ネタ帳vol.3
2025年ネタ帳12:刀剣っぽい設定ありのmsu
08/12 14:22
・4才の頃に行方不明になる(歴史修正主義者により誘拐され、三国時代に落とされる→野盗に襲われたところを曹操に助けられる→水門で学び穎川に移りエクセトラしてから郭嘉に連れてこられて曹操に仕官する→32歳で赤壁で沈む→遠呂智世界→解決して仙人の力で死すべき赤壁ではなく、11歳の姿で元の世界に戻る)→鬼籍入りしている他色々な答えが原因で祖父が作った中華風の屋敷で新しい名前をつけられて飛翔剣達と暮らす→祖父が死に叔父の家督争いが起きて乗り込んできた叔父に屋敷を追い出されたところで遠呂智にまた巻き込まれる。ちなみに叔父達もいる→劉備に助けられて蜀にいる・記憶は祖父が封じた為朧げにしかないが知識はある
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劉備が志才という子供を連れてきた。どうやら妖魔に襲われていたところを助けたらしい。身なりからして異界から来た子供であるし、行く場所がないようであったために劉備が連れ帰ってきたのだ。お世話になっているのだから、恩をお返しするため、と進んでよく働く子供であるし、頭もいい。月英の手伝いをしたかとおもえば、龐統や諸葛亮、法正や徐庶、姜維の手伝いをしたりもする。役にたつ子供には違いなかった。将来を期待できるほどには。良い拾い物をしましたね、とは法正の言葉である。しかし、拾ってきた劉備といえば困ったような表情を浮かべる。
「志才の家族は心配していないだろうか」
その問いかけに、志才はあっけらかんと口を開く。
「ご心配にはいたりません。唯一の肉親としていた祖父が逝去し、叔父に家を追い出されてしまいましたから、心配する家族なぞいません」
「家を追い出された?なんかしたのか、お前」
張飛が志才を見下ろして告げる。志才は困った顔をする。
「祖父が建てた別邸に私は住まわせていただいてたのですが、叔父やそれに連なる方が自分のものだと言い出してしまい……」
「それで追い出された?」
「はい。使用人達や扱い慣れた武具も皆とられてしまい……」
劉備様に助けていただけなければ、どうなっていたことか。
そうがっくしと志才は肩を落とす。それは災難である。
「……使用人がいたということは、志才はそれなりの家の出なのでは?」
「わかりません……屋敷から外に出ることは祖父に禁じられていましたので。わかるのは祖父が国の役人をしていたこと、私のことは叔父達にも隠されていたこと、叔父達の折り合いが悪いことくらいです」
「でも、どうして志才は外に出るのを禁じられていたんだい?」
徐庶の問いかけに、志才は考える表情を浮かべた。
「私を追い出した叔父上は、私が妾の子だと騒いでおりましたが……もう1人の叔父上は違うのだと言っていました」
「なんと?」
「まず前提として、私の住む国では国に住む人は皆名前や年住んでいる場所が生まれたその日から死ぬまで記録されていています。恐らく、税を正しく貰い受け、治安組織が正しく機能するためにどこの誰であるのかを把握する必要があるからだとは思うのですが……私にはそれがありません」
「隠されて生まれた?」
「いいえ。制度上の問題にはなりますが、七年間行方がわからなくなった人は鬼籍に入る……つまり、国の制度の上では死人になるという特例があります。私は国の制度上は死人なのです」
そう言って志才は困ったように笑った。
「私はもっと幼い頃、誘拐されたようで……七年間を何処か知らない場所で過ごしていたようなのです」
「なんと……」
「今はもう朧げにしか覚えていませんが、確か、今と同じように違う場所に行き着いてしまって、親切な方に拾われ、兄様としたっていた方たちと暮らしていたような気がします。どうやって戻ったかなどもわかりませんが、お祖父様が私をお見つけになったとは祖父より聞いています。志才というのも、新しく祖父につけていただいた名前です」
「両親はあなたが生きていることを知っているのですか?」
諸葛亮の問いかけに、志才は首を左右に振った。
「両親は私のことを気に病んですでに離縁し、今はそれぞれ別の家族がいると叔父に聞かされました。彼らの中で私が死んでいるなら、会うべきではないと思いますし……私自身が両親のことをよく覚えていないんです。前の名前が何であったかさえ……」
志才はそう言って目を伏せて考える。
「使用人達は私の昔を知っているようなのですが、思い出さなくて良いと言われてしまいました。そんなわけで、私には両親はいませんし、使用人達も叔父に仕えていますし、もう1人の叔父も忙しいと思うので、心配する人はいません」
志才がしゅん、とする。犬であれば耳と尻尾が下がっているところだろう。隣にいた徐庶が頭を撫でた。劉備はそうか、と告げる。
「辛いことを聞いてしまったな」
「いえ、いつかは言わないといけないことですから」
「我らを家族と思ってくれたらいい。そうすれば少しは寂しくなくなるだろう」
劉備の言葉に、志才は目を瞬いてーー、はい、と笑みを浮かべた。法正が志才を見下ろす。
「では、俺からは寂しさを忘れるくらい仕事を任せましょうかね」
そう言って法正は志才の腕に書簡を三つほど乗せる。志才はそれをあたふたと受け取ると、そのまま法正を追いかけた。
