2022/12/31

2022年度没ネタ整理169


川から子供が流れてきて、ましろの鹿が子供を川から引っ張り上げるだけ上げると、そのまま鹿は跳ねて逃げていく。口減しに流されたのだろうとその子供を弔おうと将兵が拾えばなんとその子度は生きているではないか。こちらの呼びかけにうっすらと目を開いたその子供はまた意識を失ったのである。おもえば、とてもではないが口減しの為に流されたとも人柱とも取れない子供だ。上流階級の服のようなものをきているし、身なりが整っているのだ。どこの貴族の娘か。都落ちした一族、はたまた迷子が誤って川に落ちたか。同じ時代とは限らない。そんな世界の城跡である為に捨て置くことはできかねる。現状が現状であるが為に。そっと陣地の奥に寝かされた子供はくうくうと寝息を立てていた。
そんな子供を見下ろすのは最近合流した「別世の戦国」から迷い込んだ苗字仮名と苗字匿名という二人である。仮名という女性は子供のほっぺをツンツンつつく。
「可愛い〜」
「二人の知り合いか?」
「子供は知らないかなぁ……」
司馬昭の言葉に仮名は首を左右に振った。匿名はうーんと考えている。竹中半兵衛がそれに気づいて口を開く。
「匿名殿、どうかした?」
「いや、この子供、なんとなく李子サンに似てるような……」
その言葉に仮名は子供を見下ろす。確かに別で同じような展開に巻き込まれた時にいた李子という人物に似ている。しかし、その人物の。出立はすこし小柄な青年に見えるが、大人のはずなのだ。
「でも、李子サンって大人だよね?確か郭嘉殿の六つ下……法正殿とか徐庶殿と年近かった気がするんだけど。子供じゃん」
「だよなぁ……李子サンの子供とか?」
「ひぎゃっ!?誰との!?」
そう言って盛り上がる二人に司馬昭や竹中半兵衛、馬超などと言った人物達は首を傾げた。
「三国側ってこと?」
「やっぱり知り合いか?」
「いや、知り合いに似てるけど、その知り合いは大人なんだよ」
「李子さんなら起きる方法教えてもらったことあるよ」
仮名はそう言って子供に向かって口を開く。
「李子さん!大変!!満寵殿が罠を陣地に張り巡らして、荀攸殿がその罠に引っ掛かっちゃった!」
なんという嘘だ、とそこにいた将たちは仮名をみた。しかし、それがありうることだと理解している徐晃や賈詡と言った人物達は動きを止めたが。子供が寝返りを打ちながら口を開く。
「それは、かくどの、ゃ、じゅんいくどの、に、かいしゅうをたのんで、」
その言葉に匿名と仮名は目を見合わせた。
「賈詡殿、悪いけどナマエ殿、郭嘉殿が呼んでるって言ってゆすって見てくれないか?」
「……よくわからんが、やってみよう」
賈詡と呼ばれた人物は、子供に近づいてゆする。
「おーい、ナマエ殿、郭嘉殿が呼んでるぞ」
「……、……?」
子供はとろんとした寝起き特有の目で賈詡をみる。そうして、はっとしたように起き上がると、賈詡をつかんだ。
「賈詡さん!?今は何時です!?郭嘉さんはどちらに」
「やほー、李子サン、」
「貴方は確か……匿名殿と仮名殿?は?どう言うことというよりは、お二人も賈詡さんもというか皆様大きく……は?」
困惑の声である。自分の大きさの違和感に気づいたのだろう。周りと自分のサイズを見比べて、は?と声を上げた。
「幼児化李子サンの『は?』めちゃくちゃ可愛いくない?」
「自嘲しろ。やほー、李子サン久しぶりだな」
「一体何が起こって……なんで私子供になってるんです?」
「俺たちはしらねぇな」
「まぁいいです、子供の姿でも業務遂行に支障はありません。どう言う経緯かはわかりかねますが、貴方達がいるということは困った世界なのですね。賈詡さん、郭嘉さんはどちらに?」
子供はそう問いかける。賈詡と呼ばれたその人は驚いたように目を瞬いた。
「あー、ごめん、李子さん、俺たちちょっとズレた世界にいるっぽい。李子さん起こす為にいってもらっただけ」
「……それを早く言ってほしかったですね。さん付けは失礼でしょうから……」
子供はそう言って眉間の皺をほぐすと、きちんと周りにいた大人に向き合った。
「お初にお目にかかります。私の名は李子、字をナマエと申します……が、なんの因果か子供の姿ですので字は気にしないでくださいませ。こちら様子を伺うかぎりでは、お助けいただいたようですね。ありがとうございます」
「中身は大人ってこと、だよな?」
「はい、左様でございます。なので私にできることがあれば何なりとお申し付けくださいませ」
子供ーーナマエはそう言って礼をした。馬岱が困った
「ええっと……仮名殿や匿名殿のしりあいだけど、賈詡殿達を知っていて……大人だけど子供で……?ややこしすぎてわかんなくなっちゃう」
「まぁ、ややこしければ変わった子供だと思っていただけば」
「いや、李子サンはただの子供にしちゃダメだろ。アンタそんな姿になってるけどアンタ実質二番だろ」
「私が二番などありえませんよ。私の仕事は調整及び補佐と献策くらいですから」
「じゃあ俺の補佐してほしいなぁ」
「かまいません。もう大丈夫です。ただ、時制も何もわからないので何か報告書などがございましたら目を通させていただきたいのですが……私も何が何やら……」
そう困った顔をした李子に、それもそうだな、と周りは頷くのであるが。


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黙々と報告書を読みつつ、匿名殿と名無殿合わせて他の将の説明をきき、優先順位を定めるのにあわせて誰がどの人の記憶をもち、救助をするにしろ何にしろ軍師や将兵に振り分けを提案していく。あとは献策たまに被害の確認及び兵達への労りをする。
「ねー李子ー、もう豊臣においでよ。俺の補佐ようよー」
「賈詡殿が今の保護者筆頭なので賈詡殿に聞いてください」
「無理だな」
「なんでさーー、なんで怪しさ満点の賈詡殿が保護者な訳?」
「賈詡殿が一番落ち着くので」


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「李子さん女の子だよ」
「は?」
「女が郭嘉殿の補佐?」
「李子さん男装してたからなー、水鏡時代からしてたって言ってたから」

「と、聞いたんだが」

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「李子さんなにしてんの?」
「元直無限よしよししてる」


==12/23



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