ネタ帳vol.3

2023ネタ帳121:君と僕は、(君僕主if)

01/14 17:56 


おしい、と告げた男性に、私の友達の妹二人はがっくしと肩をさげた。かたや、景品(ではないだろう)大きな狐のぬいぐるみ、もう片方は大きな犬のぬいぐるみ。欲しいと告げた二人に、男性がこのゲームをクリアしたら上げるだなんて言ったのである。キツネちゃん、ワンちゃんとしょんぼりした二人に、私はなんと声をかけようかまよう。ちょっとしたフェスティバルも兼ねた、特殊な人材が就職先を探すイベントである。私の友人は通訳に、私は将来の参考にやってきたが二人は完璧にお遊びだ。あの子達のプレイを見ていた周りも散らばっていく中金髪の男性が私を見て口を開く。
「アンタはこの二人の?」
「いえ、友達がボランティアをしてる間ちょっと面倒みてて」
さて、このブースが問題だった。国連の中にあるdmh達が属する組織である。たまに軍事的な行動をも行うその組織は非難される事は多々ある。多々あるのだが、彼彼女らがある種「この世界」の均衡を保っていることはなかなか理解されにくいからだろうとは二重の記憶を持つ私だから思うことだろう。目の前にいる金髪の男性を私は知っている。向こうは認識がないと思うけども。マクドネル・ミラー。またの名をカズヒラ・ミラー。彼らの話,あるいは私の過去にいた人物だ。そんな人に私の友人がバレてしまえば、すごい騒ぎになることは予見できる。だからこそ私は二人のプレーがおわれば、立ち去る気はしていたのだ。しかし、そううまくはいかないもので。こそこそと内緒話をしていた二人は私を見上げる。
「サチねーちゃんはちょっとまってて!マミーつれてくるから!」
「ママならできる!」
「えっ、それはちょっと」
と,止めるが時は遅し。ビューンと二人は走り去る。私はその背を見送り、マスターと呼ばれたカズヒラミラーに頭を下げた。
「ごめんなさい、あの二人、ちょっと鉄砲の球みたいにビュンビュン飛んでいくと言うか」
「それは見たらわかる」
ケラケラと笑った彼の目元だけ笑っていないことだけは言えたけれど。そりゃあそうだ。普通の大人で序盤で終わるゲームをあの二人は(というかお姉ちゃんのライクちゃんが)中盤まで進ませている。恐らくコレは篩にかける何かだ。しばらく談笑という名の探り合いをしていれば、二人に手を引かれてナマエちゃんはやってくる。掲げられたブースに一瞬戸惑いはしたものの、マミー!と声がかかり彼女は二人を見下ろした。
「あのキツネちゃんとねぇ!ワンちゃんとねぇ!ネコちゃんが欲しい!」
「ほしー!」
「おにーさんが、これクリアしたらくれるって!」
「増えてる増えてる」
私はそう言って二人に突っ込む。漫画だったら、ニッシッシ、というふうな効果音がつきそうな感じで、ライクちゃんが笑う。
「一人一つだからねぇ……みっつ!いいでしょ!?」
そう言ったライクちゃんに、話を振られたマスターミラーはああと頷いた。ナマエちゃんが尋ねる。
「しかしこれは展示物では?」
「ぬいぐるみはまぁ本部に帰ればいるんだ。ほら、日本にはゆるキャラがいるだろう?フレンドリーっぽさをアピールするために作ったんだが、余ってる」
マスターの言葉にナマエちゃんは二人を見下ろす。ねぇねぇいいでしょ!とつげた二人はナマエちゃんをゲームができる場所に押した。
「レクチャーはいるか?」
「ええ、もちろん。こう言ったゲームはゲームセンターでたまにしますが、それにしたってよくわからないので」
そう告げた彼女に、別のスタッフが操作を説明する。そうしてライクちゃんと同じく拳銃を二丁手にとった彼女はゲームの方を向いた。

