ネタ帳vol.3

2023ネタ帳108:中華組の話

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「李子さんが女の人の正装してんの初めて見た」
寵沙の言葉にそれもそうと頷く。現代の漢服はよりフェミニンというのか、ふんわりと可愛らしいものが多いのだ。その中でも綺麗めなものを着ているが。さてはて、この中から荀攸殿を探したいところだが時代がごっちゃごちゃである上に人も多いのを見ると無理そうである。こちら側のお祖父様に呼ばれてきたというか、父親も祖父の顔を立てるために渋々参加させている。それは陸治殿もそうであるし、寵沙は私たちに付き添ってきたに近い。
「このような格好は苦手なのですが」
「だろうな」
「いやー、でも、李子さんも陸治さんもやっぱり美男美女なんだよな。周りがきゃあきゃあいうあたり」

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「ご無礼を承知で申し上げますが、このようなものはいかがかと思います」
そう言って彼女の前にたつ。大丈夫ですか?と尋ねれば彼女は頷いたが。どうやらわがまま王子はそのままらしい。兄やら甥やらを見習ってほしいところだ。というより、祖父様がいるということは彼の父親もまた生きているのだ。とめてほしい。
「彼女が何か貴方に無礼を生じましたでしょうか。何なら貴方の我々を品定めするような行いがこのような時代では無礼かと思いますが……」
頭をあげないままそう告げる。周りはそれを聞いて「それもそうだ」と笑ったが。ワナワナしているので水か酒をかけられるだろうなと思ったら実際にかけられた。わがまま王子め、と内心悪態をつきながら顔を上げないでいるし、胡亥!と止める声もする。
「ふん、お前もさぞかし醜女なのであろうな!顔を上げてみよ」
そう言った彼に顔を上げる。彼は息を呑んだ。
「醜女で申し訳ございません。目に毒である我々は貴方の前から去るとします」
立てますか?と彼女に声をかけ、頷いた彼女を連れてそのまま彼から離れたが。そうして少し離れた場所で彼女を椅子に座らせる。怪我はなさそうだ。陸治さんやらがやってきたが。
「怪我はなさそうですね」
「あ、あの、貴方にお怪我は……」
「お気遣いありがとうございます。私は水をかけられただけ。大衆の前で貶された貴方よりは傷つくことはございません」
そう笑いかければ、彼女はでもとか細い声で告げる。陸治さんと寵沙がタオル持ってきたが。
「大丈夫か、李子殿」
「ええ、水をかけられただけです。……お祖父様に迷惑をおかけしたやもしれません」
「あいつ誰?」
「胡亥様でしょう」
そう言えば陸治さんがめちゃくちゃ顔を顰め、いまいちピンときていない寵沙が首を傾げた。
「蒙琳!」
「お知り合いですか?」
「はい、父と叔父です」
「それはよかった。出来るだけ今日は貴方が信頼できる方から離れぬほうが良いでしょう」
そう少し笑みを浮かべながら言えば彼女は刻々とうなずいた。男性二人は彼女を見下ろしてホッと息を吐く。
「よかった、無事か」
「彼女を連れ回してしまいました、申し訳ございません」
「顔を上げてくれ。お主は悪くない。逆に濡れてしまったが大丈夫か?」
「ご心配いただきありがとうございます。これくらいは平気です。逆に貴方達にご迷惑をおかけしたかもしれません」
「気にせんでいい。アレはいつもああだ。今となっては父親の言葉にも耳を貸さぬ。お主のような美人に叱られたらさすがに堪えるであろう」
そう告げた壮年の男性に私はそんなうまくいくものかなとは思う。まぁ祖父様が誰かをつれてきたが。
「李よ、大丈夫か?」
「はい、お祖父様」
と返した瞬間、お祖父様?と周りがピタリと固まった。陸治さんも寵沙も祖父ははじめてだろう。というか男性二人を追いかけてきた人にも孫!?と叫ばれた。壮年の男性二人が祖父を見る。
「お前の孫……?」
「うむ」
頷いた祖父に壮年の男性が私とお祖父様を見比べる。私はとりあえず謝る。
「お祖父様、申し訳ございません。貴方にご迷惑を……」
「おれには一切かからん。アレがお前に執着するやもしれん」
「……弟が申し訳ないことをした。変わって謝罪しよう」
と告げた彼はもしや扶蘇様では。寵沙がわかってなくてキョロキョロしたが、陸治殿は流石にいただけなくなったらしい。
「李子、悪いがこれ以上俺がここにいると流石に親族にキレられる」
「そうですね、タオルをありがとうございました」
「いや、気にすんな。行くぞ寵沙」
「はーい」
二人はそのまま消える。なんだ?と首をかしげた祖父様に口を開く。
「彼は学友ではありますが、項家に連なるものですので。」
「なるほどな」
「……お気にせず、私が好きでやったことでございます」
そう扶蘇様に言えば、彼は「しかし」と眉尻を下げた。
「安心しろ、扶蘇様。コレはあのじゃじゃ馬李嘉の娘よ。並の男より武芸に優れ、父親の影響か並の男よりも頭もキレる。男として世に出してもいいほどだ」
「お祖父様、そのような発言は……」
「っと、すまん、昔の名残だ」
そんな話をしていれば、李子殿、と正装の荀攸殿がきたが。
「攸兄様」
「やはり李子殿でしたか……ご無事ですか?」
「はい」
「知り合いか?」
「はい、お祖父様。こちらは……父とは別の部署で働いてらっしゃる荀攸殿です」
「……荀攸と申します。所属は後漢ではありますが、縁がありお孫さんとは仲良くさせていただいております」
と、礼儀正しく告げた荀攸に、ふむ?とお祖父様はつげる。
「孫、しばらくしたら呼びに向かうから別時代にいていい。あのガキが吠えてきたら適当にいなしておく」
そうひらひら手を振った彼にありがとうございますとだけお礼を告げたが。

