ネタ帳vol.3
2025年ネタ帳52:大神妹が監督生版
08/12 15:05
「君はladyでは?」そうそっと告げたヴィル先輩のお父様に目を瞬く。そうして、私は少し笑って、秘密です、と答えた。その返答に少しだけ彼は目を瞬いた。まぁそれは答えのようなものだ。
「……身寄りがないので、追い出されては困りますので」
と、付け加えれば「訳ありなんだね」と返してくれる。私はそれにとりあえず笑みを浮かべておく。
「それに、娘役の所作が染み付いているので、気が抜くとすぐにそうなってしまい……たまに学友にも混乱されてしまいます」
私の答えに彼は「娘役」と繰り返した。まぁそのあたりにしておかないとみんなと逸れてしまう。では、この辺りで、ヴィル先輩のお父様、とカーテンシーをしてからエース達に合流する。何話してたんだ?と聞いたエースに、所作が面白いねって言われた、と答えておく。まぁそれが1番正解の返答だろう。
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「監督生、この曲を覚えて、この台本に目を通してちょうだい」
そういってヴィル先輩に台本や音源を渡される。なんだ?と目を瞬いていれば、読み合わせは付き合うわ、一週間でなんとかするからポムフィオーレに泊まるわよ、と言われた。えっ。
「部屋は準備してるわ。レッスン室もね」
「何があったんです?」
「エリックから連絡があったのよ。舞台女優が逃げたの」
「は?」
「正しくは主演男優との駆け落ちね。プロ意識も何もないったらありゃしないわ。見つけるまでの間の代役よ」
「練習ということですよね?」
「ええ、私もそう聞いてるわ」
一週間で付け焼き刃で本番をするわけがないか、吐息を吐く。
「安心するのはまだ早いわよ。今回の舞台、エリックだけじゃなくてループ・シュバイエも関わってるの。音楽界の巨匠よ。作る曲はあれもかれも作曲賞をもらうような実力者、なのだけど」
「なのだけど?」
「厳しいのよ、作曲はともかく。歌劇となると。加えて娘役だと余計にね」
えっ、と私は目を瞬く。私で大丈夫ですか?と言えば、そこは貴方の腕の見せどころね、と言われた。それはそうだ。とりあえずグリムやエースデュース達に説明しないとな、と思いながら頭の中で算段をたてる。頑張ります、ととりあえず言っておいた。
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聞いたことがある音楽だなぁ、と思いながら音を覚え歌詞を覚え、ヴィル先輩と読み合わせをしたり、位置を軽く確認していく。プラス勉強で頭がくらくらしそうなくらいフル稼働中である。
「ナマエ、生きてる?」
「なんとか……グリムは?」
「なんとか生きてるんだゾ」
エースデュースと一緒にいるグリムがちょっとぐったりしている。まぁ、エースデュースと一緒に違う寮で過ごしているのだから仕方ないだろう。
「これが終わったら、ちょっとでもお給金くれるみたいだし、ツナ缶買えるし頑張ろうね」
と、励ました。
とりあえず一発目に歌えと言われるとは思わなかったのだが、とりあえず歌ったら、誰かが飛び込んできた。なんだ?とそちらを見れば、獣人族の男性である。既視感がある、気がする。ジャックとは違い、黒い耳と黒い尻尾をもつ獣人族の男性は、カツカツと足音を鳴らしてこちらにきた。監督や演者含めざわざわしているが。それが軽やかな足取りに変わり、いろは!!と彼が叫んだ。私はその呼びかけに目を瞬く。向こうのステージネームだからだ。
「Mr.、どうして私のその名前を?」
そう問いかければ、彼は目をキラキラに輝かせて、僕だよ!と告げた。
「巴里のループだよ!」
そう言った彼に既視感の理由を理解する。巴里の怪人となってしまった、友人だったループくんである。えっ、と私は目を瞬く。
「えっ、うそ、ループくん!?」
「やっぱり、いろはだ!」
わーい!という風に私にハグした彼に、私は固まる。男の人からの抱擁はちょっと。