やっぱり酷い騒ぎになる。二人の時でさえそうだったのに。後から人をかき分けてやってきたのはオセロットが若い頃そっくりな人である。彼は一瞬私をみて少し考え、そうしてこの騒ぎは?と尋ねた。私の肩に手を回し,ナマエちゃんが逃亡しないようにしているマスターミラーは視線とアゴでそちらを見せる。
「みてみろ」
「……やけにうまいな。ステージは?」
「俺は越された」
そう言ったマスターミラーにオセロットはまたナマエちゃんをみた。二丁拳銃,と呟いた彼は彼女の横顔を見て目を見開いた。そうして、同じく見ることにしたらしい。
「年は?」
「わからん。まだ聞いてない。わかるのは二人の子持ちってことだけだ」
「子持ち?」
「ぴょこぴょこ跳ねてる二人」
そう言ったマスターミラーにオセロットはライクちゃんとアマナちゃんを見たんだろう。律儀に私の反対から、マスターミラーと同じように私の背中を叩く。
「サチ・ナナシ博士?彼女との関係は?」
いい声で言わないで欲しい。私はヒェッとこえをあげる。
「知り合いか?」
「俺とは関係はないし、関係は知らないが、昔はデイヴィッドと親しいのは確かだな。で?」
そう言ってこちらをみる。うっわ、顔がよろしい。どう答えようかと思っていれば、また違う人がやってきた。デイヴィッドとは確かに似ているが、隻眼である彼は「カズ、アダムスカ」と二人に声をかけた。
「すごい人だかりで驚いた」
「彼女のおかげだな」
マスターミラーの言葉に、彼女?と首を傾げた彼はオセロットの視線をたどりそちらを見た。そうして、目を見開いて口を開く。
「近寄って来ないかと思ったんだが……」
「ええ、私もです。意図的に避けると……しかし、子供が連れてきた様で」
そう言ったオセロットに、子供,と繰り返した彼は目を瞬く。あそこだ、と指差したマスターミラーに彼は相変わらずぴょこぴょこと跳ねて応援する二人を見た。
「まみー、がんば!」
「わんちゃんとー、ねこちゃん、キツネちゃん!ついでにー、へび!!」
「増やすな。そろそろキツイ」
二人の言葉に、ナマエちゃんはそう返す。
「ステージは?」
「私も越された」
「アンタくらいか」
「あのう、もしや、これクリアできない……?」
恐る恐るそう尋ねる。三人はこちらを見下ろした。
「いや、君にわかるようにいうと、双子が騒ぎながらクリアした」
「えっ」
じゃあ二人じゃないと無理なのでは。私が目を瞬いていれば、隻眼の男性がそちらに近づく。そうしてライクちゃんとアマナちゃんの二人の頭をポンと撫でると銃の模型を手に取り、ナマエちゃをが対処できない敵を対処した。ナマエちゃんはチラリと彼を見る。彼もまたナマエちゃんをみる。私とオセロットさんは一瞬緊張したが、交わす言葉は手伝おうとありがとうだけだった。