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「おや、荀攸殿。ずるいじゃないか。そんな美しい姫君を一人じめするなんて」
是非とも紹介してほしいね、と言ったのは郭嘉さんだ。元気そうです何よりである。覚えているのだろうか,と荀攸さんの後ろから伺っていれば、はた、とあった視線に彼は目を瞬いた。
「もしや、ナマエ、かな?」
そう言った郭嘉さんに、覚えてらっしゃったのですね、と喜ぶ。
「これは驚いた。やはりあの時もこのような服を一度は贈るべきだったかな?あぁ、でも、それはあの頃の貴方の生き方を否定してしまうね」
「このような服は今もあまり好きません。親類に着るように促されたのです……」
「似合っているし勿体無い気はするけれど……でもまぁこれからも着る時は私の前だけにしてほしいかな」
うーん、この人は相変わらずこうらしい、と納得する。相変わらずですね、といえば、人の性分は変わらないよと言われたが。それもそうである。まぁ郭嘉さんは荀攸さんをみた。
「それにしても、荀攸殿とはどこで?」
「この間インターンを整えいるとお話ししたと思いますが、実は彼女がそうです。李子殿の身の上が特殊でしたので、俺の口から紹介するよりもきちんと対面で改めて紹介する方が良いかと思いまして」
荀攸さんの説明に郭嘉さんは私を見下ろす。荀攸殿がそう判断するなら端の方で聞こうと誘導したのだが。

