ネタ帳vol.3
2025年ネタ帳49:元の世界に戻ってる妹/そのままいる奏
08/12 15:02
「お前ら、妹ちゃんの舞台チケット甘く見過ぎ。わかりやすくいうと、ヴィル先輩とネージュ他有名な役者が共演するチケット争奪戦に参加するようなもんだぞ」「え、そんなに!?」
「阿呆、あの子はトップレベルの上澄なんだよ。しかも今回の公演は合同公演だ。各歌劇団の花組っつー一軍が集まってる公演。箱……劇場のきゃぱは大きいけどな。こっちの世界の肩書きとか諸々は関係ないし」
そういえばなんか一部がハッ!?みたいな顔をした。妹ちゃんは流石大神の妹ちゃんである。絆されてる。
「しかも、第一妹ちゃんは基本的にお前らが嫌いそうな御伽噺の娘役が多い」
「あぁー、なんか似合うな」
「と、言っても僕らは向こうの世界のことはわからないわけだから、知ってるけどちょっと違う御伽噺の方が理解しやすいと思うけどなぁ」
それはそうである。だから前回公演の『ウエストサイドストーリー』は先生達しか呼ばなかったんだなぁ。チケットにパンフレットと軽い情勢みたいなのつけてたし。先生達はそれだけでこの世界での対立のようなものか、と理解していたし、まぁちゃっかりブロマイド買ったり妹ちゃんを褒めたりしていた。
「まぁ、ダメ元で聞いては見るけど……」
とは言ったが、妹ちゃんがちゃんとチケットを確保していた。しかも千秋楽だ。いや千秋楽にいっぱい関係者チケットとっていいのか?と思ったが、困った。ちなみに演目をみれば、美女と野獣である。あぁー、逆にこれだと先生の一部がダメになるんだな。
え、俺全員の引率すんの?見知った場所とはいえ無理じゃね。寮長集めるか……あと角とか耳をどうするかだなぁ。
そう思っていたらツノ太郎がきた。ツノ太郎だけ普通に招待状付きである。
「お、ツノ太郎、ちょうどいいところに」
「いいところに?」
「妹ちゃんから観劇チケット届いたんだよ。これ、が、ツノ太郎と……先輩達やセベクもよかったら一緒にって」
そう言ってツノ太郎に渡す。彼は嬉しそうに手紙を見て、いそいそとチケットをしまった。
「他の奴らにも声かけないとなんだが、ツノ太郎、角認識魔法とかでどうにかなりそうか?」
「む?」
「俺の世界ツノ生えてる人がいないから、目立つし、前の方の席だからツノで後ろの人が見にくくなる可能性もある。レオナ達にも言わないとなんだけど」
「そうだな、認識魔法でどうにかしよう」
というふうに、各寮長に配り歩くとする、というか、寮長会議で渡してもらったらいいのでは?
学園長墓穴掘り寄ったな、と思ったが、ヴィル先輩が「あたしがやめておいた方がいいって言ったのよ」と告げた。
「ナマエの世界の情勢も常識も分からないから、台本を軽く読ませてもらったけど、移民との問題、宗教が絡んだ話はまだ見るのは早いって言ったの。折角の観劇だから見てもわからないものじゃなくてわかるものを観た方が楽しめるでしょう?」
「そういうことです」
咳払いをした学園長がそういうことです、と頷いた。まぁ確かにそうだ。
「いつのチケットなの?」
「千秋楽……は俺の国の言い方か。最終日だよ。本来なら一般のチケットはほぼ無理。席を見たら完璧に関係者席でいい席」
「ちょっと大丈夫なの?」
「俺も気になって確認したら、ナマエが世話になった人達ならいいよ!って言ってた。まぁー、妹ちゃんが関係者呼ぶこと皆無だったから、それはそれで嬉しいんだろ」
大神が。
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「いや、この時間にくると、ちょっとした小劇がみえる」
そういえば、妹ちゃんがやってきて、ぱちぱちと拍手やいろはー!と声をかける姿がみえる。彼女は優しい笑みを浮かべて手を振る。
「ベル、また本を借りたの?」
「えぇ、この本はとっても面白かったわ。大きな豆の木と巨人の話よ。貴方もいかがかしら?」
「いいえ、結構よ」
ということから観劇中の注意に移り、もう一度一礼して妹ちゃんははけた。
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