まぁ、そんなエモいシーンは最初の方だけで、今はやいのやいの騒いでいる。というか口喧嘩している。なんだろう、最初はビッグボスの下手くそ発言からはじまり、ナマエちゃんが彼の撃ち漏らした敵を撃って下手くそはどっちだと言ったというか。そこから英語で言い合いしながら進めている。
「第一な、俺はお前を探していたんだ!お前を探してフランスにもドイツにも行った!」
「おしいな、父親たちはいる。実父がドイツ、養父がフランスだ」
「なんでお前は日本にいるんだ!」
「母親が日本人だから日本にいる。治安もいい。そもそも会いに行かない時点で察して、朴念仁」
ステージの敵が消えたのでナマエちゃんが銃をおろす。
「お前に会ったら聞こうと思っていたことがある。やっときける」
「何?」
「なんであの任務に着いた?」
その言葉に私たちは二人を見る。ビッグボスと呼ばれた彼はナマエちゃんをじっとみた。ナマエちゃんは、国の為、と口を開く。
「ザボスから聞かなかったか?ジョンとザボスが残った方が国のためになると思ったから私が着いた」
恐らく何回も聞いた言葉だったのだろう。彼は眉間に皺をよせた。
「納得できない。国のためを謳うなら三人で残った方が良かった。他に方法があったはずだった」
「……」
「それに、お前は俺に殺されることを理解した上で行っているに聞こえる。まるで,お前の任務は初めから失敗になることがわかっていたように」
「……」
「ナマエ、関わるなと言うのであれば、俺はお前に関わらない。だが、その代わり俺が納得する理由をくれ」
その言葉に彼女は銃口をビッグボスにむける。ビッグボスは逃げない。本物の銃ではないというのに、緊張がはしる。
「貴方が嫌いだったから」
「いいや、違う。最後の言葉はまぎれもなくお前の本心だった」
彼女がそのまま引き金を引けば、隠れていた敵にあたる。クリアと出た画面に、ナマエちゃんは銃口を下げた。彼女は緩やかに笑う。
「……知ってた」
彼女はそう認める。
「知ってた?」
「昔から夢にみる。私がいない世界の夢だ。ずっと夢だと思っていたのに、あの時、急にそれが現実をおびた」
彼女は目を伏せる。夢という誰も信じない未来。そこには根拠も何もない、が、ただ本人だけには未来だとはわかる。私は何度も騒いだけれど、彼女は騒ぐ暇も与えられなかったのは話を聞いていればわかる。
「もっともらしい言い訳をいえば、周りは納得する。人種が違う様に見える私を多くは蔑んだが、私の言葉に周りは私を真の愛国者だと言ってみおくった。でも、そんな理由じゃない。もっと利己的な理由だった」
「俺と決着をつけたかった?」
そう尋ねた彼に彼女は緩やかに首を左右にふった。
「私は、夢のように、大切な人が大切な人を殺すのを見たくなかっただけ」
「……それは、」
「ううん、それも言い訳」
彼女はそう言って目を伏せた。彼女は震える声でつげる。
「ザボスがいれば、ジョンの人生がうまくいくと、貴方達の人生が他とはかわらない幸せなものであると信じてた。夢の様にはならないと思ってた」
彼女の瞳から涙が溢れる。
「貴方がどう生きたかは聞いてる……あんな言葉のせいで貴方の、貴方の人生が拗れてしまったなら、あんな言葉を吐くんじゃなかった」
無理矢理そう告げた彼女に、周りは何も返さない。彼女はただ、大切な人たちの幸せを願っただけだ。誰よりも一途に。
「だから、君には会いに行かないと決めていたのに。うまくいかないものだね」
彼女はそう言ってわらう。静かに様子を伺っていたライクちゃんとアマナちゃんが、マミー、と近寄ってくると眉尻を下げた。
「マミー、泣いてるの?」
「どこかいたい?いじめられた?ライクがやり返してあげちゃう!」
そう言って構えたライクちゃんにナマエちゃんは頭を撫でる。
「ううん、違うよ。ライクはそんなことしなくていい。大丈夫」
「ほんと?」
「本当」
「ねーえー、マミー、アマナ,お腹減っちゃった!」
帰ろ,そう言いながらアマナちゃんはナマエちゃんの手を引く。ライクちゃんもそれに倣って手を引いたかと思えば、微動だにしないビッグボスに向かって舌を出してから合流した。置いていかないでほしい、とおもえば、サチねぇもはやく!と言われたので頭を下げて追いかける。彼らは追ってくることはなかった。

