ネタ帳vol.3

2023ネタ帳13:三国史とturb

01/14 16:53 


この学校には国際科のヤバいやつと、普通進学科のヤバい奴がいる。もとより高嶺の花だとか外見甘めなのに硬派な兄貴だとかアイドルだとか世話焼きだとか言われているのだと神学科の情報通がいっていたが、去年の体育祭の時にこの神学科ーー審神者養成科に浸透した。なにしろ、今まで旗取りの手合わせという体育祭の何故かある競技で、 武道の心得がかなりある審神者とやり合ったのだ。いや、それは例年通りである。しかし、結果はそうではない。国際科と普通進学科がうまく連携とり勝ち、神学科の連勝記録を留めたのだ。それがどれほどやばいことかを恐らく彼らは知らない。そんなこんな、他の科とは関わりがないはずの俺たちの科にも彼らの名前は轟くことになったのだが。真名にあたる名前を呼べないため、国際科のヤバい奴らを水蓮の君と炎虎の君、最近増えた陽麒麟、普通進学科のヤバい奴らを雷藤の君、風獅子の君と呼ばれているのである。そんなヤバい奴らが何故か俺たちの通用門を使うようになった。
というのも、それは数日前に遡る。どうやら水蓮の君を大型犬ーーというか恐らく狼ーーが迎えにきたらしく、それを目撃した審神者科の先生曰く人ではないらしい。自分のリードを咥えてちょこんと座る様は遠目から見るにはただのでかい犬っぽくはあるのだが、服を着た狼である。たまに短刀や幼児科などが近づいても困った顔をするだけで好きなようにさせているし。まぁ、水蓮の君が日本語ではない言語で呼び掛ければ尻尾をはち切れんばかりにふり、全力で嬉しそうにしていた。ほんとに犬である。その日から犬だけではなく人もそこにいることが多々ある。そんなこんなで、一緒に帰る三人ないしは五人が俺たちの通用門をつかうようになったのだ。
……ひとつだけ言わせてほしい。転生した俺からしたら、どう見ても水蓮の君は無双魏軍師の李子であるし、炎虎の君は無双呉軍将の陸治、陽麒麟は無双蜀軍だったり他ゲーでは主人公をしている寵沙だ。雷藤の君と風獅子の君はクロニクル主人公であるし。あとは迎えがどう見ても三國勢である。しかし、迎えは人という感覚は確かにしない。どちらかと言うと刀剣たちと同じ感覚がするのだ。ということで、俺たち教師の間でも対応は目下協議中である。もしかしたら国際科は国際科で海外の何かな可能性は否めないからだ。だがクロニクル主人公は是非とも引き入れたいところである。と、職員会議で思っていれば生徒と隣の席の近侍である長義が件の生徒を連れてきたが。あれは恐らくたまっていた書類ーーというか生徒日報などーーでは?
「手伝ってもらってすまないね」
「いえ、お気になさらず。私達もついでですので」
「流石にこの量は二人で運ぶにはつらいでしょうし」
「なー、長義先生、花月先輩、これもこっちでいいのか?」
「ああああ、そっちですありがとうございます」
「いいよいいよ、俺も初めてこっちの校舎きてワクワクしたし!神学科は教員多いって聞いてたけど、本当なんだな!」
あちゃあと隣の席の教員が頭を抱える。隣のやつのクラスのやつらしい。今からあれのチェックとなれば同情はする。近くに座っていた燭台切が口を開く。
「花月くん、毎日提出すればこんなことにはならないんだよ」
「うっ……」
「祖、もっと強く言ってほしいかな。俺が言っても聞く耳を持たない」
「いやー、だってさー、ちょっとくらいなら」
「わかる、わかるぜ、俺もそう」
「お前はそれで俺たちに迷惑が来るんだからやめろ」
そう言って炎虎の君が陽麒麟を絞める。ぐぇっと聞こえたが。
「塵も積もれば山となる、ですね。ご存知かもしれませんが、毎日少しずつでもこなした方が楽ですよ」
水蓮の君の言葉に、がっくしと花月が肩を落とす。隣のやつがもっといってやれ、と告げたが。
「失礼する……ここにいたんですね」
奥からやってきたのは蜻蛉切である。どうやら案内してきたらしい。その後ろには知らない人間が二人いる。感覚からして刀剣ではあるが、見たことがない。蜻蛉切に対し日本語でお礼を告げた彼は水蓮の君をみて少しだけ嬉しそうにした彼は「主公」と彼女を呼んだ。そのあとは中国語の会話だ。意味がわからん。まぁ三人はそのままキョロキョロしているもう一人をみたが。まぁそのもう一人は炎虎の君をみて嬉しそうにした。
