2018/01/09
巴里の騎士・二
「これはこれは会えて嬉しいぜ黒髪の騎士様?」
「なんで知ってる?」
「前巴里出張した時聞いた」
「なにそれ死にたい」
やってきた二人に、頭を抱える。黒髪の騎士様?と首を傾げた周りになんでもないんだよ、と首を左右に振ったというのにそいつはこちらを指差した。
「コイツの別称」
「知らなーい。僕、しがない、せいそーいん」
そうプイっと顔を背ける。二次元だから許される行為である。サトウさんの手が離れたじゃないか。
「副支配人じゃないのか?」
「そーともいいます」
==
図書館という事で大人しく本読んだり、帝劇に顔出したり、観光したりする。しかしながら帝劇には騎士様的な方で知られてる為にぶっちゃけ疲れる。大神さんは甘やかしてくれるけど、誰か来た瞬間私が離れるし。だから構ってくれる人は好きだったりする。
「気づいたら、路地、いて、お腹、空いて、死ぬかと思ったら、拾われた」
世間的には私は捨てられた子である。コクリコと似たようで違うけど。まぁ、私はあの時支配人に拾われ、支配人が助けてくれなきゃ野垂れ死んでいたんだろう。
「めちゃくちゃ頑張った、頑張ったらみんな褒めてくれる、頑張った。でも最近、褒めてくれない、頑張るの、当たり前。ちょっと疲れた、だから、休暇」
そう言って菊池さんの手で遊ぶ。話を聞いていた菊池さんが頭を撫でた。
「ここ、みんな、優しい、好き。巴里、好き、優しい、でも、ちょっと、疲れる」
ちょっとだけ、ほんのちょっとだけ、と指をほんの少し開く。
「だから、かまって」
「……これは困ったね、寛や佐藤くんじゃなくてもかまってしまいそうだ」
==
立てかけてあったモップを手に走る。なにやら暴れている知らない人の隙をついて懐に入りモップの柄を使って相手をのした。
『うーん、手応えもなにもない。大丈夫ですか?』
そう言って目を瞬いている啄木さんを見る。ああ、いけない、仏蘭西語だったともう一度口を開いた。
「タクボク、だいじょぶ?」
「お、おぅ、」
『ナマエ、なんの騒ぎだ?』
そうやって来た森先生はこの図書館でフランス語が通じる数少ない人だ。
『モリ先生、いや、人が暴れていたから止めたんですが、やり過ぎてしまいまして』
『人?あぁ、石川の借金取りか』
『借金取り?借金取りってナイフ持って暴れるの?』
『……お前に怪我は?』
『ないよ』
「石川、ナイフ沙汰になるまで借金を放置したのか?」
「いや、あははは」
「北原にいっておこう」
「げ」
「タクボク、しゃっきん、返さない、だめ」
==浮かばぬ
Comment(0)
次の日 top 前の日