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目の前にいるのはオセロットである。ナナシ博士、ご機嫌麗しゅうとつげた彼はイケメンだ。かっこいい。かっこいいのだが、私は彼がどんな人か知っているから素直に喜べない。少し話をいいかな?だなんて告げた彼に私は精一杯の抵抗として黙って,黙って、そうしてハイと肩をおとした。
もとよりナマエちゃんは恐らく誰かは私のところに来るだろうと言っていたし、喋ってもいいとは言われてはいるのである。けど私の情報多分ないしみたいに笑っていたのだがコレである。お高めなホテルのカフェ、目の前に並べられたケーキに私はオセロットをみた。
「食べていい。お嬢さんに聞きたいことがある」
「ナマエちゃんのこと?」
そう尋ねる。彼は「察しがいいな」と頷いた。
「オセロットさんはビッグボス に頼まれて?」
「それもあるし、彼女に関わる人にも頼まれた。あとは個人的な興味だ」
「個人的な興味?」
私はそう言って尋ねる。彼は頬杖をついた。
「昔、彼女は初恋だった」
「初恋?」
「一緒にいたのはほんの少しだったが。俺がずっと持っていたSAAは彼女がくれたものだ」
「なにそれ、嘘でも美味しい」
私はそう言ってケーキを一つとる。
「昔、アマナちゃんにちょっと甘かったのは、初恋の人と最敬の人の娘だからですか?」
疑問に思っていたのでそう尋ねる。彼はそれもある、と頷いた。私は首をかしげる。
「二人の娘はアマナの前にもう一人いた。俺はその娘の面倒を見ていたんだ。白血病で死んだが」
「ーーライクちゃん?」
「そうだ」
彼はそう言って、「今もヘイティの娘のようだが」と告げる。
「あのあと、こちらはすごい騒ぎだ。まだ日本にいるが、ビッグボスは何かを考えたまままだ動きが悪い」
「予想はできますね」
「君はヘイティから……ナマエさんから何か聞いているだろうか?」
オセロットはそう私をみた。少しだけ、心配そうに。私はそんな雰囲気をぶち壊すべく口を開く。
「オセロットさんが感電に怖がってた話はお酒のつまみに聞いた。たまにナマエちゃん酔っ払うと、オセロットさんとエヴァが可愛いっていう話をめちゃくちゃする時がありますよ」
そう言った私に彼は目を瞬く。
「ナマエちゃんは貴方達が嫌いじゃないですよ。あのときも言った様に、大好きだから貴方達から離れた」
「……君も未来が見えていた、とデイヴィッドからきいた」
オセロットさんはそう言って私を見る。
「私も未来だと最初は思いました。でも、オタコンとデイヴィッドがいいました。私がいないならそれは未来じゃないって」
「……」
「でも,それって積み重ねがあったからなんですよ。私はずーっとデイヴィッドのそばでやいのやいの騒ぎましたからね。こうだー!ああだー!って。で,当たることもある。だから多少の信憑性があった。でも、ナマエちゃんにはそれがなかった」
私はそう言ってコーヒーをみた。
「オセロットさんはナマエちゃんの昔はどこから知ってます?」
「あまり。ノルマンディーで拾われたことくらいか」
「ナマエちゃん、昔ドイツにいて、ユダヤ系のお父さんがいたって聞きました。まだ連行が始まってないころ、ナマエちゃんはたくさんのユダヤの人が連行されていく夢を見た。それを聞いても大人たちは悪い夢だといいきかせた」
砂糖を入れてかき混ぜる。
「ーーしかし、強制連行はおきた」
「次に、お母さんに連れられてフランスに行ったとき、ナマエちゃんは必死に止めたみたい。ノルマンディーは嫌だ、ビーチが血に染まるって。でも、ナマエちゃんのお母さんは夢だと言っていいきかせた」
「ノルマンディーは戦地になった」
「まぁ、ナマエちゃんは拾われる前にその記憶がなくなっちゃったみたいだけど、なんとなくその感覚が残ってたんだと思う。悪い夢だと思った、信じてもらえない、だから、誰にも言えなかった。まぁ、私みたいに騒げば良かったって言ってましたけど」
そう言って甘くなったコーヒーをのむ。彼は目を伏せた。
「あの人は,それでジョンにまつわる何かを見たんだな」
「恐らくは。で、私の記憶の話で答え合わせしてしまった」
私はそう言ってケーキにフォークをいれる。
「……私、泣かせちゃったんです、ナマエちゃんを。私に会うまで、ナマエちゃんは信じてたから。真っ当で幸せな人生を送ったはずだって。でもまぁ、私がみた夢よりはみんな幸せそうだったよ,とは言いましたけど。あのとき、オセロットさんでもいいから抱きしめてあげたら良かったのに」
そう言ってみる。映画なんかの様に抱きしめてあげたらハッピーエンドだったのではなかろうか。
「……ナマエさんには旦那がいるだろう?」
「いないよ?」
「未亡人か?」
「未婚ですよ、ナマエちゃん。21歳だし」
「……二人の娘は?」
「あの二人は妹だよ。ナマエちゃんのお母さんが自由奔放な人で、二人を置いてっちゃったからナマエちゃんがお母さん代わりしてるだけ」
私の発言に彼は目を瞬いた。ジョンとデイヴィッドが兄弟なのと同じか,と目頭をほぐしながらつげた彼に私は目を瞬く。
「えっ、そこも兄弟なんだ!?」
「兄弟だ」
「エヴァさんとオセロットさんは?」
「生憎あの女は無関係だ」
「え、じゃあエヴァさんとビッグボス は?」
「上司と部下だ。あの女は別人と結婚してる」
「オセロットさんと!?」
「そんなわけがないだろう」
めちゃくちゃ早い切り返しである。しかしながら、ほぁ、と私は惚けた顔をしているに違いない。
「ケーキ三つ買って欲しい」
「欲しがりなお嬢さんだ」
「ナマエちゃんの家教えるからかなり安い方だと思うけど」
そう言えば彼は目を瞬いたのだが。