「君公!」
そう言って抱きつきかけた男をもう一人が制した炎虎の君は呆然と見た。
「……は??どうなってんだ……?」
「ふむ……色々考えなければなりませんね。私だけでないとなるとやはりあの場所が問題なのかもしれません。話を聞くにも祖父や祖母がいませんし……」
「……どうかしたの?」
そう尋ねた花月に、水蓮の君が首を左右にふった。
「いえ、身内の問題といいますか。家の問題といいますか」
「幽霊とかの問題なら私に任せてくれていいよ!こう見えて霊感強強祓える巫女だかんね!」
花月の言葉に、君は見習いだけどね、と長義が付け加える。
「でもそうだね、一応俺たちはそういうことを教える立場だ。手伝ってもらったし、何か出来ることがあれば手伝うよ」
陽麒麟が、流石神学科だなぁ、と関心した。水蓮の君は少し考える。
「神学科ということは、神降しや結界術などの神術なども扱うということでしょうか?」
「陰陽もやるよ」
「え、なにそれかっこよ。そんなことやるなら神学科入ればよかった」
「おや、ということは貴方には案内通知が届いたのだね」
近くにいた石切丸がのんびり尋ねる。陽麒麟が口を開いた。
「きた。でも、この二人が国際科いるから国際科にいった」
「俺たちも蹴った」
ということは三人とも漏れということになる。花月がええ!?と声を荒げた。見るからに優秀な人材である。政府から出向してる刀剣が今にもため息をつきそうだ。水蓮の君が口を開く。
「そうおっしゃるということはあれは届く方届かない方がいらっしゃるのですね」
「そういうことになるね。こちらの方が学費なども軽く済んだだろうに。どうして国際科に?」
「当時興味があったから。昔からの縁があった」
「同じくですが、今は将来的には向こうの知り合いの元で働く予定を立てていますのでそちらの方が都合が良いのです。しかし……なるほど」
ふむ、と考えた水蓮の君にこちらは首を傾げた。李子さん?と尋ねた陽麒麟に、俺は目を瞬く。は??
「恐らく貴方に言えば解決はすると思うのですが……」
「ひぇっ。ってことは幽霊関係?」
「いいえ、私が祖父から譲り受けた別邸があるのです。少し穢れていたので清めたのですが……そこから私の守り剣が人の姿をとるようになって……」
そう告げた彼女に、周りはざわついた。恐らくそれは普通の屋敷じゃない。花月が口を開く。
「え、ちょっと待って、水蓮ちゃん、本丸譲り受けたってこと!?」
「いえ、別邸は別邸です。本邸は私の従兄弟が引継ぎ、国立大学で神道を学んでいるようです」
それは間違いなく引継ぎエリートコースである。待て。考える。別邸まで持つ審神者は今はもう四人しかいない。というか、そもそも少し前までには五人いて一年前くらいに一人が亡くなったのだ。彼らはそもそも天下五剣のオリジナルを持っていたと言われるし、国外とも調整をしていた役職のはずである。
「何かあるのか?」
「あったようです。そもそも祖父はどこでなんの仕事をしているかわからない方で、本邸には私は入ったことは一度しかございません。父よりあそこには行くなと口酸っぱく言われましたから」
「なんで?爺ちゃんの家だろ?」
「そもそも本邸や別邸に招かれていたのは従兄弟と私、あとは父と父の兄妹だけです。他の従兄弟達は祖父に会ったこともないと……それ以降は必ず別邸でお会いしましたし、必ず父が付き添いましたからね」
「おじいちゃんがヤバい人だったとか?」
「確かに厳しくはありましたが、私は彼が物知りなので好きでしたよ。兵法のさわりなどは彼ですし、彼がこの国で言う日本史や中国史を教えてくださいましたから。しかし、父とはどうも折り合いが悪く……しかし、なるほど、祖父は審神者と呼ばれる職についていたのですね」
「審神者ってあれか。あっちでいう前世持ち」
「いえ、恐らくは同じような仕事でしょうが、そもそもの仕組みが違うと聞いています。そして、私が譲り受けたのはその仕事に使う場所だった、という話なのでしょう」

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