ネタ帳vol.3
2025年ネタ帳124:名無しの魔女はバイトに誘いたい
08/12 16:15
「ラギーくん、ちょっとごめん、バイトに来ない?」
そう言って顔を出せば、結構な人数がいたらしい。ギョッとこちらを向いた。当の本人はキョトンとした顔である。もっと食いつかれるかと思ったのに。
「……誰っすか?学園に不法侵入するなんて、勇気あるね」
その言葉に首を傾げて、鏡を見る。世界の指定は間違えてない。時間軸の指定も間違えていない。おやぁ?と首を傾げていれば、あーー!という声がする。そちらを見れば監督生のユウちゃんである。
「ナマエさんだ!!」
「やほー、久しぶり。元気?」
「はい、なんとか」
そう言った彼女に私はうむうむと頷く。元気なのはいいことだ。
「ナマエさんはどうしてこっちに?」
「いやぁ、夏の水かけパレードに参加することになったけど人数足りてなくってね。ラギーくんスカウトに来たんだけど、誰?みたいな反応されるし違う世界来ちゃったかな?って思って」
私の言葉にユウちゃんは目を瞬く。近くにいるエースデュースも留学生先輩……?みたいな感じである。
「ナマエさん、魔法で男になったのか魔法を解除して男に戻ってたのか結局分かりませんでしたけど、性別変えてませんでした?」
「……ああ!してた!」
そう言って手を叩く。魔法を使って男になれば、彼らは叫んだ。
「え、留学生先輩、え!?」
「どっちですか!?」
「魔法を前に性別なんて些細なことだよ。いつだって詐称できる」
「いや、周りが些細なことじゃないんだが」
ジャミルくんのツッコミに私は肩をすくめた。
「あ、ユウちゃん達もくる?マグルでも乗れる箒開発してさー、あとはマグル乗せるだけなんだけど、志願者いなくて。箒乗れる人と一緒に来たら乗せてあげれるよ」
「本当ですか!」
「衣食住は私の寮でよかったら無償で提供できるし、私の仕事手伝ってくれるならお給金は出せるよ。仲良い人に声かけて、今週の土曜日の朝8時に鏡の間集合ね。ラギー氏は是非バイトに来て欲しい。お給金は金貨になるから、こっちのレートにもよるんだけど、なんかご飯のおもたせとかできると思う。詳しくはこれみて。誰か一緒に来るのも歓迎!」
そう言ってラギー氏に紙を渡す。
「何するんスか?」
「まぁ簡単にいうとテーマパークのパレードのお仕事なんだけど、本校じゃないから魔法使いの人が少ないんだよね。魔法使いの人手が足りてない。炎天下の中、ゲストに水をぶっかけるお仕事」
「いいのか?腐っても相手はゲストだろ」
「いいよいいよ。それ目当てで来るくらいだから」
ジャミル氏の問いかけに私はそう言って手を振る。
「ジャミル氏も……」
「留学生、なぜここにいる?留学期間は終わったはずじゃないか?」
そんな声に見上げる。
「クルーウェル先生お久しぶりです。バイト誘いにきました」
「バイト?」
そう言って首を傾げた彼に私は説明する。
「先生もサムさん達と来ます?あの人買い付け行きたいって言ってましたし」
「留学生先輩、先生も誘うってすごいな……」
「いや、なんか話が回りまくって大人数になりそうだからさー、大人連れて行った方が楽じゃん?まぁ、先生来るならサムさん誘ってきてくださいね。土曜日朝……7時に鏡の間……いや、うーん、崖の上あたり……いや、鏡の間でいいか。鏡の間集合で」
そう言っていたら、私が使った鏡に人がうつる。トルストイである。
「おい、ナマエ。アルタが探してたぞ」
「もう戻るよー。トルストイ、スケッチいくの?首長竜にさー水ぶっかけてもらったら楽しくない?」
「ある程度小型じゃないと、ゲストが踏み潰されるだろ。あと今日はそっちじゃなくドラゴンだ」
「あぁー、可愛いよね、あの子。いってらっしゃい」
「お前は戻るんだよ。アルタがキレるぞ」
「はぁい。じゃあねー、また土曜日に」
そう言って軽く手を振って鏡をくぐる。魔法式を解除して私はアルタのところに向かった。
「まぁ、注意事項なんだけど、向こうは耳尖族とかケモ耳族とかツノ生えてる像ってあんまりいないから魔法でわからなくするのと、まぁマレウスくんのは出力制限するね」
と、説明しておかねばなるまい。まぁ仕方ないとなるのはいいだろう。
「でも何でこんな朝早いんですか?」
「大人数になると、汽車で来た方が説明楽だからね。汽車で寝てていいよ」
そう言えば、汽車?と周りは首を傾げる。
「学園長の許可取って崖の方に止めてます。帰りは鏡かもですけど」
「それってやっぱり、ホグワーツ特急?」
「そうだよー」
監督生の言葉に私は頷く。とりあえずみんなで移動すれば、学園長と話していた運転士さんが私に気づいて手を振った。
「お待たせー、ヨーグルさん」
「いや、興味深い話を聞けたよ。やっぱり違う世界は違うんだね」
「まぁ、飛行機とかあるみたいだしね。みんな乗って乗って」
そう言えば、彼らはとりあえず乗り込む。私は巨大な鏡を使って世界を繋いで線路回収係だから。そのまま世界を跨いで、ホグズミード駅に着くわけだけど。
「組み分け帽被るとほぼスリザリンになる気がするから、適当に色だけ振り分けるかな」
「組み分け帽?」
「闇の鏡みたいな感じですかね。私の学校には四つの寮があって、組み分け帽が個人個人を分けるんです。勇敢なグリフィンドール、忠誠心があるハッフルパフ、狡猾なスリザリン、知的なレイブンクロー」
私の説明に、先生とサムさんが「確かに」と納得したが多分二人もそっちだとおもう。
「でもちょっと被ってみたいなー、とか言って」
「それはいいよ」
「いいの!?」
「校長、心広いから私達が好きにしてても怒らないし」
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