ネタ帳vol.3

2023ネタ帳113:トゥモロー ネバー ダイ(君僕主if)

01/14 17:51 


「ナマエちゃんの家族の話しって,そういえば聞いたことない気はする」
「ややこしい」
そう言って進路希望の髪を見つめる。ややこしい?と尋ねた彼女に、私は目頭をほぐした。
「まず、前提として今母親代わりをしてくれてるのは叔母なんだけど、叔母がバツイチだからそこで普通に二人父親ができる」
「う、うん」
「で、実母と実父ももちろんいて、実母も再婚したから父親と父親代わりが四人いることになる」
そう説明すれば、彼女は目を瞬く。私が一人で暮らしているのはその関係もあるのだ。
「まぁそれで仲が仲がいいのであればそれでうまくいくんだろうけど、仲がいいわけじゃないんだ」
「わーー、ややこしい話になるね」
「話し出すととても長くなる」
私の言葉に彼女は椅子を引いて座る。聞く体制が万全なことで。私はため息をついて口を開く。
「あぁ、四人のうち二人がDDなんだが、その二人が私の記憶に繋がる記憶を持ってて」
「昔から親子ってこと?」
「あぁ。昔の私も戦禍のショックで抜け落ちた記憶があったみたいなんだが……まず、父親はユダヤ人だ」
「えっ?第二次世界大戦中だよね?」
「ああ。目の前で連れて行かれた」
「えっ」
「咄嗟に父親と二人で隠れたんだが、犬に見つかって父親だけ連れて行かれた。で、ノルマンディー上陸作戦の砲撃で母親は死に、わたしは養父によって孤児院、から、養父に引き取られたわけなんだが……父親が生きていたらしい」
そう言って肩を竦める。
「シンドラーのリストを知ってるか?」
「有名な?」
「ああ、あれは実話で終盤あたりにアウシュビッツから助け出される120にんがいる。その中に、間一髪で父がいたらしい」
私だって後で聞いたことなのだ。だから当時の記憶にはない。終戦を迎え、イスラエルではなくフランスに帰った彼は私と母親を探した。その間に母親と親しい仲であった青年(多分父親が死んだと思っていた母親を慰めて恋仲に落ちた青年)と出会い、私達を探したようである。まぁ、母親は死んでいることがわかり、実父は私がいた孤児院を探し当てたが引き取られた後だった,ということだ。
「そんなこんな、記憶がある引き取り手の父親を実父は誘拐犯だって言って嫌うし、今もそんな感じ」
「記憶がない人は?」
「母親の旦那同士はそりゃあもう仲が悪い。仕事が忙しすぎて帰ってこない父親に愛想を尽かした母親が、今の旦那と駆け落ちしたんだが多分あそこは泥沼化してる」
「ナマエちゃんは!?」
「だから叔母夫婦に預けられた。あの二人は絶対顔を合わせない。で、叔母の方は叔母の方で元旦那がわたしを理由に浮気したんだが、その実私が来るより前から浮気してたらしいけど、まぁそんな感じで別れて、養父とは仲が悪い」
あちゃあ,と頭を抱えた彼女に私もなんともいえなくなる。
「一周回って養父と実父が仲がいい気がしてきたな……会うとずっとくだらないことで言い合いしてるしな……」
そう言って少し遠い目をする。叔母はいつも仲良いわね!!と笑っているが、まぁそういうことだ。


