ネタ帳vol.3
2025年ネタ帳4:李子の元に魏軍師逆トリ
08/12 14:13
==・李子ママが李子パパを過去から連れてきてる世界線
神様、これは流石にお茶目すぎませんか。
私が過去に迷い込んでしまったのは、もうすぎた話である。しかし、これはちょっと……。
目の前に倒れているのは、私の記憶の中にある荀攸殿である。グッタリとしてはいるものの、呼吸はある。ただ、手に持っているものが凶器であったり、服装がコスプレになってしまうことは否めない。助かったのは、私が祖父より譲り受けた家の庭にいたという点である。外なら本気で困った。彼を揺すったところで、起きない。仕方ないと、まずは彼の武器を手放させ、重い上着を脱がし、腰の防具を外す。そうしてずいぶん軽くなった彼を家の中に運び、ベッドに寝かせてベッドの脇に彼の荷物を置く。そうして私は読書がてら、彼の様子を伺うことにした。うーーん、家がちょっと中華風だったから譲り受けたが、それでよかった。
しばらくして。ナマエ……?と言いながら目をゆっくり開いた彼に、攸兄様、お目覚めになられましたか、と私は本を閉じて彼をみた。彼は私を認識すると、これでもかと目を見開いて、私の名を呼びハグをする。私はゆっくりと彼の背中に手を回した。そうして、少しの懺悔をこぼしたあと、少し体を離して口を開く。
「郭嘉殿達はいらっしゃらないのですか」
「いいえ」
私も困った顔をする。順番で言えば、荀ケ殿が先にこちらにくるはずなのだが、彼を飛ばして荀攸殿である。
「攸兄様、いくつかお話しすることがあります」
私はそう言って彼の手をとる。首を傾げた彼に、私は伝える為に口を開いた。
色々説明することは多い。まず前提がここがあの時代から遥か未来であること、私はこの時代から彼らのいる時代に幼少のころに迷い込んだこと、私の生き方、赤壁で沈んだと思えば遠呂智の世界でありーー。
「あの時、仙人達の力で我々は正しい時間場所へと戻りました。貴方は赤壁のあたりではなく、元の時代に戻った……全てに筋は通ります。しかし、貴方が我々の時代に来た原因はわかって?」
「いいえ、分かりません。しかし、いくつか前例がありーー一番身近なところでいうと、母がそうです」
「ナマエのお母上が?」
「はい。母は私よりは歳を重ねていたそうなのですが……同じように時を渡ってしまい、父とはその場所で出会ったとききました」
「では、貴方のお父上は俺のように?」
「はい、なので攸兄様が戻るにしろ生活するにしろ、両親と話していただく必要はあるのですが……」
そう言って私は明後日の方を見る。その様子だと何かあるようですね、と告げた。
「攸兄様は長安のあたり……蜀郡などの言葉を喋れましたよね?」
「ええ。一応は任地予定もありましたから……父上は蜀の?」
「いいえ、時代が結構遡ります」
「遡る」
「秦の少府だったそうです」
私はそう言って困った顔をする。秦の……といった彼は少し思案し、えっと声を上げた。
「もしや、雍王の……?」
「はい……母がですね、李嘉という名前なのですが……李信殿に拾われて男装して戦場に出たようで……」
「貴方の行動力は母親似ですか……」
彼はなんとも言えない顔をする。私は首を傾げる。
「我々も貴方をみていつバレるかとハラハラしたものです」
えっ、と私は目を瞬いた。彼は少し笑みを浮かべながら口を開く。
「貴方が子供の頃はわかりにくかったですが……貴方が大人になるに連れ、まぁ我々ほど近しくなければ気づかないでしょう。貴方は俺たちに対して少し無防備でしたからね」
「うっ」
「文若殿は下がらせた方が良いのではと心配していらっしゃいましたが、郭嘉殿がそれは貴女の行き方を否定することになると言っていたので、見守らせていただいてましたが……」
私はがっくしと肩を落とす。そこそこ過保護なわけである。弟だからと思っていたが、そっちらしい。
