ネタ帳vol.3
2023ネタ帳115:ダイ アナザー デイ2
01/14 17:54
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「ひとつお前に助言しておくとーーその女はとんでもなく身軽だ」
その言葉と共に相手のコックピットにおりる。まぁ、まだ基地内にあるからできることだが。そうして相手の頭にハンドガンーー麻酔銃をつきつけながらミサイル発射するための手を足で思いっきり窓側に足で踏みつけ、停止のレバーを引いた。カウントダウンがとまり、息を吐く。そうして相手を見下ろした。
「降りるぞ」
そう言えば相手は笑う。ケタケタと、壊れた人形のように。僕の夢が、僕の夢がと。
「これさえあれば僕は弱者じゃなくなるはずだった!お前さえいなければ!!お前もD.Dならわかるだろう!!」
噛みついた彼を見つめる。
「僕は僕だ。ずっと!ずっと!彼らもそうだ!彼らは彼らだった!だが、周りはどうだ!?誰もが僕が『僕』の記憶を有した瞬間、僕じゃなくなったという!」
「……」
「これさえあれば、僕らの優位性は証明できた!僕らだけの安息地ができた!!」
「……こんなことをしても、優位性なんて証明できない。逆に貴方はD.Dの危険性を証明してしまった。差別の拍車をかける引き金を貴方達は引いたんだ。貴方達の苦しみを発表したところで、テロリストの言い訳を周りは聞くわけがないだろう」
そう告げる。彼は瞳を揺らす。
「あとは貴方だけだ。貴方の仲間も生きている。貴方達は万人に平等な法のもとで裁かれる」
私はそう言って彼を引っ張り上げる。そのまままだ安全だろう退路で降りてもらった瞬間、またメタルギアが動き出した。私はコックピットに戻る。そのまま機能をみたが、コックピットが停止しているのに動いている。
「なんで」
「おい、どうした!?」
「自爆スイッチが入ったんだ」
そう言った男に、私達は彼を見る。
「自爆スイッチは外部から入力できる」
「誰がーー」
「副操縦士だった男だ!!あと10分たらずでーー」
操縦レバーをひく。動く。そこで、私はまた役割を理解する。
「ナマエ、はやく降りてこい!」
「ジャック、操縦がきく」
そう言って彼を見下ろす。手が震える。花が舞う。私は目を伏せる。まだ、呪文が解けてはいけない。
「私はできるだけ君たちからこれを離す。君たちは逆方向に逃げろ」
「ーー」
彼は目を見開いた。私は彼に笑いかける。精一杯の笑顔を浮かべて。
「さようなら、ジャック。君にまた会えてよかったよ」
そう言って操縦席にすわる。泣くな。大義のための犠牲にまたなるだけだ。それを怖がるな。これは名誉だ。
「馬鹿なことはいうな!!ナマエ!!話を聞け!」
そう言った彼は早くお前は逃げろと背を押した。
「ナマエ!!」
地図を思い浮かべる。海に落とせばいいだけだ。海に落ちればいいはずだ。手が震える。花が舞う。無線がなる。無視をする。手が震える。きっと武者震いだ。
「怖くない」
そう言い聞かせる。計器のガラスに写った私に言い聞かせる。
「私は怖くなんてない」
目を伏せて,もう一度ひらく。花びらが舞う。私はガラスに写った彼女に口を開く。
「貴方と同じ、多数を守る一の犠牲になるだけ。私は怖くなんてない」
ガラスにうつった彼女が口を開く。私と同じように。
「私と同じ、大切な人を守る犠牲になるだけ。幸せは犠牲なしではやってこない。私はその犠牲になるだけ。大丈夫。この世界を嫌え。この世界なんて大嫌いだと。貴方はーー」
「馬鹿なことはやめろ!!!」
そう叫ぶ声に私はつい計器から視線をかえ、声の聞こえた方を見る。下をみおろせば、彼らが車で並走している。
「ジャック、逃げろと言ったはずだ!」
「お前をおいて逃げれるか!」
私はその言葉を何か文句をいおうと言葉を探す。
「いいか!俺は思い出した時に決めたことがある!!あの時、確かにお前と俺は任務上敵対していたがーーあんなもの、どうにでもなった!!」
彼はそう叫ぶ。どうにでもならない。あの任務は変えれない。貴方の結末は変えられない。私があがいたって。あの時の最善はああだった。
「作戦指揮はゼロだった!俺がお前を生かそうと、事実を改竄できたんだ!シギントも、パラメディックも、エヴァも黙ってくれたはずだ!恐らくはオセロットもな!」
