ネタ帳vol.3
2025年ネタ帳22:中華組の遠呂智入り
08/12 14:35
・李子/寵沙/陸治いつもの三人。遠呂智世界に集合したらなんか知らんが立場乗っ取りされたのでまとめて蜀にいる。
・紫鸞
三人と仙と仲良し。乗っ取りがきいてないので、仙といっしょに眺めている。魏にいる。(オリジン主人公なのか転生でそうなったからはわからないが)
・仙
三人と紫鸞と仲良し。仙界補正で乗っ取りがきかないので、紫鸞と騒ぎを「あーー」と思いながら見てる。呉にいる。(転生トリップ者)李子のスチルを回収したい。
・ゆめ
学友とトリップして寵沙と似た位置にたった。乗ってるつもりはないし、五人に教えてもらったりするので普通に仲良し。
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「紫鸞殿、あまりこちらに来るのはよろしくないと思いますが」
そう言って作物片手に彼に告げる。驚いて見せた彼に、汚れた格好で申し訳ございません、と謝れば気にしていないと答えられる。
「書簡を届けたついでだ。……畑仕事を?」
「ええ、手持ち無沙汰よりは良いですし、気分転換にもなりますから」
ふふ、と笑えば彼は楽しそうなら何よりだと返してくれるが。不便はないかなどと気を使ってくれる珍しい人である。私の功績が他人のものとなった今、私はただの市井の民だ。まぁ、魏や呉にいる子が騒いだためどちらかと言うとマイナスのイメージがついてしまっているので、下手したら市井の民以下の可能性もあるが。まぁしかし、それは民には関係ない話で、私がこうして手伝っていても悪いようにはしないのである。助かったよ、と告げた老夫婦に気にしないでくださいと返す。少し分けてもらえた作物をありがたくいただいた。三人分だ。そんなに量はいらないし、彼らの糧でもあるのだから貰いすぎるのはいけない。そのまま紫鸞殿と話していれば、まぁ元直が紫鸞殿目指してやってきてーー私を見つけてめちゃくちゃ眉間に皺を寄せたが。冷たい目だ。私はそれを無視して、もらった作物を紫鸞殿に渡した。いらない疑いを向けられそうだからである。紫鸞殿と話せてよかった、と笑って告げて家に戻るとする。まぁ一応元直には頭を下げはするが、向こうは返さない。嫌われたものだなぁ、と、私は他人事のように思うのだ。
さて、私達は蜀にいる。いや、蜀にいるから私達は助かっている。下手をしたら魏なら私は妓楼行きだった可能性はあるだろう。蜀のゆめ殿に声をかけられたから助かった、というものだ。
「わ、すごいどろだらけじゃない、どうしたの?」
そう声をかけてきた馬岱殿は恐らく見張りである。彼も内心では私達ーーというよりは私をよろしく思ってない。
「少し畑仕事を見学がてら手伝いに」
そういいつつ粗末な服についた泥を落とす。畑仕事?と尋ねた彼に今日いた場所を告げた。途中で士元が通りかかり、精が出るねぇとだけ言っていたが。
「食べていくには何かしらできないといけませんしね」
「あぁー、糧食い虫なこと気にしてる?」
ダイレクトな悪口である。が、事実なのでそうですね、と私は頷く。
「何もできないなら何もできないなりに、何かしないといけませんからね」
私は肩をすくめてそう告げる。
「人生は短いのですから、何か出来ることを探さないと」
そう言えば彼は「何か出来ることねぇ」と考えて、普通に女性が嫌がるような仕事を持ってきたが。うーん、嫌がらせ。どんなことを言ったんだろうか。
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簪を壊される。私はそれを見て、目を見開く。兄様にもらった簪だ。私の、思い出が詰まった簪だ。気づいたら涙が溢れてこぼれいた。泣いても意味がないことだとは理解している。泣き落としだとかそう言ったことを言われるだろう。だから、私は全てを飲み込み、涙を拭って無理やり止めると、壊れた簪を拾った。そうして嫌味も罵倒も無視をして、偉い方々に頭を下げて私はその場を下がった。一人になりたかったのだ。
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李子殿が退出したあとである。彼女が拾って行ったあの簪の残骸は、と、考えて、一連の行為を理解した瞬間、私は彼女のほおを引っ叩いた。殴ろうとした陸治殿を寵沙殿と紫鸞殿がとめている間に、である。周りが驚いたが知らない。私は怒っているのだ。
