ネタ帳vol.3
2025年ネタ帳106:大神妹と特異点巴里
08/12 15:59
「あっ、えっ?」そう言って私は目を瞬く。巴里だ。まごうことなく。しかも、あるのがムーラン・ルージュではなくシャノワールのため、まごうことなく私の世界の巴里だ。しかも、年代的には私達のいた年代と合致する。不特の揺れ、あるいは穴、霧に似た何か。虚数海で起こることはあり得ないモノ。そんなものに巻き込まれて行き着いた先である。奏くんは私をみた。
「私、なんとかなるかもしれません」
そう進言すれば周りは私を見た。
「ここ、いえ、必ずしも同じであるとは言えないのですが、私の世界と同じです。この世界が私のいた世界と100%イコールではありませんが……」
「え、でも1900年代前半だよ」
「立花ちゃんの混乱を招くために黙っていましたが、奏くんは明治生まれ、私は大正時代の生まれです。まぁ、エジソンさんよりは年下ですが……貴方からしたらおばあちゃんくらいかも……」
私の言葉に、えっと彼女は固まる。そして、エッ!?とさらに声を荒げた。通りでスマホとか使い方をアワアワするんだ!と変に納得されてしまった。
「異聞帯……特異点から来た、ということでしょうか」
「いや、違うと思う。俺たちの世界は止まることなく進んでるしーーたまに揺らぎっていう他世界干渉の現象が起きて、俺たちみたいに異世界に飛ばされることもあれば、逆もあるんだよ。まぁ、立花にわかりやすく言えば」
奏くんの言葉に、わかりやすく言えば、と彼女は繰り返した。
「ロボット大戦とか、異世界クロスオーバーとか、他社併合クロスオーバー系ゲームに巻き込まれる世界」
「本当によくわかってしまった……」
複雑そうに告げた立花ちゃんに、周りもなんとなく分かったのだろう。
「まぁ日本や紐育、維納じゃなきゃ俺は何にも役にたたねぇわな。巴里なら妹ちゃん一択」
「はい、私でよければ外を確認してきます。よく知った方もいらっしゃいますから、何かしら協力を得ることができるかもしれません」
私の言葉にまぁ話はそのままそうなる。この世界に合わせて上品めな服に、帽子をかぶった。マシュちゃんにも普通の服っぽい霊衣を着てもらい、アルジュナさんは……そのままの格好でもいいが、彼が心無い言葉をかけられるのではと思ったりもする。この時代、結構差別が激しい。私が言われないのはただ名前を上げたから、というだけである。
「マスター、いかがされましたか?」
「あの、立花ちゃんも、なのですが、なかなか人種差別が激しく……」
「みつはは大丈夫?」
「私の世界なら大丈夫かと」
そう言って困った顔をする。まぁ、セーヌ川あたりに見えないように着陸し外に出れば私の知る私を知る街だとすぐにわかるのだが。いろは!いろは、おかえりなさい!と私を見つけた人が声をかけるからだ。そして、カレンダーを見て納得する。なるほど、私が、私たちが降魔界に乗り込んで10年ほど立ってる。やっぱり揺らぎはそこで巻き込まれたらしい。大使館に顔を出そうも面会手続きをしないといけないはずだ。一か八か、と思って大使館に行けば迫田さんがいたらしい。お互いの状況のすり合わせをしてお互い困った顔をする。歌劇団が機能してない、らしい。
「マダムはまだいらっしゃいますでしょうか」
「あぁ、あぁ、いるとも。君の顔を見たらきっと喜ぶ。伯爵家へ先に連絡をしておこう」
「ありがとうございます。……私一人の帰還になってしまい、申し訳ございません」
「いや、君だけでも戻ってこれた。それに、君が戻ってきたということは希望がある。違うかな?」
そう告げた彼に、私は目を瞬いて、そうですね、と頷いた。あの兄達がそうなるはずがないのだ。まぁその後にライラック邸に行けば彼女に泣かれてしまうのだが。
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色々説明をする。さて、なら魔物を追い払ったり、お店に出なさい、と言われてしまった。それはそうかもしれない。まぁ、とりあえず色々と手配をしなければいけないだろう。ノウス・カルデアを格納庫に入れるのを手伝った。無事に入ったノウス・カルデアに、ダヴィンチちゃんな私を見上げた。
「ねぇ、みつは」
「はい?」
「なんで巴里の地下に格納庫があるの?」
「ああー……」
まぁ普通はそうである。
「それだけじゃないよね!?なんか結構色々見たことないんだけど!」
そう言ったダヴィンチちゃんに首を傾げた。色々とは……と、考えてから、ああ!と私は手を鳴らした。
「そうです、壊れた設備をどうしたものかと思っていましたが、バベッジ卿がいらっしゃいました。彼がいれば百人力というもの」
私の言葉に彼女は答えになってないな!?と言った。
「とっもわかりやすくいうと、すちーむぱんく?でしたか?」
「オーケーわかった、理解したよ今の言葉で。動力が水蒸気なんだね?」
「はい。地下にこのような設備があるのは魔物がたまに攻めてくるので、その防衛組織があったからなんです」
そう説明すれば、ダヴィンチちゃんが目を瞬いた。近くにいたミスターシャーロックが私を見た。
「ミス・みつは、君はその防衛隊の一員だった、ということかな?」
「はい、ミスターシャーロック。その通りです。まぁ、その防衛隊も日本で大規模な魔物の侵攻がおき、その魔物の本拠に乗り込んで……帰ってきていないようですが」
「……君は……」
「私も奏くんも他の方達を進ませるために途中で別れたんですが、その際に揺らぎに巻き込まれて立花ちゃん達の世界で保護されました」
そう言って困った顔をする。彼も困った顔をした。
「貴方が考えている最悪の事態はわかります。しかし、昔からこのようにたまに異世界の方が来訪されたり、異世界に行ったりしますし、なんなら私も三度目くらいですし、私はなんとも言えません」
「それはミスみつは、確かに同じ世界に?」
「はい」
そう頷けば、彼はふむと考えた。まだ色々考えうることはありそうだ、と頷いた彼に私も頷いた。まぁ、そのうち森羅が絡んできそうではあるし、その最悪が来ないことを祈るだけだが。
「私は解決するまではシャノワールにいるつもりですが、何人か人をお借りしたいです。恐らく揺らぎでここに繋がった、ということは、同じく揺らぎによって他の世界から魔物が現れる可能性が高いので」
「わかった、新所長に話しておくよ。一応サーヴァントを……っていっても、アルジュナがいつもいるから大丈夫か」
そう言ったダヴィンチちゃんに私は目を瞬く。そんなにいつもはいないと思う、と言おうとすれば、アルジュナさんが姿を見せたが。
「妹ちゃん、どうだった?」
「やはり同じ場所ですが、10年ほど立っていそうです」
「10年!?」
「奏くん、とりあえずまた私はシャノワールにいますので、また見繕っていただけると」
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