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「志才と徐庶殿って仲良いよね」
「そうかな?」
と、言った徐庶のそばでは志才がくうくうと寝息を立てている。それを仲がいいと言わなくてなんというのだろうか。馬岱はそう思いながら、そーよ、と志才の頬をつつく。呑気な寝顔である。
「なんだかほっとけなくてね……それに……」
「それに?」
「どうしてか、少し懐かし口なるんだ」
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成蹊、と呼ばれる男がいる。若い頃の曹操に似た容姿をした男で、将や軍師のような面々を率い寛和という男に仕える男だ。黙っていれば曹家の人間にも間違われそうな男だ。ひょんなことから成蹊の主君である寛和が魏軍と共闘するようになり、屋敷に引き篭もる寛和に代わり指揮を取る男である。
「断る」
はっきりとそう告げた成蹊に、何故?と郭嘉が尋ねた。
「寛和殿は貴方達が支えうる主なのかな?」
その言葉に成蹊は違うな、と淡々と告げた。でしたら何故、と再度荀ケが尋ねた。曹魏が成蹊に持ちかけたのは、あんな主は捨て置いて曹魏と共に行動してはどうか、という話だった。それを成蹊は一刀両断したのである。
「あれは我らの本当の主ではない」
「……どういうことだ?」
「そのままの意味よ。あの男は、我らの主から邸を奪い、我らを奪い……主を邸から追い出したのだ」
成蹊はそう言って目を伏せた。代わりに光杖と呼ばれる青年が口を開く。
「あの場所は主が唯一無二の居場所。我らと暮らす小さな箱庭。我々はあの男を追い出した、屋敷を取り戻さなければいけません。我らは一刻も早く主と合流し、無事を確かめねば……」
「はい。主の無事を確認さえできれば、次の段階として屋敷を制圧し、主を迎え入れます。屋敷奪還の準備は他の者がしています」
貴隼と呼ばれる男がそう告げる。
「成蹊の主はどんなやつなんだ?」
「今は子供だ」
成蹊の答えにその場にいた面々は「子供?」と繰り返す。成蹊はフッと笑って荀攸や荀ケをみた。
「そんなに意外か?」
「えぇ、大人だと思っていたものですから」
「最初は貴殿らといる可能性を考えていたが……恐らく何処かの陣営に保護されてはいるだろう」
「貴方達が主と仰ぐのであれば、それなりの立場の子供のはず。行方知れずとなっているのでは騒ぎになるのでは?」
「いや……我らが主と仰ぐのは我らが主のものだからこそだ。貴殿らからすれば、主はただの一介の役人、その孫娘にしか値はせん。ほとんど価値はなかろう」
「……」
「主の元を動く気などない。俺は主と共にいることで意味を持つ上に、主に降りかかる厄を祓うようにある男に頼まれている。だからこそ俺はあの男を祓い、屋敷を取り返さなければならぬ」
成蹊はそう告げて目を伏せた。忠誠心の高い男である。それゆえに惜しい。麾下の将達の戦力も、だ。
「なら、私たちも探してみよう」
「……感謝する」
「その子供の名前はなんと?」
「今は志才と名乗っているはずです」
光杖の言葉に貴隼は頷く。
「年は12の辺りです。性別が分かりにくい顔をしています」
「分かりるようなわからないような例えだな……」
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「士元さま」
そう言って志才は龐統の顔を覗き込む。お前さんかい、と告げた龐統は志才を見下ろした。
「何をされてるんですか?」
「香を作っていたんだよ」
「士元様のまとわれている香りですね」
そう言って志才は近くに座った。
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「……あなたは、李子様ではないのですか?」
そう不思議そうに首を傾げたかぐやに、志才は同じく首を傾げた。りし、と、繰り返す。どこか懐かしい気はするが、何故かはわからない。
『貴方は思い出さなくとも良いのです』
不意にそう声が聞こえて志才はそちらを見た。桃の花お姉さんだ。桃の花を簪をつけた彼女はこういうふうにーーもしくは夢の中でーーたまに現れて、こうやって志才に言葉を投げかけることがある。
『貴方は志才。それ以外の何者でもない。その名はあなたを指さず、違う人をさす』
その言葉に、志才はかぐやをみた。
「私は志才です。李子ではありません」
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たまに、である。志才は何処か違う場所を見てから返答することがある。何かあるのか、と視線をおえど、そこには何もいない。志才自身が悪い子供ではないがゆえに、くせだろうと思われていることだ。
「志才は偶に、誰もいないところを見てから返答するが、何かあるのか?」
そう尋ねた趙雲に、志才は趙雲を見上げて、うーん、と唸った。
「難しい……」
「何がです?」
「なんだかよくわからないけど、昔から私にしか見えてない女の人がいます」
志才の言葉に趙雲達は目を瞬く。幽霊的な?と繰り返した馬岱に、志才は首を左右にふる。
「幽霊なら使用人達も見えてるんですけど、私にしか見えてなくって……桃の花の簪をつけた人がいて、私にわかんないことを教えてくれます」