「徐庶殿は気づいておられませんが」
「あぁー、元直は伯寧殿と同じでその辺りは私は私だからで納得してくれそうな気はします。性別は関係ない」
「満寵殿はそうですが……まぁ、そういうことにしておきましょう」
なんだそれは。私は目を瞬く。
「貴方は赤壁の戦いの後を知らないのでしょうか。未来となれば、結果をご存知かと思うのですが。
「ーーこの時代に残る文献が少なく、貴方や郭嘉殿、荀ケ殿や賈詡殿達の記載は見つかるのですが、私の記載はなく……曹魏の犠牲者が20万から30万だということはわかっているのですが……代理を任されたというのに不甲斐なく……」
目を見開いた彼に私は首を傾げる。
「それは間違いでは。貴方の策のおかげで派手に負けたように見えはしましたが、我々の損害は3万にも満たしていません。しかし、貴方が不在なために国力を高める方へ舵を切った、というわけです」
私は目を瞬く。そうして少し考える。中国語の年表あったかな、とおもったが、タブレットを見せれば済む話だ。とりあえずタブレットを取って、年表をみる。
「不思議な書物ですね」
「慣れてしまえば、楽ですよ」
「……この辺りは俺がまだ生きていますが、ほとんど違いますね。ところどころは同じですが……」
「ううん、この世界の過去ではないということなのか、その辺りの歴史が加筆されるにつれて歪んだのか……たまにあるんです。後にこちらが正しいとなることが」
「まぁ、それくらい時間が離れているとなると情報が残っているのが奇跡な気がしますが……」
荀攸殿の言葉に私は意外と残るようです、と返したが。
「さて……攸兄様が生活するにするには色々と慣れていただいたり、法などを多少理解していただかねばなりません。とりあえず、機械……色々とからくりを説明します」
「はい、よろしくお願いします」
まぁ、一通り今の衛生環境なども踏まえて説明すれば、色々納得されたのと感動された。戻ったら使います?と聞けば、彼は私を見る。
「いえ、戻りません」
「えっ」
「俺は死んだと思うので。とりあえずそのうち他の方も来そうな気がするので、こちらで生活しても?」
そう告げた彼に私は嬉しくなって頷く。
「不謹慎ですが、嬉しいです。寂しかったので」
「……そうですか」
緩やかに笑った彼に私はまたにっこり笑って頷いた。
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母に経緯を伝えれば、父親と一緒に攸兄様の服やらを持ってきた。
「あら、いい男ね!」
「李嘉……すまない、妻が。君は我々の言葉が通じるだろうか」
「はい、心遣いありがとうございます。荀公達……いえ、荀攸と申します」
「章邯という。この子から話は聞いている。世話になったようで……」
「いえ、俺たちが世話をするまでもなく優秀なお子様です。ただ、男装されて生活されていたのは少し……」
「妻に似たかな……」
そう言った父親に、母親がふふんと胸を張った。
「私は将、娘は軍師。私の方が腕は立つわよ」
「君は考えもなく突っ走るだろう」
「軍略は貴方似ですね。いいところどり、と言ったような……」
攸兄様に上手くいうなぁと思う。ありがとう、と父親は困った顔をする。まぁそこからは色々身分証の手配とかだ。
「私は李嘉の夫になったから、身分ができたようなものだけれど、悪いが君は私の親族ということで申請している。私たちのような存在はたまにいるようでね、この国は法も制度もしっかりしているから手続きを踏まないと怪しまれる」
「私たちがちょうどその手続きを担当しているのよ。娘は一人で暮らしているとはいえ、学生なの。貴方も私たちと働いてもらうことになるわ」
「ぎゃくに助かりました。李子殿の世話になり続けるのは兄としていささか……」
「いいえ、攸兄様のお金は嘉兄様の治療代に充てます」
「治療代」
