ネタ帳vol.3

2023ネタ帳121:君と僕は、2

01/14 17:57 


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「あのねぇ、マミーに押し入れに隠れてって言われたの。だから、ライクねぇと一緒に押し入れにはいったのよ!でも、アマナ、ずっとライクねぇに目隠しされてたから何があったかはよくわかんない!」
とはアマナちゃんのセリフである。恐らく一部始終を見ていただろうライクちゃんは、ずっと耐えていたんだろう。安全だと理解したのか、病院についた途端に泣き始めーー今は泣き疲れてナマエちゃんのそばで寝ていた。ナマエちゃんは緊急手術の結果一命を取り留め、今は眠っている状態である。だから私たちは唯一起きているアマナちゃんに私たちは聴くことにしたのである。
「でも、ライクねぇが、押し入れからとびだしたの。そうしたら、マミーをみてた人がびっくりして、そのままその人はどこか行っちゃったみたい」
「ライク達がみてたからトドメを刺さなかった?」
そう眉間に皺をよせたジョンさんに、白衣を脱いだエイバブさんが口を開く。
「いいや、ジョン、俺が見る限り、あれはわざと外してる。一見致命傷に見える場所だが、助かる確率がもっとも高い場所だ。で、彼女は向かい合った状態で抵抗もない」
「ナマエちゃんは抵抗しなかったってこと?」
私が呟けば、しなかったのかできなかったのかはわかりかねる、と彼は言葉をかえした。
「彼女が起きるのを待つしかない。が、この病院の立場がわかりかねる」
彼はそう言ってジョンさんを見た。立場、と私は繰り返す。この病院は私もナマエちゃんも通っている病院だ。dmhの患者を広く受け入れている。ーーだから?と私は眉間にしわをよせた。ジョンさんは目を瞑って眉間に皺を寄せる。そうして、わかった,と頷いた。
「ナマエには悪いが、俺たちの基地に連れていく」
「手配します」
そうすぐに対応するのがオセロットさんだ。アマナちゃんは首をかしげていたが、ジョンさんが頭を撫でて彼女に視線をあわせるために屈んだ。
「アマナ、ナマエやライクと共に俺たちと暮らそう」
「ジョンさんがー、アマナとライクねぇのダディになってくれるってコト!?」
一瞬きょとんとしてからのアマナちゃんの発言に、そうだな、とジョンさんは笑いながら頭を撫でる。そうして私を見た。
「君はどうする?出来れば来た方がいい」
「行きます」
「なら、家族に説明をしよう」
ちなみにボランティア兼留学扱いになっていたのは後日知るコトである。


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「違うー!ダディじゃない!この人は!ヒグマ!」
そう言ったのはライクちゃんである。ヒグマ発言に周りは吹き出したが。またか、と呟いたジョンさんに、エイバブさんも変わらないな、と笑った。ヒグマ、とかえしたアマナちゃんは、うーんと悩んだ。
「でもねぇ、アマナ、ヒグマさんがダディでいい気がするの!だあって、アマナの夢に出てくるダディはこんな人だからー、せいかいだとおもう!」
「ライクのダディは違う人!かあっこいいんだから!」
ぷんぷんしているライクちゃんに、エイバブさんがオセロットさんをみた。オセロットさんがちょっと顔を覆ってるが。私はそれを見つつ口を開く。
「夢の中で、ナマエちゃんがお母さんだからマミーって呼んでるの?」
「そうよ!でもねぇ、アマナ、夢の中でね、会ったことない!写真はねー、みた!ダディの机にあったよ!」
「ライクも会ったコトないけど、知ってるもん!会っちゃったらすぐわかったもんね!こっちが本当のマミーだー!って」
「アマナも!」
うーん,この疑いもない眼差しである。ジョンさんが目を瞬いてこちらをみる。
「二人はナマエの実の娘じゃない?」
「年の離れた父親違いの妹だってききましたよ。というか、アマナちゃん9歳でナマエちゃん21だから12歳で産んだことになっちゃいますよ」
そう私が笑いながら言えば「21!?」とジョンさんとオセロット、合流したカズさんが驚いた。多分エイバブさんも目を見開いたあたりびっくりしている。
「21歳ということはJDか!?」
「そうですね」
「JD?」
「女子大生の略だ!いやぁ、通りで……年上のお姉さんもいいが年下もいい!」
カズさんの発言にジョンさんが頭をこづいた、というかわざをかけにいった。前になんやかんやあった割にはこの二人は仲が良さそうだ。
「やはり多少は纏まりはするが色々と出鱈目だな……」
「こればっかりは仕方がない」
「まぁ、よかったじゃないか、ジョン。老人と子供にならな……いでででで」
そんなやりとりを横目に、アマナちゃんにエイバブさんがいくつだ?と尋ねる。アマナちゃんは満面の笑みで4歳!と告げた。可愛い。