「悪い者ではないんだな」
「はい、お姉さんみたいな感じです」
志才はそう言って笑顔で頷いた。
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志才がまた誰もいない場所を見ている。そうして、志才は劉備達を見た。
「劉備さま、こちらです!」
「あぁ、わかった。曹操殿、孫堅殿、今は志才を信じていただきたい」
そう言った劉備に、彼らの麾下が何か言いかけたがーー、すぐに趙雲が飛んできて、志才を抱き上げてその道に進んだためにそのまま彼らに続く。比較的安全な撤退路には違いがなかった。そうして門をくぐりたどり着いた桃園に入り込めば、皆様どうかお下がりください、という声が聞こえる。妖魔達が追ってくる中、どこからかやってきた人物により扉がしまる。
「お姉さんのおかげで、今回も助かりました」
そう告げた志才に、周りの視線はそちらに向く。そこにはやはり誰もいない。志才に声をかけられた人物は振り返って志才をみた。青い服をきている妙齢の女性である。桃の花をあしらった簪をつけている。
「まったく困った子です。劉備殿が危ないと思って子供の見つかりにくさを利用し、飛び込んだのでしょうが……そうするには貴方には智も勇も足りません。すくなくとも、誰かを伴って行くべきです」
「お姉さんが現れてくれるかなって」
「我ながら本当に困った子です。貴方は自分で考える力をもたなければいけません。貴方の周りには、諸葛亮殿や龐統殿、徐庶殿や法正殿と言った優れた軍師や智勇に優れた姜維殿もいらっしゃる。東に門があります。そこから抜ければ先程の近郊の森に出るでしょう」
そう言って女は東をみた。志才も追って東をみる。確かに桃園の先に門があった。
「劉備さま、趙雲さま、みなさま、あちらにいけば先程の場所近くの森に出るようです」
見えない何かと会話が終わった志才がそう言って劉備達を見上げた。
「……何かいるのか?」
「悪いものではないようですが、志才にしか見えておりません。志才、かのものはなんと?」
「頼ってばかりではなく、自分で考えてもっと勉強しなさい!と叱られました。周りにはたくさん凄い人がいると……私一人でも皆様のお役に立てるように頑張って勉強します!」
志才の言葉に趙雲も劉備も頷いた。
「あぁ、期待している」
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満月の夜だ。志才が偶に夜起きることがあるため、徐庶が様子を伺いに行った時である。誰かがいた。見覚えがあるような気がするが、どうも思い出せない。この感覚は戦国の面々と出会った時に近い。どうにかこうにか、記憶を手繰り寄せていれば、口は勝手に言葉を紡ぐ。
「ナマエ……?」
その声に振り返ったのは女性である。よく見ると桃花をあしらった簪をつけている。恐らく志才にしか見えていないという女性だ。込み上げたのは懐かしさと、ようやく見つけたという安堵感である。でも、それに付随する記憶はなかった。
「徐庶殿、私が見えて……そうか、満月で……」
女性はそう言って彼を見上げーー困った顔をする。徐庶がはらはらと涙を流していたからである。
「何故泣いていらっしゃるのですか」
「すまない、」
「何故謝るのです」
「君のことを思い出せないんだ」
徐庶の言葉に、女性は目を少し見開いて、良いのです、と告げた。
「すべてはなかったことになった。仕方のないこと」
泣かないで、と女性は徐庶に手を伸ばす。それを拒むことなく受け入れた徐庶に、女性はまた口を開く。
「だから、どうか、元直、泣かないで」
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「残念であったな、寛和よ」
そう言った成蹊はまっすぐに寛和をみた。意識を失った志才を人質にしている寛和は、眉間に皺を寄せた。
「お前の父は、そうすることを予測済み、その対抗策も講じ済みよ」
その瞬間、成蹊は己が身である剣をなげる。見当違いな場所だ、と嘲笑った寛和であるがーーその背後でフードで顔を隠した誰かがその剣をとった。それを寛和が気づく前に、その誰かは寛和の手から志才を落とさせると抱える。そっと手を上にあげたその人物に、貴隼達の身である剣が浮かび上がり、寛和のスレスレに突き刺さった。ひっ、と腰を抜かした寛和はそのまま後退りするとーー逃げ出していく。それを見送って、誰かはあたりをみた。成蹊達もまたその誰かをみる。
「李子よ、お前にしては遅い参陣だな」
太公望のその言葉に、李子と呼ばれたその人物はフードを下ろした。
「私としては参陣するつもりなどなかったのですが……まさか私も人の身を得るとは……」
そう言って困ったように笑った人物に、一部が眉間に皺を寄せた。貴隼達が、主が二人……?と戸惑った声をあげた。成蹊が声をかける。
「主よ、久方ぶりだな。貴殿が……いや、貴殿であった記憶がその簪に封じられてから、何年か……貴殿をまた見られて、俺は嬉しく思う」
「どう言うことですか?」
「志才であるには私は不要であった、と言うことでしょうか」
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category:中華組関連(msu・oa)