ネタ帳vol.3
2023ネタ帳12:狼徐庶と李子3
01/14 16:52
大きな狼がいる。私一人くらいなら乗せられそうなサイズだ。目をパチパチと瞬いて、法正殿、と声をかける。彼はおや?と私をみたが。狼もこちらを見て尻尾を振る。か、かわいい……。しかし、警戒されているかがわからないやつである。
「蜀に降る決心ができましたか」
「いえ、今日は同盟の調整でこちらに……それは狼ですか」
「ええ、まぁ」
「近づいたら怒りますかね」
「……大人しいので怒りませんよ」
そう言ったので私は狼に近づく。犬の礼儀に習って手の甲を見せれば、狼は鼻でつんとつついた。か、可愛い……。
「撫でても大丈夫ですかね」
「大丈夫でしょう」
法正殿の言葉に、狼をなでなでする。困った顔をして尻尾がはち切れんばかりにパタパタしている。
「可愛い……ここまで人懐っこく大人しい狼は初めて見ました。蜀で飼われているんですか?」
「いえ?そういうわけではありませんが……しかし、意外でした。動物がお好きなのですね」
「流石に虎や熊は怖いですし、狼の群れは少し困りますが、このような狼ならば好きです。可愛い。良い子ですね」
お手、と試しに言えば、遠慮がちに手を乗せられる。ふむ、賢い。
「気に入ったのならば、面倒を見られますか」
「えっ、しかし、」
「俺が面倒を見るように言われていたのですが、生憎忙しくなりましてね。しばらく預かっていただけると助かるんですがね」
「そうなんですか。それは大変ですね。私の屋敷でよいのであれば面倒をみます。君もいいかな?」
そう狼に尋ねれば、狼は法正殿を見つめたのちにこくんとうなずいたのだが。
「名前はなんです?」
「阿福です」
「福ですか。良い名です」
とりあえず屋敷に着けばドロドロになった狼を温泉に入れて洗い、風の宝玉を使って乾かしてみればもふもふである。可愛いすぎないか。侍女や兵たちもおっかなびっくりだったが、大人しさを理解したのか特に怖がる様子はない。とりあえず外に放置はよろしくないので狼と寝ることにする。嫌だって本当に大人しいのだ。
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「ナマエ、それは……?」
「阿福です。蜀の法正殿が面倒をみている狼だそうなのですが、法正殿がしばらく忙しいそうで私が面倒をみています。とても大人しく良い子です」
そう言って隣に座る阿福を撫でる。へぇ、と阿福をみた郭嘉さんに、阿福は尻尾を下げたが。通りすがりの兵が口を開いた。
「ナマエ様は最近阿福にべったりで、寝る時まで一緒なのですよ」
「……寝る時まで、ねぇ。私はナマエが食べられないか不安だけれど」
「阿福は賢いので人を食べませんよ」
ねぇ、といって頭を撫でる。受け入れる阿福は可愛いのだ。郭嘉殿が目をパチパチと瞬いた。賈詡殿が阿福を見ながら口を開く。
「……ナマエ殿、つかぬことを聞くが、最近徐庶殿をみたか?」
「いいえ?元直はしばらく都合が悪いのだと士元に聞いています」
「……そうだな」
「……ナマエ殿は狼がお好きなのですね」
「大人しい狼は好きですね。ここまで大きな狼なので恐ろしいかと思ったのですが、大人しく……賢いので可愛いです」
「危険では?」
「いいえ、阿福は大人しいので大丈夫です。吠えませんし」
そう言ってにっこり笑えば、荀家がなんかあわあわする。なんだ?と首を傾げた私に、満寵殿がやってきた。
「ナマエ殿、徐庶殿が狼になったってきいた?」
「えっ……」
その言葉に私は固まる。もしかして、と狼を見下ろす。ぺたんと耳を伏せて申し訳なさそうにしている。……。
「えーと……ごめん……」
と、喋る声は完璧元直である。……。…………。
「ちょっと山に籠ります。これは疲労のせいで判断が鈍くなっています。元直には悪いですが、私個人のことについて色々忘れてもらわなければなりません」
「え……」
「女媧殿……張角殿……いえ、あるいは華佗殿に頼んで……」
「おや?その様子じゃばれたのかい?」
「士元!何で言ってくれないんですか!」
「すまないねぇ」
「ふはっ、まさか、あの李子殿今まで気づいていなかったんですか!」
「悪かったですね!間抜けで!法正殿もおっしゃってくださったらよかったではありませんか!」
「……李子殿?」
「何ですか?」
category:中華組関連(msu・oa)