2022/12/31

2022年度没ネタ整理165


・元の世界が治安悪くなってる世界線

恐らくこの人は郭嘉さんと同じ運命を辿る。
この人の手腕は見事なものだった。基本ができているのだから現代における軍略、戦術、そんなものを身につけて仕舞えば彼女は使い物になるには間違いない。彼女の仕事量は誰よりも多く、誰よりも重荷を背負っているように思えた。戦争。俺たちの国を、というよりは過去を巻き込んだ、戦争。きっと彼女の命は儚い。
「ナマエさん」
そう呼びかければ、彼女はどうしたの?と彼のような笑顔を浮かべて振り返る。そっと手に何かを隠して。


「郭嘉殿……?」
と声をかけてしまったのは仕方がない。振り返ったその人は現代の服を着ている。同じような姿だが、違う人だ。どこかであったかな?と尋ねた彼に、それはそうだと目を伏せる。いいえ、知り合いに少し似ていたので、と困ったように言えば彼はおや?と首を傾げた。
「それは面白い偶然だね、私も郭嘉というんだ」
「貴方のドッペルゲンガーにあったのかもしれませんね」
私の言葉に彼はふっと笑った。郭嘉殿、と近寄ってきたのは荀攸殿達に似ていて。そうして知らない女の子達か郭嘉さん、と走り寄っては私を睨む。私は敵対するつもりなどないので降参ポーズをとっておいた。
「他国の方と敵対するつもりはございませんよ。人の恋路を邪魔する人間は馬に蹴られて何とやら、です」
「恋路?」
「おや、違いましたか?彼女は貴方の良い方かと」
そう言って彼女を見る。彼女は顔を真っ赤にしてみせたのであるが。可愛らしい女の子である。ニコリ、と笑いかければ彼女はそそくさと郭嘉殿の後ろに隠れて見せた。
「苗字、ここにいたの、か……?知り合いか?」
「いや、私の知り合いに似ていたから声をかけてしまっただけです。何かありましたか?」
「いや、上司が呼んでる」
「向かいます」


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