「そんなことはできない!私は生きては帰ってはいけなかった!貴方に殺されることが任務だった!」
そう叫び返す。それは否定だ。彼女への。私への。
「人間、書類上は死んだことにできるなんて、お前もよく知っているだろう!それに気づかない俺たちははっきり言って馬鹿だ!」
彼はそう告げる。
「昔、俺はずっとお前に責任転嫁して生きた!お前がいなければと、お前があんなことを言わなければとずっとお前を恨んだ!」
「……」
「でも、違う!!あれは俺は選んだ結末だ!!俺自身がお前を殺すことを選んだ!!他の道なんてないと思い込んだ俺が!」
視界に白い花が舞う。ああ、魔法が解ける。世界を嫌った私がただジャックの隣にいた私に戻る。
「だから、今度会った時は、お前を生かすときめた!!」
彼女から私に思考がかわる。自分を犠牲にすればいいという考えから、頭が回っていく。
「お前が言い逃げした、あの時の返事を聞かせてやる!!」
ジャックはそう言って、私を見上げる。まっすぐに。
「ナマエ、俺もだ!だから、俺と一緒に生きて帰るぞ!」
飛び降りろ!!
そう言った彼に私は操縦桿をみおろした。メタルギアが前に進み続けるために、使っていたベルトで操縦桿を固定した。そうして私はコックピットから足を踏み出し、長い射程を使いーー助走をつけて虚空へと踏み切った。体は落下する。彼はそのままに手を伸ばすと、クッションをつかいうまく二人の衝撃を和らげたらしい。
「前に進み続けるよう操縦桿を固定した。あのまま海におちるはずだ」
「時間がない、山側に進め」
そう言ったジャックに、研究員だった男はヒイヒイ言いながら車を走らせた。メタルギアが遠ざかっていく。そうして、海に落ちたのがみえた。それから離れた倉庫地帯に着いた時、水柱が立つのがみえる。ジャックは無理矢理私と彼を地面に伏せさせる。爆風は水にある程度遮られ、車がガタガタと揺れる程度だ。それをジャックと二人でみて、顔を見合わせる。そうして込み上げた笑いに二人で吹き出した。研究者がなんとも言えない顔で私達を見たが。私は彼を見る。
「貴方に怪我は?」
「お前が踏んだ手以外は無傷だ。俺もお前をキャッチした時に多分肋をやってる」
彼はそう言って葉巻の先をきると、ライターで火をつけた。
「お前の自己犠牲癖はどうにかならないのか?」
葉巻を吸ってから尋ねた彼に私は答える。
「努力はする」
「そうしてくれ」
「……でも、もし、またそうなったら貴方がまた止めてくれる?」
首を傾げて見上げて尋ねる。彼は私を見下ろした。まぁそっぽをむきながら、「仕方ないやつだな」と告げる。私はそれが嬉しくて、ありがとうと言って笑ったのだけども。
「これ完璧僕がお邪魔では」と研究者がぼやいて、私達はそんなことはないと首を左右にふった。
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サチに泣きつかれた。そりゃあもう泣かれた。一生分くらい。私の制圧した映像は、エピソードは飛行機に乗っていた誰かにより拡散される。そこにはプライバシーもなければ匿名性もない。顔も知らない他人からの私の個人名はすぐに割れた。だから、私はしばらく人目につかない隔離されるし、何よりも拷問を受けた時の傷やPTSDに近い症状がでるから病院から出れないが正しい。流石に負荷がかかりすぎた。あとは、保護者の連絡待ちだ。何もない方がよくないと思うのだが。私の年齢を聞いて驚いたジャックは事後処理に追われて忙しいからかあまりこない。と思っていれば、あの状態で私を連れ回してしまったことによる謹慎というか、まぁ人権団体が騒ぎに騒いでいるから彼もまた下手に動けないらしい。
だから,だと思う。一度だけメディアに引っ張り出される。説明の義務があるのだというマスコミの言葉に答えてだ。恐らくマスコミは色んな人の話を聞いてまわっているのだろう。私は英雄か愚か者か。私が行動しなければ全滅の予定だったとは生き残ったテロリストは告げた。でも、何も未成年の子供でなくてもよかったはずだと人権団体は告げた。私は守られるべきなのだと。
「私が守られるべき子供だと貴方はおっしゃいますが、私より年下の子供は守られるべきではありませんか」