「なんてことするの!!」
私はそう言って声を張り上げる。彼女はこちらを見上げた。魏軍だけじゃなく、何人かの人が私を止めるために寄ってくる。が、関係なかった。
「李子殿は貴方に何もしてないじゃない!!なんて酷いことするの!!あれは!!李子殿の!!もう会えないお兄さんからもらった簪なのに!!偽物だなんて!!どの口が言ってるの!!」
あの簪は郭嘉殿が李子殿に贈ったものだ。死ぬ前に、最期に。
彼女が赤壁で死ぬ前、私に教えてくれた話だ。李子殿の宝ものなのである。きっと周りは目の前にいる女を擁護する。私が怒っても気にすることはないのだと。それもそれで腹が立つ。
「許さない!李子殿が許したって、私が許さない!」
泣かなかった李子殿に変わって、私が泣きそうだった。
「貴方たち全員、李子殿に近づかないでよ!!!一生!!」
そう私が殴ろうとすれば紫鸞殿が飛んできたが。くそ、男女の力の差腹立つな。
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ーー兄様が、最期に下さった簪。
壊れてしまったそれを見て、はらはらとなみだをながす。自分の代わりだと思ってほしい、と、嘉兄様が告げた、簪。確かに私の心の支えだったそれだ。偽物だと言って壊されたそれを、どうにかしてなおしたかったが、私の手ではどうやら難しそうだ。
「兄様」
そう言ってズルズルとしゃがみ込む。ああだめだな、と、おもう。全部みないふりをして防いでいたのに、これさえあればいいのだと思っていたのに、もう無理だった。足音が手前で止まる。
「……どうした」
「簪……」
はらはらと涙を流しながら顔を上げる。そこにいたのは曹操様である。私が最期にあった時よりも若い姿をした彼は、珍しく私に合わせて屈む。夏侯惇殿と夏侯淵殿が止めようとしたが、彼は制して私を見下ろしていた。彼が何か言う前に、劉備様がやってきたようであるが。
「曹操殿、李子はーー李子!」
そう言って駆け寄ってきた彼はまさに仁君であろう。曹操様は私に言葉をかける。
「簪がどうした」
「……兄様にもらった簪だったのに……」
声が震える。
「兄様が死ぬ前に、私に贈ってくださったものだったのに」
また視界が涙で滲む。彼らは息を詰めた。
「兄様だと思えば良いと、そばにいれなくなる兄様のかわりにそばにおいてほしいと、言われたものだったのに……壊れて……なおせなくて……」
あぁ、だめだ、子供のように泣いてしまう。めぇめぇと、子供のように。曹操様が、そっと、涙を拭うのをみて、私は口を開く。
「申し訳ございません」
「……何故お主が謝る」
「見苦しいところを、みなさまに、おみせしている、自覚があるので……」
笑え。泣くな。すくなくとも、軍師だったはずだろう。無理やりにでも。笑え。笑える。そう念じて、目を伏せる。今流れた涙で最後。私は自分で涙を拭うと、目を開いて彼らを見上げた。
「……、……ものは……いつか壊れるもの。また兄様に会えた折にでも、謝っておきます」
そう言って劉備様をみる。
「劉備様、申し訳ございません。せっかくおよびくださったのに……私は先に帰り休みます」
「李子、送ろう、一人では」
「いいえ、劉備様。なりません。私は貴方達が知るように多くの方に怪しまれているのです。私を気にかけたこと、二人になったことを知れば、多くの方が貴方を心配なさります……私は大丈夫です。曹操様、貴方様達も、お戻りください」
「しかし……」
「劉備様、立場をお考えください。貴方は将を率いる立場でありーー罪人に近い扱いをうける人を近づけてはなりません」
そう言って首を左右に振る。まぁ、「李子殿、無事か」と紫鸞殿がやってきて、周りとの間に割り込んでくれたが。
「紫鸞……」
「……紫鸞、ちょうどいい。送っていけ」
曹操様の言葉に、紫鸞殿は頷くと、私の手を引いた。
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李子さんがとてもとてもしゅんとしている。この人、言動からそうは感じないだけで、普通に儚い属性なんだよな、と思う。ふらっと消えちゃいそうな感じ、と言えばいいのか。髪を纏めるものがないからか、髪を軽く結うだけの彼女は、ゆめ殿がいう未亡人という言葉がよく似合う。
