ネタ帳vol.3
2025年ネタ帳56:大神妹が監督生
08/12 15:09
まぁ、別に減るものじゃないし。
女装といえば男の子にしかできないそれである。私の認識が男になっているからこそ出来ることでもある。私が受け取ったことに面食らったいつメンだ。いや確実に減る、とは、エペルの言葉だが、私は気にしないので着替えやメイクを受け取り更衣室に入った。そのまま服を着てみれば綺麗め上品な女の子の服だ。一つに結んでいた髪を下ろして、ブラシを通し、いちも意識している男役用ではなく娘役のメイクをする。そうして更衣室に出れば、彼らは目を瞬いて止まったが。
「えっ」
と声を上げた彼らに、私はこれは煩いやつ、と耳を塞げば、私に衣装を渡した人だけでなくその場にいた全員が叫んだが。めちゃくちゃ混乱した顔してるなぁ、と私は思う。なんだなんだと周りがやって来て、女の子?みたいな騒ぎになったのをみて、やりすぎたか……と困った顔をした。まぁ、すぐにヴィル先輩が「ちょっと何してるのよ、休憩はまだよ」と手を叩いて見せたことで映像研究会の人たちは分散したが。ヴィル先輩が私をみて、目を瞬いたが、すぐに誰かわかったのだろう。
「監督生、やっぱりそっちのメイクの方が似合うわね。ワザと青年っぽくキリッとした顔立ちになるようにメイクしてたでしょう?」
おお、ばれている。
「ありがとうございます。でも、みなさん混乱されるようなので、やはりいつものメイクの方が良さそうですね」
そう言って周りを見て困った顔をすれば、彼も同じく「そうね」と頷いた。みんなソワソワしているのがわかる。ヴィル先輩はそのまま私に衣装を渡したクラスメイトに視線を移した。
「貴方、いいとこついたわね。どうせエペルに行って断られると思っていたけれど……監督生は上出来よ。あとはダンスができるかだけど、監督生なら問題なさそうね」
「ダンス?」
そう首を傾げる。舞踏会のシーンを撮りたいのよ、と告げた彼に、ああなるほどと手を叩く。エペルが心配そうに私とヴィル先輩達をみた。
「え、でも、監督生サンって……」
「勘違いしないでちょうだい。VDCの時はワザと外したけど、アンタ達より踊れるし歌えるわよ」
「エッ」
「ただ、動作が女の子すぎるの。男子校には合わないしあの曲には合わないから外した。それだけよ」
その言葉に私は「あぁー」となんとも言えない顔をする。確かにあの楽曲は私には合わない曲とダンスで、受からなくてよかったと思った記憶はある。
「女の子っぽいのは、染みついたくせですね……」
「癖?」
「はい。元いたところでは娘役をしていたこともあるので……実を言うと、普段の仕草も結構少年っぽくなるように気を遣ってます」
「あら……気をつけていると思ったけど、何かやっていたのね?」
「ヴィル先輩ほどではないですよ。小さな劇団です。それに歌劇ばかりで映像作品はやったことがないです。ただ、女性側の舞踏会のダンスなら心得はあります」
と、言うことにしておこう。まぁ、世界を股にかけてモデルから舞台から映像からと引っ張りだこなヴィル先輩に比べれば小さい規模の話だ。
「ありがたいわ。試しに一曲踊ってくれるかしら?」
そう差し出された手に、よろこんで、と手を重ねる。まぁそのまま音に合わせて彼の足を踏むこともなくスムーズに踊り終えたのだが。あわしてくれているのもあるが、踊りやすい。
「うん、合格よ」
「よかったです」
そうホッと息を吐けば、ヴィル先輩が手を叩いた。
「見惚れてる場合じゃないのよ。さっさと作業にうつる!」
わらわらとまた分散していく。監督生はちょっと待機しといて、と言われたのでいつものメンバーのとこに行ったが。
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「うーん、娘役ってね。基本的に相手より低い身長じゃないといけなくて。相手役によってはずっとスカートの中で足を曲げて演技して踊ったりするんだよね。ヒール履いた状態で。だから思ったよりたくましいよ」
ははは、とわらいながらそういえば、エペルはあんまり納得してないようだが、まぁそれはそれで個人の考えだろう。
まぁ、話を聞いてみれば悲恋役の娘役と言うことで、帰ってくることがない幼馴染とラストダンス的なやつだった。まぁ、主役ではないからそうなるのだけれども。帰ってこないとわかっている相手とのラストダンスという程なので表情を作って踊ったらオッケーをもらえた。ホッと息を吐いて、相手役の方にお礼を告げれば、
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監督生、これ着ろ。と、レオナ先輩に渡されたのは女性もののドレスである。長袖かつ首元まで襟があるタイプのドレスだ。どうしてですか?と聞けば、いいから着ろ、出かけるぞ、と言われた。こうなると色々と教えてくれないと思うので、とりあえずドレスをきて髪を整え、娘役のメイクをする。それを確認した彼はそのまま行くぞと私を連れて闇の鏡を潜った。
聞いてない、とぼやけば、聞かれてないからなと言われた。いや、確かにどうしてですか?とは聞いたが、どこに行くのかは聞いてない。ついた先がレオナ先輩の国だなぁ、と思っていたが、まさかレオナ先輩の兄君達に会うとは思わなかった。完璧な国主催の舞踏会的なそれである。女性陣からの視線が痛い。
「レオナ先輩ならこういうことをしてくださる女性が一人や二人いるのでは……そもそも許嫁がいらっしゃるのでは?」
「いねぇよ。他にしたってが色々面倒くさいだけだ」
それはそうかもしれないが。
「とりあえず私は愛想良く一歩引いた聞き分け良さそうな女の子でいましょうか?」
「次は熱砂かぁ……」
そういえば、ジャミル先輩が「次は?」と目を瞬いた。
「はい。この間、こういう風に着替えさせられて、……レオナ先輩のご実家に連れて行かれました」
「それは……」
「お友達ですって、まぁ本当のことをかいつまんで言いました」
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