「ええ」
「では、なぜ私より年下の子供が銃を持ち戦うのに貴方達は批判しないのですか」
私は尋ねた彼らをみた。
「彼らが発展途上国の子供だからですか。紛争地帯の子供だからですか。私が先進国と呼ばれる国に生まれたからですか。貴方のいうようにどのような子供へも平等に接するならば、私に向ける擁護を彼らに向けるべきです」
「しかし……」
「私は英雄ではありません。あのパニック下で、私は無茶無謀な賭けをしたにすぎません。それは決して褒められることじゃない。褒めるとすれば、私に生きるように告げた人を褒めてください」
「しかし、」
「私の国では、かつて神風特攻隊と呼ばれる人がいました。私と同い年くらいの男性で構成される彼らは、飛行機に乗って飛び立つと帰ってきません。何故なら敵の艦隊めがけて落下し、自爆攻撃をするからです。彼らはそれが誇りでした。国のためになるのだと信じて、家族や大切な人を残して死にました。私が最後浮かんだのはそれでした」
私は淡々と告げる。
「海の中で爆発の威力はおさまることも私はしっていました。だからこのままこのロボットにのって、海に沈めば頭上を飛ぶ飛行機にも、研究室で助けを待つ人達にも被害が出ないと思いました」
「怖くなかったのですか?」
「怖かった。手が震えた。でもかつての彼らと同じように武者震いだと言い聞かせました。何かを成し得るには犠牲はいつもつきもので、多数の命を巻き込み助かることより、私の命だけで済む方法を選びました。何度も計器に映る私をみて、何度も怖くないと大丈夫だと私は自分に言い聞かせました」
「……」
「でも、そんな時に声が聞こえました。貴方達は批判をする彼でした。彼は私に生きるように告げました。一緒に生きて帰るんだと言いました。その時、私の視界は広がりました。私も生きて帰っていいのだとわかりました。だから、彼を批判するのは違います。彼がいなければ私はここにいない。貴方達が私をヒーローというのであれば、彼が私のヒーローです。彼に罪があるというなら、着いて行くと駄々をこねた私にも罪がある」
そう言って私は口を開く。
「私は貴方達のように、事実を見ようとしないで表面だけを騒ぎ立てる人達は嫌いです。批判の矛先を探しては、粗探しをして、特には脚色もして、何も知らない人達の前で知ったフリをして告げる。貴方達の方がよっぽど罪ではないのですか」
真っ直ぐに。
「そもそも元はと言えば、貴方達が知りもしないのにDDを危険だと騒ぎ、恐ろしいのだと差別に加担した。私たちは私達のままなのに。貴方達と同じ人間なのに。好きでそうなったわけじゃないのに。貴方達はもっと私たちを知る必要がある。それと同じく、私達も貴方達に危険ではないと、変わらないんだと教える必要がある。それができていれば、私がこうなることもなく、貴方達が望むような子供の一人のままだった」
この事件が起こらなければ。ただ,それだけの話だ。
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サチがキョロキョロと当たりを伺いながらやってくる。彼女もまたマスコミ対応などがあるためこの病院で保護されているらしい。
「ナマエちゃん、今一人?」
「ああ」
「よし、ゴーゴー」
そう言ってサチは扉をあける。入ってきたのは妹二人である。おねーちゃん!!と抱きついてきた妹二人に、なんでここに!?と問いかける。泣いて話にならない、なで、サチをみた。
「隔離というか、この病棟に忍び込んでて、お姉ちゃんを探してるっていうし、ナマエちゃんとそっくりだったから連れてきちゃった」
「ありがとう、妹なんだ。普段は祖父母と暮らしてたり、両親について暮らしてる」
グスグスなく妹達の背を撫でる。どうして二人がここに?と聞けば、「おねーちゃんが捕まってたから助けに来たの!」と半ギレで言われたが。……。
「爺ちゃんと婆ちゃんには言ってるんだな?」
メソメソしているライクに変わり、アマナが答える。
「言ったよー!アマナとねぇ、ライクねぇでねぇ、お使いできるかな!?って言われた!家の周り、知らない人でいっぱい!カメラもー、パシャパシャ!だから、二人できた!」
「え,国際線で二人できたの?」