「おやまぁ、李子、簪をつけてないと誰かわからなかったよ」
そう言った龐統殿に、紫鸞さんが龐統殿の口を塞ぎに行った。まぁ、龐統殿が首を傾げるだけだが。
「龐統殿……ああ、いえ、簪は壊れてしまって……」
「それは……」
龐統殿が目を少し見開く。そうして傘をさげた。
「それは、災難だったねぇ。大切にしていたのに」
「……」
「……気紛れに街にでも行くかい?」
「しかし……」
「李子殿、行ってこい。うじうじしてもそうなった物は戻らない」
陸治さんの言葉に李子さんは頷くとひとこと謝って、龐統殿に連れられて外に出た。
「あっしだけで怖いなら、ゆめ殿か紫鸞に声をかけようかね。ちょいと待っておいてくれ」
怖い?と俺が首を傾げてはみたが、李子殿の手を見れば微かに震えているのがみえた。
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「元直、後で後悔しそうなことをするもんじゃないよ」
と、いったのは龐統さんである。当の徐庶さんはその言葉を聞いて李子さんから龐統さんに視線をむけた。庇うように李子さんの前にたった紫鸞殿ーー曹操様にしばらくそばにいるように、と告げられたらしいーーが少しだけ目を見開いて龐統殿をみた。
「元直、李子殿が怖がってるよ。それ以上すれば、それこそ元に戻れなくなる」
「士元、何言って……」
「……元直、あの子が来るよ。こんなところで李子殿にかまけてないで、準備をしたらどうだい?」
「あの子だなんて、よそよそしいな……士元、やっぱり……」
「あっしはかかってないよ。ほら、行った行った」
そう言って龐統さんが徐庶さんをあしらう。徐庶さんはなんとも言えない顔をしてそのまま立ち去った。それをみて龐統さんは李子さんをみる。
「李子殿、元直は行ったよ。怖かったかい?」
「……いえ、大丈夫です」
「街に出たら気分がよくなるかと思ったけれど……李子殿の心には良くないね。今度は釣りでもするかい?」
「……今からでも良い。魚は捌く」
そう言って紫鸞殿が手刀をみせる。李子さんはそれをみて、目を瞬くと、ふふ、と笑う。
「紫鸞殿はお腹を空かせてらっしゃるのですか」
「ああ、すいた」
「そうかい、なら隠れた飯屋にでも寄ろうかね」
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荀攸殿が仙殿の発言を受けてかなり凹んでいる。まじでショックをうけているらしい。仲良いのかアイツら、と紫鸞にいえば、荀攸を助けたのが仙だ、と答えた。つまりは、荀攸殿はあの仙を好いてると、と尋ねれば紫鸞は頷いた。ちなみにこの前の処遇に仙殿はマジギレしており、大体に対して怒っている。荀攸殿に対してもだ。まぁ、仙殿は俺と同じく李子殿の簪がどんなものか聞いていたから怒っているのだろうが。
李子殿といえば、随分と落ち着いてきたのか、対龐統殿がほとんどではあるが笑ったりすることが増えてきた。紫鸞が持ってきた曹操殿の詫びの簪と、龐統殿が買った簪をつけーー今は職でもなく水鏡庵に引っ込んでいる。俺は有事の際には駆り出すつもりではあるが、今はその方が李子殿も落ち着くだろう。あとは。
「そもそも、龐統殿は李子殿の記憶があるのか?」
「徐庶殿との会話を聞いた分には恐らくありそうだった」
だから心配しているらしい。
「……まぁそれでもこの状況ならうまく動けないわな」
そう言って俺は周りを見る。同じ女だからか、魏で李子殿に成り代わったつもりの御仁は酷く李子殿を敵視している。その結果、李子殿は疎まれている。周りに李子殿の悪評を根回ししたのはアイツだろう。呉にいる俺の成り代わりも、蜀にいる寵沙の成り代わりも、そこまでではない。いや、呉のやつと魏にいるやつは結託してる感はあるからわからないが。紫鸞が微妙な顔をした。
「曹操殿が李子殿を妾にすると言い出した。蜀と同盟を結ぶために」
「和平するにはあまりに安い代償だな。蜀は喜んで差し出すだろ」
「劉備殿が困っていた」
「あの人はお人よしだからな」
俺はそう言って頬杖をつく。紫鸞は喧騒を見ながら口を開いた。
「徐庶殿がきっとまた落ち込むな」