目が覚めてみれば、よく知ったゲームは消えてなくなり記憶が二重になった。今まで日本で暮らしてきた私と、ジャックに殺された私。その二つの記憶が混ざってしまったのである。医者によれば、時たま事例に上がるらしくDDと呼ばれているらしい。DDは記憶を混同させやすいがためにセラピーを受けなければならず、このサチという少女はわたしと同じくセラピーを受けにやってきていたというわけだ。話してみれば同じ高校同じ学年で仲良くなって,今に至る。
の、だが。
これは参ったことになったと息を吐く。まさか乗っている飛行機がジャックされるとは思わなかった。とりあえず墜落やあの事件のように飛行機はどこかにぶつけられる様子はなく、どこかの要塞のような場所に着陸させられる。パイロットや恐らくファーストクラスにいた数人が要塞へと運び込まれていくのが見える。さて、調べるにしろ先に相手を無力化するべきだろう。現に私の横の通路を歩いて行った男に勇敢な男性が立ち向かおうとし、その男性に銃を向け,たのを、見て私はすかさず背後から武装を解除した上で彼をのした。
なんの騒ぎだ,とやってくるだろう他の仲間もとりあえず出待ちをしてから銃を構える前にしとめる。ちなみに私が仕留めた相手は先程の男性が片っ端から縛ってくれていた。そのまま他のところにいた巡回員もしとめておく。
「何人います?」
「恐らくソイツで最後だ。あとは貨物室に入れておいたよ」
「爆発物は?」
「持っていない。これからどうする?」
「パイロットがいないと飛び立てませんね」
ひょっこりとCAさんをつれた顔を出したサチに首を左右にふる。
「ナマエちゃんセスナ動かせなかった?」
「流石にセスナと旅客機は違いすぎる。パイロットを連れ戻すか、パイロットを探した方が早い。それに相手の軍備がわからない。対空ミサイルなんざ撃たれたら終わる。あるなら無力化しないと離陸は無理だ」
そう言って肩を竦める。
「中に入ってくる」
「待って、ナマエちゃん,流石にソリトンレーダーと無線機くらいならできるかもだからちょっとまって」
「建物の中の設備はわかるか?」
「ハッキングしたらいけるかもだけど、パソコンが足りない」
「君たちはもしや、DD?」
そう尋ねた男性にサチがなんともいえない顔をした。それもそうだ。DDは時に差別をされる存在だからだ。
「そうだといえば?」
「あぁ,そうだね,悪かった、普通は知られたくないことかな。俺もDDなんだ」
そう言った彼にサチは彼を見る。そうしてマジマジとみてから、もしや、と口を開く。
「アキバさん?」
「えっ?……もしかして!君はサチかい!?」
「知り合いか?」
「うん」
そう頷いた彼女に、私は彼を見る。
「ということは」
彼はあの腹痛兵士というわけだ。「アキバ、大丈夫かい?」とひょっこり顔を出したヒョロイ男性と女の子である。サチが目を輝かせて口を開く。
「オタコン!」
「えっ、サチ!?」
そこも知り合いらしい。きゃあきゃあという三人に、女の子はこちらを見たので肩をすくめておく。私はCAさんをみた。彼女を安堵させるように口を開く。
「パイロットや警官、兵士、医者といった方を探していただくことは可能ですか?」
「はい,可能です」
「パイロットは言わずもがな念のために待機していただきましょう。警官、兵士,そういった方に見張りを。ただ銃を持たせてしまうと奪われることも予想されますのでその辺りはうまく……医者や医療関係者は機内の急病人が出てきた時の対処をしてもらってください」
「ええ、わかりました」
「乗客にはアナウンスを。まだ危険は残る状態です彼彼女には外に出ないよう目立った行動はしないように伝えてください。貴方達もこのような状況下で大変ですが、乗客を落ち着かせることを優先してください。誓って出来るだけ外の危険は排除します」
そう説明すれば彼女達は頷く。それに私は笑みを浮かべてもう一度目線をしっかり合わせて大丈夫と伝える。
「貴方も、貴方達も、この機内にいる人も大丈夫です」
私の言葉に彼女は頷いて、他に指示をはじめる。
「ナマエちゃんやっぱり行くの?」
「あぁ、装備は追い剥ぎしたものと現地調達でいく」
「無線とレーダー作るからまって。このメンバーいたら即席でもいいもの作れるから。耳骨を揺らすタイプのイヤホン持って行って」
「どれくらいで作れる?」
「トップスピードでやる」
「そうか」
そう言った彼女にじゃあ私は顔でも洗ってくるかな、と息を吐いた。


拝借した戦闘服に身を包み、鏡を見る。白い花弁がまう。
「大丈夫だ、ボスに言われたことを思い出せ」
そう自分に暗示をかける。
「これは任務だ。『苗字ナマエ(私)』を捨てろ。『ナマエ・クラウディア(彼女)』になれ」
また白い花弁がまう。わたしはわたしの目をみる。
「ーーお前は『嫌悪』だ」
白い花畑の景色が一瞬よぎり、わたしは目を伏せた。手の震えはもうない。平和ボケした私はなりを顰め、私はあの頃の私になったのだ。

==

「1日経っても帰ってこなければ離陸の準備を進めて。そこから半日テイクオフしろ。そこまでには無力化させる」
「ナマエちゃんが帰ってくるまで待つ」
「乗客の安全を脅かす奴より乗客を優先しろ。いいな,出てすぐ撃ち殺される可能性もあるんだ」
そう言って彼女たちを見る。彼女は負けじとこちらをみた。
「私はナマエちゃんを嫌わない。信じてる」
「……下手な約束はしない」
そうため息をはいて、いってくる、と声をかける。他の乗客が心配そうにこちらを見たのでわたしはひらりと手を振りーー飛行機のタイヤ格納庫からーー敵地に降りた。

