ネタ帳vol.3

2025年ネタ帳60:飯塚姉弟if

08/12 15:12 

相変わらず美味しい。そう思いながらサンドイッチを頬張る。あいにく目当てである毛利探偵は留守だ。ヤマトに留守ならワンチャンポアロに寄って降谷さんいないか確認してきてと言われていたからきたわけであるが。過ごしやすいし、ここで原稿をしても良いかもしれない。しかしながら、今はまだ話さずにしばらくしてからでも良いだろう。
「あの、テイクアウトってできますか?」
そう伺えば、できますよ、と頷いた梓さんに私は感謝して、弟二人分のサンドイッチを頼んだ。

ーーということを数回繰り返す。中で原稿をしても?と聞けば、いいですよ、と言われたので原稿もたまにするようになった。今書いているのは子供向けの話なので私はカタカタとラップトップで原稿をする。そうして時計を見れば、3時だ。そろそろ帰らなければ、と思い出す。テイクアウトですね、と降谷さん改め安室さんが告げた。
「いつものサンドイッチで良いですか?」
「はい。弟達もすっかり気に入って」
ふふ、と笑いながら告げる。梓さんが、弟さんに買って帰っていたんですね!と笑った。
「彼氏や旦那さんに買って帰っているんだと思ったんですけど」
「ふふ、まだそんな歳ではないですね」
「え、じゃあ今何歳なんですか?」
「私は今年17歳ですね」
そう言えば、彼らは目を瞬いた。
「学校はいいの!?」
「通ってないんです……というよりは高卒認定をもう取っていまして。仕事柄、世界を転々とすることも多かったので高校には通ってないんです」
私はそう説明する。
「ということはプロの作家さんですか?」
「いえ。作家活動は趣味みたいなものですね。本業は休業してます」
マジシャン活動はどうしても世界を渡っていく、もしくはアメリカを拠点にした方が良いのだ。が、弟を考えると日本にいた方が良いわけだ。稼ぎは結構あるし、しばらくはあの頃のように大道芸で良いかと思っているのだが。
「そう言えば、毛利探偵事務所の方って、しばらくお休みなんでしょうか。伺いたいのに、いつもしまっていて……」
私は困った顔をする。彼らは顔を見合わせて、それはないですよ、と返した。
「えっでもいつも私が行くとしまっていて……」
安室さんはカレンダーをみて、ああ確かに貴方が来る時は毛利探偵は留守ですね,と返す。おっと本当にこれはタイミングが悪いだけか。
「何か毛利探偵に依頼が?」
「ええ。ただ、特殊な案件なので請け負ってくださるかはわからないんですが……」
まぁ、しかも長期の依頼になる可能性がある。梓さんが、なら、と口を開いた。
「安室さんに頼んだらどう?」
その言葉に私は目を瞬く(ふりをする)。
「安室さん……?」
「あぁ、僕です。こう見えて、毛利探偵の一番弟子なんです。僕でよければお話をお伺いしますが」
その言葉に、ふむ、と私は考える。
「しかし、お忙しいのでは?」
「いえ、お気にせず。どのような依頼でしょうか?」
「簡単に言えば人探し,なのですが……」
そう言って私は困った顔をする。人探し?と首を傾げた彼に私は頷く。
「少しややこしい話になるのですが……ここで話すのは気が引けますね」
私はそう言って苦笑いをする。何人かお客さんがいる状態で話すことではなさそうだ。
「なら、送って行くついでに車で話をお伺いしましょうか?」
「あぁ、えっと、ごめんなさい、男性と狭い空間で二人っきりになるのが苦手で……家に来てくださると助かります」
そう言って住所をかいて彼に渡してひと足先に家に向かう。玄関をあければ、ミカゲがこほこほと咳をしながら降りてきた。まぁ、悪い夢でも見たんだろう。めちゃくちゃ顔色が悪い。
「怖い夢でも見ましたか?」
そう言えば、頷いた彼に私は一緒にサンドイッチを冷蔵庫に起きに行きーー一緒にベッドに行き、そばに座り、熱を測る。まだ高い。
「そばにいるので、もう少し寝ましょうか」
そう言えば、彼は頷いて目を伏せた。