「面倒くさい男だな、あいつ。まぁ、顔がいいからそうなってるんだろうが」
ちなみに李子殿はこの数週間後、実際に曹操の嫁にされるし、曹操の屋敷に半ば閉じ込められることになる。まぁその代わりに蜀と魏で和平が結ばれるのだが。
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「李子よ、簪職人を手配した。元には戻せなくとも、ある程度形にはなるだろう」
そう言った曹操様を見上げる。
彼の屋敷だ。形だけの妾と言ってもいい。婚約してるかは不明だ。彼は最初は煌びやかな服を与えてくれたが、断った今はたくさんの書物を与えられる。たまに彼の詩を聞くこともできる。優しい人だ。私を外の世界には接さんとしている。いや、彼は元から優しい人なのだ。
彼は「あの簪は」と口を開いた。
「以前、郭嘉に贈られたのだな」
その言葉に私は息を詰める。彼には記憶がないはずだ。私が答えないでいると、曹操様は安心させるように少しだけ笑みを向けた。
「安心しろ、ここには私とお前しかいない」
曹操様は慈しむように私のほおを撫でる。
「……李子よ、また我が元でその才を振るってくれるか」
そう言った彼に私は目を見開く。これが、罠だとしても、私は、いつだって彼に助けられた私は。
「はい、喜んで、曹操様」
頷くしかないのである。
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曹操様の元で仕事をする。というよりは彼の膨大な量の仕事に目を通し順序立てし彼の自由時間を確保しつつ夏侯惇殿達に振れそうな仕事は振り、まぁついでに武官側の仕事も調節して、曹操様の手伝いをする。フードを被っているがため怪しい人ではあるが、まぁ動作を完璧に男にしているし、ヒールのような靴も履いているから背も高くみえし、曹操様からは成蹊と呼ばれているがため、まぁ怪しまれはすれど大丈夫だ。軍師の仕事量は知らない。あの子が調整するだろう。……が、ちょっと心配なので少しだけ振り分けておく。最近見かけた郭嘉殿の顔色が悪かった。やはり忙しい方が楽だ。いらないことを考えなくて済む。
「成蹊殿」
そう呼び止められて振り返る。というより癖で、その声に反応してしまった、というのが正しい。振り返った先にいたのは郭嘉殿とあの子である。一歩、私は足を下げる。あの子の視線は以前の私を見る目ではなくーーどこか色と興味を宿した目だ。貴方と話してみたかったんです、告げた彼女に、郭嘉殿は何も言わない。やはり顔色が悪い。私が黙っていれば、彼女は成蹊殿?と言って近づく。私はまた下がる。そんな中、夏侯惇殿がやってきた。
「成蹊、孟徳が呼んでいる。行くぞ」
「夏侯惇殿、」
「すまんな、こいつは仕事はできるようだが、口が聞けん」
そう告げた夏侯惇殿に、郭嘉殿が問いかける。
「……おや、では、どちらでお拾いに?」
「詳しくは知らんが、幽州のあたりで拾ったらしい。孟徳の拾いぐせも困ったものだ」
夏侯惇殿はそう言って、おい、行くぞ、と私を呼ぶ。私は二人に頭を下げて、その後に続いた。夏侯惇殿は私が誰かをわかっている。曹操様が夏侯惇殿と夏侯淵殿、曹仁殿には話したと聞いたからだ。しかしながら邪険にしないのはただ私がきちんと仕事をしているからだろう。あの子がついて行こうとして、郭嘉殿が止める声がした。
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「知るか、てめーがやったことはてめーでけつ拭け」
陸治さんがそう言って投げやりに告げた。お前がやったんだろ、とはいうが、一人突破は陸治さんだからできることで多分あの人には無理だ。それは李子さんの代わりにも言える。焦ってんなぁ、とひとごとのようにおもう。紫鸞さんや仙さんも傍観に徹する気だろう。かわいそうに、李子さんを味方につけていれば李子さんが動いてくれただろうに。まぁ、李子さんは不在だが。見たこともない魔物の狙いは二人だった。ゆめさんが大丈夫なのはなんでだ?と思えば、魔物を操る存在はオマケだから的な発言をしている。将や軍師達が動けない中、魔物はただただ彼女達を見下ろした。
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