「この時代だと治りますが、制度上たくさんお金がかかります」
「あら、逆の方がいいわね。貴方の稼ぎを嘉兄様の治療代に充てなさい。貴方が診察すればいいんだし」
そう言った母に私は困った顔をする。それはそうなのだが、郭嘉殿ーー嘉兄様の場合、入院が必要なきがするのだ。父親が私を見る。
「嘉兄様……?」
「郭嘉という人です。恐らくみなさん来そうな予感がするので、最終六人くらいですみます」
「男女比は?」
「男女比?皆様兄様達ですが」
私の言葉に父親が眉間の皺をほぐす。攸兄様がなんとも言えない顔をした。
「章邯殿、おっしゃられたい言葉もお気持ちも察します。娘さんは以前からこうです。天に誓って、俺は手出しはしませんしさせません」
「ありがとう、荀攸殿……最初に来たのが貴方のような人でよかった」
私はそのやりとりに首を傾げる。母親は「ふふふ」と笑っているだけであるが。
「一週間休みの申請しておくわ。服とか生活雑貨を見繕わないといけないでしょう?」
「しかし……」
「ナマエの上司から休ませろと言われていてね。働きすぎだそうだ」
そう言った父親に私は目を瞬く。荀攸殿が、ああ,みたいな顔をまたしたが。
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何着ても似合うなこの人。そう思いながら攸兄様をみる。この人髪を整えたらただの整った顔をした荀家なんだよなぁ,とうむうむする。
「どうかされましたか?」
「いえ、何を着られても似合うなと。着心地はどうですか?」
「とても良いです。しかし、事前に章邯殿の説明を色々と聞いておいてよかった」
下着とか色々あるもんな、と思う。あのあと、お風呂の入りかたやらなんやらと私が簡素に教えていたことを父親が色々と説明してくれたのだ。あとは身分証は翌日には来た。
「何着か買って着まわすのが楽ですかね。シンプルなものなら組み合わせも楽でしょう。寝る時の服は別なので……平服のようなものの方が良いですかね?」
「いえ、こだわりません」
この人すぐこういうなぁと思いながら彼を見る。もっとああしたいこうしたいといってくれてもよいのだが、本当に拘りません、と言われで終わる。とりあえず試着したものとスウェットを購入した。ショッピングモールではあるが、平日なので人は落ち着いている。
「満寵殿が来た時、制御できるかが問題ですね。このような場所であれば、あっちに行ったりこっちに行ったり、動く階段を永遠に乗ったりと忙しなさそうです」
その言葉に私はふふと笑う。攸兄様はエスカレーターに乗る時にちょっと緊張する面がある。まぁ顔には出してないが。彼は何を思い出して笑ったのか理解したのだろう。私の頭を軽くこづいた。
「何か食べて帰りますか。馴染みがあるものの方が良いですかね……こちらの人の好みには合わせられていますが……」
「せっかくなので他のものを食べても?」
「では、ハンバーガーでも食べますか?」
「はん……?」
首を傾げた彼に私は見た方がいいですね、と彼の手を引いて移動する。変わりませんね、と彼は告げたが。
美味しかったんだな。そう思いながらちょっと目を輝かせた彼を見る。食べ方に難色を示しはしたが、こうもって食べるのが礼儀なので行儀は悪くありません、と言えば、彼はそれを食べーーいまだ。
「美味ですか?」
「ええ。こちらは?」
「芋を揚げて塩を振ったものです。ちょっと熱い時があります」
そう言えば彼は用心して食べた。
「酒が進みそうです」
「攸兄様はある程度節度を持つとは思いますが、こちらのお酒はかなり酔いやすいので……」
「そうなのですか?」
「はい。父親が少しの酒で酔い潰れたとききました」
「用心しましょう」
ふむ、と考えた彼は、またハンバーガーにかぶりつく。私もそれを眺めてかぶりついた。