「あの歌声はやっぱり君だったんだ、僕が間違えるはずがない。やっぱり、やっぱり君だ!会いたかっ……どうして、いろはがここにいるの!!」
急に離れたループくんに私は顔が真っ赤なまま彼を見た。
「あの、えっと、色々あって……」
「色々」
「……シュバイエ先生、彼女と知り合いですか?」
「やぁ、ヴェニュー。あ、待って、君が連れてきたとかなんとかマネージャーから聞いたな」
「ええ、ヴィルの友人で。彼の伝手を辿ったんだ」
「シェーンハイドの?おや、シェーンハイドじゃないか。VRCは軽く見たよ。珍しかったね、君のクオリティならもっと上をいくかと思って……シェーンハイド、君ってNRCだったね」
「ええ、そうよ」
そこで、ループくんは少し考える。
「……今度は君が迷い込んでしまった、のかな?まぁ闇の鏡もたまに変なこと……」
「何か知ってるの?」
「……知らない!」
そう言って笑顔で告げたループくんに、私は眉間に皺をよせる。
「また意地悪なことを言ってる」
「意地悪なんてそんなことはしてないよ。まぁ、その話は後でしよう。僕は君でむしろ嬉しいからこのままいてくれてもいいよ。僕!に!向かって歌ってくれたら最高だけど、演劇だから仕方ない。シェーンハイドならマシ」
そう言って彼はオーケストラピットに降りて行った。曲をさらえるよ、ほら早く、と彼は口を開く。
「二人に合わせて音を調整するから、ほら早くやるよ」
と、何事もなく始まったが。
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「びっくりしたぁ……」
少し休憩を、ということで、少し休憩をとる。
「それはこっちの台詞よ。あんた、ループ・シュバイエの知り合い?」
「元の世界で知り合ったんです。色々あって彼は消えてしまったんですけど……」
そうこそこそと台本で口を隠しながら話す。
「ナマエの世界に行ったってこと?」
「はい。私がお会いしたのが、花の街に似た巴里という街だったんですが……その街の名前も知ってらっしゃいましたし……さっき、闇の鏡が、って何か言いかけてたから何かしってるかも……」
「彼、NRCの出身なの。昔の話だけど、その在学中に、闇の鏡のせいで半年行方不明になった話を聞いたことがあるわ。その時は作り話だと思ったんだけど……」
2025年ネタ帳57
・大神妹
とある子供も辛い揺らぎに巻き込まれて彷徨ってたところ、馬車が迎えにきてそのままツイステ世界入りした。男装を頑張っている。同い年の距離の近さには慣れてきたが相変わらず年上は慣れない。学校に通ったことがなかったので普通に学園生活が楽しい。さすが妹、結構無意識に撃ち落としているが気づいていない。
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たまには可愛い服を着たいな、とは思う。アルバイトをしても、食費やら色々考えてやりくりして化粧品を買うのが精一杯なのだ。被服室で自分で作っても、着る機会はないだろう。なにせ男装しているのだし。袴や浴衣を作っても着ても浮いてしまうからなぁ、と思わなくもない。そう思いながらウィンドウディスプレイに飾られた服を見上げる。うーん、シンプル綺麗め。娘役のような服に近い
「わぁ、監督生さんに似合いそうな服だね」
その言葉に肩を揺らして振り返る。そこにいたオルトくんに、私は苦笑いをする。
「そうかな?」
「うん!こう言う服を着ないの?」
「うーん、着ないかなぁ」
男子校に入ってる手前、そう言うのは着ない方がいいだろう。オルトくんには私が女だとはバレているからの会話であるが、他の大多数はそうじゃないのである。
「買うお金もないし……あわせる化粧品もないしね」
そう言ってまた苦笑いして、みんなとの合流地点に向かうとする。そのまま違う話題に移りながら合流してランチを食べて帰ったが。
