ネタ帳vol.3

2023ネタ帳20:三國とあと田中

01/14 16:58 

「はい、母曰く父からの連絡がとらえているらしく……」
そう言いながら迎えに来てくれた郭嘉さんと歩く。話はこうである。父と母は事実婚というのか、籍を入れているわけではないが夫婦である。父親が中国国籍だから母の親にあたる祖父母ではなく親類と歴史を扱う母の職場が反対をしてそうなったそうだ。父も中国で仕事があるため、基本的に中国で単身赴任しており春節などの長期の休みの時は帰ってくるがそれ以外は定期的な通話をして過ごしているのだ。しかし、それが途切れている。恥ずかしい話、母親が浮気をちょっと疑い出し、ちょうど交換留学の話が出ていた私を差し向けたわけである。まぁ、職場は私たちと近いからゆっくり探そうか、とは郭嘉殿の台詞である。はい、と頷いて郭嘉さんの隣に並んだがめちゃくちゃ視線が痛い。相変わらずモテるのかこの人は。

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父を探しつつ、魏軍師シェアハウスから学校に通うのであるが、どう考えても届いたのは男性用の制服である。届いていた箱の中身を見て荀家が渋い顔をして、郭嘉殿が何故か落ち込んだ。女子高生に夢見るものではないとは思う。同じ高校に通う満寵殿が私を見下ろした。
「一応確認するけど、ナマエ殿は女性なんだよね?」
「はい」
「手違いじゃないか?ネクタイも赤青緑の三色じゃない。ネクタイピンも違う」
そういった賈詡殿の手には白緑黒の三色でできたネクタイとネクタイピンである。白字に緑と赤の糸で格子柄が刺繍されている。ネクタイピンは白竜だろうか。荀攸殿がそれを見て口を開いた。
「この配色は楚漢戦争あたりですか」
「確かな。こっちの白龍は秦だ」
「……ん?」
その言葉に首を傾げる。荀ケさんが口を開く。
「私たちのように記憶を持っている人が稀にいらっしゃいます。その方々は全土や国外からナマエ殿の通う学校に集められるのです。なので、ナマエは本来ならば赤青緑のネクタイに青の鳳凰のネクタイピンをつけるはずなのですが」
「普通の生徒はどう割り振られるんです?」
「普通の生徒はそういうものを身につけません。同じ色をつけていますが、稀に優秀なものは色を変えます」
「ナマエは優秀だから他のクラスに割り振られたのかな?」
「いや、ナマエが留学すると決まった時に曹操殿が即座に申請していたはずだからそれは考えにくいね。あり得るとしたら親族の血筋が優先されたのだと思うけれど」
復活した郭嘉さんが起き上がる。
「ナマエ、念の為に聞くけれど、探しに来た父上は?」
そう尋ねた郭嘉殿に、名前しかわかりません、とかえす。
「父はこちらの国のことを隠したがっていました。私がまぁやれ兵法やれ歴史とつついていたらそこだけ教えてくれましたが……」
私の言葉に、満寵殿がわーと声を漏らした。こっちに別の家族がいそうだね、と言われたので私も頷く。頷いていいのかと言われたが、これは仕方がない。
「……そうなのですね。ナマエのお父上の名前はなんと?」
「母からはカンさんと呼ばれているので、恐らくカン……」
と言って止まる。いたな?楚漢戦争あたりでカンっていう名前の将。
「章邯将軍……かな」
「章邯将軍に娘がいたとは今も昔も聞きませんが……」
「転戦中に秦に殺された可能性はある。ナマエの場合、結局は李将軍の血筋じゃなく孤児だから偶然同じ名前で繋がった可能性はあるね」
ふむ、と考えた郭嘉さんに私は首を傾げた。さっぱりわからん。どうやら同じ名前の人物がいれば、繋がることがあるそうだ。孤児であったり、出自がわからない人物は余計に。ふむ、と思う。そう言われたら納得できる節がある。
「昔、幼い頃に、父が私を阿李子と呼んだことがあって、誤魔化されたことがあります。そこから私は若干父が違う家族がいるのだと思い始めたのですが……」
「父上はナマエを巻き込みたくなかったのかもしれない。あそこは私達のように結託せずにたまにものすごく不安定になるから」
「趙高がナマエに先に気づいた?」
「いや、彼は更迭されたから違うと思う。司馬欣殿が善意でやったんじゃないかな?で、外見をみて」
「深く考えずに男で申請した、と」
ふむふむと納得する五人に私は首を傾げる、というかちょっとムッとする。きちんと説明してほしい。と思っていれば、郭嘉さんが笑いながら説明してくれたが。
「ふふ、ナマエは私の前では表情豊かで嬉しいね」
ほおをむにむにする子供扱いはどうかと思うが。

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「章邯殿、ご子息の転入願が届いておりましたので受理しておきましたぞ」
「子息……?」
「待ち受け写真のお子様です。こちらに留学されるようですな」
「は?」
「奥様からの連絡も溜まっておりました。一旦あちらに戻った方が良いですぞ」

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うーむ、クラスの治安がよろしくない。というか色々と派閥がありそうである。とりあえず私は秦後期は知識としては知っているが記憶も何もないので、満遍なく接しているが。まぁ賄賂入学やら愛人の子やら色々言われたり委員会などは押し付けられはしたが、基本スルーしているし、委員会の先で三國の面々に会えるので特に困っていない。同じ委員会であり同じ色のネクタイをした田広くんもいい子である。


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