都合がいい,と思う。何故ならもう一人侵入者がいたからだ。何故侵入しているかわかりっこないが、スニーキングスーツを着ているということは彼は恐らくある意味正式な任務できていることになる。まぁ、私としては彼のおかげでかなり助かっている。私がやったことは彼がやったことになり得るからであるし、現に警備も彼を警戒しているし、パイロットがテロリスト側だとも判明した。だから突っ込まなかったわけだ。だが、仲間がいない旅客機がいつどうなるかはわからない。チャフグレネードを運んだり、相手と繋がりがない副操縦士やファーストクラスにいた人間を救出してみたり、後は対空ミサイルの無力化である,と思えばとんでもないものをみつける。なるほどメタルギア。恐らく彼はこれを無効化するために潜入している。そして話を聞くに彼は捕まって拷問をうけている。さて、どうするか、と息を吐く。まぁ警備はずさんだ。まぁ、助けないとサチとエメリッヒ博士がうるさい。先程から無線が嫌なほど飛んでくる。あまりこれをすると、二人侵入者がいることがバレるからよろしくないのだが。とりあえずEEが録画を流してくれているうちに周りを静かに気絶させる。彼は目を瞬いた。
「撹乱してくれた例だ。拘束を解くまでは手伝ってやるが、それ以上は協力しかねる。潜入者がひとり,の方が都合がいい」
「驚いたな、俺以外に潜入してる人間がいるなんて」
そう告げた彼に肩を竦める。
「お前が探しているだろうものは地下の格納庫にある。私達にはそれが邪魔だ」
「どういうことだ?」
「時間がない。選別だ。ここにタバコと装備を置いてやる。じゃあな」
拘束を外すボタンを押して私はずらかる。まぁタバコに書かれた無線の数値に気づけば通信してくるだろう。とりあえず私はまだやることがあるのでそちらに向かえば合流しないの!?とサチに困惑されたが。
「普通合流する流れじゃない!?」
「彼がオフィシャルで動いているなら、異分子は割り込むべきじゃない。目をつけられても厄介だ」
私の言葉にエメリッヒ博士が口を開く。
「でも、ナマエ、旅客機を飛ばすならメタルギアは無力化しないと」
「彼が勝手にやるんじゃないか?というか、対空ミサイルのプログラムを書き換えてメタルギアに当てれないのか?」
「ネットワークにつながってないと無理よ」
間髪入れずにEEがそう告げる。アキバが思い出したかのように告げる。
「あ、でもまってくれ、確かミサイルのかたによっては遠方からの統制が聞くはず」
「ああ、そういえば……最新のものはそうだね。ナマエ、悪いけど配備されているミサイルの型番を調べてみてくれるかい?」
「わかった」
やれやれしながらそう言って無線をきる。そのまま格納庫に向かっていればまた無線通信が入った。発信元は恐らくサチ達ではないだろう。
「タバコにアドレスとは随分と可愛いことをしてくれるじゃないか」
「気づいてくれなくてもよかったんだが?」
「お前は誰だ?何処の国の指示でいる?」
「そうがっつくな。お行儀が悪いぞ」
「お前のせいでこちらは散々だ」
舌打ちをした彼に私は肩をすくめて告げる。
「そうか、私は助かっている。君のおかげで民間人の人質の救出もうまく行った」
「ーー民間人の人質?」
彼は心底聞いていないというふうに言葉をかえす。
「……聞いていない,ということは君の任務には関係がないことなんだろう。聞かなかったことにしてくれて構わない」
「別チームが動いている?」
「さぁな、知らない。君の上官に聞いてみたらどうだ?」
そう尋ねる。彼はもう一度舌打ちをすると、無線を切る。さて、彼の上官は把握した上で黙っているのか,それとも,と思っていれば彼からもう一度通信が入る。
「別チームは動いてないらしいじゃないか」
彼の言葉に私は眉間に皺をよせる。
「把握もしてない,か……偶々不運にも被った、か。君のシナリオの最後は?」
「何処の誰か教えない奴に教える義理はない」
「そうか、お前も何処の誰か黙ったままだがな。こちらも何処の誰か教えない奴に教える義理はない」
そういえば彼は数秒黙って「スネークだ」と告げる。彼の言葉に一瞬動きを止める。
「CIAにいる」
「……本名は?」
「デイヴィッドだ。年は二十二」
そう名乗った彼にジョンでないのかと目を伏せる。というか、サチとエメリッヒ博士があえというわけである。
「で、お前は?俺は名乗ったぞ」
「そうだな、ディープスロート……いや、プリーズラクとでも名乗っておくか」
揶揄うようにそういえば、馬鹿なことはいうな、という。
「そうだな、私は何処にも属していない」
「そんなわけがあるか」
「そんなわけがある。いいか、スネーク。日本経由フロリダ行きの飛行機、○×便がハイジャックされた」
「ハイジャック?」
「あぁ。パイロットは旅客機をここに連れて行くように脅され、飛行機はここに着陸」
「じゃあ、上陸した時に見えた飛行機は」
「無人じゃない。ただの民間人達が二百人は乗ってる。調べて回るうちにパイロットもこの組織の仲間だと理解はしたが。私は偶々その飛行機に乗り合わせ、出来ることをしてるだけだ」
そういえば,彼は口を開く。
「このシナリオは、俺が脱出した後空爆になっている」
「聞かなかったことにしろ」
すぐに私はそう告げる。何をいってるんだ,とつげた彼にわたしは口を開く。
「最悪、民間人が犠牲になる。お得意の工作でなんとかなるかもしれないが、バレたら国にかなりのバッシングが向かうが、国がお前やお前の所属する隊にその矛先を向けさせる。君たちは名誉ある国の部隊から民間人を虐殺した部隊に早変わりだ。その点、私には帰還報告する相手もいない。私が失敗しても、君が、君達が汚名を被る必要はない」
私の言葉に彼は「顔を見たこともない相手を心配してくれるとはな」と少し笑ったが。
「プリーズラク、一つ言っていないことがある」
「なんだ」
「お前との通信は上官達にも聞かれている」
そう言った彼に私はためいきをつく。通りで確認後のコールバックが早かったのだ。
「お前は一人じゃない。俺たちも乗客の命を背負う」
私はその言葉に息を詰める。昔の私なら突っぱねただろうか。もし,あの時。そう一瞬よぎった考えに私は目を伏せて,それを止める。今考えることじゃない。口を開く。
「……わかった。スネーク、手伝ってほしい。私は民間機を離陸させたい。そのためには対空ミサイルと地下にあるものを無効化させないといけない」
「機内は?」
「私が制圧した。といっても殺してない。縛った上で貨物庫にとじこめて、搭乗していた警官や兵士に見張りをたのんだ。CAに周りを落ち着かせるように頼んである。副操縦士は助けたし、同じ飛行機に乗ったことがある別会社のパイロットは見つけてある」
「後はミサイルだけか……地下にあるものはなんだ?」
「まだ見てない?」
「あぁ、」
「恐らく君の探し物だ。二足で歩く核を持った」
「ーーメタルギア!」
彼はまた言葉を続ける。
「丁度いい。俺の任務もメタルギアの破壊だ」
「対空ミサイルの種類によってはそれの標的をメタルギアにできるかもしれない。スネーク、とりあえず地下格納庫で会おう」
そう言って通信をきる。さて、対空ミサイルの型番を確認してスネークと会わなければならない。息を吐いてまた装備を正す。気を緩めては生き延びれない。この世界は,そんな世界だ。