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おかれている箱の中には女の子の服である。目をぱちぱち瞬いて、これは、とあたりを伺う。誰もいないっぽい。監督生宛となっている文字はいつものメンバーの誰の字でもないし、先輩達の字や先生たちの字でもなかった。これは一体、と考えていれば、なんだその服、とレオナ先輩がやってきたが。恐らく最近はラギー先輩から逃げて、なのか寮が昼寝スポットになってるので寝に来たんだろう。
「こんにちは、レオナ先輩。玄関前に置いてあった箱に入っていました。どなたからの字かわかりますか?」
そう言って紙を見せれば、彼はそれを見て知るか、と告げた。「香水の匂いがするからポムフィオーレの連中だろ」
「ヴィル先輩ならわかるかな……」
そう言って服をみる。可愛い服だ。レオナ先輩がいなければ着てるだろうな。レオナ先輩はハッと鼻で笑う。
「着たいなら着てみりゃいいじゃねぇか。笑ってやるよ」
その言葉に私は目を瞬く。あわせる化粧が、と思ったが、レオナ先輩ならいいかと思う。じゃあ着てみます、と言えば、彼は予想していた反応と違ったのか、勝手にしろ俺は寝るとレオナ先輩は談話室に向かった。私は自分の部屋に戻って服をあてがう。可愛い服だ。あてがったままくるりとまわれば、スカートが綺麗に広がった。とりあえずグリムが補講に行ってる隙に私は服を着替えてみる。やはり可愛い。いつもは一つ括りにしている髪を下ろして櫛でとき、少しだけ化粧を変える。うん、久しぶりに女の子の格好である。そのまま談話室に降りてみれば、グリムとデュースとエースにトレイ先輩、ヴィル先輩が増えており私はまた引っ込んだが。いつのまに。そんな時間経ってないよな、と思っていれば、グリムが足元にきた。
「ナマエ、何してんだゾ」
「うーん、着替えようと思って……」
「服なんざどれも一緒だろ。って、それ、子分がいつも見てた……むぐ!?」
そう言ったグリムに私は慌てて口を塞ぐ。むぐ!?となったグリムには悪いが。とりあえず私は顔だけ覗かせる。
「どうして増えてるんですか?」
「お、監督生、今からトレイ先輩のケー……き……」
「えっ……」
と固まった二人に、ヴィル先輩が口を開く。
「あら、メイクの仕方変えたのね。貴方の顔立ちならそっちの方が似合うわよ」
「ありがとうございます……少し待ってくださいね、ちょっと着替えてきます……」
と言えばグリムがぴょんと飛び跳ねて腕から出る。
「子分、くるしいんだぞ!」
「ごめんごめん!」
「第一、どんな服でも別にいいじゃねーか!いつも見てた服だろ!」
そう言ったグリムにそうだけどそうじゃないと焦る。いつも見てた服、と繰り返したエースデュースに、私は困った顔をする。
「レオナ先輩は笑ってくださると言っていたけど、他には引かれそうなので……」
「いや、別にいいんじゃね?男でも今の時代スカート履くっしょ」
と、あっけらかんと告げたエースに、そうかな、と返す。
「貴女、似合いそうだものね、いいんじゃない?」
「あぁ、とやかくは言わないさ」
そう言って先輩達に私はとりあえずおずおずと姿を見せる。みんなが、固まった。
「変でしょうか」
と尋ねれば、グリムがにあってんじゃねーか?と告げてくれたが。
「けど子分、どうしたんだ?その服」
「私宛にどなたからか届いて」
「そんな怪しいものをよく着たわね。でも、貴方によく似合ってるわ」
「本当ですか?ありがとうございます」
「……さっさと着替えてこい、コイツらはお前に用事だ。そのままでいけばうるさいのは目に見えてるから着替えてさっさと行け」
そう言ったレオナ先輩に、私は頷いて着替えに行く。制服にまた着替えて戻ってきたらまた視線がこちらに向いた。というか、みるからに安心された。
「お待たせしました。お目汚しすいません」
「いや、驚いたよ。似合ってるから本当に女なのかと」
「そうですか?」
まぁ本当は女なのであれだが、そこは言わなくていいことである。
ちなみに服の送り主はヴィル先輩が心当たりがあったようである。映像研究会の人かもしれないと言うことだ。
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