「手続き上、5歳以上は一人で乗れるからな……そうか、よく頑張った」
そう言って二人を思いっきりハグする。アマナは喜んだが、ライクが号泣した。それに釣られてアマナも号泣したが。
「お姉ちゃんは、大丈夫だ。今怪我したから入院してるだけで、すぐにげんきになる」
背中をぽんぽんと叩く。グスグスしている二人にこのままかと思っていれば、ナマエ、と、ジャックが現れたが。
「サチをみなかったーー子供?」
「ハイ、ジャックさん、どうかしましたか?」
「デイヴィッドとハル博士が探していた」
「あ,戻ります」
そう言ってサチはそそくさとその場をあとにする。それを見送ってジャックはこちらをみた。
「ナマエの子供……か?」
「なんでそうなる?私が7歳あたりで産んだことになるぞ。妹だ」
「妹?」
「あぁ、どうやらマスコミに囲まれて動けない祖父母に言われて日本からはるばる二人できた」
「……ここは関係者以外は家族でも入れないはずなんだがなぁ」
そうぼやいたジャックにかたをすくめる。
「かくれんぼが得意だからな」
二人でかくれんぼするのはいいが、どちらかが変な場所に隠れるために私に泣きつかれることがたたある。私は二人の背を撫でる。ほら、挨拶、とうながせば、二人はジャックをみた。ジャックは目を瞬く。
「こら、威嚇しない」
「だぁって、お姉ちゃんのー、犯人!」
「違う。助けてくれた人だ」
「ちがーう!絶対ぜったい、ちがーう!助けるのは、王子様みたいな人でしょ!この人はねー、ヒグマ!」
その言葉に私は吹き出す。ヒグマ。ジャックがヒグマ。私はジャックをみる。
「なるほど?確かに……ヒグマだなぁ」
「もりのくまさん!?」
「ちがーう!」
やいのやいのいう二人にジャックは吹き出すと、お前たち、姉妹か、と笑った。
「そうか、そこもそうなるのか」
「……?」
「いや、こちらの話だ。俺はジョンだ。お前たちは?」
「アマナはねー、アマナだよ!こっちはねぇ、ライクねぇ!」
ニコニコしているアマナにライクはベッとしたを出す。こら、としかれば、また私にへばりついたが。
「……多分しばらくはこうだ」
「何か飲み物を買ってこよう」
「ありがとう」
「アマナもいくー!」
そうぴょんと跳ねてジャックの手を取ったアマナをだし舐めようと思ったがジャックが連れて行こうといったので任せることにする。ぽんぽんと背中を撫でればグスグスとまた妹は鼻を鳴らした。
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「アマナは何がいい?」
「んー……よめない!!」
そう言った子供に、ケタケタと笑う。英語は喋れるが、読めないらしい。一つ一つパッケージを吟味する様子は微笑ましい。
ライクとアマナ。ナマエとジョンを合わせたような容姿を持つ二人は、前の世界であれば二人の娘になる。不思議な話であるが、この世界ではそれが兄弟となって生まれることが多々あった。それはジョンの弟にしてもそうだ。そして、ジョンやジョンの弟とは違い、二人は決して長く生きたわけではない。オリジナルであるナマエと同じように若くして命を落としたはずである。
「これ!」
「それは炭酸入りだぞ」
「たんさん?」
「シュワシュワする」
「シュワシュワ」
「こっちがただのオレンジジュースだ」
そう隣に並んだジュースを指し示せば子供はそれを入れ替えた。ジョンはいくらかジュースを選んで買うと,荷物をもったアマナを肩車した。きゃあきゃあと喜ぶこの子供に、幸せが来ることを願いながら。
「ボス、その子は?」
声をかけられてそちらを見れば今は従兄弟となったエイバブがいる。白衣を着た彼は不思議そうにふたりをみる。
「エイバブ、せいが出るな。ナマエの妹のアマナだ」
「アマナ……」
「ライクはナマエにへばりついてる」
そう言えば、彼は目を伏せた。オセロットに知らせないとな、と告げてニヒルに笑ったエイバブに、ジョンはそうだな,と笑った。
エイバブを連れて戻れば,「ふえた!!!」とライクが威嚇し、アマナがアマナも!とナマエに抱きつくのはすぐのことだ。
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「完璧これは親子」
category:君僕主if(mgs)