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型番を確認してから地下格納庫に向かえば、スネークが誰かと戦闘していた。とりあえず私は彼に援護をしてやる。数発援護すればかたをつけた彼に私は周りに敵がいないか確認した後に彼に合流する。
「誰だ?」
「ただの民間人だ」
「その声は……プリーズラグか」
そう言って彼は銃口を下げる。私の上から下までをみた彼は口を開いた。
「思っていたよりかなり若いな……」
「人種的にそう見える」
そう言ってメタルギアを見上げる。見上げるほどのそれだ。日本にあるガンダムをみたがそれに近いものがある。そこに、何かが積み込まれているのがわかる。
「お前は一人で?」
「バックアップはいる。恐らく休暇で日本に来ていた君の知り合いだ」
「……オタコンか」
そこで私はようやく彼を見た。ジョンに似ているが彼に違う。当たり前だ。記憶があるようだが、彼はジョンとは違う人なのだ。だから私は話を続ける。
「元は貴方もいく予定だった?」
「まぁな。この任務が入ってこれだ。まぁ、お前みたいな美人と会えた。それだけが幸運だ」
「さっきまで拷問を受けていた割に元気そうだ」
「お前は?帰国か?」
「いいや、旅行だ」
「フロリダにか」
「あぁ、あそこには非常に魅力的な場所がある。本当なら今頃世界一有名なスーパースターと写真でも撮っていただろうに。まぁこれのせいでとったチケットもホテルもパァだ。……そちらが組みたて直したシナリオは?」
「民間人の乗る旅客機の離陸を優先し、旅客機を近くの米軍基地に着陸させる。戦闘機が援護につく予定だ。そっちは?」
「エメリッヒ博士たちにが対空ミサイルの弾道を逸らすように外からプログラムしてくれている。だが,これに当てない方がいいようだ。上の方に何かある」
そう言ってもう一度見上げる。その瞬間、聞こえた起動音に私はスネークを掴んでメタルギアの足元から移動する。拡声器越しに高笑いが聞こえ、誰かが口を開く。
「スネーク!お前達はそこで死ね!!飛行機も木っ端微塵にしてやる」
そう言ってそれは格納エレベーターがあがる。エレベーターの制御盤を止めるしかない。とりあえず向けられた銃撃を避けながら制御盤にたどり着き、エレベーターのブレーキを操作する。スネークも追ってきて、彼もブレーキをかけるレバーをひいてくれた。これで数分猶予はある。
「サチ、聞こえるか!先に離陸しろ!」
そう言って無線で叫ぶ。「でも!」と言ったのはサチじゃなくてEEだろう。
「でもじゃない。このタイミングしかない!」
「わかった。ナマエちゃん、約束は守ってよ」
そう大人しく告げた彼女に私はめをふせる。白い花が舞う。大丈夫だと念じる。
「あぁ、必ず」
頷いて、私は口を開く。
「私は君達の元に帰る」
まぁそれを死亡フラグというのだが。


