだろうか。これ年齢=外見じゃないからもっと上かもしれないし、下かもしれない。
「……こんにちは」
「お名前は?」
「李ナマエです」
ひしっと賈詡殿に隠れてそう告げる。いや抵抗しても意味がないとは理解しているが。えっ、と驚いた二人は記憶があるのだろう。だそうだ、と賈詡殿がかたをすくめる。
「記憶があるんだかないんだから分からなくてね」
「そう言えば、李子殿は郭嘉殿の六つ下でしたね」
「しかし、何故賈詡殿が?」
「この子の母親がもとより取引先でね。何度か会って懐かれた」
「賈詡おじのしりあいですか?」
「古くからの知り合いだ。こっちの無愛想が荀攸殿、こっちのイケメンが荀ケ殿だ」
「荀攸どのと荀ケどの……」
「何か知ってるか?」
「うーーん……」
これは言った方がいいのか悪いのか。迷いに迷って、カッと目を開く。これは荀家兄呼びチャレンジでは?
「わたしのお兄ちゃんです」
「なんでそうなる?」
賈詡殿のツッコミが楽しくてボケてしまう。
「夢の中の、お兄ちゃんに似てます。あと一人、金髪っぽいお兄ちゃんと賈詡おじ、あとは背の高い……お兄ちゃん?がいます」
「……夢としてご覧になっているのですね」
「お兄ちゃんじゃないですか?」
伺うようにそう尋ねる。荀家が即お兄ちゃんです、となるの面白いな。ちなみに、賈詡殿がこう見えて女だ、と言えば二人はまた困惑するのであるが。
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はわわ。誘拐されて曹操様にまた助けられた。はわわ。私の殿、はっきり言ってカッコよすぎでは??ありがとうございます、と言えばいや?と返された。はわわ。いや、両親が新しい命にかかりきりだから色々自分でするようにはしてたのだが、まぁ色々あって誘拐されたわけだ。頭では理解してるのだが
どうも幼い部分もある心が泣きそうだ。うるうるしてきた瞳に、泣くまいと唇を噛み締める。ぐすぐす耐えていたが、賈詡おじがすっとんできたことで私の涙腺は完璧緩んだ。
「ナマエ、大丈夫か!?」
「ううっ、かくおじ、わーーん」
そう言って泣く。ナマエ、と固まった周りに、私はわんわん泣く。両手を伸ばせばあら不思議、賈詡おじは私を抱き上げた。
「こわっ、こわかっ、」
「……ナマエ?まさか李子か?」
夏侯惇殿が賈詡に尋ねる。トントンと私の背中を叩く賈詡おじにひたすら声を押し殺して泣く。
「恐らくね」
「郭嘉といないのか」
「郭嘉殿とはまだ会っていないようで。まぁ母親が日本の取引先、父親が上司ですよ」
「親はどうした?」
「俺に預けて旅行にいきました」
サラッと告げた賈詡殿に周りが怒った。ぐすぐす余計にしてしまう。ぎゅっと賈詡おじの服を握れば、彼はやれやれと息を吐いた。
「こういうのは『金髪のお兄ちゃん』の役目なんだが」
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はいはい、予定調和。司馬徽先生のもとで厄介になることになった。捨てたも同義では、と荀家がぽこぽこ怒っていたのだが、まぁ、私は孔明くんとか士元くんという癒しがいるので構わない。と思ったら母親の実家に引き取られることになりました、ちゃんちゃん。賈詡おじに会えないし、郭嘉殿にも会えないなこれ。
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高校生である。なんの因果かそちらの学校に通うことになった。荀家学校の先生なのね。もう思い出していいかと、荀ケ殿と荀攸殿と言えば見るからに落胆された。賈詡おじは賈詡おじのまま行きたい。ちなみに用意された家は軍師まとめて住んでるシェアハウス的な場所だった。どういうことは、いるな。というか目の前にいる。
「やぁ、ナマエ、久しぶりだね」
「わー、金髪のお兄ちゃんがなんか怒ってます、賈詡おじ」
「一番楽しみにしてたぞ」
そんな会話をしていれば、ムニっとほっぺを引っ張られた。
「私が一番最初の筈なのにどうしてそうなったのかな?」
「いひゃいです」
「まぁアンタが入院さえしてなければ俺と同時期に会えていたとは思うが。まぁ、母親が健在だから色々狂ったんだろう」
「ううー、いくにいさま、金髪のお兄ちゃんひどいことする」
「兄様?」
「郭嘉殿、小さくなおかつ記憶を取り戻していないナマエ殿がつけたあだ名です。気にされることはないかと」
「自慢かな?」
「郭嘉殿大人気ないですよ……お好きなあだ名でお呼びしますので攸兄様とケ兄様にあたらないでください。嘉兄様でもお兄ちゃんでもなんでもどうぞ」
そう言えばお目目キラキラさせる。うわっ、この人今世も顔が良すぎでは??