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「ふむ……皮肉なことに飛将軍の血筋ということは間違ってなかったようだね」
そう言った郭嘉さんにそう言えばそんな噂があって否定も肯定もしなかったなと思う。ちなみにかの飛将軍は私の従兄弟あたりにいる。
「しかし、参ったね。君が李章だとバレてしまえば劉邦殿も子嬰殿も手元に置いておきたくなるだろう。ナマエの父上や母上のこともある」
「私としては劉邦殿は曹操様含め皆さん漢なのだから全員俺の部下と言いそうな気はします。父は過保護ですが、母が好きにしなさいと諌めますので……子嬰様はわかりませんが……」
「恋仲だった?」
「まさか。彼は李家の孫あった私を起用した、それだけです。ただ、祖父から私の実父のことはもしかしたら聞かされていたかもしれません。劉邦殿へ私を下げ渡したのは私がまだ子供であったからか、そのことを聞いていたのかはわかりかねます」
そう説明すれば、ふむ、と郭嘉さんと荀攸殿が考えた。
「ならばなおさら先手を打たないといけないかな。曹操殿のところへ行こう」
私はその言葉に固まる。こんな服を着た状態で会いたくないというか……
「では、俺は先に曹操殿へお声掛けを」
「うん、それがいいね。頼むよ、荀攸殿。さて、このような装いだと驚かれてしまうけれど……変えの服がないから仕方ないかな」
ぐ、と肩を落とす。大丈夫だよ、と郭嘉さんに笑われたけども。
「でもまぁ、先程言ったように次からそういう服を着る時はすくなくとも私たちの前だけにしてほしいかな。私の前だけでも良いけれどね」
さて、騒ぎになるだろうからすこしでようか。
そう言った郭嘉さんに頷いて彼に続く。ちなみに警戒をすこしはした方が良いと叱られたが。


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「公達殿、我々に紹介したいというのはこちらの?」
そう告げた荀ケさんに、荀攸さんが頷く。
「はい。時期にインターンなどに来ることとなると思いますが」
「ほう?荀攸の見立てであれば優秀なのだろうな」
曹操様にどう告げたものか,と思っていれば郭嘉さんが口を開いた。
「曹操殿、この子は李子です」
「なっ」
周りが叫ぶ。混乱、混乱、大混乱というところだろう。郭嘉さんに背中を押されて私はれいをする。
「お久しぶりです、といえばよいのでしょうか……幾許か時間がかかりましたが、李ナマエ、ただいま帰りました、曹操様」
そう言って笑えば、彼はふっと笑った。
「お主にしてはおそい帰りであったな、李子よ」
「まて、李子、お前女?」
「はい、話せば長くなるのですが、孤児であった頃山賊に襲われた際に曹操様に助けていただき、恩を返すために勉学に励んでおりました」
「男装して使えといたということ、ですね。無理をされる」
「賈詡殿や郭嘉殿は恐らく気づいていらっしゃったかと思いますが」
視線が賈詡殿にむく。
「推測の範囲だ、李子殿は手をあまりみせなかった。一度見たことがあったが、女の手だ」
まぁそんな中、満寵殿が変わらず、「まぁ李子殿当時からかなり小柄だったもんね」と告げた。
「何言ってるんですか、満寵殿に比べたら当時から皆さん小柄ですよ」
「今でいうシークレットブーツを履いていたから実はもっと低かったよね?」
「何故バラすのです?」
「今なら仕込み銃とかできそうだ」
「まぁ改造したいって言ってましたもんね。あと私を犯罪者にするのはやめてください」
「それにしても、君、若く見えるね、いくつ?」
そう尋ねた満寵殿に、荀ケ殿が満寵殿となんとも言えない顔をした。
「今年18です」
「おや、私より年下じゃないか。君の幼馴染とも離れたね」
ケラケラ笑った彼に私の幼馴染?と首をかしげる。
「幼馴染通り越して腐れ縁さえ感じる陸治殿は同い年ですが」
「孫呉の陸治殿も18か。彼は元気かな?」
「今日は苦労されてますね。彼は私と同じような道を辿っていますが、楚軍なので……字が陸であるだけで項家の方ですし、板挟みでしょう」
「へぇーそうだったんだ。だから時々古い訛りが出たわけだ」
「……李子殿、つかぬことをお伺いしますが徐庶殿とはお会いに?」
「元直ですか?今世ではあってないですね。ああ、もしや先程の満寵殿の幼馴染は元直でしたか?」
「うん、まぁ、その反応で君があってないのは理解したし……彼君を拗らせてるから会わない方がいいよ」
そう告げた満寵殿に、拗らせてる、と繰り返す。周りが頷くあたりマジらしい。
「おっと……では、このようなというか……女性の格好でいくと解釈違いといってきられますかね」
「それはしないけど、粘着はするかもしれないから」
「粘着」
「うん」
何があったんだ元直に。目をパチパチする。郭嘉さんが口を開く。
「ナマエがいないから驚いたようだね。まぁそれは私たちもだけど」
「……申し訳ございません。もしかしたら『辻褄合わせ』はもっと早くに起こり得たのかもしれませんが……前の世で一時仙界にいた影響か、神隠し的な物にどうも会いやすく」
「仙界?」
「はい、皆様にお会いした頃、その記憶は失っていたようなのですが……」
そうワンクッションをおく。
「私の正しい名は章李子。秦の少佐であった章邯の娘にあたります。ご存知の通り、一族のものは皆処断されましたが、母の生家に赴いていた私だけは助かりました。そのまま李章という名で男児として育てられたのです」
「ということは……高祖の話に出てくる李章は」
「はい、私に当たります」
「ということは、高祖が統一した後に仙界に招かれたのかい?」
「ああ、いえ、それはたまたまです。弱っていたところをたまたま、楊戩様に助けられたのです」
困った顔をしてそう告げる。川に身を投げた話などしなくていい話だ。
「高祖の元に帰らなくていいのか?」
「彼は子嬰様より下げ渡された私を大切に扱ってくれましたが下げ渡されたから彼は年場のいかぬ私を使った、純粋で裏切ることをしないが故にそばにおいた、そんなところでしょうか……私は劉邦殿のそばではなく、曹操様や郭嘉殿たちがいり
曹魏にいたいのです」
私の説明に郭嘉さんが私の肩にぽんと手を触れた。
「と,いうことですので、曹操殿、李子の身を我々のもとに置かせても?」
「うむ、それは承諾しよう」
「しかし、高祖がどう思われるか……」
「劉邦殿は、漢に属す人間は皆自分の部下だと言いそうですが、違うのですか?」
そう首を傾げれば荀ケ殿が目を瞬き、満寵殿が「わぁ、ジャイアンみたいな理論」と告げた。彼の気質ならそうだと思うのだが。曹操様がふはっと小さく笑う。
「あの方はあまりワシらと話さんからな。しかし、李子がそういうならばそうなのかもしれぬな」
「まぁ、監視といっても良いとは思いますよ。どうであれ、李子の意思は我らと共にあることですから」