==

ーー落ちる、と思った。浮遊感がする。敵に掴まれて、体が空に投げ出される。手を伸ばす。あの頃とは逆だけれど。白い花が舞う。しかし、誰かが身を乗り出して私の手を掴んだ。
「ビッグボス!」
私の手を掴んだ彼をスネークが掴むのが見える。他の隊員が銃を向けたが、私が邪魔で撃てないんだろう。私にしがみつく敵が口を開く。
「お前も!ここで死ぬんだよ!」
私は彼を見る。彼はわたしでなく、私を掴んでいる人をみていた。
「いいか、俺には爆弾がある。アンタが掴んでいれば、この女ともどもこのまま爆破というわけだ」
私は敵の視線をたどり、掴んでいる人をみる。隻眼の男だ。私が最後に見た姿よりも少し若いが。おもいんだろう。彼は眉間に皺を寄せる。
「ーー手を」
そう声をかける。
「君たちが巻き添えになる」
私の言葉に彼は目を見開いた。驚いたように。
「もう一度いう。手を離せ、ジャック」
私は笑みを浮かべる。
「……私は……私はジャックにもう一度会えた,それだけで満足だ。後悔なんてない」
「お前は酷い女だな。またそんな呪いを俺にかけて逝くのか」
彼は真っ直ぐにそう告げる。手の力がつよくなる。彼が銃をたぐりよせ、銃口を私に向けた。
「今度は俺が呪いをかけてやる。俺は……俺は今度こそお前と生きたい。だから、生きろ、ナマエ」
そう言って笑みを向けた彼に私は目を見開く。白い花が舞う。頭の中がクリアになる。ジャックが引き金に指をかけた瞬間、私はずれる。銃弾を喰らった敵が落ちる。私はジャックにそのままヘリ内に引き込まれ「対ショック姿勢!」という言葉と共に抱き込まれーー下の方で爆発がおきたらしい。発光と一緒に爆風でヘリは揺れた。距離が空いていたのか、それともこのヘリがそういう対策をしていたのか、一瞬煽られたがそのまま空を飛んでいる。私を抱えている彼にかける言葉を探す。
「……ジャック」
「……なんだ」
「ありがとう」
そう告げる。彼は私を見下ろした。
「……俺たちにはもう任務(しがらみ)も何もない。当たり前のことをしただけだ」
そう言った彼に私は「そうか」と頷いて、彼にもたれるとそっと目を伏せた。暖かな体温を感じる。
「どうせならはじめましてからはじめてみるか」
「いいや。別に続きからでいい」
「……そう」
お互い黙る。スネークがため息をつき、隊員たちが珍しいものを見るかのようにジャックをみた。


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「ナマエちゃん!!!」
基地につくなり走ってきたサチを抱き止める。よかった!!と半泣きの彼女の頭を撫でる。保護された乗客達がわたしを見て歓声を上げたのが見えた。

category:君僕主if(mgs)