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「何も覚えてないんだ」
とは目が覚めたナマエちゃんの返答である。彼女はそう言って困った顔をするのだから、私たちは誰が彼女を撃ったのかわからずじまいだ。あの事件がおきてから、ナマエちゃんはぼうっとどこかを眺めることがふえた。ジョンさんもそれに踏み込まないし、私も踏み込みづらい。過去へのコールバックなのかどうなのかわからなかったからだ。アマナちゃんやライクちゃん、周りへの対応はいつもの彼女である。会ったことがない周りは静かな女性だと彼女に印象を抱いたし、彼女の存在を知る人にはなんとも言えない顔をされていた。
でも,微かに、違和感がしたのだ。まるであの日のデイヴィッドのように。
まぁ、そんなことも彼女の叔母夫婦の登場によりかわるのだが。ライクとアマナ!?と驚いて見せた銀髪の男性に、黒髪をポニーテールにした女性があらほんとねとことばを返す。二人と言えば、オセロットさんとエイバブさんのもとでコロコロとウルフドッグと戯れていたのだが、その声にアンクル!と告げて二人の元に駆け出した。
「あの二人は……HCL社の」
「護衛だな。今日は確かカズと武器の商談があったはずだ」
オセロットさんがそう告げる。きゃいきゃいと騒ぐ二人から視線を外し、HCL社?と首を傾げれば、ああと彼は頷いた。
「兵器を売る会社だな」
二人に手を引かれて二人がやってくる。
「アマナのー、アンクル!」
そう告げたアマナちゃんに、彼は些か眉間に皺をよせた。お久しぶりです、ヘイティと声をかけたオセロットさんに、彼は「本当にね」と告げた。
「なんでこの二人がここに?この子達をまさか無理やり連れてきたのか?」
「それはーー」
「あら、ナマエとジョイとジョンがいるわね」
そばにいた女性がそう告げる。私たちはそちらに視線をむける。かつて、ザボスと呼ばれた女性とナマエちゃん、ジョンさんがいる。
「ーー何かあったのか?」
「そうじゃないかしら」
「彼女、撃たれました」
オセロットさんがさらっと告げる。撃たれた?と眉間に皺をゃせた二人にエイバブさんが口を開く。
「ええ、至近距離で。俺たちが乗り込んだ時には撃たれていました。日本で緊急手術後、こちらで再度手術を」
「誰に?」
「覚えてないらしく」
「そんなはずがない」
ヘイティさんはそう言って、ナマエちゃんを呼び寄せる。ザボスとジョンさんと共に彼女はやってきたが。
「クラウディアさんとサクラコさん?」
「久しぶりね、ナマエ」
「はい、お久しぶりです」
「撃たれたんですって?」
サクラコさんと呼ばれた女性がそう尋ねる。ナマエちゃんはそうみたいです、ととぼける。
「マイガール 、誰に撃たれた?」
「覚えていません」
「嘘をつくな」
「本当です」
「悪い子だな、マイガール 。誰に撃たれた?」
強い口調でそう男性が尋ねる。彼女は首を左右にふった。ザボスが「ナマエ」と彼女に声をかける。
「私達は味方よ」
「本当なんです」
「あの子に撃たれたの?」
サクラコさんはナマエちゃんに向かってそう尋ねる。彼女は目を微かに見開いた。サクラコさんが再度尋ねる。
「あの子に撃たれたのね?」
「……いいえ」
ナマエちゃんがそこで初めて顔を俯かせた。
「母とは記憶が表れてから一度も会っていないので……あの人は私のことに無関心ですから。まぁ,確かに何度か」
何度か銃口は向けられたことはありましたが。
彼女の言葉がふるえる。
「ファーサー」
ライクちゃんがそう言ってみんなを見上げる。ナマエちゃんが目を見開いて彼女を見下ろした。
「あの時、マミー、そういってた。ライク、何語かわかんないけど」
その言葉に、周りにいた人がナマエちゃんをみる。ナマエちゃんはライクちゃんを叱ることができずに、表情を泣きそうに顔を歪ませた。男性がこれでもかと表情を歪めた。
「ゲルンシュタインか」
「ゲルンシュタイン?」
「違う、父さんじゃない。よく似た誰かだ。父さんが、そんなことするわけがない」
「いいや、ゲルンシュタインはするね。いいかい、マイガール 。僕は何度も言ったはずだ。ゲルンシュタインはいつか君を利用すると。ショーンだってそうだ」
「違うあの二人は」
「君を使おうとした。君を勧誘するためにあの子に近づいたんだ」
「違う」
「じゃあどうして普通の日本人の女の子に、銃火器の扱い方を学ばせる?車の運転だけじゃない。君はあの二人に詰め込まれた。駆逐艦、潜水艦、カサッカ、ハリヤー……家族だからドイツ海軍やフランス空軍の基地に招かれたんじゃない」
「違う……」
そう告げたナマエちゃんをザボスが抱きよせる。サクラコさんがそれをみて口を開いた。
「クラウディオ。結論を急ぐのは貴方の悪い癖よ。ゲルンシュタインが至近距離で外すわけがないでしょう」
「……サクラコ,どう言うこと?」
「あの男、変なところにも潔癖がでるのよ」
「潔癖?」
「気持ち悪いくらいに射撃ぐ上手いのよね。どの弾がどんな風に飛ぶか。手振れ。風。全部計算にいれてるから外れない。返り血も嫌いみたいね。一撃で殺すのよね」


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