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「李子さーん」
そう言ってパタパタかけてきたのは寵沙である。まぁ,周りを見て固まったが。知り合いか?と尋ねた曹操様に頷いて手招く。
「李子さんごめん,邪魔した?」
「いえ,構いませんよ。曹操様、こちらは寵沙と申します。この世から仙界に迷い込んだ不思議な系列を持つ子供です」
そう紹介すれば寵沙は正しく礼をする。よろしい。そのまま他を紹介してから、どうかしました?と尋ねた。
「陸治さんに李子さん呼んでこいって言われた」
「何かあったの、」
ですか?と聞こうとしたが逃げてくる人がたくさんいたので何かあったのだろう。
「陰兵の気配するって言いにきたんだけど……これやばいな」
「理解しました。陸治さんは前線ですね。寵沙、ものは?」
「ある」
そう言った寵沙は手首のブレスレットをみせる。私がそこにかけられた術を会合する、と、寵沙の姿が変わった。
「ひっさびさ」
「いけます?」
「大丈夫、陸治さんのフォローに入ってくる」

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「なるほど、転移門が開いたのですね……封じたはずなのですが……」
「転移門?」
「かぐやさまの時渡りのような門です。違う世界、違う時……に繋がることがあるようで。私達は一時期行方不明になっていたのですが、どうやらこの門のせいのようです」
「今回の騒ぎ、閉じて終わりというものでもなさそうだ」
「はい,恐らくは……」

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「うっわぁ、あれじゃん、色々あって李子さんに押せ押せ劉備さんがいるじゃん」

category:中華組関連(msu・oa)