「奉考って呼んでほしいな」
うっわ、それはちょい恥ずかしいぞ。だが自分で言ったのだから仕方あるまい。照れながら奉考さん?と言えば、彼はそれでいいよと頷いた。いやそれよりも奥から崩れるような音したんだけど。
「ナマエの部屋はもうちょっと待ってほしいね」
「理解しました、空き部屋が満寵殿の開発室になってるんですね」
「理解がはやくて助かるよ。他の家の中を案内しよう」
「荷物をお持ちします」
……これなんか少女漫画の導入みたいだな??
「ナマエ?」
「いやこれ完璧少女漫画の導入だなと……」
素直にそう言えば、確かにね、と頷かれたが。少女漫画読むのかこの人。
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「やぁナマエ、久しぶりだね。キミってそんなに小さかったっけ?」
会うなりそう告げた満寵殿にがっくしと肩を落とす。荀攸殿がそう言えばもう少し高かったような、と追い打ちをかける。郭嘉殿が私の頭をぽんぽんたたく。くぅ。
「今でいうヒールでもってたし、当時からこれくらいだね」
「女性の平均よりは!あるんです!満寵殿からしたら人類ほとんど小さいでしょう!」
ぽこぽこと怒れば彼はそれもそうだね、と頷いた。
「満寵殿、部屋は片付いたかな?家具を買うにも部屋を片付けないと」
「しまった、そういう話だった」
「満寵殿?」
「いやー、罠を解除してたんだけれど、つい改良というか手を加えてしまって」
「ああー、昔から満寵殿それやりますよね」
私の部屋予定の場所をみれば、まだごちゃごちゃとしている。まだ足を踏み入れない方が吉か。
「片付けを手伝いたいのは山々ですが、足を踏み入れた瞬間何か起こりそうなので遠慮しましょう」
「ナマエ、私の部屋で一緒に寝ようか?」
「奉考さんの彼女に殺されるのでやめておきます。ソファで寝ます」
「ナマエ、俺と賈詡殿で満寵殿の片付けを手伝いますので、郭嘉殿や文若殿と先に買い物にいってきては」
「そうですね」
「まさかと思うけど、荷物はそれだけなのかな?」
「まー制服とかはこっちに届くので」
「それにしても少ないね」
「親族に根こそぎとられた感じはしますよね」
ははは、と笑う。まぁじっちゃばっちゃがなくなり、親族と協議的なものがあり……賈詡おじにSOSを送り今ここにきたわけなのであるが。
「母親達に連絡とれたか?」
「うーーん、あっちはあっちで幸せに生きてるので連絡するのはちょっと……そもそもあれから連絡もとってないし会ってもないですしね」
肩をすくめてそう告げれば、賈詡殿が眉間に皺を寄せたが。
「賈詡おじが親ってことで」
「なんでそうなる」
「おや、では挨拶は賈詡にしなければいけないかな?」
「なんのですか、なんの」
トストスと郭嘉殿の腕を軽く小突く。この人冗談かどうかわからないな。ちなみに買い物から帰っても片付いておらず、待ってる間にソファで寝てしまったのは仕方がない。あと起きたら隣で郭嘉さん寝てたけど、まぁ昔も寝てたので気にせず寝た、ら、荀家に怒られた。なぜ。
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「ピアノだれかひくんです?」
「いや、これは昔から備え付けのものでね。私達が入居してからはもうインテリアとして飾ってあるんだよ」
とは、昨日の話である。インテリアとしてはデカすぎでは?まぁ玄関ホール的な場所だから邪魔ではないのか。社会人達が仕事に向かったので、グラウンドピアノをのぞいてみる。整備されてるのかは不明だ。とりあえず、開いてみる。思ったより綺麗で、音もきちんと合ってるらしい。ぽーん、と正しくなった音にそのままピアノを弾いてみる。うーむ、ここのところ練習サボってたツケが出てるな。いや、練習する暇がなかったんだけど。
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「泳げないんですよ……」
「えっ?」
「なぜか知らないですが、溺れます。なんです?前世的な感じですかね」
ぽこぽこ怒りながらそう告げる。途中まで泳げるのだが、足を引っ張られるように沈んでいく、とは日本の友人の話である。
誰かいたら大丈夫だろうと泳いでいたら、やはり途中で沈むことになり、足元みたらやっぱりなにかあった。なんだこれ、と思ったら近くにいた満寵殿も潜ったらしい。私の足元をみて驚いた、と思ったら別方面から徐元直が助けにきた。元直やっぱり運動神経いいな?つよ。
「ナマエ!大丈夫か!?」
「けほっ、大丈夫です。満寵殿は?」
といえば、しばらくして顔出したけど。浜の方が騒ぎになっている。泳ぐの禁止令が引かれてしまったし、疲れたので日陰で寝てしまった。起きたら隣に曹操様がいてびびった。
==6/12
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