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攸兄様が生活に慣れ、仕事にもなれた頃ーーおおよそ一年後である。いやぁ、攸兄様は飲み込みが早かった。パソコンの使い方もスマホの使い方ももうスムーズであるし、電車やバスにも乗れるし、今は車の教習にいったりもしている。まぁ、そろそろ誰か来るのかな?という話をしている頃である。賈詡殿が浮いてた。何を言ってるかわからないかもしれないが、私も半ばパニックである。家の庭の池にぷかぷか浮いて漂っていたのだ。文和殿!?と言いながら真冬の池に飛び込むことになった。
とりあえず池のほとりにあげる。息はしているし大丈夫そうである。まぁ、私が池に飛び込んだのをみて攸兄様が走ってきたが。
「ナマエ!?なにを……賈詡殿!?」
「池に浮いてて……びっくりして……」
「ナマエ、俺が賈詡殿を運び適当に着替えさせときますので、貴方もあったまって来た方がよいです」
「ありがとうございます」
そう言って私はびしょびしょのまま風呂場に行く。元は爺ちゃんの家、結構広い浴場があるのだ。しかも、温泉の。どこから湧いてるかは昔からの謎であるし、基本は小さな浴場で事足りるためそちらに温泉水を溜めて入っているが。
私が温まって戻れば賈詡殿が荀攸殿のスウェットをきて座っていた。彼は私を見て目を見開き、私は攸兄様をみた。
「起きるの早くないですか?」
「鼻をつまみ口を塞ぎました」
「死にますよ……」
「もう死んでます」
それはそうなのだが。そう突っ込み難い言葉を言わないで欲しい。
「賈詡殿、ナマエとの再会は後です。さっさと風呂に入って体を温めますよ。ナマエほどではないですが、貴方のせいで俺も濡れました」
「あっははぁ、荀攸殿は相変わらずだな」
「こちらで色々説明しておきます」
「ではその間に食事の準備をしておきます」
「お願いします」
と、いうことで、私は昼ごはんの準備に取り掛かることにした。
「私が思うに、次はケ兄様で、その次は嘉兄様、最後に伯寧殿だと思います」
昼ごはんを突きながら私はそう告げる。麺料理にしておいて助かった。賈詡殿が私をみた。
「何の順だ?」
「問題児が最後です」
私はそう言ってラーメンを食べる。賈詡殿もそれを見て食べ、攸兄様が眉間に皺をよせた。
「賈詡殿より文若殿が問題児?」
「いえ、ケ兄様は問題児ではないですが、良くも悪くも多くに戸惑われそうなので。ケ兄様に説明する時は色々道筋を考えてから説明していましたし……お二人という存在がいらっしゃる方が良いでしょうし、説明もできる、嘉兄様の牽制もできるので真ん中で来ていただければ助かります」
「あっははぁ、ナマエ殿の評価がわかるな」
「嘉兄様は私が怒っても、そもそも誰が怒っても気にしませんからね。困ったものです。ケ兄様は牽制してくださるので……」
「え、ナマエ、郭嘉殿に怒ったことがあったのですか……?」
意外そうに攸兄様が告げる。私は頷いた。
「ありますよ。夏侯惇殿と何度二人で探したことか。多少なればと嘉兄様の仕事の肩代わりもしていましたが、陳羣殿は私にいちいち小言を言ってきますし……他の官僚の方も本人には言わず私に言ってきますし……」
「ああ……よく捕まってたな」
「それが続きどうも腹が立って嘉兄様がそんなに遊び回るなら私も遊びますと言って、広元や董昭殿のご家族と花や景色を見に行ったり、于禁殿や張遼殿達の訓練を拝見したり、許褚殿に畑を教わってみたり……色々して徹底的に嘉兄様に会わないようにしたら、なぜかケ兄様や嘉兄様に私が怒られました」
私はしょんぼりと肩を落とす。それを見て攸兄様が「あぁ、あの時はそういう……」といい、賈詡殿が笑った。
「あっははぁ!あれは結構応えてたと思うぞ。陳羣殿と荀ケ殿に、郭嘉殿に似てしまったと嘆いてたからな」
「そっちが応えてましたか……」
category:中華組関連(msu・oa)