ネタ帳vol.3

2025年ネタ帳19:桃子が李子の妹(現パロ)

08/12 14:31 
「えっ!?」
珍しく李子が驚きと困惑が混ざったような声を上げたため、視線は李子に向いた。誰かと通話しているらしい。ウロウロとしながら日本語で色々と話したものの、通話が途切れたのかスマホを見つめた。そうしてまた掛け直したが、通じずーー「えっ」と戸惑った声を上げたのだ。
「いやいやそんな……え??」
李子はスマホをみつめる。そうして「え!?」と声を上げながら郭嘉達をみた。飲み会とだけあって、みんな酒を飲んでいる。中でも郭嘉は泥酔気味だ。
「ああああ……えっ、ちょっと待ってください、え??」
どうやら本気で戸惑っているらしい。こんな状態の李子は珍しい。周りは完璧に珍しいものをみるように李子を見ている。李子は、どうしよう、と声には出さないもののうろちょろとその辺りを歩き始めた。
「李子殿、どうかされ申したか?」
見かねたらしい徐晃が声をかける。李子はその言葉に、忙しなくて申し訳ありません、と声をかけた。
「不測の事態が起こったといいますか、割と本気でどうするべきかわからないと言いますか。頼りたい兄達が酔ってるのでどうしたものかと……」
困った顔である。確かに軍師であった人達が集まっている場所では曹操達も加わって酔っ払いが出来上がっているのがわかる。
「まぁ俺たちにでも話したら頭の中を整理できるかもしれないぜ」
李典の言葉に李子はそれもそうですと頷いて、于禁の隣に座った。怖いものがないというか、李子は昔からあまり于禁を恐れてはいないのがわかる。騒ぎから李子の方に意識を向けた夏侯惇が李子をみた。
「何の電話だった?」
「えっと……先日、祖父が亡くなり何日かお休みをいただいていたと思うのですが……」
李子の言葉に、そうだった、と他は思い起こす。何日か軍師陣がバタバタとしていた記憶があるからだ。いつも李子や他軍師達が長期休みを取る時はきちんと業務の目処を立ててから行うのではあるが。
「隠し子が発覚しまして」
「隠し子」
「いえ、叔父が隠し子だと騒いでいるだけで、実際は違うのかもしれませんが……私とも歳が離れているのですが……」
「何歳だ?」
「2歳の女の子です。親権が私に回ってきました」
その言葉に、周りは目を瞬いた。李子はまだ年若い。この時代では一般的となった未婚の身である。
「いえ、まわってきたというか、押し付けられたというか……」
「日本に帰るのか?」
「いいえ、好き放題する叔父が空港に置き去りにするから迎えに来いという連絡が今入りました」
李子の言葉に周りは「は!?」と声を上げた。もう一度視線が向く中、そりゃあ李子殿が混乱するわけだよ、と李典が頭をかきながら告げる。
「私は免許がないので、迎えに行けませんし、他の方に頼むのも私が関わりがある方は皆お酒を飲まれてしまってますし……」
「タクシーを呼んでやる。空港は俺たちの近くでいいんだな?」
「あ、そうですね、タクシー、タクシーがありました、夏侯惇殿、私が呼びます」
そう言ってワタワタしているところに、遅れてすいません、と声が追加される。そちらを見れば徐庶である。李子の視線に気づいて、というよりはあたりを見渡して李子を探した徐庶はナマエを見つけて口を開く。
「ナマエ、珍しいね、そっちにいるの」
「元直、いいところに来てくれました」
李子の言葉に徐庶は首を傾げる。手招いた夏侯惇に、徐庶は不思議に思いながらその席に近づいた。
「徐庶、今日は車か?」
「えぇ、仕事があったので……」
「元直、悪いんですが今から空港まで送ってほしいんです、帰りはタクシーで帰りますから」
「帰りもおくるけど、どうかしたのかい?」
「この前話した桃子が、空港に置き去りにされてまして」
「えっ?」
「詳しいことは道すがら話します。皆様、申し訳ございません。夏侯惇殿、曹操様にお伝えください」
「あぁ、伝えておこう」
そう言って李子と徐庶は席を外す。それを見送っていれば、酔っ払いに絡まれることになるのだが。


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「2歳……2歳……保育園的なもの探さないと働けないのでは……」
「水鏡先生に聞いてみるかい?」
「ううーーん、もう引退されてる先生を頼るのは……」
李子はそう言って子供を落とさないように抱え直した。李子を見つけた瞬間にぎゃん泣きした桃子は今はくうくうと寝息を立てている。よく似た姉妹である。徐庶が再開した折の、子供である李子の面影があった。閉じられた瞳は同じ色である。髪色は李子より少し明るいのであるが。
「元直がいてくれて助かりました」
「よかったよ、俺も飲む前で。でも、大丈夫かい?明日は……その、郭嘉殿達は多分二日酔いだろう?」
それはそうだ。李子はなんとも言えない顔をする。明日は休みなのもあって、恐らくは一緒に暮らしている面々は二日酔いで死んでいる。誰かは世話をしないといけないため、だいたいは李子か、一応部屋がある徐庶が世話をしたりはしているのだが。
「俺の実家に泊まるかい?」
「心惹かれる申し出ではありますが、最悪文和殿がいるので大丈夫だと思います」


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