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さてはて、そうこうしてる間に安室さんが来てくれたらしい。あたりを伺っても一人っぽい。とりあえず今1番片付いている書斎に案内する。
「すいません、引越しの片付けが中途半端で……土日に少しずつしているんですけど」
そう言って苦笑いする。彼はいえ気にしないでくださいと首を左右に振った。
「それにしてもすごい部屋ですね。本がたくさんだ」
「父親の書斎なんです。まぁ、海外でウロウロしてるので私が使わせてもらう気満々なんですけど。すいません、探偵というのの相場がよくわかってないんですが、父親からはまぁ出せる分は出せと言われてるので」
「探し人、でしたか」
彼の言葉に私は頷く。
「実は私の弟の……お兄さんのことなんです」
「と、いうと、貴方の……?」
「あぁ、いえ、私と弟達は血が繋がってるわけじゃないんです。だから私にその方は面識はないですね」
その言葉に彼はふむ、と考える。
「実は、真ん中の弟なんですが……海外で保護した男の子でして」
私は困った顔をする。
「海外で……保護をした?」
「ええ、私の父親が顔が広くって。警察の方に日本人で記憶喪失の子供がいるって言われて会いに行ったんです。で、そのあと現地警察や大使館なんかと話し合ったり色々と手続きをして、今はとりあえず私の家族になりました。しかし、本当の家族に会わせた方がいいのか……悪いのか判別するにも、探してもらわねばわからないでしょう?」
私は困った顔をする。捜索届は?と聞かれたので、海外日本ともに出されてませんでした、と答える。
「名前も分からなくて……唯一わかるのは、何かしらの事件に巻き込まれただろうこと、お兄さんがひとりいるだろうこと……あとは、ミカゲの名前の漢字、でしょうか……」
苗字さえわかればいいんですが、現状お手上げに近いです、と私は眉尻を下げる。
「ミカゲ?」
「あぁ、弟の名前です。何らかの事件に巻き込まれたのであれば、違う名前で読んだ方がいいだろうという話で、私達がもじってそう呼んでるんです。本来はカゲミツだと思うんですが……」
私はそう言って漢字を紙に書く。正しくはヒロミツらしいが、私がそう読んでしまっただけだ。景光、と書けば、彼は一瞬息を詰めた。まぁ、そのタイミングでミカゲが降りてきたが。
「ねぇさん……」
「あ、こら、また部屋を抜け出して。熱が下がってないんだから寝ないと……」
「汗気持ち悪い……」
「寝汗が酷いですね。シャワーを浴びましょうか。着替えは準備しますよ」
「……誰?」
安室さんを伺ったミカゲに、ミカゲのことを調べてくれる探偵さんですよ、と私は彼に合わせて屈む。まぁ、私が催眠で記憶を飛ばしてるので本当に記憶がないはずだ。
「あれ、ミカゲ、お前熱下がった……誰だ?」
「おかえり、ヤマト」
「おー、ただいま。誰?」
「探偵だって」
「ほーん」
「ヤマトは手洗いうがいをする。ミカゲはお風呂に入っておいで」
そう言えば彼らはそのまま部屋をさったが。私は安室さんに振り返る。珍しい。動揺してる。
「安室さん?」
「いえ……」
さてはて、あとはヤマトが書いた診断書である。
「あとはこんな診断書もあります。英語は大丈夫ですか?」
「……大丈夫ですよ」
私はヤマトが書いた診断書を見せる。骨の途中に成人男性の特徴が見られること、どちらかと言えば成長仮定ではなく縮んだのでは、非科学的であるが。この特徴は毒の成分が検出されずに死んでいる人にも一連の事件にも見られることがあり、みたいなことが書かれていることである。まぁヤマトは探られてもいいよFBIにいることなってるし、と言われてるのだが。まぁ、うん、なるようになるだろう。
「何かわかりそうですか?」
「いえ、詳しく調べてみないと……えっと、ミカゲくんと話しても?」
「はい、大丈夫ですよ。ベッドに入ってからになりますが」


とりあえずミカゲといくらか話している安室さんをみる。君が無事でよかった、と告げた彼はみるからに安堵していた。
「探せそうですか?」
「えぇ、探してみましょう。僕の練習みたいなものですし、お代は結構ですよ。また来ても?」
「構いません。私は基本家にいますし……あぁ、念のため連絡先を教えておきますね」
そう言って連絡先を交換しておく。見送ってたあと、ミカゲに聞けば見たことある気がする、と呟いていた。それはそれは。

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