ネタ帳vol.3

2023ネタ帳117:君僕主の話(ヨルムン話ピースウォーカーの続き)

01/14 17:55 


「ナマエ、早めにここを出たほうがいい」
「どうして?」
「武器商人がいる」

とは、朝にアダムスカに言われたことである。基本的にアダムスカのいうことはあたるのでそれに従うことにはしている。しかしながら、私はその武器商人の顔を知らないわけだ。
「申し訳ないのですが、御相席をお願いしても?」
そう告げた店員に、私は構わないのでええどうぞと言えば十人ほどのパーティーが現れる。アダムスカは離席中だ。真っ白な白人女性がいやー、申し訳ありません、と笑いながら頭を下げるのを見ると彼女がトップだと思うし、周りは軍の経験者っぽい動きである。
「どこもいっぱいで」
「気にしてません。あ、出国手続きしている連れがいるのでこの席は確保しても?」
おやぁ?と内心首を傾げつつ、アダムスカの席を確保しつつ、食事をとる。
「貴方はジャーナリスト?」
「いえ、バックパッカーみたいなものですかね」
旅行者とも言い難いのがなんとも言えないが。バックパッカー?と尋ねた少年に、別の人が最小限の荷物を持って旅する人のことだよ、と答えた。うん、それは正しい。
「武装もしてない……危なくないの?」
「危なくなる前に違う国に行くことが多いかな」
少年の言葉に私はそう答える。アダムスカが来てからは特にそうだ。ちなみにこの時はまだ相席しているのは武器商人だと知らない。知ったのは、私が人質になった時である。視界の端に捉えたアダムスカがなんとも言えない顔をした。恐らくは私が一度似た様な状況になった時にやったからだ。犯人の手元をみる。なるほど分解できるタイプの銃。周りを見ても恐らくこの集団の武装組織だ。アダムスカが手を動かした。警察が待機、話はつけてある、と動かした彼に私はいきをはく。そっと彼の手を持つ。こちらを見た瞬間、柔道の手筈に従い彼を投げた。そのまま彼を盾にしたまま武装組織に銃を撃つ。まぁ武装解除を目的としているので殺しはしないが。止めに盾になっていた相手をぶん殴って気絶させる。後ろにいるのはアダムスカが撃った。倒れた彼らにアダムスカが近づいてくる。
「ナマエ、いつもいつも言うが、行動を起こすな。待ってくれ」
「自分でやった方がはやくない?」
「はやいかもしれないが、君が怪我する。というか、朝に厄介な武器商人に会うと厄介なことしか起こらないから離れると言っただろう。注意した人物に会うな」
その言葉に私はへの字をうかべる。
「顔見せてもらってない。そもそも相席を頼んできたのは店員だ」
「店員もグルだ。動きが怪しかった。だからさっさと出るつもりだったんだが」
やれやれと息を吐いた彼に、警察は?と尋ねる。
「外に待機だ。中から通報したからな」
「なるほど……」
と考えていれば動いた人にアダムスカが容赦なく撃った。
「アダムスカ」
「殺してない。死ぬのは勝手だが」
「……嬢ちゃん、あの動きただのバックパッカーじゃないな」
そう言ったのは武器をとった男性である。アダムスカが口を開く。
「信じられないかもしれないが、彼女はただのバックパッカーだ。経歴を洗ったが本当にただの学生だった経歴しかない。ただ、ピースウォーカーと呼ばれてる」
そう言ったアダムスカに変な顔をする。そう名乗った記憶はない。少年が私を見上げた。
「例の頭がおかしい人か」
その言葉に周りがピシリとかたまる。恐らく彼女達でそう言った話をしたのだ。私はどうであれ笑いながら同意する。
「そうだな、そうかもしれない」
「会えたか?」
「まだだ。でも全く同じ景色のところには行った」
「会えそうか?」
「さぁ?会えるかもしれないし会えないかもしれない。わからないから旅をしてる」
そう答えれば彼はふぅんと言った。
「じゃあこちらからも質問だ」
「何?」
「チョコバー食べる?」
「食べる」

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「アダムスカとはどういう関係なんだ?」
とはヨナの問いかけである。どうして?と首を傾げる。
「ジャックが聞いて欲しいって」
その言葉に思いっきりむせた彼を見る。というか視線が彼に向いた。直接聞けばいいのにね、と言えば「僕もそう思う」と言われた。
「そうだなぁ……私の……旅路に律儀に着いてきてる人」
そう言えば周りがずっこける。ヨナもなんとも言えない顔をした。
「そもそも、彼はスペツナズ出身だろうし、たぶん今情報機関に勤めてるから」
今度は視線がアダムスカにむく。
「スペツナズ?」
「昔、ロシアという国があってそこの特殊部隊。本人に聞いたわけじゃないけど、たぶんそこの人」
「なんで一緒にいるんだ」
「私の邪魔をするわけでもなく、私に危害を加えることもないからですかね。結構そういう人はいて、何か思い思いにみつけてはどこかの国で別れるから、たぶん彼もそのうち別れるよ」
そう言ってサンドイッチをつまむ。と,申しておりますが、とココがアダムスカをみた。
「そうだな、俺の気が済むまで一緒にいる。あと、出身は確かにロシアだが、元の所属はオモンだし、退役した。情報機関は噛んでない」
「まぁ特に私は困る情報はないからそういうことにしてる」

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