==

「いま、ナマエちゃんも『呼び戻し(コールバック)』がひどいから体調崩してるんですよね」
「コールバック?」
「あれ、アメリカではそう言わないんですね。なんだろう、過去の記憶のフラッシュバック的な」
私はそんな説明をしつつ彼女の家のインターホンをならす。はーい、というアマナちゃんの声がきこえ、今ねー、忙しいよ!!と言われた。どういうこっちゃ。
「アマナちゃん、サチだよー」
そう言えば、アマナちゃんは扉をあけた。私を見上げたアマナちゃんは、サチちゃん!!と口を開く。彼女はそのまま言葉を奥の部屋に投げかける。
「ライクねぇ、サチちゃんきた!あとー、しらないひと!!」
帰ってきたのはロシア語だ。何言ってるかわかんないよう、と告げたアマナちゃんに、私のそばにいたオセロットさんだけが眉間に皺をよせ、中に入った。部屋の中が、荒らされている。
「ヘイティ!」
そう言ってリビングに繋がる扉を開けたオセロットさんに、私も中を伺う。知らない覆面が何人か倒れている。その奥には、猫の様に威嚇したライクちゃんと、倒れてるナマエちゃんである。オセロットさんはロシア語でライクちゃんに何かいうと押しのけてナマエちゃんをみおろした。
「きゅ、救急車!」
「いや、民間の救急車はやめた方がいい。この場合、囲まれていることが多々ある。カーテンを引いたのは正解だ」
オセロットさんは慣れた手つきで彼女の生存を確認する。
「出血量が多い。お嬢さん、悪いがこれでボスに連絡を取ってくれ。オープンボイスにしてくれて構わない」
「わかりました」
そう言って私は彼のスマホで連絡をとる。アマナちゃんを後ろに隠して警戒を続けるライクちゃんに、オセロットさんは口を開く。数言葉彼はロシア語で言葉をかけると、ライクちゃんは警戒を解いた。マミーしんじゃう、と泣いた彼女を宥める。
「ジュニア?どうした」
「ボス、医療班たちの派遣を」
「日本だぞ」
「日本だが奴らだ。ヘイティを狙ったらしい」
「ナマエは!?」
「まだ息があるが危ない。中はヘイティにあらかた伸ばされているが、恐らく外にはまだいる」
「わかった、今から向かう。そこを動くな」
彼はそう言って動き出したらしい。奴ら,ということはなにかしらの組織が動いている。心配してたことがおきた、とぼやいたオセロットさんに私は聴くか迷う。聞いてしまえば最後というやつだ。でも、だ。ここまでしておいて聞かないことはありえない。
「奴ら?」
「聞いたら戻れなくなるぞ」
「わかってます。でも、ここまでしといて知らんぷりはできない」
私の言葉に彼はいいんだな?と尋ねる。私は頷く。
「俺たちの記憶をよく思わない人間がいる。まぁdmhは世界的に危険視される傾向があるが、俺たちのように超技術の軍事力を保持する人間は特にな」
「それを守るために国連は貴方達が属する組織を作った。その力を世界の平和に貢献するために」
「それはお飾りだ。俺たちが平和を脅かす可能性がある。まとめて監視する意味合いの方が大きい。だが,監視された方がマシだ。記憶があるとわかればどこぞの軍事組織に拉致されることもあるし、反dmh組織に殺されることもある」
「じゃあ、今回は」
「恐らく俺たちを敵視している組織の行動だ。だがこの人数だ。ヘイティを拉致しようとしたが彼女が拒んだから殺そうとしたというところか」
そんな話をしていれば、外から人がやられた声がする。そうしてしばらくすれば、ビッグボスと呼ばれた男性が飛び込んできた。
「ナマエは!?」
「ここだ」
バタバタとよく似た男性も入ってくると、よく似た声で出血量が多いとぼやく。
「外に車をつけてる。ジュニアもお嬢さんも乗れ。二人も来るんだ」
そう言って彼女を抱き上げたボスに、わたしは彼女の幼い妹二人の手を握って車にのった。


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